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第五十話 得る者と失う者

「その白髪と眼帯、そして赤眼…お主が噂のDEM殿か?」

「DEM?僕は、キッドです。」

「左様か、まぁ〜いい。ならばそこを退いてはござらんか?キッド殿。」

キッドは、襲われそうになって怯えているクラゲの女性をお姫様抱っこしながら、彼の鋭い赤い眼光を見た。

「もし訳ありませんが、それは出来ません。」

「なぜゆえ?」

「この女性は、貴方方の存在をあまりよくは思っていないご様子。つまりは、貴方方は彼女の見知った物では無いと言う証拠。怪しすぎます。」

「すまない、お主は知らんかもしれんがその娘はリール貴族国の名家の生まれでござんして。だから、拙者らが迎えに…」

「なら、パスポートを出してください。」

「…」

キッドは、アグリオスにパスポートを要求し、アグリオスは少し苦い顔をしている。

「貴方が他国から来た方なら、パスポートを持っているはずです。"侵入者"でない限り。それに、貴族や王族の方々からの命で国をまたぐなら、パスポートには正式な貴族印や王族印が押されているはずです。それを見たならば、納得します。なので見せていただけませんか?」

アグリオスは、少しため息を付くと。

「お主、一つ忠告しておくでござんすよ。今後の人生のめに、この世には知らなくていいことと…しっちゃ〜いけないことことがあるでごんす…」

その瞬間、ほど走る雷鳴と共に、男は真横に立ち。キッドの目がピクリともしないうちに…

(ジャキン!)

その一撃は、キッドの首筋を切り裂く…

「ぐぅ〜」

かに思われた。

「なんと!」

キッドはその刃を口で加え防いでみせると、敵は動揺し。その隙に、キッドは拳を胴から顎にかけて

全力衝撃(フルパワーインパクト)!!!」

アッパーを決め、アグリオスを天高く吹き飛ばした。

「さー早く!逃げますよ。お嬢さん。」

「えっ!ちょっちょっと!」

キッドは、目の前の標的の強さを直感的に感じたためか、クラゲの女性を連れて修道院の天上を突き破り逃亡する。

「あっ、アグリオス兄様!」

「これは少々予定外の自体が発生してしまったようでござんす。まさか、本気ではなかったとは言え、光の速度を肉眼で見切るとは…組織に聞いていたよりも封印の緩みが深刻化しているようでござんす。」

「大丈夫なんでしゃーせ?確かあの目〜」

「魔力を肉眼で捉え、巧みなポーカーフェイスすら見抜き、千里を見通し、神速すら見切る不死身の目。魔眼。」

それは、始まりの歪み。

「きゃーーー!!!」

「あっあの、暴れないでください。」

少年は知る由もない見えざる手。

「わっ私高いとこムリーーー!!!」

「え〜」

さっそうと夜空の街を駆ける彼の表情がいつか、涙で染まる時…

「さー!始めようか…我々の計画を…」

潜む闇は深淵より彼を除く…

「期待しているぞ、余の片翼よ…」

強大な闇に対抗しうる光はか弱く…しかし

「ふんふん〜」

罪者はその域ではなかった。

「ベシル君、随分楽しそうだね。」

「ん?だってさ…」

彼女は全ての常識、状況、計画。あらゆるものを覆しうるまさに…

「エプロン姿の女子二人に囲まれて食事出来るなんて、まさに天国って感じじゃない?」

イレギュラー…

「はっはい…」

「君のそう言うところは、まったく理解しかねるよ…」

「テヘ」

その時、扉をノックする音が

「「ん?」」

(シューン!)

そんなことは梅雨知らず、キッドはひとまず助け出した女性をタトゥーのまつギャングストリートの路地裏前まで運んだ。

「よいしょっと!」

「やれやれ、遅かったじゃね〜て、その嬢ちゃんは誰だ。」

「はい、この方は〜…すみません、お名前をお聞きしても」

「言い訳ないでしょ、この爆発天パ。」

「え?」

クラゲの彼女は、不服そうな顔でこちらを見る。

「あなた達ね〜…このわたくしを誰だと心得ていますよ。わたくしの名は、セイラ・ジェリー。五大国屈指の飲料メーカー、ジェリー家の娘ですわよ。」

「ジェリー家…」


この世界では、空の技術が先に発展した。その経緯は、この世界を支配していたドラゴン族に対抗するためと、もう一つ。このメディウス・ロクスは海よりも大陸が広く、さらに戦争の影響でほとんどの海が汚染されてしまったため海よりも障害物の多い陸よりも空での飛行技術が先に発展したのである。そのため、この世界では水分はとても貴重で、ほとんどの飲料水を貴族国に依存している状態であり、その中でも世界的に有名な企業こそが大手飲料メーカー・ジェリーコーポレーションである。


「やれやれ、嬢ちゃん、なんでもいいけどよ。助けてもらった相手にそりゃーねぇ〜だろ。感謝の一つくらいは…」

「黙りなさい!小虫」

「あ"…」

そう言うと、タトゥーの雰囲気が変わった。

「嬢ちゃん…」

「タトゥーさん!」

キッドは、彼の放つ強大な黒い魔力から、何かを察してそれを止めようとする。

「性格悪いな、嬢ちゃん」

「え?」

「はぁー!!!」

だが、微かに漏れ出た殺気が嘘の様に彼のノリはいつもどおり軽かった。

「何ですって!取り消しなさい。今の言葉」

「やだーよ。」

「はぁー!」

「ちょっ、ちょっとお二人とも」

二人は何やかんや言い合いをしている最中。

「あ!いましたいました。」

そう言って、近づいてくるのはタトゥーの妻モンブラン。

「おう、モンブラン。やれやれ、どうしたそんなに慌てて」

「はぁ〜はぁ〜大変なんです。とにかく家に戻っていただけますか…」

「大変…」

タトゥーとキッド、そして成り行きでセイラ含めた三名は家に向かった。

(「本日夕方7時頃。商都ホワイトテラスにて、国長ゴブニュ・ハンマー・ギアーク様の遺体が顔の皮と心臓が抜き取られた状態で発見されました。」)

それは、タトゥーショップの下。ビルの二階にあるタトゥーの家のリビングに置かれたナノエーテルモニターの映像。

「…爺さん…」


タトゥーは、思い返していた。

「爺さん!」

それは、部屋からでる直前、キッドがベシルの無実の証明を誓ったあのあとの刹那。

「なんだねだね。」

「…俺も引退したんだ。そろそら考えろよ、もう若くねぇーだろ。」

「まぁ〜な。だが、お前さんが手塩にかけて育てた彼女もいるしのぉ〜。まぁーあれだ、精神力と肉体の衰えは、この歳じゃから受け入れる他ないわけだが、わしを支えてくれる者達は王勢おるしそれに…あの一件もあったしな…な」

「ディムナ様のか?」

「あぁ…あれは五大国会でも問題視されていてな、な。さっき話した通り、元々ベシル様の一件はエンパイア様含めた我々五人での可決だった。しけし、エンパイア様の急死し、その跡を継いだディムナ様にはこの一件は伝えられなかった…と言うより、伝える術がなかった。あの方は、王帝に就任されてから鎖国体制に入りってしまわれた。それに、あの方の思いを汲めば伝えない方がよかったと我々は判断したわけじゃっじゃ。」

「でも、その判断が帝都の惨劇をうみ、そしてその一件で時代の後継者問題が浮上したと…」

「そうじゃなっな。」

二人は、下を向いて悩む。

「大丈夫じゃ、安心せいせい。わしゃーまだ生きとる。それに、こんなに元気じゃぜっぜ。」

ゴブニュは、その腕に大きな力こぶを作って心配するタトゥーに見せた。

「…そうか…精々くたばんなよ。」

「あぁ〜」


そんな会話の後の突然の死。特にタトゥーは200以上前から彼の背中を追いかけて来た身。タトゥーの中で英雄とも呼べる存在だった目の前の憧れは、無惨にも…


「(騎士団の調べによると、心臓と顔の皮膚は刃渡り15センチほどの包丁の様なもので切り取られており。引き続き、犯人を捜索中とのことです。)」


殺された…


ーーーーーー商都 ホワイトテラス前ーーーーー


そこに立ち並ぶのは、黒いスーツやドレスに身を包んだ者達。

「これより、国長ゴブニュ・ハンマー・ギアーク様の葬儀式を取りこなわせていた抱きます。

その静けさと悲しげなムードの中に、タトゥーらも参列していた。

「…」

それぞれの思いの中、人々はただ涙を無言で流し続けた。それだけ、ゴブニュと言う男の存在は偉大だったのだ。

「爺さん…」

葬儀が終わり、埋められたゴブニュの墓の前で…ただ彼は何かを祈るようにしてその場を去った。


その頃、ベシルはホワイトテラスの屋根の上で…

「はぁ〜」

ため息をついて月をみやげていた。

「やっぱり、ベシルさんも思うところがあるんですか、ゴブニュ様に…」

「あ〜、あの子が小さい頃から見てきたからね。」

「ゴブニュ様の小さい頃?どんなお子さんだったんですか…」

「ん?とっても良い子だったよ。昔から積み木やレゴブロックみたいな想像性のある遊びが大好きな子でね。いっつも新しい何かを作っては見せてくれた…」


それは200年以上前、ベシルが黒いボサボサのロングヘアーだった頃。

「ほっほぉーい、ベスルお姉さんが遊びに来たぞぉー!」

「お!ベスルのお姉ちゃんちゃん。」

そう言って駆け寄るのは、幼き日のゴブニュ。

「見てみて!これ」

「これ〜何?」

「ふっふ〜移動都市。ハイランダーなのだっだ。」

ゴブニュは、レノブロックで作った未来に轟く移動都市ハイランダーのコンセプトとも呼べるものを幼くして作り上げていた。


そして、二人は外に出てゴブニュの父、ヴァノン王の収める国。世界最初の小人の国アルケミスを散歩していた。

「ふっふっふ〜」

「お姉ちゃん!あれ!あれ!」

「ん?」

ゴブニュが指を指すのは、珍しいタイプのロック鳥。

「おぉ〜青のは珍しいねぇ〜」

「本当だ、本当だ。ME、カメラモードオン。」

「了解イタシマシタ。」

自然や周りのものへの好奇心。

「お姉ちゃん、ここ、ここ!」

ベスルに、自分の大好きなお店を見せたいとゴブニュはベスルを古本屋に連れてきた。

「うわぁ〜店主のおじいちゃん。今日はねぇ〜今日ねぇ〜。」

「ほほ、ゴブニュお坊ちゃまのお知り合いでふかな?」

「あー、ベスル・ラブ・アンベシルだ。よろしく。」

「こちらこそ…」

ベスルは店の店主に挨拶を終えた後、あたりを見るとゴブニュの姿が無い。

「あれ?ゴブニュは〜」

「あちらです。」

ゴブニュは、あたりの本をかき集めそれを読んでいた。

「良いのかい?売り物だろ。」

「良いんですよ。ゴブニュ様はこの国の王子、それに、坊ちゃま読んだ本は必ずお買い上げになられていますので。」

「へぇ〜」

多くの書物を読み、触れ、学ぼうとする知識への貪欲さ。こう言った姿勢が、分子レベルで魔法を具現化する形状(アイテム)系最強の魔法使いと呼ばれる現在の繋がっている。


時は現在へ…

「…長く生きてるとね、よく思うんだ。なんで昔は自分よりあんなに小さかった子達が、先に歳を取ってそして…先に行ってしまうんだろおって…」

その瞬間、キッドの目が映し出す景色が真っ青なると同時にベシルの目から赤い涙が…

「ベシルさん!」

「ん?」

「え…」

キッドはその涙をみて、何故だかとても恐怖を覚えた。それは、ベシルが怖いからとかでは無く、ベシルが死んでしまうような…そう言った心配への恐怖。

(確かに…さっき泣いていたのに…)

しかし、その涙は刹那な一緒で目の前から姿を消した。

「どうしたの、キッド様。」

「いや…涙が見えたので、エヘヘ気のせいですかね。」

「涙、お姉さんが?そんなわけないじゃん。お姉さんはいつだってポジティブシンキングだぞぉ〜だ。」

「ですね。」

そんな態度のベシルではあったが、脳裏をよぎった。

"「きっといつか…その涙に気づいて拭き取ってくれる。そんな人が現れるから…」"

そんな、彼女の言葉…

「まさか…ね…」

この時、ベシルは知らなかった。そしてキッドは生涯気づくことが無い二人の関係。目の前の男が、自分を唯一救ってくれる王子様であることを…


"それに気づいてさえいれば…未来は変わったかもしれないのに…"


そして少年はその場に立ち

「ベシルさん、僕一つお頼みしたいことが…」


そうして、いくつもの犠牲を目の当たりにしながら一向は新たなる進路を決めた。

「よし!それじゃ、今回の任務はぁ〜ジカジャン!クラゲ姫様の護衛でぇ〜す。」

「だっ、誰がクラゲ姫ですか!失礼な!ワタクシにはセイ…」

「はいはい、セイラ・ジェリーちゃんでしょ。セイラちゃんの護衛をします。あのかの有名な聖貴族様々からのご命令なので、皆んなちゃんとこなすようにね。つーことでしくよろ。」

ベシルは、今回の目的とその詳細を話し始めた。

「聖貴族?どう言うことですか」

「あ〜その反応は最もだ。何故なら、本来僕ら十三騎士団、上位三名の懸賞金をつけたのは彼ら聖貴族。しかしね、今回は少しかってが違う。なぜなら…」

「わたしからの個人的依頼だからですよ。ムッシュ」

そこに現れたのは、真っ赤なスーツに手先の赤い刃の鉤爪を付けた。神の目のアイマスクをする男。

「あなたは…」

「申し遅れました、わたしの名は…」


これは数時間前…

(トントン!)

「「ん?」」

食事を楽しむベシル達の背後からノックの音。

「はぁ〜い。」

とモンブランが、扉を開ける。

「今晩は、お時間よろしいかな?マドモアゼル。」

「はっはい」

「左様でございますか。それでは、まず…この場に"ベスル・ラブ・アンベシル"なる女性はいらっしゃいますかな。」

((!))

その瞬間、全員が耳を疑った。何と突然現れたこの男は、ベシルの名を口にしたのだ。そして、ピンポイントに今ここにベシルがいる。それは元々承知の上でか、はたまた偶然か…

「ん?どうされました。何か…やまさきことでも終わりかな?」

「いっいえいえまっそうも…」

(まずい、ここでベシルくんの正体をバラすわけには、そもそも彼が一体何者なのかわからない、しかしあのアイマスクよりよにもよってなぜ…)

ドクターは必死で打開策を考え出そうとしている。それもそのはず、聖貴族の関係者に居場所がバレれば騎士団はこの店を包囲するだろう。キッドが聞いた話を考慮したとして、聖貴族は騎士団や五大国と同じ思想とは限らない。なぜならそれはかつての経験上、聖貴族はその行動の意味や利益よりも、自身の権威や対義、文化を優先するからである。

「おい!」

(ベシルくん!)

しかし、そんな合理的、現実的とへ対照的な彼ら聖貴族の関係者の前で、それに恨まれつけられたその異名とその懸賞金をぶら下げた異物は、彼の胸ぐらを掴んだ。

「まずはテメェーが名乗れよ」

「あっはーい、そうでしたわたしとしたことが失敬。」

そう言って、男は捕まれた胸ぐらを離すベシルの後、その襟を正してから腕を横にやり紳士的な会釈をして一言…

「わたしの名は、アローぺクス・レッドクローと申します。以後、お見知り置きを、マドモアゼル。」

「クロー?クロウの間違いじゃねぇーのか、烏やろぉー…」

「はい?」

両者はその殺気をぶつけてあった。

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