VI — ジェイコブ……
今日は、私が書かなければならない気がする。ジェイコブがどこにいるのか分からない。何か悪いことが起きたんだ……。
俺たちは旅を続け、ガソリンスタンドに立ち寄った。あと数時間もすれば、太陽が沈むはずだった。ジェイコブは役に立ちそうなものがないか調べに行き、デレクはトイレへ、ブリサはトラックの中で眠っていた。私はジェイコブを手伝うため、一緒に中へ入った。すると、感染者が一体いた。ジェイコブはマチェーテで素早く倒し、そのあと、役に立ちそうなものを探し始めた。私たちは棚や引き出し、いくつかの戸棚を調べた。食料や物資を見つけられる場所は少しずつ減っていた。いずれ、自分たちの力で手に入れられるものだけに頼らなければならなくなるのではないかと、不安になり始めていた。
それからトラックに戻り、北西へ約十五キロのところにある川を目指して進んだ。少し気分を変え、数日間休むために、そこへ行くのもいいと考えたのだ。今度ばかりは、先へ進むことを急かすような差し迫った事情は何もなかった。途中、道路の真ん中に停車している燃料輸送トラックを見つけ、ジェイコブはまだガソリンが残っているか確認しようと提案した。車両を調べていると、こちらへ近づいてくるピックアップトラックの音が聞こえた。そちらも同じ方向へ向かっており、停車すると、拳銃だけを武装した二人の男が降りてきた。
「俺たちは問題を起こすつもりはない!」何かあればデレクと一緒に動けるよう身構えながら、ジェイコブが大声で言った。
「燃料は俺たちがもらう。問題を起こしたくなければ、立ち去れ!」男の一人が離れた場所から答えた。
「争う必要はない。全員に行き渡るだけの量がある」とジェイコブが言った。
「トラックに乗れ」とデレクが俺たちに命じた。
その場の空気が張り詰めた。二人の男も、ジェイコブとデレクも、それぞれ銃を構えていたが、誰も相手に直接銃口を向けてはいなかった。数秒間、誰も動かなかった。
「分かった。ただし、全員、武器は車の中に置いていくんだ」と男の一人が言った。
「それでいい」とジェイコブが答えた。
俺たち二つのグループはそれぞれ武器を車内に置き、取り決めた量の燃料を受け取った。そのあと、もう何も言わず、それぞれの道へ戻った。こんなふうに終わるとは思わなかった。あの数秒間、どちらかのグループが撃ち始めるのではないかと、私は確信していたほどだった。
午後三時ごろ、俺たちは再び旅を続けた。ジェイコブが運転し、彼とデレクは川のことや、見つかることを期待していた小屋のこと、そこで数日間どう過ごすかについて話していた。私は後部座席から話を聞きながら、窓の外を流れていく景色を眺めていた。これまでの出来事を考えると、静かな場所で数日間過ごせるという考えは、あまりにも都合がよすぎて、かえって信じられないほどだった。
川に着くと、一軒の小屋があった。小さな木造の建物で、木々に囲まれていた。ジェイコブはその脇に車を停め、エンジンを切った。
「まだ誰か住んでいるかもしれないし、中に感染者がいるかもしれない。気をつけよう」
彼はドアを開け、俺たちは中へ入った。家全体を歩き回り、部屋や浴室、台所、戸棚を調べた。幸い、誰も見つからなかった。俺たちはそこで生活することにした。小屋には台所と浴室があり、寝室は三つあった。
デレクとブリサが最初の部屋、ジェイコブが二番目の部屋、そして私が三番目の部屋で眠ることになった。ジェイコブは釘と板を使って、すべての窓を塞ぐ作業を引き受けた。その間、ブリサと私は家の中を少し片づけ始めた。以前の住人たちは、ひどい状態のまま家を放置していた。あちこちにほこりが積もり、皿が置きっぱなしになり、衣服が散乱し、いつから触れられていないのかも分からない物が残されていた。
そのあと、ジェイコブとデレクは周囲を調べるために外へ出た。具体的に何を探しているのか、私には分からなかった。しかし、二時間後、二人は血まみれになり、シカの肉が詰まった袋を持って戻ってきた。
「何をしたの?」ブリサが驚いて尋ねた。
「クマ用の罠にかかったシカを見つけたんだ。生き延びる見込みはなかった。もうほとんど死にかけていたから、とどめを刺した。でも、肉を無駄にはできない。森には罠がたくさん仕掛けられている」とジェイコブが答えた。
デレクは袋をテーブルの上に置いた。
「小屋にほかの動物を引き寄せないように、森の中で解体したんだ」
二人が体を洗い、落ち着いたあと、肉の調理を始めた。私は二人の作業を眺めていたが、どうしても気になって尋ねずにはいられなかった。
「動物の解体なんて、どこで覚えたの? 皮とか毛とか、内臓とか……」
デレクが小さく笑った。
「俺は何もしてないよ。袋を運んで、見ていただけだ。全部やったのはジェイコブさ」
私はジェイコブを見て、答えを待った。問い詰めるつもりはなかった。ただ、どうしてそんなことができるのか知りたかったのだ。
「必要だから覚えたんだ。狩りは好きじゃない。でも、生き延びるためには必要なことだからな。昔、父の友人が俺たちを狩りに連れていってくれたことがある。その人はシカを見つけて撃った。それから、役に立たない臓器を取り出して解体するところを見なくて済むように、俺たちに離れていろと言った。俺は残ることにした。覚えたかったんだ」
私たちは数秒間、彼を見つめていた。彼は私が何か答えるのを待っているようだったが、何と言えばいいのか分からなかった。ブリサとデレクも、話を注意深く聞いていた。
「夕食と夜の準備をしようか?」沈黙のあと、ジェイコブが尋ねた。
私はうなずき、作業を続けた。ジェイコブと知り合ってから、特にミカエルと屋上で起きた出来事以来、彼の目つきは変わっていた。以前よりも真剣な表情をするようになった。どう説明すればいいのか、自分でもよく分からなかった。私の思い過ごしかもしれない。でも、彼の中で何かが変わっていた。以前なら誰もが恐怖を覚えたはずの出来事にも、もう驚かなくなっているようだった。
その後、私たち四人で肉を調理し始めた。デレクが焚き火を起こし、俺たちは食事ができるのを待ちながら火の周りに座った。焼ける肉の香りがあたりに広がり、一瞬、すべてがほとんど以前と同じように思えた。食事をしながら、ジェイコブとデレクは、あの出来事が起きる前に経験した面白い話を始めた。
「ジェイコブと一緒に銃砲店に行ったことがあるんだ。未成年だから店員に相手にしてもらえないんじゃないかとか、変な誤解をされるんじゃないかとか、俺たちは心配していた。それで、圧縮空気式の銃の弾について聞いてみたら、店員がこう言ったんだ。『この弾ならカワウソの頭を吹き飛ばせるぞ』ってさ」とデレクは笑いながら話した。
「ああ……覚えてるよ」とジェイコブは笑顔で答えた。
私も二人と一緒に笑った。こんな夜を過ごすのは、ずいぶん久しぶりだった。走ることも、隠れることも、銃声や叫び声を聞くこともない。ただ、四人で焚き火を囲み、肉を食べ、世界がこんなふうになる前に起きた出来事について話していた。
その後、ブリサと私は眠くなった。男たちは火を消し、俺たちは眠る準備をするため小屋の中へ入った。最初は、自分の家ではない場所で眠ることに苦労した。物音がするたびに目を開けてしまったが、少しずつ緊張がほぐれ、ようやく眠りにつくことができた。
9月29日、たぶんジェイコブは日付をこう書く
正午ごろに目が覚めた。台所へ行くと、ブリサとデレクが食事の準備をしていた。
「ジェイコブはどこ?」
「外にいるわ」とブリサが答えた。
私は彼を探しに外へ出た。川沿いの小さな桟橋に、釣りをしながら座っている彼を見つけた。挨拶をして近づいたが、あまり釣れていないようだった。
「何も釣れない」と彼は水面から目を離さずに言った。「でも、魚がいるのは確かだ。小屋にあった腐ったパンのくずを投げたとき、水面に顔を出すのが見えたからな」
私は数秒間、彼の隣に立ち、水面を眺めていた。川は穏やかで、森は静まり返っていた。もしかしたら、本当にここで数日間過ごせるのかもしれない。そう思った。
そのあと、食事に呼ばれた。小屋に戻って食事を済ませ、午後の間に少し眠ることにした。私は横になり、すぐに眠りについた。
空港にいる夢を見た。飛行機があり、あちこちで火が燃え、人々が走り回っていた。前に進もうとしても、進めなかった。すると、背後から何かが聞こえた。振り返ると……。
叫び声で目が覚めた。
ブリサの声だった。
午後7時。
寝室のドアを開けると、デレクが外へ走っていくのが見えた。何が起きているのか分からず、私も後を追った。小屋の外に出ると、ジェイコブが川の桟橋で二人の男と争っているのが見えた。
すぐに誰なのか分かった。
燃料輸送トラックのところで出会った、あの二人だった。
私たちのあとをつけてきたのだ。
どうやって居場所を突き止めたのか分からなかったが、二人はジェイコブを襲っていた。一人が彼を押さえつけようとし、もう一人が背後から近づいていた。ジェイコブは素早く反応し、MP5を持ち上げて、男の一人に至近距離から発砲した。男は負傷して倒れたが、まだ生きていた。男はジェイコブに飛びかかり、二人とも川へ落ちた。
すべては数秒のうちに起きた。
眠りにつく前には穏やかだった川の流れが、今はずっと激しくなっていた。水は二人をすぐに押し流していった。
「ジェイコブ!!」
私は桟橋へ走った。
そこには男が一人だけ残っていた。仲間を失った男は森へ向かって走り、木々の間に姿を消した。デレクは追いかけようとしたが、ブリサがすぐに引き止めた。
「どこへ行くつもりなの!?」
デレクは立ち止まったが、森の方を見つめ続けていた。
私たちは桟橋の端へ近づき、ジェイコブを探した。
何も見えなかった。
川の流れが、もう一人の男と一緒に彼を押し流してしまったのだ。
岸辺まで降り、川下へ向かって探し始めた。枝や岩に体が引っかかっているかもしれない場所を調べた。両岸を歩きながら、何度も彼の名前を呼んだ。
「ジェイコブ!」
返事はなかった。
暗くなり始めるまで、俺たちは探し続けた。
それでも、彼はいなかった。
9月30日……
二十四時間が過ぎた。それでも、彼はまだ見つからない。
怖い。
デレクは探し続けるべきだと言っている。でも、彼もジェイコブが亡くなった可能性が高いと考えているのが分かる。ブリサはほとんど話さなくなった。私も、何と言えばいいのか分からない。
そんなこと、信じたくない。
これまで一緒に乗り越えてきたことを思えば、なおさらだ。
9月1日……
まだ探し続けている。
何も見つからない。
ジェイコブが現れなければ、明日にはここを離れるべきだとデレクは言っている。彼の言うことが正しいのは分かっている。でも、ここを離れたくない。
立ち去ったら、彼が死んだと認めることになる気がする。
そんなことは認めたくない。
怖い。
ジェイコブ……どこにいるの?
デレクは、彼が亡くなった可能性が最も高いと言っている。川の流れはあまりにも強かったし、遺体さえ見つからないかもしれない、と。
でも……ジェイコブ……お願い。
彼だけは、いやだ。
お願いだから、どこにいても……戻ってきて。
この日記を、もう一度あなたのリュックサックに入れておくね。




