第45話「愛の勝利」
ボイオティア同盟軍の主力であるテーバイ軍は、手を休める事無くひたすらにスパルタ軍に対して攻撃を仕掛けていた。
目の前のスパルタ軍はファランクスの縦深が十二列なのに対し、テーバイ軍は兵力を徹底的に集中させ五十列もある。この常識外れの戦力配分により、いかにスパルタ軍の兵士が精強であろうと、数の暴力により消耗し、最終的に勝利できると言う作戦である。
だが、この作戦には盲点がある。実際に戦う兵士達は、感情のある人間である。恐るべき殺戮者であるスパルタ軍に次々とぶつかっていくと言う事は、兵士の命が次々と失われていくことに他ならない。
実際、テーバイ軍の一部隊を率いて戦うイアソンの周囲には、無残に殺された仲間の死体が散乱していた。まだまだ後方の兵力には余力があるが、普通ならもうそろそろ士気が崩壊してしまってもおかしくは無い頃だ。
だが、そうはならなかった。
「攻め続けろ! ここで退いたら今までの戦いが無駄になる。攻め続けるんだ! そして、あいつらを……神聖隊を信じろ! あいつらなら必ず決着をつけてくれる!」
「おう!」
最前線で戦い続けながら、イアソンは味方を激励し続けた。それを受けた兵士達は更に猛烈な攻撃を継続する。
イアソンは、元々神聖隊の事が好きではなかった。必要に応じて招集される市民軍が主体であるギリシア世界の軍隊としては、常設されポリスの資金で養われる神聖隊は異端の存在であった。こんな部隊は、民主制を危うくする存在とさえ思える。何よりも全員が同性愛者で構成されているなど、正気の産物とは思っていなかった。
だが、宿営中のイアソン達がスパルタ軍に夜襲を受け全滅の危機に陥った時、危険を冒して助けに来てくれたのは、神聖隊の兵士だった。おかげでイアソン達市民軍や、集落の民の命も救われる事となった。代償として先陣を切って救援に駆けつけた兵士は重傷を負い、未だに意識が回復していないと聞いている。
神聖隊に対する見方が変わった訳ではない。だが、彼らの実力や、我が身を顧みない勇猛さ、他者に対する優しさは肌で感じ取る事になった。
ならば、今は神聖隊を信じて自分達の役割を果たすべきだ。この考えは、イアソン達神聖隊に助けられた兵士を通じて、今やテーバイ軍全体に共通している。だからこそ、彼らは自分の命を賭してスパルタ軍に立ち向かっていけるのだ。例えそこに死が待っていようと、最終的に神聖隊が作戦を成功させてくれると信じているからだ。
テーバイ軍がこの様な戦いを展開すると、それに応じるスパルタ軍としては困ったことになる。スパルタ軍の何倍もの兵力が、命を捨てて襲い掛かってくるのだ。これには生粋の戦士であり勇猛な事で知られるスパルタ軍も動揺してしまう。普通なら、序盤に強烈な一撃を加えてやれば相手は怯むのが当たり前だ。怯んだ敵は例えスパルタ軍の何倍もいようと、物の数ではない。これが、これまでのスパルタ軍の輝かしい戦歴を支えてきた理由であった。
しかし、この様に殺されても殺されても、勢いを弱める事無く攻撃して来る敵は初めてだ。これではさしものスパルタ兵も体力を消耗していってしまう。更に、こうも不気味な敵を相手にしていると精神まで擦り減ってしまうのだ。スパルタ軍は、今初めて敵に対して恐怖を感じていた。
テーバイ軍の主力が消耗戦を繰り広げている時、シシュポスが所属する神聖隊は、側面に回り込もうとしてきたスパルタ軍別動隊に突撃を開始していた。
ファランクスの密集隊形を維持したまま、柔軟かつ機敏に機動する事は普通なら出来ない。これは戦闘のプロたるスパルタ軍にしか出来ない芸当だと思われていた。だが、今日神聖隊は、その伝説に終止符を打った。他の軍隊では追いつけないと言われていたスパルタ軍の機動に、神聖隊は見事追いついて見せたのである。有利な態勢から攻撃しようとしていたスパルタ軍別動隊は、その出鼻を挫かれて混乱に陥りる。騎兵なら追いついてくることもあるだろうが、今は別の場所で戦闘しているはずである。また、軽歩兵も軽装な分スパルタ軍についてこれるかもしれないが、戦力差が圧倒的である。つまり、自分達に脅威を与える部隊はいないはずだった。しかし、重装歩兵である神聖隊がこうしてスパルタ軍に匹敵する機動力を発揮し、襲い掛かって来たのである。
スパルタ軍は戦闘のプロだと述べたが、これは神聖隊も同様である。必要な時にだけ招集される一般の市民兵と違い、神聖隊は常設の部隊であるため生活の殆どを戦闘訓練に費やしている。だからこそ、スパルタ軍と同様の動きが出来たのである。
神聖隊の先頭を行くのは、神聖隊の指揮官であるペロピダス将軍である。本来なら指揮官は安全を確保しなくてはならないため、先陣を切って突撃するのは避けなければならない。しかし、今回の様に複雑な機動をする敵に対して柔軟に対処するためには、将軍自ら先頭を行き部隊を導かねばならないのだ。
そして、シシュポスはペロピダスのすぐ横に並んで進み、彼を護衛していた。
これは、未だに意識が戻らない彼のパートナーである、デミトリアスが望んでいた役割だ。デミトリアスは彼が思慕するペロピダスが、スパルタ軍との決戦で危険を冒して戦う事を予想していた。だからこそペロピダスをすぐ近くで守りたいと願っていたのである。そしてデミトリアスが戦えない今、シシュポスはデミトリアスに代わってその願いを叶えてやるつもりなのである。
この日のシシュポスの姿は、ポリスから支給された輝く真新しい青銅の鎧兜を身に纏い、その少年の様な顔立ちもあってまるで神話に登場する英雄の様である。また、手にする武器は一般的な重装歩兵が持つ手槍と盾ではない。二振りの剣だ。
片方は、父親の親友にしてテーバイ軍の総司令官であるエパミノンダスから送られた物、もう片方は、デミトリアスが所有していた物である。デミトリアスの意思を受け継ぐというシシュポスの決意の表れだ。
この時代、系統立てた剣術はまだ存在しておらず、二刀流の技術も確立されていない。だが、シシュポスは二振りの剣を自由自在に操り、ペロピダスを狙って群がるスパルタ兵を血祭りに上げていく。さながら戦争の神アレスが乗り移った様な苛烈な戦いぶりだ。
父親を殺されているのに加え、自分が敬愛するデミトリアスが、スパルタ軍により重傷を負ったのだ。復讐としてその戦いぶりが苛烈になるのは、自然な事だ。特に、デミトリアスの件に関してはまだ記憶も新しい。
いや、敬愛するだとかの曖昧な表現はもう止めにするべきである。シシュポスは、自分のデミトリアスに対する感情は、まさしく愛である事を自覚していた。
元々同性愛者ではなかったシシュポスだが、デミトリアスと寝食を共にし、共に試練を乗り越えてきたのだ。それに加えてデミトリアスは誰からも一目置かれる立派な男である。惹かれるのは当然の事だ。また、かつてスパルタ兵に殺されそうになっていたシシュポスを助けたのは、デミトリアスであったことをつい最近知った。もしかしたら、その日からデミトリアスの影を追い続けていたのかもしれない。
そんな事考えながら戦うシシュポスだが、その動きには全く隙が生じない。本能的に剣を振るい、敵を屠り続けた。神聖隊に入隊してからの訓練では、どんなに苦しくて意識が正常に保てなくなりそうになっても、体だけは動かし続ける様に努力し続けてきた。それが今発揮されているのだ。これも、デミトリアスの指導のおかげだ。
最前線でシシュポスが血の嵐を巻き上げて、敵陣を切り崩していくとその後に神聖隊の主力が突撃していく形になる。防御力が非常に強いファランクスであるが、ここまで崩されてしまうともう駄目だ。整然と隊列を保つ神聖隊と槍を交えると、一挙に壊滅的な被害を受けてしまう。
スパルタ軍が形勢逆転のために繰り出した別動隊は、ここに壊滅する事になる。そして、勢いを殺さず、神聖隊はスパルタ軍の後方目指して突き進んでいく。
開戦の前、ペロピダスはエパミノンダスから、こう指示を受けていたのだ。
スパルタ王クレオンブロータスの首を獲れと。
かつて、エパミノンダスが神聖隊にボクシングでの戦い方を披露した際、威力は弱いが手数に勝るジャブで相手の攻撃を妨害し、消耗させ、とどめに相手の脳を揺らして意識を刈り取るフックをお見舞いして勝利して見せた。
今回のテーバイ軍の戦い方に置き換えてみると、ジャブは五十列もの勢力で襲い掛かる市民軍、フックは神聖隊である。つまり、スパルタ軍全体の意思を決定する指揮官を討ち取るのが今回の作戦の本当の目的なのだ。目が奪われがちな五十列の隊形は、そのお膳立てに過ぎない。
まさか別動隊があっさりと壊滅するなどとは、まるで予想していなかったのだろう。スパルタ王が位置するスパルタ軍の後方部隊は、出現するはずの無い敵が迫ってくることに対して恐慌状態に陥った。
その隙を逃さず、神聖隊は脇目もふらず突入を開始する。
この段階で戦闘になると思っていなかったスパルタ軍の首脳部は、戦闘隊形を組んでいない。そこに密集隊形を組んだ神聖隊が槍を掲げて突撃してきたのだ。スパルタ軍の最精鋭の兵士達も、あっという間に血煙に変えられていく。もしも彼らがこの事態を予想して、万全の準備をしていたのなら数に劣る神聖隊を返り討ちに出来たかもしれない。だがそれは後の祭りだ。
「進め! 狙うはスパルタ王の首ただ一つだ!」
「させるな! 何としても王を守れ!」
スパルタ王を討ち取らんと突き進む神聖隊を、スパルタ軍は何とか押しとどめようと防戦する。スパルタ軍の態勢は整っていなかったが、王の危機に気が付いた周辺の兵士達が自発的に集まって来る。本来ならこの様な散発的な抵抗は、大部隊同士の戦いでは無意味であるが、抵抗するスパルタ兵の数は多く精鋭揃いだ。流石の神聖隊も進軍の速度が緩み、隊形を維持できなくなる。戦いは乱戦に移行する。
乱戦になり、ペロピダスとはぐれたシシュポスは、スパルタ王を探して戦い続けていた。ペロピダスを護衛するために戦いに参加したのだったが、この段階においてはスパルタ王を倒す事の方が重要だ。この判断にはペロピダスも同意するだろう。
戦いながら、シシュポスは相手の動きを観察していた。敵は王を守るために戦っている。となれば彼らの向かう先に王がいるはずなのだ。
「見つけたぞ!」
程なくしてシシュポスはスパルタ王を発見した。シシュポスの視線の先には、幾人もの兵に護衛された男の姿があった。彼は一際見事な作りの鎧兜を身に纏い、周囲に対して何事が命令を発している。間違いないだろう。
「いたぞ! 進め!」
シシュポスの声を聞きつけた神聖隊の仲間たちが、スパルタ王に向かって突撃していった。その中には、シシュポスと親しいテセウスやクレイトスの姿もある。この激戦の中でも彼らは無事だったのだ。
テセウスをはじめとする神聖隊の兵士達の攻撃を、スパルタ王の側近たちが防いでいくため、スパルタ王に辿り着けた者はいない。
だが、護衛の兵士にも限界がある。神聖隊の襲撃を防いでいる内、スパルタ王の周辺に空白が生まれる事になった。
それを見逃すシシュポスではない。
「スパルタ王! 覚悟!」
二本の剣を振りかぶり、シシュポスはスパルタ王目掛けて突き進んだ。自分に向かって攻撃して来る兵士を発見したスパルタ王は、護衛の兵士が余っていない事を見て取り、速やかに迎撃の判断を下して槍と盾を構えた。
「そこそこやるな。だが、俺の敵ではない!」
「くっ」
スパルタ王との一騎討ちを開始したシシュポスは、予想外の強さに驚きを隠せなかった。王は、当然守られる存在である。その役割は指揮や決断であり戦士として優れている必要は無い。
だが、短いながらも剣を交えた感触では、スパルタ王の戦闘技術はデミトリアスを上回るものだ。
「言っておくがな、スパルタ王とは、スパルタで一番強い戦士と言う事なのだ。貴様如き若僧に負けると思ったか!」
このままでは、負ける。
味方と連携して戦えば、この怪物にも勝てる可能性はある。しかし、他の味方はまだ護衛の兵士達に阻まれたままだ。王の護衛はスパルタ兵の中でも最精鋭だろう。これを突破して来るにはまだ時間がかかるだろう。
ここでシシュポスが返り討ちに会えば、スパルタ王は安全な場所まで離脱してしまうだろう。そうなった場合、神聖隊は敵に押し包まれて全滅してしまうかもしれない。そしてそうなったならば、敵の主力と戦うテーバイ市民軍も壊滅的な被害を受けるだろう。
そうなったなら、またもやテーバイをはじめとするボイオティア地方のポリスは、スパルタの支配下に逆戻りだ。それだけは避けねばならない。
だが、シシュポスはみるみるうちに追い込まれていく。押し込まれた最中何かに躓いたシシュポスは態勢を崩し、その場に尻餅をついてしまった。
「誰か! 来てくれ!」
「助けなど来ぬわ! 死ねい!」
シシュポスの願いを嘲笑いながら、スパルタ王は止めを刺そうと槍を構えた。最早シシュポスの命運は尽きたかに思われた。
その瞬間、スパルタ王の盾に槍が突き立った。何処からか投じられた槍に、スパルタ王は警戒して引き下がる。
「何奴?!」
「俺の名はデミトリアス、お前が戦っていた兵士――シシュポスのパ……恋人だ!」
シシュポスは信じられない思いで戦場に現れた男の姿を見た。その男は見間違う訳も無い。確かにデミトリアスだった。
ここまで走って来たのだろう。全身に汗をかき、全身を激しく揺らして荒い息をしている。テーバイからこのレウクトラまで、260スタディオン(約50km)はある。
「ペロピダス様の屋敷で目を覚ましたら、このレウクトラで決戦があると聞いたんでな。リハビリがてらに走って来たぞ。シシュポス、よく戦ったな。あと一息だ。一緒にかたをつけよう」
持っていた槍をスパルタ王に投じたデミトリアスは、手ぶらであった。シシュポスに空いた手を差し出し、剣を渡す様に促す。シシュポスは借りていたデミトリアスの剣を返し、二人で並び立った。
「怪我が完全に治っていないのに、こんな所にきていいの?」
「居ても立っても居られないんでな。さっきも言った通り、リハビリみたいなもんだ」
「でも、よくここまで辿り着けたね」
「テーバイ軍の本陣に駆け込んだら、エパミノンダス様がお前たちはここに居るって聞いたんで、何とか辿り着けた。ちょうどいいタイミングだったようだな」
まるで世間話の様な会話をしながら、シシュポスとデミトリアスはスパルタ王との戦いを再開した。会話をしながらでも息はピッタリの戦いぶりで、先ほどまでとは逆にスパルタ王は追い込まれていく。
「えーい。貴様ら、一体何なのだ! 舐めているのか? 真面目に戦わんか!」
スパルタ王としては、まるで自分が無視されているかの様な対応をされながら戦うのは、面白くない。王と言う立場からこの様な扱いを受けた事は無いし、ましてやここは戦場で、スパルタ王と彼ら二人は交戦中なのだ。
「俺が寝ている間、お前が面倒を見てくれたんだってな。ありがとうな」
「そんな。当然の事だろう? 僕たちはパートナーなんだから」
「パートナーか……、実は今までそのパートナー関係について色々考えていたんだ」
スパルタ王の訴えもむなしく、シシュポスとデミトリアスの会話は続く。そして二人は戦いに関する何の合図も出していないのに、完全に連携の取れた動きでスパルタ王を圧倒する。
「俺は、ペロピダス様に惹かれて、そのお役に立とうとこれまで生きてきた、その気持ちは本当の事だ。だが、お前に出会い、お前と暮らしていく内にその気持ちが動いていったんだ。心変わりなんてするべきじゃない。そう思ったから、あえてお前と離れてペロピダス様の傍に行こうと思ったんだ。それに、お前が昔助けた奴だって事は最初から気付いていた。すぐに助けられなかった負い目もあった。それで、考えが中々まとまらなかったんだ」
「そうだったの」
「それで、今こうして自分の思いを整理してみると、今一番大切なのはお前なんだ。そう気付いた。心変わりなんかして、醜い男だと思うか?」
「いや、嬉しいよ。デミトリアス」
「貴様ら! いい加減に……」
「さっきからうるさいよ!」
「さっさと仕留めるぞ」
戦いの最中お互いの気持ちを確認し合あい、ある意味の決着をつけたシシュポスとデミトリアスは、戦いの決着もつけることにした。気持ちの整理がついた二人の剣は、更に鋭さを増してスパルタ王に襲い掛かる。防ぎきれなくなったスパルタ王は、全身のあちこちに切り傷を刻まれていく。
「ば、馬鹿な。何故この様な奴等に……」
スパルタ王には、今自分が置かれている状況が信じられない。自分達は世界最強のスパルタ軍であり、自分はその王なのだ。何故、この様な男達に追い詰められているのだろう。
「分からないのか? 愛だよ。愛」
「愛だと? そんなもの……」
「理解出来ないなら、それで良いよ。でも、僕たちの力の源は多分愛なんだ」
これは、単に性愛のみを意味しない。隣人愛、郷土愛、それらを全てひっくるめての愛だ。それらの総合的な結びつきが、今のテーバイ軍全体の強さを支えている。
もちろん、この戦いの中核となった神聖隊の男達の愛も、素晴らしい強さを発揮した。彼らの働きが無ければここまで戦ってこれなかっただろう。
まさに、プラトンがその著書で記述した「愛によって結ばれた男達の軍隊は、どの様な敵にも勝てるであろう」を現実にしようとしている。なにせ、世界最強と謳われるスパルタ軍を倒そうとしているのだから。
「覚悟! テヤッ!」
「そんな……ぐぅ」
傷だらけになり、動きが鈍ったスパルタ王の隙を捉え、シシュポスが剣を深々と心臓に突き刺した。スパルタ王はまだ信じられないと言う表情のまま、その命を落とした。
戦いに生き、愛を理解出来なかった男の最後である。
スパルタ王の死は、すぐに周囲に広まっていく。王を失ってはもはや戦い続ける事は出来ない。それまで勇敢に戦い続けてきたスパルタ軍の兵士達は、別人の様に敵に背を向けて退却していく。
勝利したテーバイ軍であったが、これまでの戦いの消耗は激しい。逃走するスパルタ軍を追撃する余力は無くその場に留まった。
世界最強のスパルタ軍を正面から撃破した喜びで、誰が言いだしたわけでもない勝鬨が響き渡る。皆、喜びを全力で表現したいのだ。
この日の戦いは「レウクトラの戦い」と呼ばれる事になるが、これを成し遂げたエパミノンダス将軍の名と、それを支えた神聖隊の名は後世まで人々の記憶に刻まれる事となった。




