第1章 オープニング~ミドルフェイズ
響ちゃんは転生者でオリジナルDロイスを取得しております。(技能がおかしい原因
共通オープニングシーン:覚醒
5月下旬のある日の昼休み、食堂で昼食を取った後、私、奏、沙羅ちゃんの三人は裏庭の花壇近くでおしゃべりをしていた。
なお、友絵ちゃんはハブっているわけではなく、ちょっと用事があるから、と後で合流する、という事である。
「でね、お母様がね…」
そうこうしていると、凄まじい殺気が私達を襲った。
「えっ?」
遠方から飛来した熱線が沙羅ちゃんの胸を貫き、直後、獣が飛び込んできた。
その突撃を奏がとっさに展開した盾で防いだ。
「くっ…ジャーム!奏!大丈夫!?」
「何とか…でも沙羅ちゃんが!」
「…まずは生き延びる事を考えるよ!こいつら追い払うか倒さないと治療もできない!」
とは言え、明らかに熱線が心臓を貫いている…助けようは…ない。
「っ!来るよ!」
行動値一覧
PC1 万田沙羅 5
PC2 金田友絵 11
PC3 霧谷響 6
PC4 霧谷奏 5
ジャームA(ブラスター、基本2 p264) 16
ジャームB(クラッシャー、基本2 p264) 6
初期配置 ジャームA←10m→(ジャームB、響、奏、沙羅)
特記:ラウンド1では沙羅行動不能、ラウンド2の沙羅の行動順にイベント(覚醒)、友絵はラウンド2のセットアッププロセスにPC初期エンゲージの右5mに出現。
ラウンド1
セットアッププロセス 行動者 無し
メインプロセス 行動者:ジャームA
マイナーアクション無し
メジャーアクション;主の右腕2+光の弓2 攻撃力8 RC射撃 視界 単体(霧谷奏)
3+9D CL10→達成値10
リアクション 霧谷奏 ガードを宣言、磁力結界の使用を宣言(侵蝕率+3)
ダメージ算出:8+2D10→25 ガード値算出 17+3D10→44 ダメージ0
10mほど先に出現していた光を纏う人間…おそらくジャームという奴だろう…は沙羅ちゃんを貫いたのと同じ熱線を奏に放った。
しかし奏はそれを紫電を纏わせた盾で弾いて見せた。
「ええい!獣も厄介だけれども動きが早い…まずはお前からだ!」
メインプロセス 行動者 霧谷響
マイナーアクション無し
メジャーアクション:コントロールソート(偽)(エフェクト無し) 攻撃力6 白兵 10m 対象:ジャームA 命中8+2D(CL10)→達成値15
リアクション ジャームA 回避を宣言。1+5D(CL10)→10
ダメージ算出 6+2D10→22 装甲値3 ダメージ19
ギリギリワイヤーウィップの射程内にいる光を纏うジャームに向けて私はワイヤーウィップを振るう。その一撃は見事にジャームを捉えるが、倒しきるには至らない。
「ギャオァ」
「しまった!」
技後硬直の隙を狙われ、獣のようなジャームの爪が私を襲う
メインプロセス 行動者 ジャームB
マイナーアクション 破壊の爪
メジャーアクション:獣の力2 攻撃力16 白兵 至近 対象 霧谷響 命中 3+10D(CL10)→達成値21
リアクション 霧谷響 回避を宣言。6+2D(CL10)→ファンブル
オートアクション 霧谷奏 輝く雷盾(崩れずの群れ+磁力結界) 侵蝕値5 ガード値 17+3(4)D10 特殊効果:カバーリング
ダメージ算出 16+3D10→27 ガード値算出 17+3D10→39 ダメージ0
…寸前、奏が割り込んできて紫電を纏う盾でその爪を弾いた。
「響!らしくない!ちゃんと周りを見て!」
「ごめん、奏、助かった。ありがとう」
そして奏はケモノのようなジャームが着地した瞬間をめがけてシールドを構えて突撃した
メインプロセス 行動者 霧谷奏
マイナーアクション無し メジャーアクション:シールドバッシュ(エフェクト無し) 攻撃力0 白兵 至近 対象:ジャームB 命中1+5D(CL10)→達成値17
リアクション ジャームB 回避を宣言。イベイジョン固定値23 回避
が、さすがにそれは避けられてしまった…と言うか、思っていた以上に素早いぞ、あの獣。
クリンナッププロセス 処理なし
ラウンド2
セットアッププロセス 金田友絵登場
配置 ジャームA←10m→(ジャームB、響、奏、沙羅) ←5m→友絵
「待たせたわね…って!沙羅!」
そうこうしていると友絵ちゃんがやってきた、やってきてしまった。
「友絵ちゃん!逃げて!」
「逃げる…?冗談じゃない!ジャームを前にして、それも友達の仇を前にして!響、貴女は私に逃げろと言うの!?」
「でも…」
そう言い淀んで気づく。というか、今、友絵ちゃんはジャームと言ったか、こいつらの事を。
「大丈夫よ、この程度のジャーム、すぐに討伐して見せるわ!私はUGNチルドレン、イリーガルの貴女達と違って戦う為に育てられたのだもの!」
…ああ、成程。訓練施設の職員さんが言っていた同い年のチルドレンの子が学園に通っている、と言っていたのは友絵ちゃんの事か。
そして、私達の事は資料か何かで知っていた、と。
メインプロセス 行動者:ジャームA
マイナーアクション無し
メジャーアクション;主の右腕2+光の弓2 攻撃力8 RC射撃 視界 単体(霧谷響) 3+9D CL10→達成値12
リアクション 霧谷響 回避を宣言 6+2D(CL10)→15 回避
そう思考していると光を纏ったジャームの放った閃光が私を襲うがそれはなんとか回避できた。
「我が銃よ!金色の弾丸を持って敵を貫け!」
メインプロセス 行動者:金田友絵
マイナーアクション ハンドレットガンズ 侵蝕値3
メジャーアクション 黄金の弾丸(カスタマイズ+コンセントレイト) 攻撃力19 射撃 30m 単体(ジャームB) 侵蝕値4 6+6D(CL7)→42
リアクション ジャームB ガード値を宣言
ダメージ算出19+5D10→50 ガード値算出 1 ダメージ49 ジャームB:戦闘不能
友絵ちゃんはそう言いながらその手に一丁の拳銃を生み出し、一発の弾丸を放った。
その一発は獣のようなジャームの頭部を的確にとらえ、一撃で仕留めた。
「…コレがチルドレンの力って奴か…って今は感心している場合じゃない!とにかく敵を倒さないと」
メインプロセス 行動者 霧谷響
マイナーアクション無し
メジャーアクション:コントロールソート(偽)(エフェクト無し) 攻撃力6 白兵 10m 対象:ジャームA 命中8+2D(CL10)→達成値15
リアクション ジャームA 回避を宣言。1+5D(CL10)→6
ダメージ算出 6+2D10→12
装甲値3 ダメージ9 ジャームA 戦闘不能 戦闘終了。
エネミーのHP
ジャームA:28→9→0
ジャームB:36→0
私は再びワイヤーウィップを振るい、光を纏うジャームの首を切り落とした。
「…結構、躊躇ないわね、響…って沙羅!」
私たち三人は沙羅ちゃんに駆け寄る…そこには確かに制服の胸に穴が開いた沙羅ちゃんが倒れていたのだが…様子がおかしい。
「熱い…熱い…熱い!」
沙羅ちゃんが意識を取り戻し、そう、叫び始めた。
「これは…覚醒?まさか、沙羅もオーヴァードになろうとしているというの!?」
「で、でも半分はジャームになっちゃうって…」
私と友絵ちゃんがそんな会話をしていると奏が沙羅ちゃんの手を握った。
「大丈夫だよ、沙羅ちゃん」
「奏ちゃん…?そこにいるの?」
「うん、いるよ」
「熱いの…体の奥が…燃えてしまいそうな位に!」
「そうだね、でも大丈夫、私を信じて…その変化を受け入れて」
「この熱いのを?でもそうしたら…自分が変わっちゃいそうで…怖いの」
「その熱いのは今、沙羅ちゃんを助けようとしているの。
だからそれを受け入れてあげて…それに変わっても沙羅ちゃんは沙羅ちゃんだから…大丈夫…ね?」
「う、うん…よくわからないけど…やってみる」
「うん、がんばって、沙羅ちゃん。ほら、響と友絵ちゃんも手を握ってあげて…って三人は無理だね…じゃあ友絵ちゃんは膝枕してあげて」
「「え?」」
「いいから、早く!」
「「ハ、ハイ!」」
珍しく怒気を孕む奏の声に私達は言われた通り…私は沙羅ちゃんの手を握り、友絵ちゃんは沙羅ちゃんに膝枕をして、おでこに手を当てた…
確かに、沙羅ちゃんの体温は燃えるように熱いと表現して差し支えないレベルであり、四肢の末端でコレなら体の中心ではどれだけの熱が籠っているのだろうか。
「ああ…気持ちいい…」
そうこうしていると昼休みの終わりの鐘が鳴った。
その頃には沙羅ちゃんの体温も精々微熱くらいまで下がり、息も落ち着いていた。
「驚いた…この覚醒時の処置法、教えてない筈なのに…」
そんな声が降って来て、そちらを向くと、スーツ姿の養母が同じくスーツ姿の養父と見た事のない30代半ばぐらいの男性と共に立っていた。
そして、気づけばジャームの死体を作業員らしき人達が回収していた。
「「お父さん!お母さん」」
「尾崎支部長!」
それは、私達の保護者達であった。
ミドルシーン1:事情聴取
「じゃあ、奏があの対処法を思いついたって言うの?」
学園を四人で早退し、私達3人(沙羅ちゃんは精密検査だそうである)への事情聴取の後、養母から奏はそんな言葉をなげかけられていた。
「うん…ジャームにならない為には他の人との繋がりが大切だって言っていたから…手を握ってあげればいいのかな、って。
それにレネゲイドって無理に押さえつけすぎると逆にもっと暴れようとするし?」
「あーうん…十分な研究ができているわけではないけれども、確かに親しい人がそばにいて、呼びかけるって言うのはオーヴァード覚醒時のジャーム化防止に効果があるんじゃないか、って言われてはいるわね」
「そうだね、確かにそう言う話は聞いた事がある…まあ、抑えすぎが良くないって言うのはどことなくFHの発想になるけれども…
死にそうになっているのをレネゲイドが助けようとしているのにそれを邪魔したらもっと暴走するというのはあり得るかもね」
「成程…よくわかった。
とにかく三人とも休みなさい…万田君の検査が終わるまで待ちたいだろうし、ね」
そういう訳で私達は沙羅ちゃんの検査が終わるまで、UGNの施設の休憩室で休む事になった。
「でも驚いた、友絵ちゃんがチルドレンだったなんて…それに私達がイリーガル登録しているのも知っていたんだね」
「何時か言おうとは思っていたんだけれども…響の身のこなしが明らかに素人のソレではなかったし…
二人とも腕輪型の携帯盾をいつもつけていたからちょっと気になって調べてもらったの…ごめんなさい」
「うん、まあ気にはなるよね。響って武人って感じがするし」
「気にしなくていいよ…でも沙羅ちゃんはどうなるのかな?」
「どう…って?イリーガル登録して日常に戻る…っていう流れじゃないの?」
友絵ちゃんが暢気にそう言う。
「でも、沙羅ちゃんって神城グループの幹部の血縁だよね?
勝手にUGNに引き込むわけにはいかないんじゃないのかな」
「アーそう言う事か…確かにそうね…尾崎支部長で話が済まない可能性もあるわね…」
そうこうしていると、沙羅ちゃんの検査が終わった、という知らせが届いた。
ミドルシーン2:説明
「沙羅ちゃん!」
UGN神城市支部支部長の尾崎さんに連れて行ってもらった、UGNと神城グループが共同運営する病院の一室(個室)に私達は駆け込んだ。
「コラ、病院では静かにしなさい、奏さん」
「ハ、ハイッ!」
そこには沙羅ちゃんの付き人の吉野咲楽さんがいた。
「アレ?どうして吉野さんがいるんですか?」
「どうしてもこうしても…お嬢様が早退なんてしたら私に情報が飛んで来るに決まっているでしょうに、例え、R事案だったとしても、ね。響さん」
「…と言う事は吉野さんはこちらの事情にも通じておられるのですね?」
「いいえ、通じている、と言うほどではないですよ。
元々知っていたのはR事案と呼ばれる極秘事案が存在する事、位ですね。
そして、お嬢様がそれになってしまわれた事で御党首様から私にも一定の情報開示があったのですよ、友絵さん」
「と、言う事は私が一番状況を掴めていないと言う事ではないですか…ズルいです」
そう言って沙羅ちゃんがベッドの上で頬を膨らませた。
「お嬢様はその説明をこれから受けられるのでしょう?
私はその為の予備知識を与えられただけの事です…貴方がUGNとやらの尾崎さんですね?
ちゃんとしたご説明を。
後、既に話は通っているとは思いますが今晩は当家の屋敷に来て頂いてきっちりと釈明をして頂く事になります」
そう言って吉野さんが尾崎さんを睨んだ。
「釈明…ですか。まあ、こちらに特段不手際があったわけではないのですが、そちらのお嬢様がジャームの被害に遭われたという点は深くお悔やみ申し上げます。
オーヴァードとなったとはいえ、生存しており、レネゲイドが比較的安定しているのは不幸中の幸いですな」
「ぬけぬけと…この神城市で活動ができない様にしてやろうか」
「それは困りますな、似たような事案が発生した際に事態を早期に収束させる事が難しくなります…
と言うより、あのクラスのジャームが2体連携していたという時点で本当はもっと惨劇が広がっていても不思議ではなかったのです。
死者ゼロで済んだのは本当に奇跡と言ってもよい」
「…まあ、よいでしょう。まずは説明を…お嬢様が待ちくたびれています」
「ええ、もちろんですとも。その為に私は参ったのですからね」
そうして行われた説明はほぼ私達が養父からされた説明と同じものであった。
追加されていたのは神城グループとレネゲイドに関するかかわりについて…まあ、13年くらい前に日本政府がレネゲイドの存在を知った際に神城グループに研究協力がなされた、と言う位か。
そして、沙羅ちゃんのシンドロームはサラマンダーと呼ばれる、熱(炎と氷)を操る物らしい。
「成程…まあ、先代会長に関するお話は省かれたようですが、構わないでしょう。
大体はわかりました。
私に与えられている予備知識とも矛盾はありません…お嬢様、何かご質問はございますか?」
「いえ、特には…でも、秘密だったとはいえ、私だけ除け者だったなんてひどいですよ?
友絵ちゃん、響ちゃん、奏ちゃん」
「私達が友絵ちゃんもオーヴァードだって知ったのは今日の事だから…
友絵ちゃんの方は知っていたみたいだけれども」
「友絵ちゃん?」
そう、沙羅ちゃんにジト目で言われて友絵ちゃんはそっと目をそらした。
「お嬢様、お戯れはそれくらいにしてください。
そろそろ帰らねば御党首様方との面談に差支えがあります」
「え?おじい様達との面談ですか?」
「ええ、こちらの尾崎殿から御党首様相手に事情説明をして頂く事になっております。
その席には当事者としてお嬢様にもご列席頂く事になっています」
「わかりました…と言う事はもう退院できるのですね?」
「ええ、異常なし、との事ですので。
オーヴァードとしては、と但し書きがつきますが」
「フフ…そうですね…では友絵ちゃん、奏ちゃん、響ちゃん、また明日お会いしましょう」
「うん、また明日」
「また明日ね」
と、いう訳で私達は沙羅ちゃんの病室を辞し、一度UGNの施設に戻ってからそれぞれ家路についた。
ミドルシーン3:面談 万田沙羅視点
「…と言うのが今回の速報として我々が把握している情報となります」
「成程…まあ、そちらに故意や重過失がない、というのは承知した。
とは言え、完全に過失が無かったかという点には議論の余地があるかと思う」
「その点に関しましては、我々UGNと言えども監視社会の主である訳ではありませんので…
むしろ、現場に我々の教育を受けたイリーガルエージェントとチルドレンが偶然近くにおり、適切な対応を取った為、そちらのお孫さんが生存し、またジャーム化する事態を防げた、と考えております」
「そこじゃよ、尾崎殿。オーヴァードの協力者がいたのも関わらず、第一撃を防げなかった点に過失はないのかね?」
「無理ですね。戦場ならまだしも、日常生活の場で突然襲われて即座に立ち直って反撃に移れた事をもって、私は彼女らを称賛したいくらいです」
私の目の前でお爺様に今回の件の説明がなされ、尾崎支部長とお爺様はそんな話をされています。
当然、退屈でたまりません。
「ふむ…よろしい。新しい事実が無い限りは、そちらに過失はなく適切な対応がなされた、という事で同意しよう」
「助かります」
「で、孫の今後の事だが…孫に何かさせるつもりはあるのかね?」
「本人が望まない限り、イリーガル登録をする事もないですし、イリーガル登録をしてもまだ10歳にもならない子供を積極的に戦いの場に引きずり出す事を私は望んではおりません」
「フム…その割にそちらの組織にはチルドレンという子供たちがいるようだが?」
「それを言われると痛いのですが、基本的にはチルドレンたちも、特に小学校も卒業していないような年少組に関しては、私は、戦力というよりも保護すべき対象だと考えています。
ただ、人手不足という点ではその戦力に頼らざるを得ないと言う事も有りはしますが」
「私は、か。なるほどな。
力の使い方について教えて欲しい、となればイリーガル登録は必要になるのだろう?」
「ええ、戦い方、となるとそうならざるを得ません。
まあ、定期的な検査と最低限の力の管理法の教育はイリーガル登録の有無にかかわらず行いますが」
「なるほど…沙羅、お前はどうしたい?」
「わ、私は…イリーガル登録したいです…だって響ちゃんや奏ちゃんもイリーガル登録しているのでしょう?
置いて行かれたくないです!」
突然飛んできた質問に、私は思わずそう答えていました。
「今日よりも辛い…痛くて怖い思いをするかもしれないぞ?それでもか?」
「それでも、です!
そんな思いを響ちゃん、奏ちゃん、何より友絵ちゃんがしているのに、私だけのうのうと暮らしているなんて嫌です!」
「なるほど…と言う事らしいが、頼めるかな?尾崎殿」
「ええ、もちろんです、万田殿」
そういう訳で、私はオーヴァードとして戦い方の訓練をする事になるのでした。
ミドルシーン4:訓練
沙羅ちゃんが訓練を受け始めてから暫く経った6月上旬のある日の事…
ここ最近は沙羅ちゃんの訓練に付き合う形でほぼ毎日、私達はUGNの訓練施設に通っていた。
既に沙羅ちゃんはイリーガルエージェント向けの基礎教育を終え、炎で出来た弾丸を射出する事が出来るようになっていた。
「上出来ですね、護身・支援攻撃としては十分な威力だと思います。
相手の守りを貫く効果を乗せられるというのもいいですね」
「と、言う事はまだまだなのですね…精進しなければ」
「アハハ…まあ、うちの支部長の方針で通常は主力として出撃するのはチルドレンでも12歳以上、イリーガルは15歳以上って事になっているから無茶な訓練はしちゃだめだよ?
この上達速度は結構…と言うかすごく早いんだから…無茶して潰れたら意味がないよ」
訓練施設の職員さんは乾いた笑いを浮かべながらそう言っていた。
そんな横で、私と奏は白兵戦の訓練として模擬戦をしていた。
概ね、私が西洋剣で攻撃し、奏は盾でそれを防ぐ、という感じになるが。
友絵ちゃんはシューティングレンジで射撃訓練をしているらしい。
そうしていると突然、警報が鳴り、館内放送が入った。
『緊急事態発生、ランクA、全ての職員は戦闘態勢を行い、所定の指揮系統に入れ。
繰り返す、緊急事態発生、ランクA、全ての職員は戦闘準備を行い、所定の指揮系統に入れ』
「何事!?」
「わからない…でも、相当の何かが起きた、という事はわかる」
「ランクA…大規模なジャーム発生クラスの事件ね…もしかしたら私達も駆り出されるかもしれないわ」
友絵ちゃんがそう言って厳しい顔をした。
そして暫くの後、私達の携帯電話にも召集を知らせるメールが送られてきた。
ミドルシーン5:任務
メールに書かれていた招集先のUGNの施設…と言うか養母が務める緑丸清掃株式会社の事務所に向かうと、そこには養母を含む数名のUGNエージェントらしき人物と10名程度のイリーガルエージェントらしき人々がいた。
「概ね揃ったようですね、それでは事態を説明します」
養母がそう言って説明を始める。
「今回は神城グループからの救援要請です。
どうやら、神城市郊外にある研究所でレネゲイドに関する実験をしていたようなのですが…
重大事故が発生、極めて強力な個体数体を含む複数のジャームが脱走した、と言う報告です。
現在、UGN神城市支部は戦闘部隊を派遣、事態の鎮静化を図っています。
しかし、どうやら数が多く、研究所内で事を収めるのは困難であり、市中心地区方向にジャームを逃がさない為には包囲網を敷く必要があるとの判断に至りました。
皆さんにはその包囲網を構成する要員として出撃していただきます」
その説明に対して、場の空気が若干弛緩する。
「確かに、直接戦闘の任務ではありません…が、現在得られている情報から包囲網を形成する各隊にも交戦が発生する事は予期されます。
気を抜かない様に…それでは、隊の割り振りを発表します」
そういう事で発表された割り振りは私達4名を養母が引率する、という形式であった。
「「よろしくね、母さん」」
「ええ、がんばる…と言うのも変だけれどね、生きて日常に帰れるように頑張りましょう。
極力、貴女達には交戦させないつもりだけれども、状況によっては交戦をお願いするかもしれないから覚悟しておいてね…出発前に少し時間があるから何か物資の補給が必要なら考慮はするわよ」
「それじゃあ…バックラーの予備ってありますか?私と沙羅に欲しくて…」
「…ごめんなさい、予備のバックラーは1つしかないわ」
「じゃあ、沙羅に支給してください」
「え?私、盾なんて使った事無いよ?」
「ないよりはまし程度だけど身を守るだけなら構えるだけよ、何とかなるわ」
「う、うん、わかった」
「私は…いいかな。所で、お父さんは?」
「あの人は別行動よ。アレでも戦力としてはかなりの者があるから…」
そう、養母は遠い目をした。
そんなやり取りをしている中、私は思索にふけっていた…今回の原因はいったい何なのだろう、と。
「お母さん、ちょっと末端借りるよ」
「ええ、構わないけれど、イリーガルのアカウントで引き出させる情報には限りが…ってあなたノイマンだったわね」
「そう言う事」
生き字引を使用、情報UGNを選択、達成値25
そして私が見つけ出した情報を総合すると…コレは単純な事故というよりは、
恐らく研究員の暴走かFHの潜入工作が引き起こした事件である。
その推測を裏付ける情報として、他都市の神城グループの研究所で似たような事故が発生している、という事まで出てきた。
「…って事なんだけれど」
「…うん、大正解ね。多分、そうなんじゃないかな、って上層部は考えているみたいよ…
まあ、そろそろ北条建彦氏には引退頂く必要があるかもしれないわね…
決めるのは私達じゃなくて神城グループの面々だけど…ね?沙羅ちゃん」
「わ、私ですか!?」
「あ、うん。沙羅ちゃん本人じゃなくて…
任務が終わったらお爺さんに今の事を話して?
多分そういう事だよね?」
私のその問いに対して、養母は黙ってニコニコとしていた。
ミドルシーン6:任務(裏) マスターシーン
「あーみんな、すまない。結構な事件が発生した。
事案自体は最近よくある神城グループの研究所の事故だが、場所が悪い…
よりにもよって、連中、神城市郊外の研究所で事故を起こしやがった。
事態の解決に向けてUGNの連中が動いているが、包囲網形成には人手不足は否めない。
そこで、連中の包囲網を突破したジャームが出た場合の遊撃殲滅と、どうしても薄くせざる得ない郊外方向の補強を行う。
まあ、俺達の欲望の為、ちょっとばかり力を貸してほしい」
そんな動画が携帯端末に配信された…まあ、セルリーダーからのちょっとしたお仕事、という奴である。
戦いに疲れて神城グループへの潜入工作を行うセルに転向した俺達ではあるが、まあ日常を守る為であれば多少の汗をかく程度、やってやっても構わないか…
そう思考を巡らせた俺はリーダーに了承の返事を送り、配置図を受け取ると指定ポイントへ急行するのであった。
覚醒時の対処法、は完全に推定。まあ、ロイスというアンカーで自我を引き留める事で精神的ショックをやわらげ、肉体的変化に対して無理に抵抗しないで受け入れる事で肉体改変のダメージも和らげるというオーヴァード覚醒時のジャーム化対策になります。確実ではないですがジャーム化率は大きく下がり、肉体変質によるショック死の可能性も多少下がる、という独自解釈。




