fools特別編 クリスマス編 聖夜の悪魔1
いつもご愛読ありがとうございます、ゼロガミです。
今回はいつもの話の続きぃーーー!!!ではなく特別編としてクリスマスをテーマに主人公ニヒツの騎士団時代の過去が明かされます。
ぜひ、最後まで見てください。
※クリスマスじゃかん過ぎました、すみません。
後、書いてたら結構長くなっちゃったんで二話に分かれてますご了承ください。
これは、英王歴214年12月24日。ニヒツがベシルらと出会う一年前の…騎士団での出来事…
「今日は聖夜ですね。」
「そこは普通クリスマスって言うとこっしょ」
その日、騎士団は団長ヒュースのはからいで団長一人を残しほとんどの者が非番だった。
「ニヒツ先輩はなにあげるか決めたでゲスか?」
その理由はもちろんクリスマスだから…だけではなく…
「そうですねぇ~、何をプレゼントしたらいいのかぁ…」
この日は毎年、孤児院の子供達にサンタとしてプレゼントを渡す日であり…
「まっ!ヒュース団長。基本筋トレか剣の修練しかしてるイメージないでありんす。」
日頃休みなく働くヒュース団長へのサプライズプレゼントの日である。
「てか、ヒュース団長ってクリスマスイブが誕生日だったんすね。」
「んなわけねぇーだろ新人」
待ってる間、MEでネトゲをしているトパーズにガーネットが突っ込む。
「あの人は出身地、騎士団までの経歴、誕生日全部不明のなぞ多すぎマンだぜ。誕生日なんて誰も知らねぇーよ。」
その発言に、話しかけたトパーズだけでなく他二人の新人隊員ネフライトとコーラも驚いた。
「まっあの人は色々不透明だからな…」
そいして遅れてやってきた、バーミリオンとアメジスト。
「よし、あとはサボり魔二人だけだなぁ~」
「あ”クリスタルがまだだだろ。」
「いや、今日は来ないよクリスタルちん。」
「なに?」
そう言い出したジルコンは、少し寂しそうにメッセージを見つめていた。
「今日は彼氏とデートだってさ。」
「「えぇぇぇ!!!」」
その言葉に、ニヒツ、バーミリオン、アメジスト以外のメンバー全員が驚愕する。
「クリスタル彼氏できないよぉ~ってあんなに騒いでありんすのに!」
「ちぃ!リア充が…」
「そうだぜ!ジルコン!!!ありえねぇーだろ!」
特にコーラ、トパーズ、ガーネットの三人は結構酷い反応を示していた。
「ちみらさぁ~流石にその対応はひどすぎっしょ。今まで相手がいなかっただけでクリスタルちんって見た目も性格もそこまで悪くないっしょ。」
「でも、あいつ男運悪くなかったか?」
「その辺は…本人がどうにかするっしょ。」
そう話しているジルコンの横顔から何かを感じたニヒツ。
「ジルコンさん、なんか…」
その続きを言う前に、ニヒツの口を強く塞ぐバーミリオン。
「ん?どうしたんだっしょ、バーミリオン」
「いや…別に…」
まぁーこれはニヒツ以外の誰もが知っていることだが、ジルコンは幼馴染であるクリスタルのことが好きだ。
恋愛に疎いニヒツ以外はみんな気づいていたことで、ニヒツもその事は知らないながらもその顔をみてどこか寂しそうだと感じていた。
「へぇ~あのクリスタルっちが、おめでとうじゃん」
「えぇ~マジー驚き過ぎて腰が飛んじゃうぅ~(棒)」
背後から現れた最後の二人、オレンジの髪に緑目怪しさ光るインテリ眼鏡じゃんじゃん口調のマラカイトと青いベレー帽に全身青統一の肩出しミニスカのアイオライトの二名である。
「テメェ―ら平然と遅刻してんじゃねぇーよ。」
「わりわり、昨日は早めに終わるつもりだったんだけど女の子にホールドされちゃってさ…築いたら朝まで…ふわぁ~ん」
「あ!もちろん私は昨日も戦艦シミレーションをやっておりました。朝まで…」
眠そうにあくびをする二人に、バーミリオンはあきれ果てる。ちなみに、彼ら二人はバーミリオンの同期です。
「それじゃ、皆さん行きますか。」
「「おう!」」
なんやかんや時間がかかりつつ、目的のショッピングモールに行けたニヒツ達。
「よし、孤児達へのプレゼントは全部買い終えたな。」
「はい!でも、お手紙の中には僕らではどうしてあげることもできないもの少しありましたね…」
「当然だろ、孤児は親も金も地位も低いんだ。願望はそこらのガキよりよっぽどリアルだぜ。」
孤児と言う特殊な環境が、子供らしい願望から自身の母や父をほっする願いや自身を差別する世界に対する変革の願いまで、到底子供が考えたとは思えない内容かつニヒツや騎士団どころか大人ですら解決できない問題の解決を願う子供も数名いる。
それに答えてあげられず、代わりのもので埋め合わせることしかできない自分をニヒツは少し悔いていた。
「よし!それじゃお待ちかねの団長へのプレゼント…選ぼっか…」
「はぁ~」
バーミリオンは、煮え切らないジルコンに嫌気がさし…
「ほらよ!」
そう言ってバーミリオンがジルコンに投げ渡したのは、帝国の最高級ブランドコーヒの豆。
「それ、団長が好きなコーヒーな。あの人金あんま使わねぇーからコーヒーとかはいいのかってんだぜ。あと、好きな食べ物はイチジクのタルト、好きな音楽のジャンルはジャズ、あとイヤホンが壊れたから新しいの欲しいつってたのと服は皮製のを好むな好きな色は黒で好きなタバコの銘柄は…」
そう言ってバーミリオンは、みんなが悩んでいたヒュース団長へのプレゼントのヒントを出すように好きなものを上げていた。
「てな感じだ。悪いな話が長くなって、とりあえずそのしけた面を直してこいジルコン。奪い取れとは言わねぇーが…どんな奴か確認するくらいはしてもバチは当たんねぇーだろ。」
「バーミリオン…」
「恥じらいも、御託もいい。…さっさと行け…」
バーミリオンは、そう放ってジルコンに背中を向けた。
「…やっぱ、副団長は違うなぁ~」
ジルコンは駆けだした…
「「ん…」」
「…はぁ~、他の奴もついていきたきゃさっさと選んでいきな。ただし、あいつらの邪魔はすんなよ…」
「「はーい」」
全員駆けだしていった。
「はぁ~、結局団長のプレゼントより色恋沙汰のが気になんのかよ…団長も浮かばれねぇーなぁ~」
タバコをふかしながらそんなことを口にするバーミリオンだった。
《その頃ジルコンは…》
「美味しいね、クリス」
「そう…だね…」
(なんか変だぞ…)
クリスマスの夜空に光るイルミネーションと、カップルの群れ。
その中心地とも言えるのが、最近流行りのこの喫茶店のテラス席に…見知らぬ黒髪メッシュと共にいる。
「で、みんな仲良くな~にしてるっしょ」
「あぁ~なんて言うでありんすか、気になるって言うやつでありんすよ。」
「そうでゲス、色恋ざだってのはいつの時代も気になるもんでゲしょうよぉ~」
ジルコンの疑問に、言葉を返すコーラとネフライト。
「はぁ~」
飽きれるジルコンがその目を離した瞬間、見つめ合っていたはずの二人がその場から消えた。
「あれーじゃーない?(棒)」
消えた二人は、道をいちゃつきながら歩いていた。
「しょ”」
「怒るなじゃん」
「そうだぜ、大人気ねぇ~」
そんなこんなで、黒塵団の一団は雪夜の通りを歩く二人を気づかれないように追いかけ続けて行ったのだが…
「なん…で…あんな…人けの…少ない…とこ…ろに…?」
「そうだよな、なんでわざわざ…」
「ラブホの近く通った時はさんなに必死そうな顔してたっすよね、ケケ!」
後ろで笑うトパーズと、ガーネットに向けて
「結界」
「「え…」」
「ザー…」
「「すみませんでしたぁーーー!!!」」
もし、今ジルコンがやろうとしていたことが実現していたら二人は分子構造から破壊されて放射能物質として死体すら埋葬できずに処理されていた可能性がある。
「おい、入ってくじゃん」
そんな会話をしている中、二人は人っ子一人いない廃墟のビルの中に二人で入っていく。
(やっぱり…なんかおかしいぃっしょ)
ジルコンは、その状況に我慢ができず嫌な予感に従い駆けだす。
「クリスタルちん!!!」
その廃墟の中に入り、思わず叫ぶジルコンの前に飛び込んだのは…
「なに…してるっしょ…」
骨の顔、大きな角のついた化け物がクリスタルを食べる寸前であった。
「あぁ~あ、見つかっちゃったのかぁ~」
「結界」
「おっと…」
先ほどの化け物は、顔を甘いフェイスに戻しその攻撃を避ける。
「放射線かぁ~相性が悪いなぁ~どうするかなぁ~」
そんな緩い喋りの瞬間にも、男は肉眼でとらえきれない存在しないほど細い糸でジルコンの首を…
「バァーン」
跳ね飛ばす。
「先輩!わっちも加勢するでありんす」
「俺もでゲス」
目の前で首を跳ね飛ばされたジルコンの直後、背後からその状況を判断し目の前の人型の異形に向けて刀を向けるコーラと刃先の太い突撃槍を持ち上空からそれを投擲するネフライト。
「なぁ~んだぁ~いいねぇ~」
二人の攻撃を見切る男の背後から鳴り響く、指パッチンの音。
「お前もう…ジッエンドだぜ。滅びの破滅光」
結界内で放たれた放射能。
「はは、この世界の原子と素粒子でできている。そのうちの原子崩壊、放射能、そいつは俺の魔法でも防げないなぁ~いいねぇ~」
そう言って、放射能の中から現れた黒い壁。
「炭素之壁」
原子が通らない、完全防壁。隙間はなく、そこに酸素も一切の光も入らない。
「それだなぁ~お前の弱点…」
完全なシェルター、外界との一切を遮断して有害な光を防ぎ続ける。
(どうなってる、俺の魔法は放射能。防ぐには完全な遮断つまりは酸素も含めた外気の遮断が必要っしょ。でも今の今まで30分はたったなのに…まさかこの時間内ずっと息を止め続けてるって言うのか?)
「なら、止めないだけだ…魔力が尽きるまでな…」
「いや、止まるさ…」
その防壁から、超硬度の針が出現し結界を破壊する。
「これが君の能力の弱点か、放射能の本来の恐ろしさは光線の後の毒素空間。しかし、そんなことをすりゃぁ~お前含め周囲の奴も死ぬし大迷惑だ。だからつけたんだろ、召喚術の“リスク×リターン”。」
そう、ジルコンの魔法は結界内以外で決して発動できないし、もし発動した結界が何らかの原因で破壊された場合。
放射能のエネルギーはその場から存在しなくなる。これは最高のセーフティーラインであり応用性を失う最大のリスク。
「つまりは」
男の語り口調を邪魔するように、新人二人が両側から攻撃を加える。
「なぁ~威勢がいいねぇ~」
二人は驚きを隠せずいいた、その男は先ほどの壁を解き完全な生身のそれであったのに、その皮膚が黒く染まりそれは刀と突撃槍の魔力を乗せた全力の一撃で傷一つつかない。
「炭素硬化生皮」
そして男は空気中の微量な炭素を武器に変え二人を串刺しにする。
「羅針盤」
アイオライトの魔法は、彼女から半径2km以内の全16種の方角のどこかに、対象を移動させる能力。
「これーさぁー…能力の抜け道ーあるんだよねぇー(棒)」
まず、彼女のもう一つの能力、予約。それと…
「とりまぁークリスちゃんから話した方がいいよねぇー(棒)」
目の前の黒い男を、建物の外のと言うかどう考えても2km以上離れた街のどこかまで飛ばした。
「“私を中心に半径2kmなーら、私事移動させれーば事実上ー移動範囲むげーん(棒)”」
「はは、やり合うにはちょうどいい。」
(プルル!)
目の前から、男がいなくなった直後ジルコンにかかってくるバーミリオンから電話。
「もっし…」
(「おぉ~悪いなジルコン、騎士団本部からの連絡だ。」)
「なんだっしょ」
バーミリオンからの口から、放たれた一言はあの男の正体に関する情報だった。
(「現在、帝国中に“ブラックサンタ”って奴が放った玩具兵が暴れてるらしくてな…」)
《視点はバーミリオンへ…》
「今、俺の目の前にも…その“強化版”みてぇーのが嫌がるんだが…」
バーミリオンは、MEでジルコンに連絡を続けつつ目の前のデカブツの鉄拳をいなす。
(「ブラックサンタって一体何者っしょ」)
「あ”ー聞いたことねぇーか、この帝都の民話に登場する黒いサンタクロースでな。んでも、目的はプレゼント配りなんて可愛いもんじゃなく…」
やむことのない、攻撃の全てをいなす、いなす、いなす。
「人攫い、つまりはクリスマス限定の神隠しの犯人だ。正体は精霊で、完全な人外だからぁ!」
バーミリオンは、右ストレートで水銀の毒手でデカブツを吹き飛ばした。
「てことで…人間の弱点は効かねぇーから、捕縛以外は俺たちじゃ対処方がねぇーお前の結界なら…」
(「もしかしてそいつ…炭素とか操ったりします」)
《視点は再びジルコンへ》
(「あぁ~玩具は全員、炭素でできてるからおそらくな。」)
「本体の特徴って、人型の頭蓋骨に上に伸びるデカい角だったいりするっしょ」
(「あ?そうだな、民話が正しければ…」)
「了解っしょ」
ジルコンはそれを聞いて通話を切った、先にあれを行ったアイオライトとマラカイトの二名を追いかけるよ走り出す…
“はずだった”
「先輩!危ないでゲス!!!」
背後から襲い来る、クリスタルの姿を見て危険を知らせるネフライト。
その時、バーミリオンはいきなり切られた電話の直後…
「ちっ!切っちまったか…おいニヒツ、俺たちもこいつらの対応を急ぐ…ぞ…」
先ほどまでモール中にいた玩具兵はすでに全員破壊された後…
「あいつ…切れると容赦ねぇーなぁ~」
《そして視点はブラックサンタに…》
「炭素角」
世界最硬度の石、ブラックダイヤモンドを超える炭素硬度を誇る石の弾丸。
「緑之防壁」
マカライトの防壁で、ブラックサンタから放たれる全ての攻撃は防がれる。
(マラカイト鉱石か、あの一族の防壁は硬度と威力を無視した概念防壁に近い存在。自身もしくはバリアを張った対象に降りかかるあらゆる厄災からそれを守る…例え俺の能力が時止めや空間切断でもあのバリアの前じゃ意味がねぇ~なぁ~)
「いいねぇーーー!!!」
そんなことを口にしながら、甲殻を上げて空気中炭素集めそれを蹴って加速し目の前のアイオライトとマカライトに超硬度の拳を向ける。
「無駄無駄じゃん」
しかし、マカライトは防壁を再び張るため小学生のあのポーズを決めるその瞬間。
「ぐがぁ!」
その口や鼻から、突然鋭い炭素の牙が出現し顔面がそれによって傷つけられる。
「知ってるか?人間は酸素を吸って二酸化“炭素”を吐くんだなぁ~だからそいつを操っればなぁ~“お前らには防ぐ手段も回避手段もない絶対不可避の攻撃が完成する。俺は精霊だぞ、お前らの神之真似事と違って自然事象そのものが俺たちだ。その応用も影響範囲も次元が違うだなぁ~これがぁ~」
そう、彼は冬の精霊の一体。しかも、人々と関わりが深いサンタクロースやイースターバニー、歯の妖精と同様の人々に慕われる信奉体。
そんな彼の前に、一切の勝機を見いだせない二人…
その前に、そしてその悪精霊の背後に現れた白い閃光の光。
「全力之衝撃!!!」
それは、ニヒツの放った最大威力の一撃。
「とわぁ!」
その攻撃に、なすすべなく地面に叩き落とされるブラックサンタ。
(なんつぅ〜ガキだ…俺の超硬度の皮膚を…)
その皮膚、誰が!どんな手段を使っても傷つくことなかったその皮膚がニヒツの手によって砕かれ始めて生皮にダメージが入った。
(このガキのあの拳…中クラスのただの強化打撃だろ…なのに…)
その威力を、ブラックサンタはこう称した。
「まるで…核弾頭みてぇーないぃ〜拳だぁ〜なぁ〜坊や。」
「それは、お褒めに預かり光栄です…」
クリスマス編2に続く…




