XXIX — 永遠に生きるために
お願いだ……もう、こんなことは終わりにしてくれ……
夜明けは、湿気を帯びた冷たい空気とともに訪れた。医療用テントを出て再び道路を歩き始めると、明け方の冷気が服の隙間から入り込み、骨の髄にまで届くようだった。即席の小さな集団は、前夜の疲労を引きずったまま、黙々と進んでいた。湿った地面にブーツがわずかに沈み、背負ったリュックは必要以上に重く感じられた。
「なあ……」しばらくして、最年少の男が口を開いた。「俺たち、ちゃんと自己紹介してなかったよな」
僕は彼を見た。
「確かにそうだな」
「ライアンだ」と、二十五歳の彼が言った。
「俺はマイクだ」と、年上の男が続けた。
僕は、先ほど出会った夫婦に目を向けた。
「あなたたちは?」
「ダニエルだ」
「リサよ」と、女性が答えた。
僕たちは歩き続けた。数分後、リサがわずかに足を引きずっていることに気づいた。前腕には即席の包帯が巻かれていたが、本人の説明では大したことのない傷だというわりに、妙にきれいだった。
「大丈夫か? それ、怪我をしているのか?」
リサは自分の腕に目を落とした。
「ちょっと擦っただけよ」と、彼女は素早く答えた。「走っているときに何かで切ったの。大したことないわ」
ローラは何も言わずに近づき、手を差し出した。
「見せて。医療の知識なら少しあるから」
リサはすぐに首を横に振った。
「本当に大丈夫よ」
ローラは数秒間、彼女を見つめた。納得していないようだったが、最後にはうなずいた。
「好きにすればいいわ。でも、痛みが出たり腫れたりしたら教えて」
「そうするわ」
ローラは僕たちのところへ戻ってきたが、その後も時折リサに視線を向けていた。
さらに一時間近く歩いたところで、僕たちはあるものを目にして足を止めた。遠くに町が見え、その入口にはバスが停まっていた。
すぐに分かった。
「トーマスのバスだ」
ローラは車両を見上げた。
「どうやら、たまには運が味方してくれるみたいね」と、彼女は特徴的な訛りで答えた。
僕たちは近づき、バスの屋根に人影があるのを見分けられる距離まで来た。その人物はデレクだった。腰に両手を当て、道路を見渡しながら立っていた。
僕たちに気づくと、彼は一瞬動きを止めた。本当に僕たちなのか、確かめる必要があるかのようだった。次の瞬間、彼はハッチの中へ姿を消した。
バスにたどり着くと、ドアが開き、まずデレクが降りてきた。その後ろからサム、ブリサ、クラウディオが続いた。
サムは何も言わなかった。ただ近づいてきて、僕を強く抱きしめた。その腕は何秒もの間、僕を離さなかった。まるで、ここ数日の間に失ってきた数え切れないものの一つではなく、僕が本当に生きている人間なのだと確かめる必要があるかのように。
彼らの後ろからトーマスが現れた。
「来てくれて本当によかった」と彼は言った。「君たちが早く現れなかったら、俺たちは先に出発しなきゃならなかった」
彼は片手で顔をこすった。
「デレクとサムのおかげで、できる限り待てた。でも、いつまでもここにいるわけにはいかない。空港は俺たちを待ってくれないからな」
そのとき、ライアンとマイクの両親がバスから降り、二人のもとへ駆け寄った。安堵と絶望が入り混じった様子で息子たちを抱きしめ、手を離した瞬間にまた失ってしまうことを恐れるかのように、強くしがみついていた。
ダニエルとリサもバスに乗り込んだ。
僕たちも続いて乗り込み、ほどなくしてバスは再び走り出した。
走り始めてしばらくは、誰もほとんど口を開かなかった。エンジンの一定の音が車内を満たすなか、新しく乗り込んだ人たちは、残り少ない物資や武器、リュックの隙間に居場所を確保しようとしていた。
僕はトーマスに次の経路を尋ねるため、運転席へ向かった。
「次はどこに停まる?」
トーマスはハンドルの上に広げた地図を指さした。
「この先に大きな街がある。そこを抜けるには橋を渡らなきゃならないが、俺はどうにも気が進まない」
「どうしてだ?」
「事態が始まったとき、軍が橋を破壊した可能性が高い」と彼は答えた。「あるいは、誰も渡れないように廃墟にしたかもしれない」
彼は地図の北側へ指を動かした。
「陸路で街を迂回する。遠回りになるから、さらに四時間ほどかかる。でも橋を避けられるし、何より、この大勢を乗せたバスで街の中に入らずに済む」
僕はうなずいた。
「いい判断だ」
僕は自分の席に戻った。
道路を走り続けて、ほぼ二時間が経過した。バスの中は落ち着きを取り戻していた。眠っている者もいれば、小声で話している者もいた。子供たちは再会したばかりの両親のそばを離れず、今も彼らにしがみついていた。
そのとき、車内にざわめきが広がり始めた。
何人かが不安そうに窓の外を見ていた。
僕は立ち上がった。
「どうした?」
そして、僕にも見えた。
一台の四輪駆動車が、僕たちの後ろを走っていた。
しかも、一台だけではなかった。
車内には少なくとも四人の武装した男がおり、さらに一人が荷台に乗っていた。
最初の銃弾がバスの側面に命中した。
続けて、もう一発。
さらに、もう一発。
「撃たれてるぞ!」誰かが叫んだ。
銃弾が斜めに窓を貫いた。ガラスが車内に向かって砕け散り、何人かが負傷した。ただし、誰も重傷ではないようだった。
デレクが僕の隣に現れた。
「ここからじゃ反撃できる角度がない」
僕は屋根のハッチを見上げた。
「屋根に上がればいい」
デレクも僕の視線を追った。
「だが、トーマスに速度を落としてもらう必要がある」
サムはすでに階段へ走り出していた。
「トーマス!」彼女は叫んだ。「速度を落として! 作戦がある!」
数秒後、バスの速度がわずかに落ちた。
僕はハッチを開け、デレクに手を貸してもらいながら屋根に上がった。
その下にローラが現れ、僕たちの武器を持ち上げてきた。
「気をつけて」
彼女は僕に拳銃を渡し、続いてデレクにショットガンを手渡した。
「いつまでも身をさらしていないでね」
「努力するよ」と僕は答えた。
風に顔を叩かれながら、僕たちは慎重に屋根の上を這って進んだ。バスは車体全体を震わせ、路面の凹凸に差しかかるたび、僕たちはさらに強く体を支えなければならなかった。
後端までたどり着くと、身を乗り出して後方を確認した。
四輪駆動車は近すぎるほど近かった。
僕は拳銃を構えた。
しかし、先に撃ったのはデレクだった。
フロントガラスが砕け散った。
僕もすぐに撃った。運転手が車の制御を失い、四輪駆動車は道路から外れると、森の中にあった木に正面から激突した。
トーマスはバスを慎重に減速させた。
僕たちはすぐに降り、警官と一緒に車両を調べに向かった。
乗っていた者は、全員死亡していた。ただ一人を除いて。
そいつは拳銃を持ち上げようとした。
僕は、そいつが撃つ前に引き金を引いた。
遺体を調べていると、そのうちの一人の胸元から無線機が見つかった。
突然、無線機から雑音が流れ始めた。
「バスを止められたか? 応答しろ。こちらは護送車列とともにそちらへ向かっている」
胃の奥が冷たくなった。
「くそ……」デレクがつぶやいた。
僕はバスを見た。
あれは大きく、速度も遅い。
武装した車列がこちらへ向かっているのなら、分岐点に着く前に追いつかれる。
「このまま逃げるわけにはいかない」とデレクが言った。
僕は首を横に振った。
「そうだな」
全員を見渡した。
「誰かがここに残って、連中を足止めしなきゃならない」
デレクが一歩前に出た。
「なら、一緒にやろう」
サムがうなずいた。
ブリサも続いた。
クラウディオは何も言わなかったが、武器を持ち上げた。
ローラまで加わった。
最後に、警官も自分が残ると申し出た。
「駄目だ」と僕は言った。「君はバスに乗ってくれ。あの人たちには護衛が必要だ」
トーマスが車両から降りてきて、僕と握手した。
「幸運を祈る、ジェイコブ。空港で会おう」
「そうなることを願ってる」
ほどなくして、バスは走り去った。
僕たちは道路の準備を始めた。
故障した車を道路の中央まで押していった。それから、破壊された四輪駆動車を引きずり、もう一台の車の隣に配置して、即席のバリケードを作った。遺体を脇へ移し、アスファルトに散らばっていた武器を調べた。
準備が整うと、僕たちは武器を構え、車両の陰に陣取った。
道路は封鎖された。
僕は破壊された四輪駆動車のボンネットに拳銃を置き、仲間たちが即席のバリケードの後ろに身を落ち着ける様子を見ていた。
人数は少ない。
武器の数も、決して心強いものではなかった。
僕のG36Cはあったが、弾は空だった。手元にあるのは拳銃だけだ。デレクはショットガンを握っていた。サム、エミリー、ブリサは、それぞれ普通の拳銃を持っていた。ローラは小さなリボルバーを握っていたが、これから起きることを考えると、あまりにも頼りなく見えた。クラウディオも拳銃を構えていた。
弾薬は少ない。
無傷で切り抜けられる可能性も、ほとんどない。
それでも、誰一人として退こうとはしなかった。
作戦は、少なくとも理論上は単純だった。護送車列が到着したら発砲し、速度を落とさせるか後退させる。そして、連中が態勢を立て直す前に森へ姿を消す。
そこからは東へ進み、木々の間を通る道路に沿って、地図に記された大都市を目指す。
街に着いたら、街中を通り抜けるか、トーマスがバスで選んだのと同じ迂回路を使うか、決めなければならない。
問題は時間だった。
徒歩で街を迂回すれば、時間がかかりすぎる。空港は誰も待ってくれない。しかし、感染者だらけの街でエンジンをかけるのも、決して賢い選択ではなかった。
そんなことを考えていると、地平線に車両が現れた。
先頭は、後部にコンテナを積んだ大型トラックだった。
その後ろに、同じようなトラックがもう一台。
さらに、小型車が二台続いていた。
「来たぞ……」デレクがつぶやいた。
射程に入った瞬間、銃撃が始まった。
護送車列の車は急ブレーキをかけた。銃弾が車体やアスファルトに命中するなか、僕たちも自分たちの位置から応戦した。
何人かの男が車から降り、こちらに向かって撃ち始めた。
銃撃戦は短かったが、激しかった。
空気は煙と火薬の臭い、着弾で巻き上がる土埃に満たされた。銃弾が頭上をかすめ、車両の車体に乾いた音を立てて命中した。
銃撃の最中、クラウディオのうめき声が聞こえた。
銃弾が彼の脚に命中した。
もう一発が肩をかすめた。
「クラウディオ!」サムが叫んだ。
「大したことない」と彼は歯を食いしばって答えた。「まだ戦える」
僕たちはさらに数秒間撃ち続けたが、やがて襲撃者たちは車両のほうへ後退し始めた。
「撃つのをやめろ!」僕は命じた。「森へ撤退だ!」
エンジンがうなり、護送車列は方向転換した。
僕たちは一秒たりとも無駄にしなかった。
道路を離れ、森の中へ駆け込んだ。木々の間を進み、エンジン音が背後に消えるまで距離を取った。
東の方角を保ち、道路と平行に進みながら数分歩いたところで、僕は手を上げて全員を止めた。
「傷を確認しないと」
ローラはクラウディオのそばに膝をつき、落ち着いて脚を調べた。
「小口径の弾ね」と、彼女はスペイン語訛りで言った。「きれいには貫通していないけど、弾を取り出して傷を縫うことはできるわ」
「早くやってくれ」とクラウディオがうなった。
ローラは持っていた小さな救急キットを開いた。
彼女はほぼ三十分かけて処置をした。傷を洗浄し、見つけられる破片を取り除き、確かな手つきで傷口を縫い合わせた。その間、クラウディオは歯を食いしばり、ときおり息の合間に悪態をついた。
「動かないで」と彼女が言った。「動いたら、もっとひどいことになるわよ」
「分かってる。動くつもりはない」
「そうしてちょうだい、まったくもう」
処置が終わると、クラウディオは少し苦労しながら立ち上がった。
「歩ける」
「なら、ゆっくり歩いて」とローラは答えた。「あなたは無敵じゃないのよ」
僕たちは再び歩き始めた。
小雨が降り始めた。
最初はほんの数滴だった。柔らかく、ほとんど音も立てない雨だったが、灰色の空を見れば、すぐにひどくなることは明らかだった。風が近くの木々の湿った匂いを運び、雨粒がリュックに落ち始める。地面は次第に暗い色へと変わっていった。
それから一時間ほど歩くと、森が開け始めた。
やがて、街を見渡せる丘にたどり着いた。
目の前に広がる光景は、悲惨そのものだった。
破壊された建物。塞がれた道路。放置された車両。
だが、僕の目を引いたのは橋だった。
まだ、崩れていなかった。
僕たちの眼下には橋の基部を通るトンネルがあり、そこから構造物の下層へ降りられる入口がいくつも伸びていた。橋には、歩行者と自転車専用の第二層が設けられていたのだ。
問題は、車が走る上層が感染者で埋め尽くされていることだった。
感染者たちは、車両の残骸や瓦礫の間をゆっくり動き回り、足を引きずりながら、互いにぶつかっていた。開いたドアや折れ曲がった金属に挟まれている者もいれば、行き先を忘れてしまったかのように、同じ場所をぐるぐる歩き続ける者もいた。
上から眺めていると、あの場所はもはや生者のものではないように見えた。
感染者たちが、何日も前から橋を占領していたかのようだった。
彼らを見ただけで、あの道を通る選択肢はないと分かった。
一方、下層にはそれほど多くの感染者はいないようだった。
それでも、かなりの数がいた。
「下を通って渡れそうだ」とデレクが言った。
真っ先に反応したのはクラウディオだった。
「それが一番近いルートだ」
「それでも危険だ」と僕は答えた。
デレクは数秒間、橋を見つめた。
「クラウディオに賛成するなんて、俺も初めてだ。時間がない」
サムがうなずいた。
「静かに進めば、うまくいくはずよ。川を泳いで渡るわけにはいかないし、ボートを探していたら時間がかかりすぎる」
「私も同意見」とブリサが答えた。
ローラは首を横に振った。
「私はどうも納得できないわ」と彼女は言った。「あの橋、かなり傷んでいる。別のルートを探したほうがいいかもしれない」
僕は彼女を見た。
僕もまったく同じことを考えていた。
しかし、賛成は四人、反対は二人だった。
エミリーは意見を示さなかった。
僕はため息をついた。
「分かった……」
僕たちは注意深く丘を下り、橋の入口へ向かった。
上から見た橋は無傷のようだった。暗い川の上に長く伸びる、鋼鉄とケーブルで支えられた構造物だった。
かつて車両が走っていた上層は、感染者で埋め尽くされていた。彼らは放置された車の間をあてもなく歩き、足を引きずり、開いたドアを叩いたり、ボンネットにもたれかかったりしていた。まるで、自分たちが何を探していたのかさえ忘れてしまったかのように。
金属の残骸の間をゆっくり進む者もいた。
雨の中、風に揺られながら、ただ立ち尽くしている者もいた。
雨脚は次第に強まり、細かな雨が絶え間なく降り続けた。橋の金属を打つ雨粒と、川面を叩く雨の音が周囲を満たし始めた。鋼鉄が時折、深く奇妙な響きを立ててきしみ、その音が感染者たちのうなり声と混ざり合った。
久しぶりに、あの音が僕たちの味方になりそうだった。
雨音が、僕たちの足音を隠してくれる。
近づいていくと、下層に予想もしなかったものがあるのに気づいた。
自転車用のはずの下り坂の間に、小型車が何台も挟まっていたのだ。橋脚の間に閉じ込められている車もあった。
どうやら、何人かが車で下層に入り込んで橋を渡ろうとしたらしい。幹線道路を通るよりも速いと考えたのだろう。
しかし、遠くまでは進めなかったようだった。
車の中には、ガードレールに斜めにぶつかったものもあった。ドアが開いたままの車もあり、乗っていた人たちが徒歩で逃げ出さざるを得なかったことを物語っていた。
僕たちは進入する前に、少しだけ足を止めた。
クラウディオが先頭に立ち、下層の入口を確認した。
彼は感染者を二体倒した。
下層は薄暗かった。光は両側から差し込み、灰色の川面に反射していた。耳を澄ませば、頭上の上層を歩く感染者たちの足音が聞こえた。しかし、その場を支配していたのは金属のきしむ音と、橋の低い天井に反響するうめき声だった。
僕が先頭に立った。
クラウディオがすぐ後ろにつき、その後ろにサム、エミリー、ブリサ、ローラが続いた。デレクは最後尾を守った。
僕たちは一人ずつ、ゆっくりと進んだ。いつ動き、いつ止まるか、互いに合図を送りながら。
車にもたれかかっている感染者を迂回しなければならないこともあった。どうしても避けられない場合は、ナイフで仕留め、倒れる音が響かないように体を支えた。
そうして、放置された車や倒れた自転車の間を身をかがめながら進んだ。呼吸を慎重に整え、橋がきしむ音の一つ一つに耳を澄ませながら、ほぼ三十分が過ぎた。
橋の中央まで来たところで、状況が一変した。
僕たちは慎重に進み、一歩ごとに気を配り、物音を立てないようにしていた。
しかし、いつものように、何かがうまくいかなくなった。
気づかないうちに、感染者が橋脚の脇から突然飛び出し、クラウディオに襲いかかった。
すべては一瞬の出来事だった。
驚き、まだ残っていた傷の痛み、そして揉み合い。そのせいで、彼は思わず引き金を引いてしまった。
銃声が床に反響した。
その音は橋全体へと広がった。
そして、放置された車の警報がいくつも鳴り始めた。
僕たちはすぐに彼のもとへ駆け寄った。たった一発の銃声で、近くにいる感染者全員を目覚めさせてしまったかもしれないと分かっていた。
警報音が、雷鳴のように橋の中へ響き渡った。
全員が凍りついた。
そして、混乱が始まった。
車両用の上層では、感染者たちが一斉に橋の端へ向かって動き始めた。互いにつまずき、そのまま重い水音を立てながら川へ落ちていった。
下層でも、うなり声が次々と増えていった。散らばっていた感染者たちが、警報を鳴らし続ける車へ向かって集まり始めたのだ。
「走れ!」僕は命じた。
誰も反論しなかった。
僕たちは走り出した。
前方に現れる感染者を肩で押しのけたり、素早くナイフを振るったりして道を切り開いた。腕をつかもうとする者もいた。そのたびに、殴り、押し返し、無理やり振りほどきながら、何とか前へ進んだ。
警報の反響で、橋全体が震えているようだった。
ボンネットに飛び乗り、放置された車の隙間を滑り抜け、壊れた自転車を乗り越えた。心臓が胸を激しく打ち、その音まで周囲に響いているのではないかと思うほどだった。
何メートルか走ったところで、突然、前方が塞がれた。
小さな群れが道を塞いでいた。
迂回する方法はなかった。
「撃て!」僕は叫んだ。
デレクと僕が前方を切り開くために発砲し、サムは後方から援護射撃を続けた。
クラウディオとブリサは、ナイフや銃床を使い、近づきすぎた感染者を押しのけた。
銃弾が放たれるたび、感染者たちの顔が一瞬だけ照らされ、彼らは地面へと崩れ落ちた。
僕たちの前には、次々と遺体が積み重なっていった。
「行くぞ!」
残された力を振り絞り、僕たちは再び走り出した。
橋の出口は遠くに見えていた。少しずつ近づいていたが、街側から上層の坂を下ってくる感染者が増え始めていた。
「脇の階段だ!」僕は叫んだ。
主要な坂道はすでに感染者で埋まり始めていた。そこで僕たちは方向を変え、橋の側面に取り付けられた古い金属階段へ向かった。
一人ずつ押し合うように階段を上り、何とか体を引き上げた。その間も、下から聞こえるうなり声は大きくなっていった。
最後の一人が向こう側の道路に足をつけると、僕たちは振り返ることなく走った。
誰も、どれだけの感染者が追ってきているのか確かめようとはしなかった。
路地へ飛び込み、角を曲がり、柵を飛び越えた。永遠にも感じられる十分間ほど、ひたすら走り続けた。
後ろは見なかった。
ただ走った。
橋から、そして背後から迫ってくるものすべてから逃れようとするなかで、聞こえるのは自分たちの足音と、荒い呼吸だけだった。
ようやく、扉が半開きになった大きな倉庫を見つけた。
僕たちは互いにつまずきそうになりながら、中へ飛び込んだ。
手近にあったものを使って扉を押し戻した。箱、倒れた棚、とにかく外にいる何かを食い止められそうなものなら何でもよかった。
数秒間、誰も口を開かなかった。
聞こえるのは、倉庫の中に満ちる荒い呼吸だけだった。
やがて、誰かが笑い始めた。
大きな笑い声ではなかった。
むしろ、緊張から漏れ出した笑いだった。
続いて、もう一人。
さらに、もう一人。
サムはブリサを抱きしめた。デレクはクラウディオと手を握り合い、僕は片腕でエミリーを抱きしめた。全員が、あの狂気のような出来事を生き延びたことを喜んでいた。
僕たちは何の計画もないまま、車と銃声と叫び声の中を走り抜けて橋を渡った。
それでも、まだ生きていた。
僕はまだ笑っていたが、視界の端に妙なものが映った。
振り返った。
そして、彼女を見つけた。
ローラが少し離れた場所に立っていた。
彼女も僕たちと同じように笑っていたが、誰のそばにも近づいていなかった。
片手を肩に当てていた。
指の間から、黒ずんだ血が服の布地に染み込んでいるのが見えた。
僕の笑顔が凍りついた。
「嘘だろ……」僕は彼女に近づきながらつぶやいた。「違う、そんな……それは……」
ローラは、いつもの穏やかな笑みを浮かべて僕を見た。
しかし、その瞳には別の何かが宿っていた。
僕が問いかける前から、答えを知っている目だった。
僕はさらに近づき、そっと彼女の手を肩から離した。
そこには、はっきりと痕が残っていた。
噛み傷だった。
「嘘だ……こんなの……」僕は、ほとんど声にならない声で言った。「これは噛み傷なんかじゃ……」
ローラは静かに首を横に振った。
「そうよ」と、彼女はスペイン語訛りで、とても落ち着いた声で言った。「間に合わなかったの」
「で、でも……もしかしたら、切断すれば……」
絶望に駆られ、考えるより先に言葉が口をついて出た。
ローラは僕の言葉を遮った。
「駄目よ、ジェイコブ。もう、どうにもできないわ」
彼女は一歩近づき、僕を抱きしめた。
起きていることのすべてが、重くのしかかってくるのを感じた。
目に涙が浮かび始めた。
僕たちが離れると、倉庫は静まり返った。
誰も話さなかった。
誰も、何を言えばいいのか分からなかった。
ローラだけが、穏やかな小さな笑みを浮かべていた。すでに起きていることを受け入れ、嘆いても何も変わらないと理解しているかのようだった。それでも、彼女の目には涙が浮かんでいた。
沈黙を破ったのは彼女だった。
「先へ進まなきゃ」と、彼女は落ち着いた声で言った。いつもの訛りは、僕たちの誰よりも彼女の言葉を力強く響かせていた。「ここに留まるわけにはいかないわ」
誰も、ここにいたいとは思っていなかった。
それでも、誰も反対しなかった。
彼女が正しいことは、全員が分かっていた。
まだ目に涙を浮かべたまま、僕たちは倉庫を出た。そして空港へ続く道路に戻るため、街の外れを目指して歩き始めた。
空はオレンジ色に染まり始め、破壊された建物の向こうから太陽がゆっくりと昇っていた。僕たちは黙ったまま歩き続けた。
ほぼ一時間が過ぎたころ、症状が目に見えて現れ始めた。
ローラが遅れ始めた。
呼吸は次第に荒くなり、冷たい空気の中でも額から汗が流れていた。歩くたびに、彼女の手はますます震えていた。
「ジェイコブ……」ついに彼女が口を開いた。「少し休ませて」
僕たちは道路脇で足を止めた。
道のそばに傾いた木が一本あった。僕は彼女を支え、幹にもたれかかるように座らせた。
ほかの仲間たちは数メートル後ろに留まり、道路を黙って見つめていた。彼らの顔から悲しみを隠すことはできなかった。
ローラは苦しそうに呼吸していた。
「もう、あまり長くはもたないと思うわ」
熱のせいで、彼女の手がますます激しく震えているのが分かった。体の中で真菌が広がっているのだ。
噛まれた場所は、脳に近すぎた。
その意味は分かっていた。
変異は急速に進むだろう。
抗生物質もない。治療法もない。これから起きることを変えられるものは、何一つなかった。
僕たちは彼女を落ち着かせようとしたが、彼女はあらゆる助けを拒んだ。
「私に物資を無駄遣いしないで」と、彼女は静かに言った。
彼女の手はひどく震えていた。僕は再び泣き出してしまわないよう、一瞬、視線をそらさなければならなかった。
自分を奮い立たせた。
彼女が運命を受け入れているのなら、せめて最後までそばにいること。それが僕にできる最低限のことだった。
そして、彼女は僕の心を打ち砕く言葉を口にした。
「ジェイコブ……私を終わらせるのは、あなたであってほしい」
足元の地面が消えたような気がした。
「嫌だ……」僕はつぶやいた。「そんなこと、できない……君を殺すなんて無理だ」
ローラは静かに首を横に振った。
「お願い……頼むわ」
僕は深い悲しみを抱えながら彼女を見つめ、胸の内にあるすべての感情を抑えようとした。
あらゆる感情があふれ出そうとしていた。それでも、あと少しだけ、何とか自分を保とうとした。
僕に自分の命を終わらせてほしいと頼んだ後、ローラは数秒間黙り込み、苦しそうに呼吸していた。
彼女の胸は大きく上下していた。息を一つ吸うたびに、前よりも少しずつ苦しくなっているようだった。
やがて彼女は顔を上げ、数メートル後ろに立っている仲間たちを見た。彼らは緊張した面持ちで僕たちを見つめ、近づくこともできずにいた。
「ジェイコブ……」彼女はささやいた。「みんなに、こっちへ来るよう頼んでくれる?」
僕は何も言わずにうなずいた。
立ち上がり、仲間たちのところへ歩いていった。
誰も質問しなかった。
彼らの視線には、すでに答えが浮かんでいた。
「別れを言いたいそうだ」と、僕はようやく口にした。
誰も答えなかった。
ただ、リュックや持っていた装備を道路に置いた。
一人ずつ、彼女のもとへ歩いていった。
最初はサムだった。
彼女はローラのそばに膝をついたが、数秒間、何も言えなかった。目は赤くなり、呼吸も途切れがちだった。
ローラは震える手を持ち上げ、そっとサムの頬に触れた。
「ねえ……」彼女は弱々しく笑った。「そんな顔をしないで」
サムは涙の中から、かすかな笑い声を漏らした。
「いつも、私が何をすべきか教えてくれたよね……」彼女はつぶやいた。
「あなたはいつも私に言い返してきたわ」とローラは優しく答えた。「でも、そうできたのはあなただけだった」
サムはうつむいた。
「……私たちのことを、ずっと守ってくれてありがとう」
ローラは小さく首を横に振った。
「これからは、あなたがみんなを守って」
サムは一瞬目を閉じてから、ローラが壊れてしまうことを恐れるかのように、そっと身をかがめて彼女を抱きしめた。
そして、ゆっくりと離れた。
次はブリサだった。
彼女は唇をきつく結び、涙で潤んだ目をしたまま、ローラの前に膝をついた。
「何て言えばいいのか分からない……」彼女はつぶやいた。
ローラは疲れたような小さな笑い声を漏らした。
「それなら、何も言わなくていいわ」
ブリサは首を横に振った。
「あなたは本当に立派な人よ、ローラ」
「あなたも強い人よ」と彼女は答えた。「この世界のせいで、今よりひどい人間にならないで」
ブリサは数秒間、彼女の手を握ってから立ち上がった。
その次にデレクが近づいた。
彼はすぐには膝をつかなかった。
言葉にならない何かを探しているかのように、数秒間、立ったまま彼女を見つめていた。
やがて、彼は彼女の前にしゃがみ込んだ。
「君は、俺たちが諦めることを決して許さなかった」と彼は言った。
ローラは落ち着いた様子で彼を見た。
「あなたも諦めなかったからよ」
デレクは唾を飲み込んだ。
「向こう側で会おう……何らかの形で」
ローラは静かにうなずいた。
「きっとね」
次はクラウディオだった。
彼は重い足取りで近づき、数秒間立ち止まってから膝をついた。
しばらく、二人とも何も言わなかった。
先に沈黙を破ったのはクラウディオだった。
「たぶん……まだ礼を言えていなかったな」
ローラは穏やかな表情で彼を見た。
「言う必要なんてなかったわ」
クラウディオはうつむいた。
「俺は何度も馬鹿なことをした」
「知ってるわ」とローラは小さく笑って答えた。「でも、必要なときには助けてくれた」
クラウディオはため息をついた。
「さっきのこと……全部、悪かった」
ローラは静かに首を横に振った。
「そんなことを背負わないで」
クラウディオは唇を引き結び、それ以上何も言わずに立ち上がった。
最後はエミリーだった。
彼女はゆっくりと近づき、ローラのそばに膝をついた。
数秒間、二人はただ見つめ合っていた。
先に口を開いたのはローラだった。
「あなたは優しい心を持っているわ、エミリー。それを失わないで」
エミリーは、頬を涙が伝うなか、うなずいた。
「ありがとう……今まで、全部」
ローラは震える手を持ち上げ、母親のような仕草でエミリーの頭にそっと触れた。
「みんなを頼んだわよ」
エミリーは少しの間うつむき、深く息を吸ってから、ようやく立ち上がった。
彼女が離れると、僕のところへ歩いてきた。
「ジェイコブ……」彼女は小さな声で言った。「ローラがあなたと話したいって」
僕は彼女のもとへ行き、隣に膝をついた。
ローラはゆっくりと、白衣から小さなリボルバーを取り出した。
震える手でそれを持ち、僕の手の中に置いた。
「怖がらないで」と、彼女は驚くほど落ち着いた声で言った。「あなたは私を傷つけるんじゃない。私を苦しみから解放してくれるのよ」
どうにか状況を変えられる言葉を探している間にも、涙が止めどなく頬を伝い落ちた。
何か解決策はないのか。
何か。
何でもいい。
でも、そんなものは存在しなかった。
ローラは僕を落ち着かせるように、前腕に手を置いた。
「ジェイコブ……私はもう受け入れたわ」と彼女はささやいた。「リズのところへ行くの」
僕は唾を飲み込んだ。何も答えられなかった。
「あなたは空港にたどり着く」と彼女は続けた。「あなたも、みんなも。私の死を、そのための障害にしないで」
彼女は少し体を起こし、僕の目をまっすぐに見つめた。
「今のあなたのままでいてくれると約束して。変わらないで。これからも、大切な人たちを守り続けて」
僕は答えられなかった。
呼吸を整えようとしながら、かろうじてうなずいた。
ローラは手を伸ばし、リボルバーを握る僕の手をつかんだ。
そして優しく、銃口を自分の頭に当てるよう導いた。
「お願い……やって」
彼女は仲間たちにちらりと目を向けた。
それから、再び僕を見た。
「やって……」
僕の手は震えていた。
涙が流れ続けるなか、僕は銃を強く握りしめた。自分の呼吸音だけが、その場のすべてを満たしているように聞こえた。
永遠にも感じられる数秒が過ぎた。
ローラは、もう一度、ゆっくりと言った。
「やって」
僕は歯を食いしばった。
そして、引き金を引いた。
道路の静寂の中に、乾いた銃声が響いた。
その後……
僕の意識は、どこか別の場所へ飛んでいった。
銃を下ろした記憶がない。
息をしていた記憶さえない。
僕はその場に凍りついたまま、同じ姿勢で立ち尽くしていた。リボルバーは、まだローラに向けられていた。
彼女の体は、座っていた木の幹にもたれかかったままだった。動かず、頭をわずかに横へ傾けていた。
彼女の背後の樹皮が、ゆっくりと赤く染まり始めていた。
どうすればいいのか分からなかった。
何を考えればいいのかも分からなかった。
ただ、見つめることしかできなかった。
背後から手が伸びてくるのを感じた。
サムが慎重に僕の隣へ来て、まだ僕の指に挟まれたままのリボルバーを握った。
彼女はそっと引き、僕の手から銃を取り上げた。
「ジェイコブ……」彼女はささやいた。「もう終わったわ。もう、大丈夫だから」
僕は答えなかった。
その数歩後ろから、デレクが近づいてきた。
彼はローラの遺体を見て、それから僕を見た。
「リュックに折りたたみ式のシャベルがある」と、彼は小さな声で言った。「俺がやる」
彼はクラウディオとともに離れていった。
数分間、道路脇の湿った土をシャベルが打つ音だけが聞こえていた。
僕はまだそこに立ち、ほんの数分前までローラが座っていた場所を見つめていた。
穴を掘り終えると、サムが白い毛布を持ってきて、慎重に彼女の体を覆った。
デレクとクラウディオが身をかがめ、遺体を持ち上げようとした。
そのとき、木の幹から彼女の体を離した瞬間、何かが根元の地面に落ちた。
小さなカードだった。
僕はゆっくりと身をかがめた。
研究所の身分証だった。
写真には、いつもと変わらない穏やかな表情のローラが写っていた。
その下には、彼女の名前が印刷されていた。
僕はしばらく、黙ってそれを手にしていた。
それから、ポケットにしまった。
「気をつけろ……」クラウディオが突然うなった。
傷のせいで体力が落ちていた彼は、遺体の重さに耐えきれず、手を滑らせそうになっていた。
僕はすぐに近づいた。
「僕が代わる」
デレクと二人でローラの体を穴の中へ下ろした。
数秒間、誰も何も言わなかった。
やがて僕はシャベルを手に取り、彼女の体に土をかけ始めた。
土を一杯かけるたびに、その重さが増していくように感じられた。
湿った土が白い毛布に当たり、鈍い音を立てた。
埋葬を終えると、エミリーとブリサが近くで見つけた二本の木片を使い、簡素な十字架を作った。
それを墓の後ろの地面に突き立てた。
僕たちは全員、黙ったまま墓の周りに立っていた。
考えながら。
あまりにも短い時間で、すべてが起きてしまったことを理解しようとしながら。
どうして、ここまで来てしまったのかを。
僕は道路のほうへ目を向けた。
太陽はすでに高く昇っていた。沈むまで、あと数時間というところだった。光は地平線へと続く道を照らしていた。
僕たちの目標は、あそこにある。
エミールの死も、ローラの死も、タバタの犠牲も、決して無駄にはさせない。
僕は深く息を吸い、仲間たちを見た。
「先へ進まなきゃ……」声を震わせながら、僕は言った。
デレクが近づき、僕の肩に腕を回した。
サムも僕のところへ来て、眼鏡を差し出した。ローラのものだった。
それから、彼女は僕を強く抱きしめた。数秒間、ずっと。
僕たちはリュックを拾い上げた。
そして、残念ながら、ローラをあそこに残していかなければならなかった。
ほぼ二時間の間、誰も一言も発しなかった。
ただ道路を進み続けた。もう一つの死の重みを背負いながら。
振り返らなかった。
話もしなかった。
それぞれが、自分自身の思考に沈みながら歩いていた。
僕の頭は、まだあの木のそばにあった。
あの噛み傷。
僕の手の上で震えていた彼女の手。
あの銃声。
そのとき、背後からエンジン音が近づいてくるのが聞こえた。
全員が同時に振り返り、武器を構えた。
僕は反応するのが一秒ほど遅れた。
振り向くと、軍用トラックとピックアップトラックが道路を近づいてきていた。
車両は数メートル先で停まり、何人もの兵士が武器を構えたまま降りてきた。
その軍服には見覚えがあった。
タバタが着ていたものと同じだった。
彼らが撃ってくることはないと分かっていた。
命令はすでに取り消されていたのだ。
兵士の一人が近づいてきた。
「エドワード・ターナー大尉だ」と彼は言った。「こちらは私の部隊です」
彼は僕たち一人ひとりを見てから、続けた。
「空港の軍事キャンプへ向かっています。三日以内に、民間人を避難させる最後の航空機が出発する予定です。そこへ行きたいのなら……我々と一緒に来たほうがいい」
全員が僕を見た。
僕の判断を待っていた。
疲労のせいだったのか、悲しみのせいだったのか。それとも、もうこれ以上何かを議論する力さえ残っていなかったからなのか。
自分でも分からない。
ただ、僕はうなずいた。
「行こう」
僕たちはリュックをピックアップトラックに積み込み、乗り込んだ。
大尉は僕たちの旅について、どこから来たのか、道中で何があったのかと質問を始めた。しかし、僕には話すことができなかった。
移動中、デレクとサムが代わりに答えてくれた。
エンジンが道路を走る音を聞いているうちに、ついに眠気が僕を打ち負かした。
ほぼ二日間、眠りも食事も取っていなかった。体が限界を迎え、意識を手放したのだ。
目を覚ましたときには、すでに夜になっていた。
車内は静まり返っていた。
運転手と、助手席で道路を見つめているもう一人の兵士を除いて、全員が眠っていた。
僕はもう眠り続けることができなかった。
ノートを取り出した。
膝の上に置いた。
そして、ここまでのことを書き始めた……
書き続ける意志を失ってしまう前に。
お願いだ……もう、こんなことは終わりにしてく……




