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foois特別編 年越し/新年編 シルヴェスターの聖戦3

※これは特別編3です、本編とは異なることと3なので1と2を読んでからお読みすることを推奨いたします

※これで特別編は完結です、ここまでご愛読いただけた方へ感謝を申し上げます。ぜひ最後まで楽しんでみてください。


時間は少し前に遡る…


《ベシルvsズラトロク 虫王之幻想樹の沼地》


山狩(ゲリンゼル)


ズラトロクは自身の指を少し噛んで切り、その血の一滴で半径298,100 km²圏内の大地を切り裂いた。その攻撃範囲はかのドイツ、フランス、イタリア、リヒテンシュタイン、モナコ、オーストリア、スロベニアの7カ国にまたがるアルプス山脈に相当する範囲で、周囲の地面はすでに切り裂かれ見る影もない。


(幻想樹の沼か、虹色に輝く煌びやかな場所だとは聞いてたがまさかこの周辺一体が一つの亜空間の中だったとはな…)


亜空間領域、それは現実の物理法則を超えた空間。その世界の理、法則は現実のそれとは異なる構造は変幻自在かつ空間の広大さも現実の範囲に収まらないほど広い可能性もある。


だからこんな無茶苦茶な、広範囲攻撃でも外の世界に影響はなくだからこそ外部からの応援や干渉が及ぶこともない。


「吹き飛べぇぇぇ!!!」


男はそう叫ぶと、口を閉じ喉を膨らませその口を大きく開く。


「「純白之煌花エーデルワイス」」


そう叫ぶ一体の背後、いやベシルを取り囲むように現れた分身が同時にその口から大きな閃光が放たれる。

その閃光はまさに原子の構造の如く高密度な光の線を描きだし中央のベシルにはその全てが一斉放射される。


「ただのバカデケェーエーテル砲じゃねぇーか、カッコつけんなぁ…」


ニヒルな笑顔は複数に分かれた彼に、死ぬ間際のベシルの狂気の表情に恐れおののいたあれの事を思い出してその場の全個体が静止し微量な震えを発症する。


「本日二度目のぉ~罪之鎖クライムチェイン


それは回転を加えた鎖の竜巻、ベシルの回転力がその場の全ての閃光を打ち消し跡形もなくまるではなからそこには真空以外何もなかったと言わんばかりに、たたずんでいる。


「は!」


そんなことが起きた直後、やった意識を取り戻したズラトロクの目の前に広がる光景…


「メタルクーラって言ったがあれとは状況が違うな、クーラは強いから絶望感があっていい悪訳だった…でもお前は…“弱い”」


その場にいたはずの全分身が一人を残して全員、最初と同様に首を掻っ切られてその場に倒れている。


「あ”?一人残しては語弊があるな…」


その瞬間、いやあるいは元からたった一体も残さずしかしその切れ味が見事過ぎで首がそれと繋がる神経や肉体が、切り落とされたと言う結果を認識するのが遅れただけかもしれない。


それほどまでに華麗な技捌きを見せつけるベシルを見てやっと自身と目の前の異物との差な気づいたズラトロク。

どれだけの不死性、どれだけの腕力、どれだけの破壊能力、特殊能力異能力、破壊力切断力を持ってしても彼女の前では等しく…


「いやぁぁぁ!!!まだっっっだぁぁぁ!!!」


その声は、ベシルの背後からその上空から聞こえた刹那の叫び。


(これは…かつて我々自身を殺した人間の真似事。使いたくは無かったが、我が人を超越するには必要だったある意味で…我々救った創造の儀。)


「捉えた獲物は流さない…」


そらは、彼が生涯放つ最後の詠唱…


「死ねぇぇぇいぃぃぃ!!!ベスル・ラブ・アンベシルぅぅう!!!」


放った言葉は、彼が残す正真正銘最後の遺言。


一騎当千(シャモア・シュラーゲントゥス・)之矢(グランディヘーレ)


その一射は、先ほどの血の斬撃を遥かに超える超常神秘のそれ…威力を例える言葉が見つからないレベルの破壊の矢であったが、強いて例えるならそれが結果として地面に数瞬でも触れていたならここら一帯の地面は完全に消し飛び地面には遥か彼方の地球の反対側がいつでも覗ける風穴はと変わっていたであろう威力。


それは彼のだせる全身全霊、渾身絶技の一射。


そんな大逸れた一撃を…避けるましてや受け止めれる者などいるわけが…


「いるぜ…ここに…」


それは赤黒い閃光、迸るそれが空間を乱し掻き回し。その矢は、その手に受け止められていた。


「ありえない…」

「知らないのぉ〜お姉さんの鎖は、天使の加護も神の奇跡も伝説の剣も兵器、武器の性能も…高い温度も低い温度も、時も次元も空間も、命も形もあらゆる力も、概念と因果も理もぉぉぉ!!!…」


ベシルはただ、ただ、妄言にも思える厨二臭い妄想論。全てを凌駕する力、何よりも強く、何よりも絶対の設定。痛々しくて見ていられない神の如き盛り過ぎた解釈、それを他の誰かが言ってもこれほどの信憑生や説得力はないだろう。


そう思えるほどに絶対、だからかつて戦乱の世で他種族はもちろん同種族とすら嫌悪しあって争い合っていたその時代を統率するべくつくられた十戒団。

そこに集う最強の実力、最大の発言権も持つ彼ら十名の裏切り者が出た際の暗殺を任せられていた女の言葉。

上位三種族を滅ぼし、全人口の中から16億人を殺した女の言葉


それはまさに…


「全部茶番にしてやんよ…」


せっ説得力が違う!そう思いいたるほどに圧倒的強者の風格。


「まだ…立…上がれる…」


それでも、声どころか首も全分身体の全細胞が粉みじんにされてなお…その飛び散っ大量の血液。彼女に触れて滴る返り血の一滴一滴から増殖、復活、再生するズラトロクの得意体質。


「“血牛之三途狩理(アンデット・キリング”」

「血の一滴でも残れば即時復活…鬱陶しいが…安心しろぉ~」


復活、その瞬間に気づいた違和感…


「“血の一滴も残しちゃいねぇーよ”」


周囲の血だまりが消えた、先ほどまで滴っていた返り血が消えた。


「言ったろ…血だって形ある物質だぜ。俺の罪之鎖クライムチェインの適応内だ。全部残らず封印した、もうどこにも逃げ場はねぇ~ぞ。陸王さまよぉ~」


そして至った初めての完全なる死、それからいたる現在の状況。


『陸王を倒したかえ?、そうか…そうかそうかそうだろうよぉ~。あれ程度の不死性ではそなたは止められまいと思っていたえ、しかし無碍にされるとは…いささか読みが甘かったえ。』


「甘すぎだぁ~甘ったるくて喰えないグラブジャムン見てぇ~に甘々だぁ。入れる調味料は選べよ、あとは適量に入れて適切なようとに入れろ。じゃねぇーと、メシが不味くなる…」


『それは銅感だ、テキトウに入れたのでは不味いメシだえ…だがメシ炊きは私の仕事ではないゆえ気にせんでいいえ。』


「そうかい?じゃぁ~なんだ。腹がすいた腹がすいたとのたうち回るだけの赤ん坊。そんなこと数十年続けてるろくでなしにでもなろうてのかい?」


『ダヌ、地母神のかけたのか…ハハこれは一本取られただえ。』


二人は睨みを聞かせて煽り散らかし、そんな他愛ない会話の中で確かに相手への敵意を言霊にしてぶつけあっている。

現代で言うレスバが繰り広げられるなか、ベシルはいつなんどき誰に襲われてもいいように修道女を守る。


「ここで筆問、疑問の一句「この状況、どうしたらいい?、マイマスター」」


『おぉ~悪い、いいぞ。狩ってしまっても…』


「御意」


その女は、動き出した。先ほどかけた全身全霊、全存在をかけた一撃を容易くあしらわれ自陣之可能かな限りの最高水圧をかけてなお潰せなかった不倶戴天の天敵を前に彼女の放った狂犬歯。


「はぁぁノリノリだねぇーお嬢ちゃん!。


二人が相対すらその目は涙溢れる虚と、戦意ギンギンの眼光。


「妖艶なる英雄殺しの象徴、我が名はグィネヴィア、ヘベ、クリームヒルト。三者三様の英雄の弱点を突く妖艶の美女達よ、我が願いは今ぁ!!!ここに血の涙と共に約束された…」


一滴こぼした血の涙は、そのまま周囲に広がり血まみれの美巨女が大地に触れて煌びやかな白き城を赤き血潮の脈動を刻む肉肉しいそれへと変質させていく。


血之滴屡姫君達之宴メイドインブラット


(一句…いや普通に喋ろうか、同一化実験。それはあらゆる時代、あらゆる場所のあらゆる伝承、逸話、伝説、幻話に語り継がれるうちにそれらは形を変え変質化していく。違う人間が過去の誰かさんと、同じ存在として統合される。近し性質を持つ他人を分かりにくいと言う理由で一緒にする。人間は豪が深い、それは確かに一個人として存在した他人なのに…一つの人生を終え切った誰かなのに…。眼に見える現在しか見ない、知らない遠い他人の過去などどうでもいいんだなぁ~。そういった人の豪が同一化実験の始まり、そして私はあらゆる神話、民話、童話、現代のファンタジーにすら登場する最強、最高の英雄、主人公達を陥れる悪女の話。それを同一化、統合した存在こそが私個人だ…)


「そして一句…「血染めの星、姫君三途の川の、向こうで待つ」つまり…終わりってこと…」


その手を上げる、向けるベシルの肉体が血管が浮き出てハデようとしている。


修道女もまたベシルと同じ現象に見舞われるが、その結果はハデるではなく絡みつく肉棒を生み出し締め上げる。


『彼女に取り付けた能力は、嫉妬深き悪女、女々しく吠える悪女、英雄殺しの弱点となる悪女のそうねんを込めた水の性質…それと今の技は妖艶の獣たる肉欲を満たすための肉便器たる女子共の化身。かのギリシャの神話では犯してる最中を狙って最強の神は死に、さらに後も同じことが繰り返された…肉欲を満たす願望器たる女の最大の牙は油断を誘うハニートラップ。指し示すものを肉塊に変えるのがそれの力だ…』


男はそうかたる、彼女の必殺の絶技の解説。曰くそれはさ指し示すものを変幻自在の肉塊に変えてしまう最強、必中の能力。

かのヘラクレスの妻が塗ったヒュドラの毒の如く、それは誰にとっても毒の功名…


「まぁ~本気マジの俺には関係ないけどな…」


それは罪之鎖による能力解除、涙を流せる対象に向けた手向けの言葉とその眼をぬぐうように優しくソフトに触れた一瞬の接近…


「泣けんじゃん、なら生きろ。その価値はお姉さんにはある…」


ベシルは、目の前の敵の操り糸をその鎖で切ってこの茶番を終わらせた。


「あとはお前だけだぞ…“シルヴァスタ一世”…」


その名を聞いて、玉座にふんぞり返るそれは不適に笑い。修道女は驚きの表情をみせた。


「シルヴェスタ…一世…」


彼女が驚くのも無理はない、それは現在の聖貴族。その前進である十器教の33代目の首領、八千年前の聖王。


『“大晦日”は元より我の祝祭、勝手気ままに人間達が踊り歌い酒を飲むそんな道化の踊り場にした覚えはないのだえ。これは大義である、大晦日に飯を口にしていいのは我だけだえ…“本日付でこの星を喰らう”。』


「させるかよ…」


『ならばこい、天の玉座はそのためのものだ。』


その時果し合いは始まった。


「なにが大義だぁ!」


神速でそれに近づき、その鎖で玉座に張られた防壁を破壊。その直後に対象の心臓を抉り取る。


『それは読めていた…』


天の玉座の能力は三つ、一つは神おも閉じ込める幽世への幽閉、現実をいのままに捻じ曲げる現実改変、それと…


『これが一番恐ろしい…奇々怪々之極意ファントムメナス


それは、一瞬でベシルの心臓を貫いた。理屈、道理、条件はなくただ結果だけでやってのけた最凶殺しの秘術。


場所は幽世、その移動は一瞬のことでその場一面が血の海地獄と化している。


『そなたは知っているか?狩られるもの気持ちが…天空には天空人ニエーバと言う人類の亜種がいてな。それらは我ら天空魚を喰らうためにかるのだ…。地上も天上も変わらない…だから喰らうのだトッププレデターぁぁぁ!!!もう誰も我とその料理人けんぞく以外、食事をするなぁぁ!!!』


彼が否定したかった大義は、それ。弱肉強食の理、そのものを否定しようとしていた。食物連鎖のなかで喰われる牛や魚や草木の蜜。それらをこの世界で担うモンスターの定の否定。そのための作戦、計画…


「嘘言うなよぉ!俺の知ってる喰外ネフェリムは理由も大儀も理性もなく、その満たされない無限の胃袋を満たすため。その食欲のままに惑星ほしでも怪物モンスターでもすきなだけ喰らい尽くす最悪の大災害。今もほら!…よだれもれんてんぞ」


そう言い切って目の前の男の本性をむき出しにさせ、そしてその場の空間。つまりは幽世を伸ばした鎖で破壊し外の世界に無理やり戻す…


『概念的な強制殺傷、神の奇跡すらしまいこむパンドラの箱すら無力か…』


「そうだな、あいにくと昔じじいから心臓をズらす技術は学んでいるんでな。てか以外と冷静じゃん」


『まぁ~こちらにはまだ策があるんでなぁ!』


その瞬間、壊れた幽世から元の幻影城に舞台が戻った直後。その心臓に感じた違和感…


「よくもダましてくれたな、シレモノめ。」


その目の前に広がったのは、先ほどまで自身の味方だった天王、海王そしてその配下達であるケルヌンノス、深淵虫、虫之王の姿。


『なんだ…この状況は…』


「因果応報だな、ネタばらしをしてやろうか?」


『ぜひお願いしようか…』


「お前はまず、自身の専属調理人ダヌの器となる人間を探しブリガンティアを見つけた。それを攫うべく男達にこの!」


それは最初に男達が持っていたナイフ…


「D・D・Gは、ダヌ・ディヴァイン・ゴッドの略で。その意味はダヌは神の捧げもの神は最高の供物を好む、神はお前で捧げるダヌはブリガンティア。そんで持ってそのナイフに施された無神論魔術式。それなら聖女の魔法は通じねぇ、だからそこでブリガンティアは捕まるはずだったが…そこでお姉さんと言う誤算が入った。だから、そいつを消すために急遽用意したのが無限蕎麦の材料たる怪物モンスター達。その殺害を手伝わせることでお前は俺が同胞を殺した極悪人であると怪物モンスター達に思わせた。そんでもってそのあとの王族種を焚きつけて俺に襲わせて自身は安全に計画を進めれるようにしたかったわけだ…まぁ~もっとも、修道女ちゃんが思いのほか抵抗したこととお姉さんが想定以上に早くここにきたせいで計画が狂ったわけだが…」


『だからこそ、なぜ死んだはずの彼らが生きているのだえ?』


「そりゃぁ~あれよ、絶対殺す技術を持つものは絶対殺さない技術も知ってるってこと。相手を殺したように見せかけてギリギリで生きれるように加減して戦ってた。まぁ~陸王はやっち待ったがな…」


聖王はそのば顔を抑えて不適な笑いを見せつつ…


(リン!)


鈴の音色と共にその場から消えた。


「おっと、ニガシテしまったか。だがワガハイの変質でカラダのコウゾウをセイブツのそれに変質させてある。イマならヤツニフシセイハない。イケニンゲン」


「おう、あんがとな。虫之王オベロン。」


その頃聖王は世界の中心、神樹のそばに来ていた。心臓を貫かれたその胸を押さえてもあふれ出る血は止まらない。


(本当は、もう少しあとに…しっかりと調理してから…あの店のあの蕎麦のように…)


「あぁ~蕎麦喰いてぇ~なぁ~」


ハイになった頭で、木々を支えに進んだ先の神樹に触れる。


「喰わせてくれぇ~」


そういって、味わうでも調理するでも天然の果実を知恵の実を食ったアダムの如く。リンゴを頬張る野生児の如くそれに触れ…それに不可視の根を宿らせる。

そうすると、喰外ネフェリムは根を宿らせた対象を売り側から喰らい尽くししまう…

しかし事が事、世界の中心にあるワールドエーテルを喰い尽くされればこの世界は…


『滅んでしまう…それを知って汝はこれに触れるか?ケダモノめ…』


その瞬間、聞こえた神声シンセイの声と同時に喰らうべき対象に弾かれたビリビリと痺れるような感覚がその神体にほとばしる…


『すでに半神半人の我をはじくとは…一体何者だ…』

『ケダモノが、人や神を語るな。そもそも汝、もうその効能も切れつつあることは知っていよう…』


「なにを言って…」


そう、それはその声は今まで発していた神声とは異なる自身の肉声。


『その椅子、汝のものか?』


「そうだが…」


『嘘だな…返してもらうぞ。』


そういって男から天の玉座を没収した精霊皇スピリットオブマスター


「これが精霊皇スピリットオブマスターの力か…疎遠で強情な女だとは聞いていたがまさかここまでの堅物だとは…」


聖王は、どこからか杖を取り出してそれに強力なエネルギーを込めて目の前の精霊皇スピリットオブマスターに向けてこう意気込んだ。


「やるか?まだその程度の力は残っている。我が数万年の生涯をなめるなよ…」


『ほほ、一宇宙誕生すら目撃したことのない若造が童を勝てると本気で思っておるのか…と言って報復してやりたいところだが…』


その時背後から、帰り血をビタビタに浴びて現れる女が一人…


『先約がいるようだ…』


そう言うと、精霊皇スピリットオブマスターはその場から消息を絶つ。


『加減はしろよ、また木の一本でも折ったならその償いは必ずその命でしてもらうぞ』

「はいはい、怖い怖い…」


立ち去る直前で、精霊皇スピリットオブマスターはベシルにそう言い残して帰っていった。


「で…どうする?お前のお仲間は全員ぶち殺したぞ。意味はわかるなぁ~」

(他の喰害ネフェリムの魔力が完全に断たれた。恐らくはここに来るまでに殺し尽くしたか…)

「相変わらず仕事が早いですね、シーカー。」

「そう名乗っていたのは八千年前の話だ。今はベシル、あの世に行く前に覚えておきな?」


それは最終決戦、正真正銘の最後の一騎打ち。


「万策尽きたか、聖王シルヴェスタ一世。」

「八千年前の決着をつけよう…」


その時移るは八千年前の景色、そこに立つ過去の二人。


現在と過去が…“リンク”する。


「「勝って美味しい美味しい蕎麦喰うのは…この俺/我だぁぁぁ!!!」」


まず聖王最初に動くのは聖王。


「200代続く聖王の名よ、今を持って過去から出でて我が矛となれ…聖王会合ユニゾンエフェクト


それは、同一化実験の究極。彼が自身に施した同一化の対象は現在までに200代続いた聖王の名を冠するもの立の全才能、全能力、全技術を時空連続体、次元間の隔たりを無視して行使する。その能力は多岐にわたり、ゆうに数千、数万、数億、数兆、数那由多を魔術、錬金術、召喚術、他の邪術、聖術、武術、剣術の集合体。


それは集められた集合意識、烏合の衆。


「千億那由多無量大数、それだけの理を持ってすれば現実改変、世界改変、創造、運命操作、確率操作、因果律操作、願望実現、理支配の全てを行える。これぞ真の大いなる魔術式、天之一筆の力よ。」


放つただのエーテル砲は、見た目は煌びやかなただの光線銃しかしその本来の性能は上記の通りの異能の宝庫。


ぶつかり合うは万能と無効、多力の極致と絶対の一。相反する二つの力が今!


ぶつかる…


「Should auld acquaintance be forgot,and never brought to mind ?(旧友は忘れていくものなのだろうか)、オールド・ラング・サインは好きだがこの歌詞だけがいつも引っかかる。忘れるわけねぇーだろ、過去は利用するための力じゃねぇー忘れてなかったもんにすんなよ。例え似た誰かさんが違う時代に至ってよぉ~似てるだけで数十、数百、数千年を生き続けた一個人だぜ。全く一緒なわけあるかよ、派手さはいらない死と言う結果があればいい。そう考えてただ人を殺してた時期があった、でも違う。長く生きててわかったことは、最後の残る結果より、それまでに長い時間をかけてきた過程のほうにこそ真の価値がある?だから…そこで出会った全ての繋がりが今の俺を作ってる。そしてこれからも、これからも作り続ける繋がりの場所を…」


それは、いつも冷静なベシルが放った魂の言葉。


「他人を利用価値としか見れねぇーーーてめぇぇぇみてーなバケモンに!壊されてたまるかよぉぉぉ!!!」

「ならば受けろ、我が万年の歴史そのものを!!!」

「なめんな!こっちは一億年の繋がりだぁぁあ!!!」


両者のぶつかり合いは、万能と無効の枠組みを超えて。力と力のぶつかり合いを超えて…今!お互いの歩んできた歴史と歴史のぶつかり合いとなってそこに権限する。


「「俺の/我の、歴史の厚みをなめるんじゃねぇぇぇ!!!」」


そのぶつかり合いの決着は…


(パリン!)


突如として途切れるようにその鎖に封じられ…


「お前の歴史は短くて浅いんだよ…」


その接近した、一撃をもって…


「お前の罪は傲慢、なんでも間でも誰でも間でも利用できると思ってんじゃねぇよ!三下ぁぁぁ!!!」


そこで触れるその一撃の直前に放たれる本日三度目の…


罪之鎖クライムチェインぅん!!!」


歪な赤黒い閃光が…男の顔面を歪めて完全勝利。


「顔面陥没、頭蓋骨損傷。そう長くはねぇーだろう、遺言なら聞くぜ。シルヴェスタ…」


それがこの世を旅立つ最後の刹那、少し昔話をしている二人。


「本当に否定したかったのだ、最初はな。この地に降りてきて生を授かった時、仲間達とは違う唯一の人型の俺は…偵察を言い渡された。そこで出会った初めての地上人が…」


「豊穣の守護天人、ブリギットか…」


ベシルは、倒れるそれを自身の柔らかな膝にのせて言葉を交わしながら初日の出を見つめる。


「彼女は優しかった…初めての人類があれだと感覚が狂うな…。俺は偵察の任を忘れ…彼女のもとで人として従者になった。しかし…ある時我の仲間が呆けた我を探しにきてそれを見て激怒し我を攫って監禁した。その後しばらくが立って…檻から出ていいと言われ村に戻ったすると…村の者はだれ一人おらずそこには血の海が広がっていた。村の者達はどうしたと同胞に聞くと“腹が減ったから喰ってしまったと”…同胞はそう言った。その瞬間激しい怒りで生まれて始めて食欲以外で目の前の獲物を喰ら付くしたいと思ったえ。…しかし当然力不足、他の同胞と比べて非力で小さい我にはなすすべがない…そんな時に現れたのだ、“アラゾニア”と名乗る天人族の男が…」


ベシルは死ぬ間際の最後の遺言を聞き届けるだけ、それに興味や関心を抱くことなどないと思っていた…


「そやつは奇怪な“魔法”言う力で同胞を狩りそして我にこう言った…「誰もが、脅威に立ち向かえ世界に。誰もが、理不尽に蹂躙されぬ世界にしよう」と…それはどうすればできると聞くと彼は“世界を魔法で満たすと言った。”それまで数億数千年、人類の歴史になかった魔法と言う技術。その布教のために我は潜み、溶け込み、成り上がり…33代までかけてやっと聖王となったのだ。そして魔術、魔法を布教させ…誰もが自身を守れる世界にしようと尽力したつもりだった…もう二度と食欲で人を気づ付けぬよう断食をし貧しい者達に寄り添うと理由をつけて食事は最小限にした…しかし、食欲は抑えきれず信頼する友もたがえてこのざまだえ…ベシル、こんな愚かな我の言葉を二つ、そしてこの本を一つブリギット様の名に免じて受け取ってほしいぃ」


男の死に際の悲痛の叫びに…


「あぁ~」


ベシルは手渡された青い聖書を受け取り、言葉を二つ聞いた。


「一つは、そなたが興味あるアラゾニアとその本の関係だ。きゃつはそなたの持つ黒の書と我の持つ青の書を狙っている、今奴が持ってる原典聖書は12色のうち八つ。のこり四つを手に入れればきゃつは死之呪文ネメシスを発動しこのメディウスロクスの地とともに神樹を破壊するつもりだ。もう一つは…そなたもきっと知らないだろうから警告しておくぞ…」


それは正真正銘最後の遺言、この世で生まれ数万年を生きた彼が発した最後の肉声…


「“フェイカーに気おつけろ、奴は歴史の裏にひそむ”…だえ…」


その後、開かれた無限蕎麦での初日の出を見ての宴会。

天王、海王、そして他の怪物モンスター達と修道女がそろいひっそりとアヌの乳房で宴会を開いた。


「アーメン…」


食事の後、その食材の元となった者達に感謝の意を込めて今回唯一の死者。陸王の墓のそばで手を合わせてその言葉を口にした…


「食物連鎖、弱肉強食の理は変えられないかもしれない…でもだからこそ、俺たちは喰ってるもんは喰われるもんの気持ちを考えてやんねぇーとなぁ~」


そう言ってベシルは空を見上げていた…


年越し/新年編 完

※次回からは本編です。投稿が遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。

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