七
吊るされた照明は豪華に灯りを灯し、壁面は白で統一されているからか照明の橙に照らされてベージュに染まっていた。
壁にも等間隔で簡易的な照明が付いており、中央の空間には巨大なテーブルが鎮座していた。
椅子は全部で十脚、その内六つは齋藤、染島、南雲、塩原、蒼野、河野で埋まっていた。ほとんど定位置が決まっているのだろう。堂山も蒼野の横の椅子にかけた。
佐古下は南雲と塩原の間の空席にかけた。
簡単な自己紹介を済ませる。
齋藤は中年の男でややふくよかな体形である。顔のつくりは悪くなく、童顔だった。愛想よく話もするため佐古下からしても印象は悪くなかった。結婚指輪はしていない。
染島は女子高生らしい快活な印象であった。歳が近いのか、はたまた学生というカテゴリが同一だからか、よく話しかけてきた。
南雲はどうやらその染島と付き合っているようである。短くした頭髪、日焼けした肌、サッカー部のようで、ほとんど話さない。彼は人見知りのようだった。南雲の話のほとんどは染島が聞いてもいないのに話し出していた。
塩原は無口であった。南雲とは違い、人見知りというよりは他の人をやや敵意しているようなそんな印象だった。
蒼野もよく話してくれた。絵本作家のようで柔和な性格であるようだ。どちらかというと話を聞くのが上手い。染島とは相性が良いようだった。
河野は背が高く、面持ちもハンサムである。左耳のピアスの痕が並列に三つ空いているのが気になったが、二十代以下の女性陣へと体を向けて会話に入っていた。気安いのかもしれない。少しだけ気障っぽいと思った。
佐古下は用意されたパスタを口に運びながら、各々をそのようにインプットした。
堂山は佐古下の話した霊界の話は口にしなかった。佐古下も今はそのときでないと判断し、終始世間話に花を咲かせていた。
食事は当番制で用意することとなっているようで、今日は蒼野がその番だった。食後は各々のタイミングで食堂を後にした。
堂山と齋藤は二人で会話しながらお互いグラスを持って隣のサロンへと消えていった。また飲むのだろう。
食器を片付ける蒼野の様子を見て、佐古下も立ち上がって手伝うことにした。
「いいんだよ。私が当番だし」
「私は料理ができません」
「え?」
「しれっと蒼野さんを手伝っていれば、当番が蒼野さんとペアになれますよね?一人で料理が怖いんです」
佐古下はいたずらっぽく微笑んだ。
「じゃあ簡単な料理、今度教えますね」
蒼野は柔らかい表情で返した。
佐古下が洗った食器をタオルで拭いて蒼野に手渡す。
蒼野は食器棚の元あった場所にそれを収めていった。
二人でやれば後片付けもすぐに済む。蒼野がコーヒーを淹れる、というのに佐古下は甘えた。
わざわざ食堂で飲むのも落ち着かないからか、蒼野は淹れたコーヒーを近くのカウンターに置いた。
佐古下は黒く揺蕩うコーヒーを火傷しないように啜った。
「佐古下さんは怖くない?」




