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第六十九話 踊るる獣達

葉伝それはサラエボ・ランボマンが持つ魔法、爆裂拳機(ボンバーパンチ)と同一の形をした炎の拳弾を飛ばす技。

それらは、スコーピオンの怪音波によってできた風穴を貫いて三層の先にいる本体へと伝わった。

「ウゥン!ヌ…」

飛ばしたパンチは、触れた頬から離れることなく入った一撃を遥か彼方まで伝えて彼女を数百メートル離れた瓦礫の山へとぶつけた。

「ハァ~…くたばったか…」

頭を上げ、瓦礫に埋もれ、瓦礫の中に寝そべるフリスト。

「………クハァ!」

上を向いたまま血反吐を吐いて、それは喉に逆流。そのまま窒息死するフリスト…

「完全回復だ…」

死のトリガーを持って復活、それは今だ残り二体のワルキューレが倒されていないことを意味していた。

「マジかよ…」

「次は…五層天害…」

踏ん張って纏った大気圏、青の槍と赤の槍の双方で連撃。

「五層天害・投擲ホーン

放たれたのは左手にもった青の槍。

「なろぉぉぉ!!!」

ぶつかり合う拳と槍、しかしその間には絶対の大気圏と言う名の壁紙五層も阻んでいる。

(やっぱりダメか、ならこいつを使う)

ブースターに蓄積される凄まじい煙、閉じ込めた缶が爆発寸前になるその瞬間までその拳は緩めない。

「待て!…スゥ~なにをするつもりだ…」

「限界突火を使う…」

「馬鹿か!これで倒せるかどうかもわからないんだぞ!」

「それでも…やらなきゃ”恩人”を失う。」

「恩人…」

サラエボはスコーピオンを恩人と呼んだ、その言葉にスコーピオン本人が困惑していた。

「お前の魔障花が無けりゃ、俺はここに立ってない。だったら、お前はここに俺を立たせてくれた恩人だろ、それなら見捨てる理由も守らない理由まねぇ~」

「だが、スゥ~…それでお前の命が犠牲になるかもしれないんだぞ!」

「んでもよ!…やらなきゃどっちまた共倒れだ。それによ、俺はやっぱ死なねぇーよ。だって俺は俺が死ぬとこ想像できねぇーし、この戦いで勝って武勲あげてよぉ〜名を売って俺は必ず上に行く。この裏社会の頂点にな。」

そう言って放つ最大出力の碧き炎の一撃。

限界突炎オーバーヒート・セカンド!!!」

それは昇進証明のマッハ200のパンチ、一撃の強烈な威力に大気圏が突破される。

「爆炎…いいねぇーーー!!!そうこなくっちゃ面白くない」

目の前の標的はまだ息がある、あれだけの命を賭けた一撃も彼女の心臓にとどきえない事実には驚愕と絶望しかない。

(フゥ~)

碧き爆炎とともに放たれた大気圏突破による爆発、それによって引き起こされた煙が今は晴れる。

「ん…」

しかし、そこには彼らの姿はない。

「ハァ~…」

聞き覚えのある吐息音がフリストの耳元に生暖かい感覚を走らせる。

「もう遅い…」

刺さったそれはスコーピオンの尻尾。

「スゥ~…ハザードレート2・梅毒ゲノム

全身を巡る何か、それが駆け巡る度に皮膚が薔薇模様のに包まれる。それと同時に全身から感じる痺れや痛み、吐き気や眩暈。

「ハァ~ァ…」

声も出ない、全身の感覚が無いし動かない。

「スゥ~…どう、特性の毒の御味は?」

「最高だね…でも…」

しかし、それでも彼女は立ち上がり痙攣により震えが止まらぬ腕でこちらに大気圏十層程度纏った槍を向け威嚇する。

「戦場じゃ、毒素によるスモック攻撃は上等手段。残念だけど、これで終いだよぉぉぉ!!!」

構えた先に狙うはスコーピオンただ一人。

BBAババア!!!」

そうすごんだ直後、その背後に現れ飛び掛かり叫ぶ男とその拳。

「サラエボ…なぜ…」

「打ったのさ…お注射をな…」


それは拳を放つ直前のあの時…

「俺があれを破壊したら…もう一回さっきのを俺の心臓に打て」

「スゥ~何言ってやがる、イカれてんのか?ハァ~そんなことすりゃすでに99%の死が120%確実になるだけだぞ」

「120%か…そんぐらいしなきゃ倒せる気がしねぇ~だからやんだよ」

あの一瞬で交わした前代未聞の魔障花三回を体内に注入すると言う暴挙。しかし、120%と言う響きが彼の闘志をさらに燃やす。

「だが、さっき見たいに回復されたらどうする…」

「いやそりゃねぇー断言できる。なぜなら他の姉妹達の魔力が弱まってるからだ。」

(!)

スコーピオンは驚きを隠せない、その言葉が真実かは定かではないがもし真実ならば…

(「聞こえるか!二人とも」)

そして流れるBADの声。

(「聞こえてるなら聞いてくれ、他の姉妹は全員追い詰めた後はお宅らだけだ。頼むぜ!」)

二人の耳に入る確かな情報。

「ほらな」

サラエボはこの連絡前からこの真実に築いていたそれはすなわち…

(街中に散らばった終い全員の状態を探知できるほどの魔力感知サーチ…しかしそんなことができるのは世界にただ一人ホーク・ヒリトだけのはず…)

スコーピオンには信じられない光景が目の前に広がっていた。

そして現在…

(ゴォ~)

その腕に纏われし焔の輝きは死を踏み越えた先にある境地、最後の一撃と思われた碧き炎を超える紺炎の一撃。

炎の温度は赤で約1500度、黄色が3500度、白は6500度、青が最も高い一万度以上で変色する。

そしてこれからわかるように炎の色は温度が上がれば青に近づく、その性質のうち最も深く青の中の青と呼べる最強最火の炎こそがこの…“紺炎”である。

「ヒャーーーハ!、いいねいいねぇ~最高に轟いてるよあんたぁ!!!…あぁ~本気マジ本気マジでこんなん数千年ぶりの高揚感だ。うっしゃぁーーー!最高にぶつかってきなベイビー」

「話長いぜ全くこれだから年寄りは、ボケてんじゃねぇだろなぁぁあ!!!」

「ほざけぇぇぇ!!!」

ぶつかり合う二人の衝突。

「「うぉぉおぉぉぉ!!!」」

二人の魂の熱量は、放たれた焔と共にその熱意を増し。その魂は…心の震えは…鼓動の高鳴りと共に一人は笑顔を、一人は怒りの顎を震わせてそこに対面する。

「突破してこいよ!若造!!!」

「いつまで君臨してんだ老害BBA!!!世代交代の時間だぜぇぇぇ!!!」

熱く、熱く、何より熱く周囲にすらその心の熱気が影響を見せ始める。その魔力のビジョンは、轟くヒョウと荒ぶるジャッカル。

両者の火力は街中の水分を全て蒸発させるほど、避難した市民に被害がいかないようリップが余った魔力をホームストリート全体に張っていた。

そしてこの瞬間、全脳のアルヴィトはその瞬間初めて認識する。そのバリアの存在とその意味…


リップ本人曰く…


「あたいの魔力の影響範囲は一国家全土、それにあいつらが暴れたらそこらが壊れたり無茶苦茶になんのは誰でもわかることでしょ」


事前に想定していたのだ、この状況に陥ることをだから先に張っておいた伏線。それにアルヴィトが築く時すでに遅し、轟きあった両者の結末は…


「はは…オレに勝ったんだ…くだらねぇー死に方したら承知しないよ。若造…」

「あ”ーあ、言われんでもよぉ~俺の魂の炎は不滅の怨嗟だぜ。」

「はぁ!期待しとくよ…“数千年ぶりの強き君”…」


勝敗は決し、二人は煙幕の中でお互いを認めあい…敗北したそれは灰燼に帰して塵芥となり消滅した…


その頃、背後で戦っていたリッチもその勝負を終えて目の前のヴァルキリーが消えていくのを眺める。

「ナッチッチ、姉ちゃん弱すぎダッチッチ。」

横たわり、顔も上げられないただの死体。そのはずの彼女から漏れ出る異様な魔力。


それについて、全脳のアルヴィトはこう語る。

「最後に、ヴァルキリーが残ればいいんです…全員の思念体が消え去ってもヴァルキリーさえ入れば…」


その瞬間、誰の目の前からもワルキューレ達が消えた。

「うぬ、まだ戦いは終わっておらぬぞ。」

『はは!悪いなぁ〜鮫頭くん。ゲームオーバーだ…"君たちのね"』


《視点はヴァルキリーへ》

膨れ上がるヴァルキリーの魔力、それとともに頭上に現れる深紅の天の輪。

「なんだっチ」

状況を理解するま間もなく、突如として発生した爆風とキノコ雲の中に包まれたリッチ。

「ゔぉーーーおーーー!!!」

その瞬間、ヴァルキリーの目は無く空洞で、その見た目はさながらムンクの叫びを思わせる。


その違和感と突如として発生したキノコ雲に視線を集める一同の前にその雲の中から現れたのは…

『バウァーーーサーーーク…』

【ヴァルキリー・バーサーカーモード

 全長一万メートル、体重三千万トン

 外見:ムンクの叫び、深紅の翼、深紅の天輪】

それの声は非常にのぶとく、まるで悪魔の叫び。


そしてその能力は…

斧之時代(ツェクリ・オン・サーガ)

十本の腕の一部から放たれたビルを真っ二つにするほどの大斧。

魔力(マギア)

周囲に展開される複数の光の柱。

「羅ン駄無(ランダム

周囲に振られた手のひらに握られた、大気の閉じ込められたカプセル。

「なにが…どうなってるんだ…」

その胸から出現する光の剣を、その一つ一つの行動の一部始終を目撃した皆が同じ反応を返す。

(キュイン)

その瞬間、全員にかかってきた一つの通話。

(「BADだ、どうなってるか正確なことは俺にもわかんねぇーが…推測なら大方わかった」)

この緊迫した状況で、BADがその一瞬で推察した彼女の正体。

(「おそらく奴の能力は、今まで戦ってきた全ヴァルキリーの才覚スキルの使用だ。そしておそらく、能力は奴の巨体の部位ごとに一つ…」)


《空中庭園》

「つまり、あのビックリモンスターの能力発動条件は一つ一つ違うってことっとじゃね。」


状況証拠が示す能力の発動部位、口から言葉の塊を、右上の腕からは斧、視線の先には光の柱、左下の腕に握られたカプセル、鼻息からは霧の分身、足につながれた足かせの先には巨大な黒い釘が、左右真ん中の腕に纏われた闘気と巨大な盾、他の腕は指を突き出しぐるぐると、胸からは光の剣、背中に浮遊した二本の赤と青の槍、皮膚は神の硬度、脳は全脳、動は酔拳のように軽快でとそれぞれ全14箇所にそれぞれの能力が宿っている。


《中央激戦区》

「なるほど、つまりは小生ら全員でそれぞれの攻撃を一斉攻撃すればいいと」

(「そうだな、まぁ~つーことで今度こそ…」)


“「「昇進証明の同時攻撃」」”


(「これが最終決戦だ、おめぇら!!!気張って行けよ!!!」)

全員がその言葉に身構えて、目の前の標的目掛けて駆けだす。

「おりゃ~斧一択!」

「あたいは目を潰す」

「小生は胴体に一撃」

速度の速い二人は、早々に中央に集まり三つの部位を同時攻撃するが…

「「うわぁ!!!」」

しかし、謎の防壁に弾かれる。

「やはりな…」

「どう言うことっすか、BADの兄貴。」

何かを察した、BADはポイズンにこう語る。

「ヴァルキリー、奴の能力は今までもそうだが討伐条件にギミックが存在する。だから、あのバリアをかいくぐるにもおそらく同じようにギミックがあると考えるは必然だろ。」

「それで、そのギミックってななで?」

「おそらくは今までと同じ、完全同タイミングでの同時攻撃。それと、あの皮膚の硬度から考えるに皮膚までの何重のバリアを超えた後、皮膚までいた立った段階でウルシーの力で全身のわたる硬度の底上げを破壊して奴を裸にする。その状態で俺とアッシュで渾身の一撃を叩きこむ。」

作戦は立てた、あとは全員の協力が必須。

「でもよぉ~頭、この状況だ。どうやってかいくぐる…」

「そうだなぁ~」

(俺の光魔法で付与エンチャントすりゃ~この場の数人ぐらいは行けるが…部位は全部で14。最低でも14人はそこまで来なきゃならねぇ~どうするか…)

「それなら、身共が切り開こう。」

それは闇の瘴気に満ちた黒い煙、その硬度を超えられる力は存在しない。

「うっしゃぁーーー!!!俺たち専用の花道だぁ!!!」

喜ぶニットとポイズン、そして今まで戦闘に参戦してきたハット、ダンサー、メット、ラップ、ダイル、キャップ、ノーズ、ポイズン、ニット先に行った三人と先人を切るBAD、スモークを含めこれで合計14人。

「これで手数はそろった…しまいにしようや。この長い尺稼ぎをなぁ…」

全員が加速スピードや光速移動で目の前のそれに接近しそれぞれの持ち場につくように動く。

『ばぁーーーー!!!』

当然それを阻むように、あらゆる手立てで攻撃を仕掛けてくる怪物。

「ぶねぇ!」

その猛威は中央を駆け抜け、誰よりも早く先人を切る光速移動するBADに向けられる。

(光術状態では全ての攻撃が透過して効かない、だが解除直後もしくはあの光の剣ならそれを超えられる。しかも、この軽快な動き…この巨体でこの動きとこの高速移動かつそいつと同スペックの分身を霧が広がる限りの無限量産やっかいなんてもんじゃねぇーなぁ~)

そんな彼女は、光の剣とともに必要に仕掛けてくる攻撃があったそれは“黒い釘”。

「しまったぁ!」

それは一瞬の隙、BADが目標の破壊箇所である胸に限りなく近づいたその瞬間、解除したそばから背後に現れる黒い釘によってBADの持っていた、エーテルブレードが吹き飛ばされる。

(キリン!)

その直後、弾かれたエーテルブレードに大きなひびが入って崩れ落ちて灰になる。

「なんだ…一体…」

そう言ってるそばからの猛攻撃に光術で対処するBAD、それでも対処の量にも限界がある。と言うか…

「へぇいへぇいどうした、集中狙いがあからさますぎだぜ。お宅…」

それはどう考えてもBADへの戦力過多が過ぎると言えるほどの能力の多様使用。他のメンバーが目の前の本体のみの対処に対して、BADだけが他の分身含めて全能力使用一斉攻撃を受けている。

(まずいな、こいつのギミックはおそらく正しい。だからこそ…)

その場にいるリップやスモークはそれを助けようと動き出しそうになる。

「ならぬ!!!」

その瞬間放たれた鮫狼のビジョンを模した殺気、その声とそのビジョンはおそらくウルシーのもの。

しかし、なぜ止めたのか…どう見てもこの状況で助け出さないのはすなわち自身の盗賊団の頭、BADを見殺しにするも同義…しかしなぜ?…

「今、お頭殿は死にもの部類であれと対処し、同時攻撃のタイミングをずらさないようにあそこにいる。ならば…“そなたらが持ち場から離れることはすなわちお頭殿の覚悟を否定することになる”。だから決して動くな、案ずるな小生がその力を認め付き従う男だ…死にざまは選ぶさ…道半など絶対せん!!!」

その言葉はその場の全員に響いた、BADの夢の果ては悪の親玉(BAD KING)になること。

その夢叶うその瞬間まで…‘決‘し‘て‘折れることのない一本の刀身。

「なめんなよぉ”…この程度の修羅場は…何度も乗り越えてきてんだ…負けねぇーーー!!!」

光速の連撃やその他の全ての才覚スキルを手にもつ大きなピンクの大剣。

「悪いな…アッシュ…少しの間…耐えてくれ…」

さばき続ける…しかしそれにも終わりが見えてきた。息は絶え絶え、汗びっしょり、腕も震えて動きも鈍くなってきた。


“その一瞬の隙の間に、背後に出現した“黒い釘””


(なんなんだ…この釘はぁーーー!!!)

それがその胴を捉えたその瞬間…

「O!カシラァYOU!!!」

現れたのは一機の“ドローン”。

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