foois特別編 年越し/新年編 シルヴェスターの聖戦2
※これは特別編2です、本編とは異なることと2なので1を読んでからお読みすることを推奨いたします
「さぁ!ここが最後の材料だ…」
そこに座すのは、鱗粉をまき散らしながら浮いている虫之王。
「あれの鱗粉を採取するが!」
「…」
鳥頭の男は、不自然なところで言葉を止めた。
「あれは殺さず、鱗粉を奪っただけだと奴の“変質”の魔力でその性質を変えられ灰になるだえ。それと、あれの魔法は変質だえ一撃でも喰らえばその肉体性質を書き換えられるえ。まっあんたには関係ないかもしれないがえ。」
「そうか…」
ベシルは、その言葉を聞いた直後…
「空力呼吸流…空牙」
それはベシルが最初に扱った武術の一つ。手刀で大気事本体を切断するその技を…
(グチャリ!)
鳥頭の男に向けて攻撃の結果が遅れてやってくるほどの神速で放った。
「どうして私を…」
「やっぱり、あんた信用できねぇ~成功率は低いが一か八か俺の方法でやった方が犠牲は少ない気がするぜ。」
「そうですだえ…」
修道女は一人、その状況に理解及ばす腰を抜かし、ベシルと男はにらみ合う。
『まったく…やりにくい人だ…“ベスル・ラブ・アンベシル”…』
「あんたもね、やりにくいのはお互いさまっしょ?」
男の声のそれが変わった、と言うかその宇宙全体に響き渡るような神秘の声は…上位存在のみが持つ声質…
「なぜ、こんなことを?」
『シンプルだえ、私はそばが好きなんだ』
目の前のそれは、おちょくるようにテキトウな返事を返しながら。その真っ二つになった肉体を再生する。
「答えるきぃ~はねぇーみてぇーだ…な!」
その声、その再生能力、どう見てもそれは人間ではない。なたば、下限はいらないてか“元々する気はない”。
『そなたは気づいいるだえ?』
その背後から、神速速攻のベシルのそれと同等の速度。かつ、その走り出す瞬間を0.1秒のズレもなくそれに対処する三人の強者。
『これらは、そなたが今まで殺してきた怪物の王。“王族種・三怪王”』
それはモンスターの序列、通常種、進化種、強化種、統率種、魔法種、単独種、極鬼種の七段階のさらに遥か上に属する最高位の位。モンスターの頂点のなかの頂点。
「許さぬ…許さぬぞぉぉぉ!!!人・間!!!」
陸王・白き猛牛ズラトロク
種族:怪物 (ケルヌンノス)
見た目:神秘を纏った黄金の角、全身を覆う白い毛皮
「きみぃ~調子のるのはよくないっっっぜ。」
天王・銀翼のメルクリウス
種族:深淵虫
見た目:藍光する銀の翼、一切の光を遮断する深淵色の肌、白目を失った黝の眼
「ここで一句、「愚かぁなる、人間一人囲い込み、死すべき君」」
海王・妖艶の女王スキュラデレイス
種族:???
見た目:クラゲのような軟体、複数の触手、身体中の斑点模様は毒の象徴、翼も軟体尻尾も軟体
そこに座主は、各モンスターの王の位を授かりし魔獣の王。その力は人を遥かに凌ぐのはもちろん、一体一体が天変地異を引き起こす大災害数千体を従える首領。人はそれを…
“崩壊級”と呼んだ。
「この平和な時代に、崩壊級なんて…な」
『懐かしいかえ、千竜一夜殺死のシード。もしくはこっちの名の方が今の状況に相応しいかえ…予想レート滅亡・邪悪竜デビルドラゴンを兵器も武器もS級傭兵やあの若かりし頃のガイル・ドナーくすら太刀打ちできなかったあの竜を殺した伝説の“Z”。そなたが傭兵だったことも知っているえ…』
ベシルを取り囲む王達の顔はさらに凄んだ、それは目の前のそれがかつて自身らを狩りつくした傭兵の一人。しかもあの忌まわしきガイル・ドナークすら足元にも及ばなかったあの邪竜を殺した手練れが今目の前にいる。
それは彼らにとって何よりの脅威、そして何より忌むべき存在。怪物からすればそれを狩りつくす存在は害悪でしかない、その中でも強力な存在だと言うならなお“今ここで消す以外に道はない”。
「さぁ~て、なんのことやらさっぱりだ…そうだなぁ~」
ベシルは自身の顎をさすって悩むような仕草で、ほぼゼロ距離で自身を囲む三体を前に…
「おいぃ!!!小娘ぇぇぇ!!!何をちんたらやっておるかぁぁぁ!!!」
『うるせぇ~よ』
ベシルの凄みは、その場全てを…原初の時間を空間を次元を宇宙をそのもっと壮大な全ての全てを…
震え上がらせるほどに、狂気と殺意で満ちていた…
「「・・・」」
三人の王は、それを前にして10分と言う永劫の瞬間の思考を完全に飛ばした三人はスっと正気を取り戻りしたその瞬間。
「なんてことない、ただ歩いただけ。ゆぅ~くりと」
ベシルは、白い猛牛のほほをつねって…
(ズシャ!)
振り向くそれの首を一瞬ではねた。
「あんたらさぁ~馬鹿なの?」
「「はぁ!」」
ベシルははなた首をボール代わりにくるくるとその指で回したり、リフティングしたりしながら彼らに語りだす。
「今あんたらが目の前にしてるお姉さんは、“0(シード)”、お兄さんから話は聞いてるかな。そう呼ばれてた戦前のお姉さんの役割は…“反逆者、違反者、裏切りもの暗殺”。その“俺”にだぜ、アサシンを前によぉ~ゼロ距離ってのはなめてんのかって聞いてんだぁあ”」
それはまさに、瞬殺。崩壊の名を冠するそれを悉く理不尽に、容易く、まるでそれが当たり前かの如く。彼女にとってそれは、息をするような当たり前の日常。
その絶望がまさに…
「「世界最凶…」」
三体は知った、目の前に相対するそれが…人外の、神おも塵芥と見下げる最凶の強者であることを自覚した。
「天変地異?世界の破壊者?トッププレデター?…笑わせんな、その程度で生きがってんなよ。化け物風情が、なめてかかると地獄を見るぞ。」
その眼は完全いイッている、完全な狂気のそれ。目の前のそれを矮小な子ネズミに踊られた怒りをぶつける暴君、完全な上位存在の風格。
「死にたくなけりゃ~本気でこい。全員で…な…」
その一言に、残った二体は反応した。
「海獣神器」
軟体のそれが放った触手一本一本から生える口もと、そこからあふれ出る。渦潮、回転するその強力な水圧は周囲の一切を森を全て枯らしてしまうほどの数量。
「被害は最小限にしねぇーとな、派手さはいらない。ただ死と言う結果があればいい」
しかし、ベシルは回避不能のそれを浴びてなお一切の傷も、その重圧により押しつぶされることも、倒れすらしない。
彼女にとって、海の底の底、水深10000mなんて笑っちまうような前人未踏の深海の単位にするのも恐ろしいほどの重さの水圧すら…彼女の前では日常のシャワータイムと大差ない。
「と思わないか、お姉ぇ~さん。」
ベシルは水を受けた後、その降りた髪をかき上げ眼を見開いて彼女をじっと見つめる。
「一句「目の前の、死桜笑う現実に、笑うほかなし」」
「俳句言ってる場合かっっっぜ!」
天王は、軟体女を抱え撤退しつつその杖を振るう。
「我が杖、伝令棒の名に置いて、ここに伝令を言い渡す。…来たれ!地下に眠りし銀翼の双竜・アンダーロア&ハイホワイト」
出現するのは、九本の首を持つ輝きかたのことなる二体の銀色の竜。
「二体の竜、召喚術の類か…」
「そうだっっっぜ、そいつらはお互い九本の首を全て同時にはねないと死なない。すぐにもう再生して…」
そう、語るメルクリウスをよそにベシルはその全ての首を手刀で切り裂き一瞬の時間稼ぎにもならず双竜が敗北。
「で?こっからはどうすんの?」
「へへ、予想以上だっっっぜ。とっと起きろ“ズラトロク”じゃねぇーと全滅だぞ。」
そう言って先ほどの水圧攻撃で飛んで行った首から再生し、ベシルに襲い掛かる。
「おせぇよ…眠っちまいそうだぜ」
しかし、ベシルはすかさず向かってきたそれの心臓をもぎ取り今度こそ終わりかに思えた…
「まだだぞぉぉぉ!!!人間ぇぇぇん!!!」
ズラトロクの飛び散った全身から、その血の一滴に至るまで全てが本体となって分身する。
「メタルクーラか?おめぇ~はよぉ!」
そんなズラトロクの相手をしているベシルを無視して鳥頭含めた三体は、その場を去る。
『あ!そうだ、この子は貰っていくだえ。世界最凶…』
鳥頭の男はなんらかの方法で瞬間移動し背後をとって、修道女を連れて行った。
「それじゃ思い残すことはねっっっぜってことで…伝令棒よ!我らを城へといざなえ…」
そう男が発して、集まった敵軍三体と修道女はその場を後にした…
(修道女ちゃんを!一体何が目的だ…)
「「おいぃぃぃ!!!よそ見をするなよ人間ぇぇぇん!!!」」
一斉にそう叫ぶズラトロクに、ベシルは…
「叫ばなくても聞こえてるよん、筋肉ゴリラくん…」
ベシルがあれらを相手にしている間、三体が消えた先、その城で…
《天海の幻影城・虚飾之城》
『ここなら邪魔はない、ゆっくり話そうじゃないか…聖女ブリガンティア殿』
そこは天の玉座、誰よりも高いそこに座る未だ名も知れぬ鳥頭の男に恐れを抱きながら、その高潔な心で言葉を返す修道女。
「なぜ…このようなことをするのですか?ワタクシをこのような場所に連れ込んで、一体何が目的ですか?そして貴方は一体…何者ですか…」
『目的…か…そうだえぇ~そなたには話そうか…』
そう言うと、男はその服装を白装束に変え。そして王座のそばに置かれた本棚から、聖書を取り出した。
『十器教の世界、その一つで語り尽くせぬほど世界は広かった。私はそれを永劫の人生の中で知った、悟った、そして見た。だから、他の世界が見たくなった。だから、次元を渡ってみたそとの世界に行ってみた。世界の全てを見てみた、その末にたどり着いた答えが…そなただ聖女ブリガンティア』
男は語った、遠回しでない完結な目的の話を今一度そばにいる修道女に聞かせた。
『私はね、この大地メディウス・ロクスのある言い伝えに心惹かれた。その言い伝えによれば、かつてこの地に天人と言うものが座していた千年の争いなき平和な世があってその時代に争いを好む守護人の一族がいた。それらは世界の法を守らぬ者を、罰し、裁き、浄化の炎で焼き払った。そして、その一族を生み出したある男の妻こそ、浄化の炎の守護女天ダヌ。そしてそのダヌの子孫にして、ある理由で滅び衰退した天人族の最後の生き残り“豊穣の女天ブリギット”。そのさらに数千年後に同じなを持つ慈悲の人、聖ブリギット・キルデアが生まれた。ここまで来てわかるかえ、私の目的は…』
「いえ…全然…」
『うぅ~ん、そうだな。完結に言うと、私の正体数千年前に飛来した知性を持った人型の天空魚でこの世界を喰いに来たのだがただ喰らうのは味気ないので豊穣と火の女神の力を借りて最高に手の込んだそして最高に美味い料理が喰いたい。ただそれだけだ…言ったろ、蕎麦を喰いたいだけだと…』
彼女の頭に浮かんだ疑問は「それだけ?」であった。それだけのためになぜここまで大それたことを?それと私になんの関係があるの?となっている彼女に男は肘をついて玉座に座すのをやめ立ち上がり彼女の顎をクイとしてこういった。
『聖女ブリガンティア、おぉ!ブリガンティア。こんな話を知っているかな?、“輪廻転生”、“思想思念”、人は死んでも次の肉体に器を変え生まれ変わり続けるし一つの時代の思想は思念となって次の時代まで後を引く…』
「それが何か?」
『まだ気づいていないのかい?つまり私は原初の守護人を復活させ料理を振舞って欲しいんだよ。そのために、ダヌ、ブリギット、キルデアと似た容姿同じ属性の器、そして…“近しい真相心理を持つ器を探していたんだよ”』
その言葉を聞いて、彼女は察してしまった自身が狙われて捉えられた理由。その真相…
「まさか…」
『他は知らなくても、偉大な聖女キルデアのことは修道会で学んでいるだえ?そう、彼女の髪は君と同じ紫、目の色も同じくエメラルドグリーンで、君の器は水と火、だろ。後、そなたを見た世界最凶の眼を見て確信nしたよ。そなたの性格は彼女に近い…てね』
今にも逃げ出しそう、暴れだしそうな彼女を取り押さえるために動く二体の怪物。
「水創製之儀・聖母之涙」
出現させた、水汲みのための壺から流れでる水砲が目の前の二体にかかる。
「おおぉーーー!!!マリア様だっっっぜ」
その水の能力は、聖母の慈悲に充てられた対象をその広大な海の如き慈悲深さに心惹かれ魅入られてしまうと言うもの。
「ここで一句「聖母の組水、浴びて感動感激、黄泉の道標」」
女はそんなことを言いながら、彼女は余裕そうな顔をしている。
「ここでもう一句「水の技わぁ、私に効かないぃ、悲しきかな」」
その俳句を聞いて唖然とし、絶望の顔を見せる修道女。
『そうだえ、彼女わねぇ~君に今から施す“同一化”と言う実験の実験体。つまりは自然発生した怪物ではない。だから一つの魂に対してほどこすそなたの強制精神支配は効かない。それに…彼女の水属性の絶対耐性力を持つ、たとえ聖母だろうと神ですら彼女の耐性は超えられない。どうする?』
「火創製之儀・灰灰塵塵」
それは彼女の放った聖銀の炎、それらが彼女の軟体を燃やし尽くして灰…
「ここでもうもう一句「我が身体、水の砦である以上、火柱効かず」」
その身体は軟体ではなく水そのものであったため、なみの炎いや…
『今のは神加護を受けた“天理之炎”かえ?時代に合わぬ古風なものを…だが無駄だえ。それらは彼女の身体にはかほども効かん。神の業火も通さぬようい改良したのでな…』
神の水も神の業火も効きわしない、そんな相性最悪の相手を前になすすべがない修道女ブリガンティア。
相手は荒手しかしその実力計画性は本物で、伊達にここまでの企てたわけではない模様…
どうするブリガンティア!まるでそれを想定していたかのような、まるでブリガンティアの能力を警戒しあえて作ったような人口生物にどう相対する。
(万策…つきましたね…)
「ならば…最後に一句…「秘儀同一化、私のそれは妖艶、英雄殺しの、女達なり」」
最後の一撃を放つ直前、何かを伝えようと涙ながらに発した一言。それの真意に気づくことなく散る定の修道女…
「歌い狂えや、三途の皮の下、踊りて神は、死ぬなんし…完全詠唱完了、妖艶之女達」
その一撃は、彼女の存在全てを賭けた“合体儀”。究極の一撃は、自身と同じ目に合う彼女へのせめてもの手向けか…
「そうか…泣けるんだな…なら生きろ。その価値がお姉さんにはあるんじゃない?」
その場に来るは希望の星、ベシル惨状。果たしてこの結末…どうなる?




