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キャンペーン導入(ヒロイン姉妹の誕生から初等部入学、1年生の6月まで)

前作ちまちま書きつつ色々と手を伸ばしていたら台分話が溜まった為、投稿させて頂きます。

前作未読・未完でも問題ない程度には各作品は独立しています。

前回の誕生と同様に子宮内の胎児として意識を得た私はこれまた前回同様に生まれ、母に抱かれていた…違うのが、双子である事、そして、両親らしき人物が不穏な会話をしている事である。

「亰香さまへの忠誠を抜きにすれば組織を抜けて律とこの子達と生きるというのも選んでしまえる位にはこの子たちが愛おしい…もう一度だけ聞こう、こちらに来るつもりはないな?律」

「すまない、鈴音。それは選べない…散々議論したとおりだ。

互いに必ず追手が放たれる身分であるし…なにより、俺がそれを選べない…」

「そう…だな…すまない、響(ひびき)、奏(かなで)」

と、いう訳で私達は捨てられて、孤児院に預けられ…と言う話なのであるが、まあ、若干ネグレクト気味ではあるがある一点を除けば普通の孤児院?だったので話を3歳まで飛ばす。


ちなみに、その一点とはこの孤児院には不思議な力を使う子供たちが多くいた事である。

かくいう私とその双子の姉妹…奏もその一員である。

私は幼児にしては…と言うか大人の身体と比しても機械の補助なしなのに異様に頭が回る身体であるし、周囲の空間を支配下に置くことが出来る。

奏は異様に体が柔らかく、丈夫であり、かつ感情が高ぶると電気を纏っていたりする。




3歳になった冬のある日、私と奏は院長室に呼び出されていた。

「奏、響、貴女達を引き取る霧谷彰吾(きりたにしょうご)殿です」

「どうも、霧谷彰吾だよ、奏ちゃん、響ちゃん。お父さんって呼んで欲しいな」

そこにはビジネススーツを着た、20代前半くらいの優男が立っていた…が、戦士としての本能がこの人は強い、と囁く。

「お父さん…ですか?」

「そうだよ、奏ちゃん」

そう言って霧谷彰吾と名乗った男が奏の頭を撫でる。


パチッ


感情の高ぶりゆえか、奏の電気を発し、操る能力が漏れた。

「あっ…ご、ごめんなさい」

「大丈夫だよ、奏ちゃん」

そう言って霧谷彰吾は奏を抱きしめた…この男は信用できる…かもしれない、と私は思っていた…ちょろいな、私。




その後、車で送られて住宅地にある一軒家にやってきた。

「ただいま!優花(ゆうか)!」

霧谷彰吾…お父さんがそう言って扉を開けた。

「お帰りなさい!彰吾!奏ちゃん!響ちゃん!」

扉の向こう側にはエプロンを付けた20代前半くらいの女性がいた。

「えっと…ただいま、です?」

私は戸惑いながらそう返す。

「うん、そうね。お帰り、響ちゃん。ほら、奏ちゃんも」

「あ、はい。ただいまです」

「お帰り、奏ちゃん。貴方達のお母さんになる優花よ、よろしくね」

こうして、私達は霧谷家の娘になった。




それから、私達は普通?に生きていた。養父母は共働きであり、昼間は妖花(ようか)を名乗る養母の分身(分体?)に世話をされ、能力の制御方法を教わっていた。

で、あるから不思議な力を使える事はこの世界では普通なのかと思っていたが、家の外では能力を使わないように、と強くしつけられたので、世間的にはそうではないのだろう。

などと思っていたら学校における初等教育が始まる年齢が近づいてきた。

両親に付き添われて神城学園という学校に入学試験に行った。

その神城学園は幼稚園・初等部・中等部・高等学校・大学・大学院を兼ね備えた学園で養父の勤める会社…と言うかグループが運営する学園らしい。

で、二人そろってその学園への入学が許可された。




そしてその年の年末のある日…6歳の誕生日、私達は能力について説明を受けていた。

「今日は俺達が使える能力について説明しようと思う」

誕生日の朝食後、養父がそう言った。ちなみに、私達の誕生日にかこつけて両親ともに休みを取ったらしい。

そして両親が説明してくれた事を纏めると…


・この力はレネゲイドと呼ばれるウイルスの様な物に感染している為に使用できる力であり、その力を持つ生物の事をオーヴァードと呼ぶ。

レネゲイドには人類の大半が感染しているが、オーヴァードになるのはごく一部であり、オーヴァードの存在は世間には秘密にされている。


・オーヴァードに目覚めるのは、大体は死にそうになったり強いストレスを受けたりした時。

この時、約半数が体の急激な変化に耐えられずに死んだり、後述するジャームと呼ばれる存在になったりする。


・オーヴァードは12種類に大別されるシンドロームを1つまたは2つ持ち、そのシンドロームに従った能力を使用できる。


・短期間に力を使いすぎると、自分の事しか考えられないジャームと呼ばれる存在になる。

ジャームが好き勝手にやっているとUGN(ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク)と呼ばれる組織がやって来て討伐される。養母はこのUGNに所属しており、養父も協力者として登録されている。


・UGNは自分の為に能力を使うべきと考えるFH(ファルス・ハーツ)という組織と敵対している。


・私は思考力とそれに伴う身体制御能力が増大するノイマンというシンドロームと、自分の周囲に領域と呼ばれる空間を展開して、その中の事象を操ったりできるオルクスというシンドロームを持っている。


・奏は体内で発電してそれを操ったり、体内に機械を埋め込んで操作したりするブラックドックというシンドロームと、自身の身体を自在に軟化、硬化させることが出来るエグザイルというシンドロームを持っている。


・養父は体組織を変異させたりできるキュマイラというシンドロームと、物質を創造・変異させられるモルフェウスというシンドロームを持っている。


・養母はキュマイラと自身の血液を操るブラム=ストーカーというシンドロームを持っている。


「…という事だけどわかったかな?」

「よくわかんなかったけれど、わかった!私達はオーヴァードって言う力を持っている人で、それは秘密なんだね!」

そう、奏が元気よく答える。

「…大体はわかった…所で、孤児院にいた頃、他の子供達も能力を使っていたけれど、アレはUGNが運営するそう言う子供たちを保護する孤児院だったから…って事?」

「あーそこは…秘密…って言っても納得しないよね?」

「別に気になっただけだから…秘密なら秘密って事でいいけど…そう言うって事はFHの施設なんだね?」

「う…さすがノイマン…まあ、そう言う事だね…詳細は言えないけれど、響と奏はFHの施設で養育されていたんだ。

そして、色々と事情と取引があってうちの子になったんだけど…これは他のオーヴァードの人に会っても絶対に秘密だからね?」

「「はーい」」

「さ、それじゃあ難しい話はお終い!それじゃあ今日は奏と響の誕生日なんだからしっかり楽しまないとね!」

と、言う事で、私達一家は誕生日祝いのお出かけに出かけるのであった。




 年が明けて少ししたある休日、私達一家はUGNの施設を訪れていた。私達の初等訓練の為、らしい。

まず、簡単な身体訓練を行った後に白兵・回避・射撃(小型の拳銃を実際に使用した)・能力のコントロールなどについて少しずつ適性確認を行った。

「響ちゃんは白兵戦に天才的な適性がありますね。

奏ちゃんは…タフさと基礎体力は目を見張るものがありますが…まあ初めてならこんなものです。

ですので、二人とも携帯式のバックラーの使い方とそれを使った簡単な戦い方を訓練しましょう。

響ちゃんはそれに加えて武器の扱い方について訓練を始めても良いかもしれませんね」

教官を務めてくれた施設の職員さんが私達をそう評した。

「お願いします」

という事で、まずは腕輪型の携帯型盾(バックラーと呼ばれているらしい)を使っての戦い方、攻撃の受け流し方について訓練を行った。

「…響ちゃん、本当に初めてですか?平均的なチルドレンと戦っても白兵戦なら多分勝てますよ…いや、さすがはノイマンというべきですかね…」

ごめんなさい、これ、前世の経験です。

「奏ちゃんは防御の時に能力を使って弾いているみたいですね、うん、いいですよ。

でも能力を使っての白兵戦の訓練をする時は大人のオーヴァードの監督下でやってくださいね」

「はい、わかりました、先生」

そして休憩を挟んで、奏は模擬攻撃をさばく訓練に入り、私は武器を用いての訓練をする事になった。

「本当にそれがいいんですか?ナイフとか剣とか槍の扱いも上手でしたよ?」

私についた女性の職員さんが困惑した様子でそう言う。

色々武器を試した私が選んだのは…ワイヤーウィップ、ワイヤー製の細い鞭であった。

「…なんか、しっくりと来るというか、コレを使ってみたいというか…そんな感じがしたんですよね」

完全に直感で選んだが、まあこういうのは大切にするべきである。

「…まあ、響ちゃんの腕なら扱えるとは思いますからいいですけれどね?じゃあ、訓練を再開しましょうか、難しいと思ったらすぐに変更を申し出てくださいね?」

と、いう訳で、私は今世の武器としてワイヤーウィップを選んだのであった。




週に1回程度のUGN施設での訓練をしているとあっという間に神城学園への入学の時期がやってきた。

長々としたに入学式の儀式を終えた後、クラスに移動して自己紹介を終えた。

「霧谷さんは双子なのにそんなに似てないのね」

「そう?結構似ていると思うけどな…ほら」

そう言って、私は奏の様に前髪を降ろし、覇気というか、活発なオーラを抑える。

「わぁ…結構似ているね」

そのクラスメイトはそう言って目を丸くする。

「そうでしょ?私達、一卵性双生児だし、そっくりだよ?ね、奏」

「う、うん…響と同じ髪型してればそっくりだと思う…よ?」

まあ、実際は雰囲気が結構違うのであるが…そんな感じで小学生生活が始まった。

そうこうしていると比較的親しい友人も二人できた。


一人が万田沙羅、沙羅ちゃんである。

彼女の祖父は神城グループの中核企業、神代重工の取締役であり、その父親も神城グループのバイオ系企業の幹部候補であるらしく、幼稚園から神城学園に通っている。

本人は奏と似た大人しい感じの子ではある…見た目は。

中身は結構活発で運動が得意な女の子である、物静かではあるが。


もう一人は金田友絵、友絵ちゃんである。

私達と同じ初等部からの入学組で、物静かでミステリアスな感じのする子である…が、戦士の目をしていると私の感が言っている。


そして…GWが明けて暫くの時間が経った5月末…事件は起こった。

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