foois特別編 年越し/新年編 シルヴェスターの聖戦
※これは特別編です、本編の続きではありません。たまに見れる短編と思ってお読みいただけると幸いです
※これは三つに分かれ物語のため1だけでは完結しません。1,2,3の順番で見ることを推奨します。
それは、今からニヒツとベシルが出会う四か月前のこと…
《そば屋》
(「先日午後18時頃…突如として飛来した天空魚の卵から…」)
「年越しと言えば、そばですかえ」
移動そば屋でそばをすする鳥の翼のような頭をした茶髪の男。
「いやぁー毎年毎年ここのそばで年を越すのが私にとってはぁ、この世のどんなイベントより優先される格別なイベントだかえ全く感服ですなぁ~」
早口で、べらべらとそばをすすりながら店の店主に話す男。
「はぁ~お客さん、毎年毎年華やかな花火も見ずにこんな錆びれた貧民街の盗賊特区の端の端までよくもまぁ~来るねぇ~。あと、毎年運億百回来ているよその文言。」
「そうでしたかえ、いゃ~私鳥頭でして…」
「それも毎年聞いてる…」
あきれ果てて洗い物を始める金髪碧眼の隈取女店主。
そんな男の片割れで…
本作の主人公の“彼女”もまた…
《英王歴214年 12月31日 王都・時計台上》
足をぶらぶらさせて、少し間違えばすぐにでも落ちてしまいそうなそんなギリギリの場所で座り込む長髪の緑交じりのクリーム色の髪をウェーブ髪女。
「Should auld acquaintance be forgot,and never brought to mind ?(旧友は忘れていくものなのだろうか)」
ノリノリで口づさむ歌は、オールド・ラング・サイン。ある国の非公式国歌とまで呼ばれるほど愛される、国民的な曲。
それを口づさみ、片手にはゼクト(ワイン)を、もう片手にドーナツやシュペッククーヘンを持って街で打ち上げられる花火を傍観する。
「いゃぁ~やっぱり、年越しは王都の時計台の上で貴族国産のゼクト片手に部族国産のリキュール入りクリーム&カスタード、ジャムを詰入りの甘々ドーナツ10ボール買って、帝国産のシュペッククーヘンを頬張るに限るねぇ~」
ベスル・ラブ・アンベシル(表名:ベシル)
「きゃーーー!!!」
その目の前に飛び込む、武装した男たちに襲われる女の姿。
「はぁ~年納に縁起のわりぃ~」
そう言って、その場を飛び降りるベシル。
(ドーーーン!!!)
先ほど時計台の高さ、約96m。そこからの平然の落下に地面が凄まじい音を立てて答える。
「あ”!テメェ~どこから湧いて出やがった」
「察ですかねぇ~兄貴。」
目の前のそれの突然の登場に、焦りを見せる男の姿にベシルは答える。
「察?違う違う、そんな大したもんじゃありゃせんよぉ~」
「じゃぁ!テメェーは一体何もんだ…」
「あたし?あたしわねぇ~」
彼女は自身の存在を、この一言で語った…
「通りすがりのぉ~お姉さんっっっかな?」
それと相対した瞬間は体の内側から謎の嫌悪感く、それは彼女の常に発している殺気の変質対。
ヘイトコントロールの技術、自身より弱い存在であるはずの細腕の女が自身より強いと言う現実に反旗を翻そうとしている意志の刺激。
「「じゃますんならぁ~…死ぃねぇーーー!!!」」
それらの目は、薬のせいですでにラリっておりその雑多に降ったナイフに躊躇はない。しかし…
「本当に強いやつってのはいつだって…“自分の刃に信念を込めるもんなんだぜぇ”」
男達の持つナイフは空を切り、その手刀による一太刀は周囲の大気を切断し男達はその感覚をその切り裂かれた大気のそれを自身へのダメージだと誤認して気絶する…
「ありゃりゃ?ここはかっこよく能力発動してぇ~ナレーションに紹介させるいつもの展開でわ?」
「あっありがとうございます。」
危険な男達を目の前に、怯えあがっていた女性はそれらを神業で対処した目の前の女に礼を言う。
「おうおう、いえいえどもども。」
そんな適当な返事を返したベシルは女をよそに男達のナイフの文様を見る。
(D・D・G…それに流れ行く川と水滴の紋章…)
それを見た、ベシルは事の重大さに気づいたのか…
「おっねいさん?」
「はっはい!」
その女性の見た目はどう見ても修道女、この王都は聖貴族の手が一番とどく場所で五大国の中でもいくつかの修道会が集まる場所。
文化と学問の国であるここには、技術や時代に宮わず昔ながらの中世の街並みが広がる。
だから決して…修道女は珍しいことじゃない…しかしそれは…
「その恰好、どの修道会出身なのかなぁ~それと、あいつらには何で襲われたのかにゃ?」
彼女が語った理由は、かなり安直なもので…とどのつまり「いい体してるから」とのことだった。
「なるへそぉ~りょりょ了解でぇ~す。いやぁ~でもお姉さんこの街の夜は危ないぜぇ~盗賊ギルドが何件かあるからな…」
「はっはい!気をつけますですはい!」
おざなりな言葉、言語の違うどこかから来たんだろうか?しかしこのメディウス・ロクスの言語統一は数千年前にすんでいる。そのはずのこの場所で、言語が違う地域などほぼないはず…
しかも彼女は修道女、聖貴族は得体のしれない外人を嫌う傾向にある…
(なんだこの違和感…つかこの子どこかでぇ…)
目の前の“紫髪の修道女”、その姿を誰かと重ね合わせたベシルの脳裏に過去の記憶が…
「貴方の…優しい心が…貴方にこの名を…」
その記憶の中の彼女とうち二つの彼女に、惹かれるとうに見つめ合うベシル。
「やべやべやっべぇーーーかぁーえ!!!」
そこに走ってくる先ほどそば屋にいた鳥の羽頭の男。
「なんだあれ?」
男はそう叫ぶが、背後には何もいない。
「ぐはぁ!」
しかし、そこには不可視の何かの打撃がベシルの腹にクリーンヒット。
「ベシルさまぁーーー!!!」
凄まじい勢いで吹き飛ばされたベシルの姿を見て、修道女は先ほどの説明で聞いたベシルの名をさけぶ。
「大丈夫、でも…ちょっと本気でいくぜ。」
そこに現れた不可視の何か、それの位置はベシルには見えない。しかい彼女は空気のほんの少しの乱れでその位置を特定して吹き飛ばされた自身の背後にある建物の壁をトランポリン代わりにして突進する。
「待て待て、そいつは普通の攻撃じゃあたらいかえ!」
「あ”なら…」
もう一度言おう、彼女の名前はベスル・ラブ・アンベシル。その異名は世界最低最悪最凶の悪女、そしてその最たる能力こそ…
「罪之鎖ぃん!!!」
その不可視、不干渉の謎の化け物に触れるどころか…
「「ぶっとばしたぁぁぁ!!!」」
「で、お兄さん。あの化け物について…聞かせてくれる?」
急に表れた男はあれについて語り始めた…
「あれの名は"喰外"だえ、先日雲の上から天空魚の卵が飛来したってニュースは聞いてるかえ?」
それはそば屋で流れていたあのニュースのことである、ベシルもそういえばぁ〜と街を見よろす間片手間に見ていたネットニャースでそんなことを言っていたなぁ〜と思い出し、修道女もニュースは知らなかったが先ほどの化け物がまた街に来たらと言う不安からその話の続きを黙って聞いた。
「私は古文学者をしておりまして、十器教に伝わる天地創造で神は水を生み出したさい天と地にそれぞれ大量の水を流し天の水を雲、地にある水を海と名付けた。天空魚は雲を泳ぐ魚ですえ。」
「でも?なんで天空魚の卵があんな得体の知れない怪物に?」
「"天と地、天使と悪魔、人間"それらは決して再び混じり合ってはならない。」
それは聖書のあるページ書かれた神の理。天と地に水を分けたことでその濃度はかつてのものより性能を大幅に落とした。しかしそれが再び戻ればその力はこの物質界の宇宙では耐え切れず他の次元も巻き込んで全てが滅ぶ…
「まぁ〜雲全体ではなく、その中の一生物だったのが狭いてもの救いえ。天空魚の卵すでに変質し世界の中心"神樹から流れ出る星のエネルギー"を"そば"のように啜り切るまで…奴らは止まらない…」
「ゆえに…喰外、喰らい尽く災害。そう言うことだろ?」
鳥頭の男は、黙って頷いた。しかしその直後ベシルと修道女の二人はある一文にひかっかりを覚える。
「「そば?」」
どう考えても例え方としては変だ、適切ではない。いや、別な伝わらなかわないがなぜわざわざそんな言い方をするのか…
「ふふふっ…そくぞ聞いてくれましたぁ!そつ、奴らはつまりは怪物!どこまで行っても腹をすかしただけの獣ですえ。つまり!!!星の代わりとなるぐらい食っても食っても無くならない食べもんがあればいい!!!」
「でもぉ〜そんな夢のような食べ物あるわけぇ〜」
「ある!!!」
男は、疑う修道女に確信を持って言い返した。
そして語って聞かせた…
「この…この…メディウス・ロクスに伝わる天人伝承の中で語られるガーディアン一族で語り継がれた逸話…無限蕎麦のぉー伝承をぉぉぉ!!!」
「「・・・はぁ?」」
二人は言っている意味がよくわからない、いやベシルに関しては伝承の存在は知っていたはずだが改めて聞いても神になることができる伝説の天人族様に伝わる伝説のアイテムとしてはやはりなぜ…"蕎麦?"となるところではある。
「まぁ〜いいや!とりまそいつを取りに行こう。材料と調達するべき"相手"はわかってんだろ?」
「もちのろんだえ…」
鳥頭の男は、徐に地図を取り出して。材料を二人に提示した。
「よし!とりま、目的地に行くしかないってことっしょ。鳥頭のお兄さんは来るとして、お姉さんはどうすんの?」
「え!?」
修道女である彼女は考えた…戦闘能力の低い自信がついて行って何か意味があるのか?足手纏いにならないか?そもそも自身はこの状況に相応しい人間なのか?いくつかの疑問が彼女を惑わす中…
ただ一つの真実が彼女の決意を明確にさせた…
「神は常に人の側にあり、神は常に慈悲深く…人に歩み出す大地を与え、雨を恵み太陽を防ぐ雲を与え、干からびぬよう海を与えた…だから、我ら神の代行者たる自覚を持って"慈悲を与えなさい"」
その言葉は、彼女が育った"キルデア"修道院の修道長"が言ったセリフ。そして、それは彼女の今の人格形成に大きく関わっている…
だから彼女は迷いを捨ててこう言った。
「ワタクシ、聖女・ブリガンティア!弱き者の味方修道院の聖女として、今回の件最後までお供いたします。」
彼女は、そう二人に言い放った。すると二人は笑顔で彼女にYESと返し三人は共に喰外討伐のための無限蕎麦の材料採取へと向かった…
「ここだえ…」
そこは、アヌの乳房と呼ばれる二つの膨らんだ山。
その山々の豊富な栄養化で育った牛達の乳は格別に上手いとされるが…
「今回採取すんのは、蕎麦打ちに必要な水…の代わりの牛乳だ。」
「なんで、水じゃなくて牛乳なんですか?」
「その理由はこのアヌの乳房つぅー場所の自然は女神の恵みと言われているだえ。そんな場所の草や水を飲んだ牛から出る乳はこな自然のあらゆる栄養を蓄えているえ。つまりは…」
「最高の素材…か…」
「まっそのら乳を取るうしが問題なんだえが…」
「あ"」
ベシルがそう返す次の瞬間、視界の外から現れた超巨大な猛牛。
「ケルヌンノスでだえ…」
鳥頭の男は、そのメガネを怪しげに光らせてそう言う。
そして、そこにいる三人のうちベシルにのみ迷わず突進その威力を…
「おいおい…そんな焦んなよ。落ち着けってぇ!」
ベシルは、その巨大な怪物の猛突進をその微動だにすることなくその腕力のみで文字通り…小指一本でそれを止めてその指を軽く回転させるそんななんてことない動作で巨大な猛牛をひっくり返して獣はその強固な女神の乳房の上に強く打ち付け気絶する。
「んで、こいつの出す乳とりゃぁ〜いいのかい?」
「いや、こいつはオスだえ。オスの乳は味が落ちるえ、メスを探そう…」
倒れる獣に近づき、それに触れてそう言う鳥頭の男。それを聞いて「ちぇ!」といいつつ、頭の後ろで腕を交差させるベシルはそのまま「いこうぜ!」もあるかだす。
だが、そんな冷静な二人と異なり修道女は…
(…え!?えぇ〜)
ベシルのやった一瞬の光景に、ただ…唖然としていた。
その後も…
「ここだえ、"半狂乱之大々樹野大森林"」
そこは太陽とはことなる蒼い光のさす宇宙の深淵を閉じ込めたような暗闇がうろつく大きな森。
「ここにいるえ、深淵虫ヴォーティガン」
その見た目はまさに異形、それは周囲の森を喰らい尽くする深淵のように黒い芋虫と数億数兆の蠅のような羽と目が皮膚と化した虫の王と恐れられるそれ…その牙はホラー映画に出してもおかしくない螺旋階段のように喉まで続く乱杭歯。
「こいつがまだ噛みついていない、狂戦士の木々を切って木鉢を作るんだえ。」
「りょ~解ぃ!!!」
木々を探しに駆けだすベシルは電光石火、神速速攻で奥の奥の奥へまで至るベシル。
「みぃっっっけ!」
光り輝く黝ずみのない穢れなきここにあるのが相応しくないほど美しい、現人神の木々。
(ブゥ~ン)
それを邪魔するように現れる一体のヴォーティガン…と言うか…
(さっきからなんか変だぞ、なんつうか…)
その思考の合間に割って入ってくるヴォーティガンに…
「おいおい、邪魔すんなよ…怪我すっぞ…」
その即手がヴォーティガンの体を消炭変える…
「だからやめとけって…」
一体殺せばもう一体いや、百体千体億万京体湧いてくる虫の大群。
「マジで話聞いてねいじゃん」
それも、世界最強にかかれば瞬殺。
「で!次は?」
黒い返り血が、全身に浴びてみずみずしいベシルはそう鳥頭の男に問いかける。
「次はぁ~どこだったかえ?」
「はぁ”~勘弁してくれよぉ…」
そんなベシルを横目に修道女は思った…
(この人…一体何者?)
そのイカれた強さで次々と、襲い来る敵を
「ボ~ン!バーン!ボキ-ン!」
と倒し続けるベシル。
(やっぱおかしい、最初から違和感はあったが虫の奴で確信に変わったな…こいつらあからさ真にお姉さんのこと狙ってる。しかも、自身の死の危険って言う天敵の多い虫なんかが一番過敏に反応する類の奴でどうして俺の殺気にすら気づかづによってくる?)
それは圧倒的な違和感、最初から最後まで共にする二人を無視してベシルにのみ攻撃しかける。しかも、その攻撃に危機感知の類が見受けられない選定。
ベシルは強烈な不信感を持って…
「それじゃ~行きましょうか…次が最後です。」
男を睨んだ。




