XVIII — 計画
第一段階、完了。第二段階、進行中。
10月19日 — 隔離命令発令から34日目。
翌朝、俺はキノコについて突き止めたことを、みんなにすべて話した。
決して楽しい会話ではなかった。俺たちはテントの中のテーブルを囲んで座っていた。外からは、キャンプの日常的な物音が聞こえ始めていた。湿った地面を踏むブーツの音、命令を出す兵士たちの声、誰かが箱を引きずる金属音。安物のコーヒーの匂いに、湿った衣服の匂いと炊事場から漂う煙の匂いが混ざっていた。
最初に口を開いたのはデレクだった。
「信じられない……」
サムは数秒間、カップを見つめてから顔を上げた。
「まだ頭の中で整理しているところだ。一度に入ってくる情報が多すぎる」
俺の向かいに座っていたラウラは、ほかのみんなよりずっと落ち着いているように見えた。
「私には筋が通っているように思える」と彼女は言った。「これまで見てきたことを考えれば、すべてに単純な説明があるほうがおかしいわ」
ブリサは俺の隣にいた。会話が始まってから、ほとんど口を開いていなかった。彼女は一瞬デレクを見たが、彼はテーブルに意識を向けたまま、もう溶かす砂糖も残っていないコーヒーを小さなスプーンでかき混ぜていた。
「それで、どうするの?」ブリサは俺を見て尋ねた。「ジェイコブ、彼らについていくの?」
「たぶんね。まだ呼ばれてはいないけど」
デレクが小さく笑った。
「お前のことだから、呼ばれなくても結局何かに首を突っ込むんだろうな」
「たぶん」
「それは自慢できることじゃないぞ」とサムが口を挟んだ。
「自慢なんかしてない」
「そう聞こえたけどな」
ラウラが小さく笑った。
「たまには彼を放っておいてあげたら?」
ブリサは首を横に振った。
「だめ。放っておいたら、今度はトラブルに巻き込まれるもの」
その朝、初めて全員が笑顔になった。
その後、俺たちは朝食を食べに行った。食堂はいつもよりかなり混雑していた。数分間だけ、俺たちはここが破壊された国の真ん中にある軍の避難施設ではなく、普通のキャンプであるかのように振る舞うことができた。
クラウディオたちは近くのテーブルにいた。クラウディオはロサと話し、エミリーは黙って食事をしていた。一方、エンリケは核戦争に耐えられるように封をされたかのようなビスケットの袋を開けようと奮闘していた。
「手伝おうか?」通りすがりに俺は尋ねた。
「いや。勝ってるところだ」
「もう5分だぞ」
「長い戦争だって勝てるんだよ」
俺は笑い、そのまま歩き続けた。
その後、周囲に人が少なくなったのを見計らい、彼らと一緒に座ってキノコについて説明した。クラウディオは腕を組んだまま話を聞いていたが、さほど興味を示さなかった。
「つまり、すべては科学研究から始まったってことか」と彼は言った。
「一部はね」
「いつも同じ結末だ。誰かが世界を救おうとして、結局ぶち壊す」
ロサが彼を見た。
「まるで彼らのせいみたいな言い方をする必要はないでしょう」
「彼らのせいだなんて言ってない」
エミリーが顔を上げた。
「まさにそういう言い方をしたわ」
クラウディオは答えなかった。ただ、再び食事を始めた。
エンリケが小さく笑った。
「まあ、少なくとも世界がもう一度終わることになったら、科学者たちのせいにできるってわかったな」
「有益な意見をありがとう」とロサが言った。
「俺だって自分にできることをしてるんだ」
それ以上話す時間はなかった。タバタが食堂の入り口に現れ、ついてくるよう俺に合図した。
俺は立ち上がり、彼女の後を追って兵舎まで行った。
「いつ出発するんだ?」俺は尋ねた。
「あなたは1時間後。私たちは今からよ」
俺は足を止めた。
「何だって? どういうことかわからない」
タバタが振り返った。これから告げようとしていることを気まずく感じているように、彼女の表情が変わっていた。
「ハミルトンは、あなたに別の任務へ行ってほしいそうよ。南から救援要請が入ったの。私はプラットフォームへ向かう」
「だめだ。俺も一緒に行かなきゃ」
「ジェイコブ……」
「俺だって役に立てる」
「わかってる」
彼女はため息をついた。
「でも、もう決まったことなの。信じて。説得しようとしたけど、聞き入れてもらえなかった」
「どうして俺は行けないんだ?」
「部隊を分けたいそうよ。それに、私たちには別の任務がある。心配しないで。きっとうまくいくわ」
俺は数秒間、彼女を見つめた。
「それで、ブリーフケースは?」
「博士が場所を教えてくれた。ロシア人たちは見つけられなかったの。隠されているから」
「いつ戻る?」
「今夜よ。ブリーフケースを持って、ここに戻るわ」
どうしても納得できなかった。
「気をつけて」
タバタはわずかに微笑んだ。
「お願いだから、ヒーロー気取りはやめてね」
「そんなことはしない」
「そう願ってるわ」
「約束する」
「それならいいわ」
彼女は俺の腕を軽く叩くと、ほかの4人の兵士とともに去っていった。
俺は彼女たちの姿が兵舎の一つの向こうに消えるまで見送った。
その後、キャンプの副司令官である大尉が、俺自身の任務について詳しい説明をしてくれた。
どうやら、キャンプからそれほど遠くない南の地点から救援要請の通信が入ったらしい。その場所はスカイビルという町だった。
俺には4人編成の分隊が割り当てられた。アレックスがリーダーで、リチャードとイーサンが残りの隊員、そしてリサが衛生兵だった。
ライフルは持たなかった。拳銃だけだった。
俺たちは民間のピックアップトラックに乗り込み、出発した。
到着まで、およそ1時間かかった。
スカイビルは、ずっと以前から放棄されていたかのような町だった。
道路の真ん中には動かなくなった車があり、窓ガラスは割れ、アスファルトには黒ずんだ染みが残っていた。何体もの感染者の死体が家のそばに転がっていた。薬莢もそこら中に散らばっていた。
奇妙な静けさだった。
完全な無音ではない。木々の間を吹き抜ける風の音や、枝が壁にぶつかる音、ときおり聞こえる鳥の声はあった。しかし、人間の声はなかった。
アレックスが周囲を見回した。
「リサ、君はトラックに残れ。車両を守り、負傷した生存者を見つけたら手当てを頼む」
リサはうなずいた。
「了解」
「ジェイコブとイーサンは西へ。リチャードと俺は東へ向かう。何か見つけたら無線で知らせろ」
「了解」と俺は答えた。
イーサンと俺は、家々の間を進み始めた。
「まだ生きてる人がいると思うか?」彼が尋ねた。
「わからない」
「素晴らしい答えだな」
「嘘をついてほしいのか?」
「少しくらい楽観的でもいいだろ」
「死体だらけの町にいるんだぞ」
「そうだな。お前の言うとおりだ」
俺たちは歩き続けた。
突然、茂みの中で何かが動いた。
俺たちは同時に拳銃を構えた。
「動くな!」イーサンがささやいた。
枝が揺れた。
そして、一匹の犬が現れた。
大きな犬で、汚れた毛には葉っぱが絡みついていた。犬は数秒間俺たちを見つめ、それから尻尾を振りながら近づいてきた。
イーサンは銃を下ろした。
「なんだ……。予想していたものとは違ったな」
犬は俺に近づき、鼻先を俺の手に押しつけた。
「撫でてほしいみたいだな」
俺はしゃがみ込み、犬の頭を撫でた。
そのとき、首の周りに何かがあるのに気づいた。
「見ろ。首輪に住所が書いてある」
イーサンが身をかがめて読み取った。
「この町の犬だと思うか?」
「たぶん」
犬は再び数メートル歩き、それから振り返って俺たちを見た。
「ついてきてほしいんじゃないか」
「ついていくべきか?」
「損はない」
俺たちは犬の後を追い、脇道を進んだ。やがて、木々に囲まれた小さな家にたどり着いた。
外から見た限り、特におかしなところはなかった。
イーサンがドアを試した。
鍵がかかっていた。
「こんにちは!」俺は大声で呼びかけた。
俺たちは待った。
何も起きなかった。
もう一度、呼びかけた。
「誰かいるか?」
犬はドアのそばに座った。
「入ろう」とイーサンが言った。
俺たちは窓の一つを割り、中に入った。
その瞬間、悪臭が襲ってきた。
腐敗臭。
湿気と腐った肉、そして閉じ込められた空気が混ざり合った臭いだった。
イーサンは口元を覆った。
「ここで何かが死んでる」
俺は彼を見た。
「そう思うか?」
俺も鼻を覆った。
「いや、たぶんアロマキャンドルだろ」
イーサンは一秒ほど俺を見つめた。
「面白い冗談だな」
「士気を保とうとしてるんだ」
俺たちは臭いをたどって部屋へ向かった。
ベッドの上に、2体の死体があった。
年老いた夫婦だった。
時間が、彼らにすべきことをすべてしていた。
壁の一つには家族写真が飾られていた。何枚かの写真には、若い頃の同じ夫婦が写っていた。別の写真には、彼らのそばに一匹の犬がいた。
俺たちをここまで導いた犬がベッドに近づき、死体の匂いを嗅ぎ始めた。
イーサンが唾を飲み込んだ。
「神よ……」
俺は写真の一枚を見た。
同じ犬だった。
「ここがあいつの家だったんだ」
イーサンは深く息を吸った。
「少なくとも、飼い主のところへ戻ってこられたんだな」
無線機が雑音を立てた。
「何か見つかったか? どうぞ」とアレックスが尋ねた。
イーサンが無線機を手に取った。
「今のところ何も。ただ、死体があるだけです」
「了解。捜索を続けろ」
俺たちはさらに数分間そこにいたが、何も見つからなかった。
日が暮れ始めていた。
アレックスから再び無線が入った。
「救援要請に間に合わなかったのか……それとも、嘘だったか」
「たぶん……」リチャードが無線越しに言いかけた。
遠くで銃声が響いた。
全員が動きを止めた。
「遮蔽物に隠れろ!」アレックスが叫んだ。
銃弾は俺たちに向けて撃たれたわけではなかった。しかし、あまりにも近くで響いた。
アレックスが再び無線で指示を出した。
「西側を迂回する。撃った奴を探せ」
俺たちは合流し、森の中を通って町を迂回した。
そのとき、リチャードが足を止めた。
「……あそこだ」
遠くの木々の間に、まだ確認していない家が一軒あった。
明かりがついていた。
俺たちは近づいた。
アレックスが片手を上げた。
すぐに中へ突入した。
ドアを壊し、室内に銃を向けた。
上半身裸の男が、ショットガンを持って立っていた。
「アメリカ陸軍だ! 銃を下ろして、両手を上げろ!」アレックスが叫んだ。
男は後ずさった。
「お前たちは本物じゃない! 俺を一人にしてくれ!」
「銃を下ろせ!」
そのとき、床に倒れている女性が見えた。
負傷していた。
彼女のそばには、頭を撃たれて死んでいる別の男がいた。
ショットガンを持った男が、女性に銃口を向け始めた。
「お前も死ね、悪魔め!」
「撃つな!」アレックスが叫んだ。
間に合わなかった。
銃声が家の中に響き渡った。
女性は死んだ。
俺たちは即座に発砲した。
男が床に倒れた。
数秒間、誰も何も言わなかった。
リチャードは口元に手を当て、とうとう壁際で吐いた。
イーサンは走って外へ飛び出した。
だが、遠くまでは行けなかった。
銃声が感染者たちを引き寄せていた。
一体が木々の間から現れ、イーサンに襲いかかった。
「イーサン!」
俺は彼が倒れるのを見た。
俺たちが駆けつける前に、感染者が彼の手に噛みついた。
アレックスが発砲し、感染者を倒した。
イーサンは必死に立ち上がった。
「いやだ! 噛まれた! 噛まれたんだ!」
彼は苦しそうに息をしていた。
俺は傷口を見た。
そのとき、サディアスが説明していたことを思い出した。
キノコは血液を通って移動する。
一つの考えが頭に浮かんだ。
「キノコは血液を通って移動するんだ!」
アレックスは理解できないという顔で俺を見た。
「何だって?」
俺はタバタから贈られたマチェーテを抜いた。
イーサンが俺を見た。
「何をするつもりだ?」
「動くな」
「ジェイコブ……」
「彼の腕を押さえてくれ」
アレックスが俺の肩をつかんだ。
「何をする気だ?」
「感染した経路を断てば、キノコは脳まで到達しないはずだ」
「どうしてそんなことがわかる?」
俺は彼を見た。
「わからない」
アレックスは黙った。
「でも、試すしかない」
リチャードとアレックスがイーサンを押さえた。
彼の全身が震えていた。
俺は両手でマチェーテを持ち上げた。
イーサンは泣き始めた。
「やってくれ……」
俺は深く息を吸った。
最初の一撃では切断できなかった。
二度目もだめだった。
三度目で、ようやく手が切り離された。
イーサンは力の限り叫んだ。
俺たちはすぐに傷口を布で覆い、出血を止めるために強く押さえた。
感染者たちはまだ近づいてきていた。
「逃げなきゃならない!」リチャードが叫んだ。
俺たちはイーサンが立ち上がるのを助けた。
リサはすでにトラックのそばで待っていた。
俺たちはイーサンを荷台に乗せ、リサが手当てを始めた。
俺は撤退を援護するためにその場に残った。
考えている時間はなかった。
ただ、動くしかなかった。
キャンプに到着すると、俺たちはイーサンを降ろし、医務室まで走って運んだ。
ラウラが出迎えに来た。
「こっちよ!」
俺たちは二人で彼を担架に乗せた。
「私に任せて、ジェイコブ」とラウラが言った。「落ち着いて。行って」
「彼は助かるのか?」
「できる限りのことをするわ」
俺は数秒間、彼女を見つめた。
彼女の服には自分のものではない血がついていて、目には疲労がはっきりと表れていた。
「ありがとう」
「行って」
俺は医務室を出て、外でアレックスとリチャードのそばに立った。
アレックスが俺の肩に手を置いた。
「よくやった、ジェイコブ」
リチャードもうなずいた。
「休め。よくやったな」
二人は立ち去った。
俺は医務室の入り口の前に一人で残った。
自分の手を見つめた。
まだ血にまみれていた。
タバタのことを尋ねるため、指揮所のテントへ向かった。予定どおりなら、彼女たちはもう戻っているはずだった。
「ジェイコブ」と、俺を見るなり大尉が言った。「何があったか、すでに報告を受けている。協力に感謝する」
「タバタの分隊は?」
大尉は首を横に振った。
「まだ戻っていない。もうすぐ到着するはずだ」
「本当ですか?」
「ああ。心配するな。休め。休むだけの働きはした」
俺はうなずいた。
兵舎に装備を置き、シャワーを浴びて血を洗い流した。
それから医務室へ戻った。
ラウラはイーサンのそばにいた。
「ジェイコブ」
「彼はどうだ?」
彼女は微笑んだ。
「あなたの仮説は正しかったわ」
俺は彼女を見つめた。
「本当に?」
「ええ。感染した手足を切断したことで、キノコの進行を食い止められたの」
「容体は安定している?」
「ええ。出血も止まったわ。まだ眠っているけど、容体は安定している」
俺は数分間もこらえていた息を吐き出した。
「よかった……」
ラウラが俺の肩を軽く叩いた。
「あなたが彼を救ったのよ」
「ありがとう、ラウラ」
俺はしばらくドアのそばに立っていた。
「君も休んだほうがいい」
彼女は血まみれの服を見た。
「彼の処置が終わったらね」
「いつもそうだな」
「あなたはいつも馬鹿なことをするでしょう」
「じゃあ、お互いさまだな」
ラウラは微笑んだ。
俺は医務室を出た。
自分のテントへ向かって歩いていると、兵舎の影から誰かに呼び止められた。
「おい」
俺は足を止めた。
聞き覚えのある声だった。
「サディアス博士?」
彼だった。
博士は近づいてくる前に、左右を見回した。
「大尉との会話を聞いた。重要なことを伝えなければならない」
「どうしたんです?」
「来い」
俺は彼についていき、人目のない場所まで移動した。
「話してください、博士」
サディアスは深く息を吸った。
「石油会社の施設への潜入任務についてだ」
「あの任務がどうしたんです?」
「嘘をついた」
俺は眉をひそめた。
「何ですって?」
「暗号……爆発物が仕掛けられている」
「何を言っているんです?」
「聞いてくれ。すべて説明させてほしい」
「だったら話してください。俺は何も知りません」
サディアスは手で顔をこすった。
「昨夜、ハミルトン大佐とほかの将校たちが、機密事項について私と話をした。その途中で、彼らはブリーフケースについて尋ねてきた」
「それで、何と答えたんです?」
「持っていないと答えた。まだプラットフォームにあると」
「続けてください」
「すると、彼らはオフィスのアクセスコードを要求した」
「それで?」
「私は3つのコードを書いた紙を渡した」
「3つ?」
彼はうなずいた。
「緊張していたんだ。彼らに正しいものはどれかと聞かれたが……答えられなかった」
俺は彼をじっと見つめた。
「どのコードですか、サディアス?」
「指揮用のコードはいくつもある。それぞれ、異なるものを作動させる」
彼は、震える手で折り畳まれた紙を取り出した。額には汗が浮かんでいた。
「持ち出した資料の中には3つのコードがあった。オフィスのコード。ブリーフケースにアクセスするためのものだ。警報コード。これはセキュリティ対策を作動させる。そして、プラットフォームの起動コードだ」
最後のコードに触れたとき、彼の声が変わったのに気づいた。
「プラットフォームを起動すると、どうなるんです?」
サディアスは唾を飲み込んだ。
「私たちは感染者を研究していた」
沈黙が訪れた。
「標本として、まだ『生きている』個体を何体か確保していた。コンテナの中に閉じ込めていたんだ」
「それで?」
「ロシア人たちはコンテナの扉に爆発物を仕掛けた。それをプラットフォームの電源に接続したんだ」
「なぜ?」
「誰一人、生きて戻れないようにするためだ」
胃のあたりが締めつけられるように感じた。
「誰かがプラットフォームを起動したら、どうなるんです?」
サディアスは俺を見た。
「爆発物が作動し、コンテナが開く」
「それで?」
「施設全体が感染者で埋め尽くされる」
俺は身動きできなかった。
「それに、まだ彼らが戻ってきていないことを考えると……」
彼は言葉を最後まで続けなかった。
その必要はなかった。
「もう起きたんだ」
俺は信じられない思いで彼を見た。
「どうして、もっと早く警告しようと思わなかったんですか?」
「怖かったんだ!」
「何が怖かったんです?」
「また彼らと一緒に行かされて、死ぬことだ! あの夜、大佐は激怒していた! 何も言いたくなかったんだ!」
俺は数秒間、彼を見つめた。
何と言えばいいのかわからなかった。
やがて首を横に振り、指揮所のテントへ向かって走り出した。
「大尉!」
男が顔を上げた。
「どうした?」
「罠です!」
「落ち着け。何の罠だ?」
「アクセスコードです。博士が打ち明けました。プラットフォームに爆発物が仕掛けられています。助けに行かなければ!」
大尉は真剣な表情で俺を見た。
「来い。大佐に直接話せ」
俺たちは中へ入った。
ハミルトンは指揮所のテントの中にいた。
「何事だ?」
俺はすべてを説明した。
何一つ省かなかった。
話し終えると、ハミルトンは数秒間黙っていた。
「いいか、ジェイコブ。協力と心配には感謝する。だが、君は休んで待機していろ」
「大佐……」
「博士の話が本当だったとしても、これ以上の部隊を派遣することはできない」
「でも、彼らは閉じ込められているんです!」
「くだらない紙切れのために、我々はすでに人員も資源も失いすぎた」
「彼らは大佐の部下です」
ハミルトンは目つきを鋭くした。
「だからこそ、ほかの兵士まで犠牲にするつもりはない」
「では、どうするつもりですか?」
「待つ」
「もし彼らが戻らなかったら?」
「撤退する時点で戻っていなければ、彼らを残して去る」
彼は出口を指さした。
「余計なことはしないよう勧めておく」
俺は嫌悪感を込めて彼を見た。
彼らは大佐の部下なのだ。
あそこに置き去りにすることなど、できるはずがなかった。
俺は何も答えず、テントを出た。
諦めるつもりはなかった。
歩きながら、一つの考えが頭の中で形になり始めた。
だが、一人では実行できない。
誰かの助けが必要だった。キャンプの事情を知っていて、怪しまれずに俺を外へ連れ出せる人物が。
俺はパイロットを探した。
彼はヘリコプターの中に座り、計器盤の下で何かを確認していた。
「ハリー」
彼が顔を上げた。
「おお、ジェイコブ。調子はどうだ?」
彼は近づいてきて、俺と握手した。
「そういえば、弟のことを守ってくれた礼をまだ言っていなかったな」
「気にしないでください」
俺は周囲を見回し、誰も聞いていないことを確かめた。
「ハリー、聞いてくれ。君の弟が罠にはまった」
彼の表情がすぐに変わった。
「何だって?」
「博士が意図せず、彼をそこへ送り込んだ。彼らは孤立しているのに、大佐はこれ以上部隊を派遣するつもりがない」
ハリーは数秒間、黙っていた。
「俺のところへ来たってことは、助けが必要なんだな」
俺はうなずいた。
「計画は?」
「まだ完全には決まっていない」
「じゃあ、まずそこから考えよう」
俺は彼を見た。
「感染者の死体が必要なんだ」
ハリーは片眉を上げた。
「わかった……」
「手に入れられるか?」
「たぶんな」
彼は数秒間考えた。
「23時の警備兵と知り合いなんだ。そいつには借りがある」
「完璧だ」
俺たちは、その時刻になるまで待った。
キャンプの出入口へ向かった。
警備兵はすぐにハリーに気づいた。
「調子はどうだ、相棒?」
「いつもどおりさ」
「何か用か?」
ハリーは笑った。
「貸しを返してもらいに来た」
男はため息をついた。
「もちろんだ。何が欲しい?」
「5分だけ外に出たい」
警備兵は彼を見た。
「外に?」
「ああ」
「許可されていないぞ」
「記録はなしだ。見なかったことにしてくれ」
警備兵はためらった。
「ええと……わかった」
ハリーは微笑んだ。
「心配するな。何も……『違法な』ことじゃない」
警備兵は迷っていたが、最後には承諾した。
「5分だけだぞ」
俺たちが通れるだけの隙間を残して、彼は門を開けた。
俺はマチェーテと白い毛布を持って外へ出た。
夜は冷え込んでいた。
警戒区域の外へ数メートル進み、捜し始めた。
それほど時間はかからなかった。
廃墟となった建物の近くで感染者を見つけた。
俺はそいつを殺し、人気のない場所まで死体を引きずっていった。
それから、その上に毛布を広げた。
血が布に染み込み始めた。
俺はそれを両手で持ち上げた。
必要なものは、これで手に入った。
第一段階、完了。第二段階、進行中。




