第1章 クライマックス~エンディング
クライマックスフェイズ:包囲網の一端で
『A班、配置につきました』
『B班、配置完了です』
「C班、何時でも行けます」
『D班、配置完了』
『E班、戦闘準備よし』
『F班、指定位置にて展開中』
『遊撃班、準備完了です』
『包囲の形成完了を確認、突入班に後退を許可する。
包囲網内にジャーム達を散らして分散した所を一体一体仕留めるぞ』
通信機からそんな声が聞こえてくる。
移動中に行われた情報更新では火力制圧でジャームが研究所内から分散しないように抑えてはいるが、
やはり研究所内での事態終息は不可能である事が告げられ、予定通り包囲網を形成。
包囲部隊はジャーム達やレネゲイド兵器を逃がさない様に包囲網内部に追い立て、遊撃班が少しずつ仕留めていく作戦である。
なお、突入班は一度補給に下がった後に、侵蝕率(これが高くなりすぎるとジャーム化する危険が出てくる)が高い隊員を下げて包囲網内に再突入するらしい。
この作戦、最初はうまくいっていた…のだが、トラブルが発生した。
別に、ジャーム連中は理性…と言うか良心が無いだけであって、知性が無いわけではないのである。
という事で包囲部隊に対して強行突破を仕掛ける個体が現れ、その数は次第に増していった。
当然、私たちC班にもジャーム達はやって来きた。
最初は血液で生成した剣を振るう母に一刀両断にされていたが、母も一度に突破を試みようとするジャームの数が増えてくると次第に私達に支援を要請するようになってきた。
「くっ…正面からならどうとでもなるジャーム達も逃げ散ろうとされるとうっとおしいわ」
「多分、この包囲網を破らないとどうしようもないってわかっているんだろうね」
「ジャームって理性のない化け物じゃないの?」
私と養母の会話に沙羅がそう尋ねた。
「うん、ジャームは理性が無い。でも知性がある…場合はある。
だからそれぞれの衝動をかなえる為に生きなきゃいけない個体はこのキルゾーンから逃げ出そうとしているんだよ」
「な、なるほど…」
そんな会話をしていると、無線があわただしくなる。
『複数体のジャームが研究所内部より出現!
一丸となってC班の担当地域へ向かって行きます!
その数、30を超えます!』
『ッ!応援を!』
『無理です!包囲網外周の近隣各班並びに遊撃班、再突入班すべて交戦継続中!
即座に移動できる班がいません!』
『くっ…やむをえん、突入班の戦線離脱組を再編制、援護に向かわせろ!』
『…承知しました。15分、いえ10分で投入可能!』
『ッ!あと2分でC班とジャーム群が交戦開始します!』
『くっ…さすがの霧谷殿でもその数を支え切るのは無理が…』
「余程強力な個体がいなければ、何とかします。
子供たちは少し下げて第二線を形成させます…何かあれば後始末はお願いします」
『…指揮班了解』
これは…母は最悪、死ぬ…いや、ジャームに堕ちる気か?
「「母さん!」」
「大丈夫よ…後方に下がって阻止線を形成して頂戴」
「でもっ!」
「行くよ!奏…」
「でも!響っ!」
「いいから、行くよ!奏!母さんの邪魔にならない様に!」
「…わかった…必ず帰って来てね、お母さん」
「ええ、必ず帰るから…愛しているわよ、奏、響」
そうして、私達は養母を、母さんを残して後方に下がり、第二の阻止線を形成した。
後方に下がって少しすると私達の元居た場所から戦闘音が聞こえてき始めた。それから少し時間が経過した時、強力な気配が近づいてくるのがわかった。
「ッ…来るよ!」
「まさか…」
「大丈夫、あっちの戦闘はまだ続いている。だから強行突破されただけ、ここで阻止するよ…生きて帰ろう、奏、友絵ちゃん、沙羅ちゃん」
「うん」
「ええ」
「はい!」
そして覚悟を決めた私達の前に現れたのは…暴虐の証だった。
これがジャームだとすれば、学園で私達が相手をしたのは何だったのだという位に恐ろしい、まさにバケモノ、というべき獣の様な個体。
そのジャームは母によってつけられたと思わしき無数の傷を纏っていたが、それでもいまだ健在、と言った雰囲気である。
「ギャォァ!!!」
その叫びと殺気を受けて、私達の体内のレネゲイドが活性化する…
衝動判定 目標値9
霧谷響 成功
霧谷奏 成功
金田友絵 失敗 闘争の衝動発動
万田沙羅 成功
「あぁぁぁぁぁ!そんなに戦いたいなら、やってやる!戦ってやる!かかって来い!」
「と、友絵ちゃん、落ち着いて」
「ッ!来るよッ!」
友絵ちゃんが衝動に呑まれたまま、戦闘が始まった。
クライマックス戦闘
行動値一覧
PC1 万田沙羅 5
PC2 金田友絵 11
PC3 霧谷響 6
PC4 霧谷奏 5
暴走ジャーム(パブリックエネミーp113) 16
初期配置 ジャーム←5m→(響、奏、沙羅、友絵)
ラウンド1
セットアッププロセス 行動者 無し
5mほど離れた地点でジャームが一旦立ち止まり、私達も構えを取る…戦闘開始である。
メインプロセス 行動者:暴走ジャーム
マイナーアクション:魔獣変化
配置変更 (ジャーム、響、奏、沙羅、友絵)
メジャーアクション; ハリケーンブロウ
攻撃力21 白兵 視界 範囲選択(PC全員) 4+16D(CL7)→達成値66
リアクション 霧谷響 回避を宣言 6+3D(CL10)→13 命中
リアクション 霧谷奏 ガードを宣言、輝く雷盾(崩れずの群れ+磁力結界)を宣言、対象 霧谷響(侵蝕率+5)
リアクション 金田友絵 不可
リアクション 万田沙羅 ガードを宣言、バックラー(ガード値2)
ダメージ算出:21+7D10→49
HPダメージ算出 霧谷奏 ガード値算出 17+3D10→30 ダメージ19*2=38
HPダメージ算出 金田友絵 49 戦闘不能 リザレクト HP7で復活 侵蝕率+7
HPダメージ算出 万田沙羅 49 戦闘不能 リザレクト HP5で復活 侵蝕率+5
まず動いたのは敵のジャームだった。
一足飛びに距離を詰めると鋭い爪を音速で薙ぎ払い、私達全員を吹き飛ばす…
その攻撃は、奏に庇われた私と紫電を纏う盾で威力を軽減させた奏以外…友絵ちゃんと沙羅ちゃんに致命傷を与えた。
「くっ…強いです」
「アハハハハいい、すごくいい!それでこそ私と戦う価値がある!」
まあ、オーヴァード特有の生命力ですぐに回復はするのではあるが、レネゲイドの活性化と引き換えに。
「私の金色の弾丸を喰らいなさい!」
メインプロセス 行動者:金田友絵
マイナーアクション ハンドレットガンズ 侵蝕値3
メジャーアクション 黄金の弾丸(カスタマイズ+コンセントレイト) 攻撃力19 射撃 30m 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値4 6+8D(CL7)→22
魔弾の悪魔を宣言(1回目) 侵蝕値4 達成値32へ
リアクション 暴走ジャーム 回避 4+18D(CL10)→13 命中
ダメージ算出:19+4D10→48
次に動いたのは友絵ちゃん。
その手に金色に輝く大きな拳銃を形成するとジャームめがけてぶっ放した。
その一撃はジャームの急所を捉えるが、ジャームもその生命力に物を言わせて耐え抜いた。
メインプロセス 行動者:霧谷響
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 導く声+要の陣形(1回目)(アドヴァイス+導きの華+要の陣形) 基準値:交渉 自動成功 対象:3体(響以外のPC3名) 射程:視界 侵蝕値11 特殊効果:対象が次に行うメジャーアクションに後述の修正を加える。
CL-1(下限6)、DB+1、達成値+10
「こいつ、強いよ、でも私達が力を合わせれば勝てない相手じゃないはず。
沙羅ちゃんは私が援護するから最大火力を叩きこんで!
奏は守りを優先しつつ、隙があれば体当たりでジャームの体勢を崩して、沙羅ちゃんの支援!
後、友絵ちゃんは落ち着いて!」
私はそう叫び、牽制にワイヤーウィップを振るいながら領域を操り、『青い華』を咲かせ、皆の支援をする用意を整える。
「沙羅ちゃん!行くよ!」
「う、うん!」
メインプロセス 行動者:万田沙羅
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 紅の徹甲弾(焦熱の弾丸+結合粉砕+コンセントレイト) 攻撃力3 RC 視界 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値7 14+11D(CL7)→56
リアクション 暴走ジャーム ガード 命中
ダメージ算出:3+6D10→36 ガード値1 ダメージ35
メインプロセス 行動者:霧谷奏
マイナーアクション 無し
メジャーアクション シールドバッシュ(エフェクトなし) 攻撃力0 白兵 至近 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値0 11+10D(CL9)→39
判定介入 霧谷響 妖精の手(1回目) 侵蝕値4
リアクション 暴走ジャーム ガード 命中
ダメージ算出:0+4D10→26 ガード値1 ダメージ25
奏が突っ込み、ジャームがそれを受け止め、軽くふらつく。
そしてそのタイミングで沙羅ちゃんの灼熱の弾丸がジャームの胸を焼いた。
私は領域を操り、そんな二人の攻撃をサポートし、ジャームの動きを束縛した。
ラウンド2
セットアッププロセス
行動者:金田友絵 サポートデバイス1を宣言 侵蝕値6 感覚で行うダイスに+LV*2
「落ち着く…落ち着く?ああ、そうだ、コレがあった!」
友絵ちゃんはよくわからない事を口走りながら、拳銃にオプションパーツを形成した。
その直後、再びジャームのなぎ払いが私達を襲う。
メインプロセス 行動者:暴走ジャーム
マイナーアクション:なし
メジャーアクション; ハリケーンブロウ 攻撃力21 白兵 視界 範囲選択(PC全員) 4+18D(CL7)→達成値39
リアクション 霧谷響 回避を宣言 6+5D(CL10)→24 命中
リアクション 霧谷奏 ガードを宣言、輝く雷盾(崩れずの群れ+磁力結界)を宣言、対象霧谷響(侵蝕率+5)
リアクション 金田友絵 不可
リアクション 万田沙羅 ガードを宣言、バックラー(ガード値2)
ダメージ算出:21+4D10→33
HPダメージ算出 霧谷奏 ガード値算出 17+3D10→39 ダメージ0*2=0
HPダメージ算出 金田友絵 33 戦闘不能 リザレクト HP4で復活 侵蝕率+4
HPダメージ算出 万田沙羅 31 戦闘不能 リザレクト HP4で復活 侵蝕率+4
先ほどのやり取りの間に少しは後退していた沙羅ちゃんと友絵ちゃんではあるが、
音速で振りぬかれたその爪が発する衝撃波の射程から逃れられてはいなかった。
「見切ったよ!」
再び奏に庇われる私…そして完全に威力を紫電纏う盾で殺しきった奏…とは対象にまたもや致命傷を負う沙羅ちゃんと友絵ちゃん…しかし、まだレネゲイドは二人を立ち上がらせてくれる。
メインプロセス 行動者:金田友絵
マイナーアクション 暴走解除
メジャーアクション 黄金の弾丸(カスタマイズ+コンセントレイト) 攻撃力22 射撃 30m 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値4 16+14D(CL6)→60
魔弾の悪魔を宣言(2回目) 侵蝕値4 達成値70へ
リアクション 暴走ジャーム ガード
ダメージ算出:22+8D10→49 ガード値1 ダメージ48
「ふぅ…ごめん、醜態を見せたわね…今度こそ、仕留める!」
独特の呼吸法でレネゲイドの暴走を抑えた友絵ちゃんが狙いを定め、ジャームの眼球を打ち抜く…が、それでもジャームは止まらない。
メインプロセス 行動者:霧谷響
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 導く声+要の陣形(2回目)(アドヴァイス+導きの華+要の陣形) 基準値:交渉 自動成功 対象:3体(響以外のPC3名) 射程:視界 侵蝕値11 特殊効果:対象が次に行うメジャーアクションに後述の修正を加える。
CL-1(下限6)、DB+2、達成値+12
「くっ…タフな奴…でも、出血が嵩んでいるし、何度も重要器官を破壊すればいつかは倒れる…
強化された生命力にも限界はあるはず!諦めずに、落ち着いて、続けるよ!」
「うん!」
「ええ!」
「はい!」
そうやって皆を鼓舞し、再び領域を操る…
本音では自分でもワイヤーウィップを振るいたいが趣味を優先させると負けかねない相手であるので仕方が無い。
「お前なんて、早くやっつけてお母さんを助けにいくんだ!」
奏がそう叫びながらジャームに向かって突っ込んでいく。
メインプロセス 行動者:霧谷奏
マイナーアクション 無し
メジャーアクション シールドバッシュ(エフェクトなし) 攻撃力0 白兵 至近 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値0 ロイス6,7取得、タイタス昇華、CL-1 13+11D(CL7)→57
判定介入 霧谷響 妖精の手(2回目) 侵蝕値4
リアクション 暴走ジャーム ガード 命中
ダメージ算出:0+6D10→26 ガード値1 ダメージ25
「あたって!」
メインプロセス 行動者:万田沙羅
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 紅の徹甲弾(焦熱の弾丸+結合粉砕+コンセントレイト) 攻撃力3 RC 視界 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値7 16+12D(CL7)→48
リアクション 暴走ジャーム ガード 命中
ダメージ算出:3+5D10→29 ガード値1 ダメージ28 HP-15、魔獣の証使用。
それと同時に沙羅ちゃんの灼熱の弾丸がジャームの顔面に直撃、奏の突撃を受け止めきれず、ジャームが血を吐いて仰向けに倒れ、動きを止める。
「やった…?」
誰となくそう呟く…しかし、直後、その思いは裏切られた。
ピクリとジャームが動いたかと思うとゆっくりと立ち上がり咆哮を上げた。
ラウンド3
セットアッププロセス
行動者:金田友絵 サポートデバイス2を宣言 侵蝕値6 感覚で行うダイスに+LV*2
メインプロセス 行動者:暴走ジャーム
マイナーアクション:なし
メジャーアクション; ハリケーンブロウ 攻撃力21 白兵 視界 範囲選択(PC全員) 4+18D(CL7)→達成値39
リアクション 霧谷響 回避を宣言 6+5D(CL10)→20 命中
リアクション 霧谷奏 ガードを宣言、輝く雷盾(崩れずの群れ+磁力結界)を宣言、対象霧谷響(侵蝕率+5)
リアクション 金田友絵 回避 命中
リアクション 万田沙羅 ガードを宣言、バックラー(ガード値2)
ダメージ算出:21+4D10→40
HPダメージ算出 霧谷奏 ガード値算出 17+3D10→27 ダメージ13*2=26
HPダメージ算出 金田友絵 40 戦闘不能 ロイス7をタイタス昇華
HPダメージ算出 万田沙羅 38 戦闘不能 リザレクト HP6で復活 侵蝕率+6
「ぐおぁぁぁぁ!」
と、同時に三度振るわれるジャームの爪…その爪は私を庇った奏を吹き飛ばし、沙羅ちゃんと友絵ちゃんに三度致命傷を与えた。
「響、無事?」
すぐさま体勢を立て直して前線に復帰した奏が私に問う…
「ありがとう、おかげで無事だよ。でも奏こそ大丈夫?そろそろ限界じゃない?」
「…もう一撃くらいは頑張れる」
「くっ…まだまだぁ!お前みたいなジャームを倒す為に、私は育てられてきたんだ!負けてたまるかぁぁぁ」
そんなやり取りをしていると、友絵ちゃんがジャームを睨めつけながら立ち上がる…コレは限界が近いか。
「アハ…アハハハハ…」
「…沙羅ちゃん?」
立ち上がった後、沈黙を保っていた沙羅ちゃんが笑いだす。
「力が、力が沸いてくる!これなら…コレならあなたを倒せる!」
そう言いながら、沙羅ちゃんが灼熱の弾丸を形成し始めた。
「…とにかく…行くわよ!」
メインプロセス 行動者:金田友絵
マイナーアクション なし
メジャーアクション 黄金の弾丸(カスタマイズ+コンセントレイト) 攻撃力22 射撃 30m 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値4 18+16D(CL6)→63
リアクション 暴走ジャーム ガード
ダメージ算出:22+7D10→68 ガード値1 ダメージ67
友絵ちゃんがそう叫んでジャームの残った眼球を打ち抜いた…
先ほど打ち抜いた眼球は再生が不完全な様に見える為、コレで視界は奪えた…はずだ。
あと少し…あと少しだと私の前世で培った戦闘勘が告げる…
止めを刺そう、そう思ってワイヤーウィップを構えた…のだが。
「って!沙羅ちゃん!ストップ!ストップ!」
奏がそんな声を上げて沙羅ちゃんを制止する。
そこには…灼熱を通り越して白熱し、そのあまりの熱量に周囲の大気が電離してプラズマ化している弾丸が形成されていた。
「止めないよ!これをぶち込めば、しぶといコイツも動かなくなるよね!」
「沙羅ちゃん、絶対外しちゃだめだからね!?そんな熱量の攻撃を外したら大変な事になるから!」
メインプロセス 行動者:霧谷響
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 導く声(アドヴァイス+導きの華) 基準値:交渉 自動成功 対象:1体(万田沙羅) 射程:視界 侵蝕値8 特殊効果:対象が次に行うメジャーアクションに後述の修正を加える。CL-1(下限6)、DB+2、達成値+12
私はそう叫びながら慌てて領域を操り、沙羅ちゃんの狙いをサポートする。
「あは、大丈夫だって!喰らえ!白き徹甲弾!」
メインプロセス 行動者:万田沙羅
マイナーアクション 無し
メジャーアクション 白き徹甲弾(焦熱の弾丸+プラズマカノン+結合粉砕+コンセントレイト) 攻撃力44 RC 視界 単体(暴走ジャーム) 侵蝕値11 16+18D(CL6)→77
判定介入 霧谷響 妖精の手(3回目) 侵蝕値4
リアクション 暴走ジャーム ガード 命中
ダメージ算出:44+8D10→95 ガード値1 ダメージ94 HP-91
ノリノリでそんなセリフを言う沙羅ちゃんを横目に私は必至で領域を調整し、その一撃の余波が周りに被害を与えない様に必死であった。
そしてプラズマの塊がジャームの頭部を捉え…ジャームの頭部は跡形もなく『蒸発』した…
そして、ジャームはゆっくりと倒れ…二度と動かなくなった。
バックトラック
万田沙羅 最終侵蝕値115 残ロイス5(戦闘用人格の修正を受ける) 1倍振り→115-21=94 成功
金田友絵 最終侵蝕値121 残ロイス6 1倍振り→121-31=90 成功
霧谷響 最終侵蝕値119 残ロイス5 1倍振り→119-45=74 成功
霧谷奏 最終侵蝕値100 残ロイス4 1倍振り→100-25=75 成功
霧谷響、霧谷奏 共通エンディング
「あー気持ち良かった…癖になっちゃいそう」
ジャームが死んだ事を確認している私を尻目に、沙羅ちゃんはそんな事を宣った。
「響…大丈夫?終わった?」
「うん、多分、大丈夫…再生している気配はないよ」
「こっちも問題はなさそうね…他に突破してきたジャームはいなさそう」
「そっか…よかった…って、お母さん!」
そう叫んで奏が最初の配置位置へ、お母さんの元へと駆け出して行った。
「戦闘音は…止んでいるね」
その後を追いかけながら、私は言う。
「って事は、優花さんが30体以上のジャームを一人で相手にして一体取りこぼした以外は全滅させたって言うの?」
「…ジャームが抜けてきていないって事は多分、そう言う事…だと信じている」
そこまではほぼ確定と言っていいだろう。
が、問題はお母さんが力の使い過ぎでレネゲイドに呑まれていないか…
ジャームに堕ちていないか、である。
私達がC班の配置位置に戻ってくると、お母さんが巨大な両手剣を足元に置いたお父さんとジャーム達の斬死体に囲まれて抱き合っていた。
「お母さん!お父さん!」
奏がそう叫び、泣きそうになりながら駆け寄っていく。
「…アレ?お父さん、遊撃班だったんじゃ」
「優花の危機だから、班長さんの許可貰って離脱して増援に来たんだよ」
「なるほど?で、無事なの?」
「ええ、私は無事よ」
「もちろん、優花は強いからね…俺が増援してなかったら堕ちる方はギリギリだったかもしれないけれど」
「そっか。よかった」
そう言って、私も家族の輪に加わった。
金田友絵エンディング
「今回はすまなかった、色々と不幸が重なったとはいえ、君達を危険な目に遭わせてしまった」
そう言って尾崎支部長が私達に頭を下げました。
「…そうですね、オーヴァードでなければ確実に何度か死んでいました。
でも、日常を守る為、命を賭けるのがUGNの役目…なのでしょう?
私達は両親からUGNの事をそんな組織だと聞いてイリーガル登録に同意しました。ね?奏」
「うん、響。
誰かが戦わないといけないなら、手の届く範囲位は守るために命を賭けてもいいかなって思います。
…お父さんが言っていたことだけれども」
そう、響と奏が支部長に言う。
「頭を上げてください、支部長さん。
確かに私達は子供ですが、戦う力があります。
戦う理由もあります。
それでいいじゃないですか…これからも、必要な時は頼ってください、がんばりますから」
そう、沙羅が言った
…本音は?と聞けないのが怖い。
戦いの直後の気持ち良かった発言を鑑みると、とくに。
「私は…何も言う必要はないですよね。
私はUGNチルドレンです。
オーヴァードとしての力を、人々を守るために使う為に育てられた子供です。
だから、使ってください、守られるのもうれしくはありますが、度を過ぎれば侮辱です」
そう、私は答える。
「…皆…ありがとう…今回の一件が君達の実力を証明してしまった。
他の支部からの応援要請で指名が入ることだってあるかもしれない…
子供を戦場に立たせる事の是非は…正直私は非と言いたい…
けれども、日常を守るために力を借してほしい、と一つの都市支部を預かる者として言わなければならない」
尾崎支部長はそう言って、再び頭を下げた。
皆はともかく、私にはそんな必要はないのに…
人々を守るために戦う事、それが私の存在意義なのだから…
まあ、それだけが、とまではいわないが。
万田沙羅エンディング:策動と快楽
「…なるほど、今回の自体はそこまで危険であったか」
「はい、あと少しで…それこそ、奏ちゃんと響ちゃんの御両親の奮戦と私達の死闘が無ければ市街地にジャームが放たれていた所でした」
私は、お爺様に今回の事の顛末と響ちゃんが出撃直前に調べていた事を報告していました。
お爺様には神城グループの重役としてのお立場故、報告も上がるのでしょうが、それはそれ、これはこれ、です。
「フム…北条殿には挑戦を好む、若干リスク軽視ともいえる面があったが…R事案…レネゲイドを扱うのにはその面があだとなっている形であるな…
無論、良い面も多々あったが、UGNへの借りとグループの資産への損害が莫大になりつつある。
最低でもレネゲイド関係の研究は安全策に切り替えるべきだな…
場合によっては、北条殿には引責辞任していただく必要があるやもしれん」
「そうなると…新しい会長が必要になるのでは?」
「無論だ、幾人か候補はいるし、皆の動き次第ではあるが…最有力は先代の孫の神城早月殿だと儂は読んでおる。
早月殿はオーヴァードだと言う事であるし、無茶な人体実験はさせぬであろう」
「なるほど…確かに伝え聞く性格とご自身がオーヴァードだという点を合わせれば、慎重策を取る可能性は高いですね」
…などとお爺様と難しいお話をしつつも、頭の中の半分くらいをえも言えぬ快楽…全力で能力を使い、強敵を仕留める快楽の味を私は思い出しているのでした。




