第四十九話 黄昏なる者達
これは、ベシル達一向とキッドが五大国法に則り追われる身となった八日目の夕方のこと…
(バタバタバタバタ!!!)
上空に待機しているのは、ニュースの撮影をするニューキャスターを乗せた一般用回転馬車。
ーー商都 住宅街 上空ーーー
「たった今、商都ホームストリートに四名の侵入者が現れました。騎士団関係者の情報では彼らは正式なパスも無し、国籍も不明とのこと。いったい彼はなんの目的でこの商国に足を踏み入れたんでしょうか。」
突然の侵入者に、対応を急ぐ騎士団達。
「止まりなさい、これ以上の抵抗は…」
騎士団は必死にその者らの暴挙を止めようとする。
「ねぇ、アグリオス兄様。なんだか空が騒がしいでしゃーせ。」
「左様か、…ガルズガンド。」
「なんでやしょう。」
「やれ」
「了解ですゼェ〜旦那。」
そう、赤いローマ風の服装をした男アグリオスが白い蛇柄のローブを着た男ガルズガンドにそう告げると、ガルズガンドは
(シャシャシャ!)
袖から小さな氷の針を生成し、騎士団がいる方へ投げた。
「なんだ?」
「腕を上げたぞ…」
あまりに小さいその針は、肉眼では捉えられないほど小さいその針は、どう考えても騎士団にら傷一つつけられなそうなそれを多くの戦闘機の方へ投げられた。
(キン!)
その小さな針数本に、取り囲んだ騎士団全員が戦闘機ごと一瞬で凍結された。
「きゃーーー!!!」
響き渡るニューキャスターの叫び声と共に
「しゃーしゃしゃしゃ」
「何を笑っているでござんす。一機取り逃しているではないか…」
そう言ったアグリオスは、軽く手に持った剣を振るうと…
(バン!)
剣圧で切ったとでもいうのか、ニューキャスターを乗せたヘリは、燃え盛る炎とともに一瞬で燃え尽き、乗っていたADやキャスターもろとも、灰も残さず燃え尽きた。
「てぇやんでぇい!」
そこに現れたプロペラ戦闘機。通称:回転飛行馬に乗った。
「止まりやがれってんでい!」
飛行番機兵操人の錬成騎士団ネジの団団長。ホーク・リヒルは…
「俺がいってきやすぜぇ、アグリオスの旦那。」
「さっさとするでござんす」
「へいへい、例のお姫さんの件は任せましたぜ!」
「無論でござんす。」
ガルズガンドは、そう言ってホークの乗る戦闘機の方へと飛んでいった。
「へいへい、こんばんはですぜぇ〜」
ガルズガンドは、走行中のそれへ屋根伝いに飛び乗り。
「なんでぇい!大人しく捕まる気になりよってんでい!」
「いやいや、ご挨拶にと思いやして…」
深く息を吸い
(フ!)
と息を吹きかけると
「なんでい!?」
戦闘機ごとあたり一体が凍結した。
「これでちょこまかとは動けなくなりやしたぜぇ〜騎士団の旦那。」
「そう思うか?」
「へい?」
ホークは、空中で手を下にやり
「赤光回転飛行馬!!!」
かざした手の先から現れる、赤いプロペラ戦闘機。
「しゃしゃ…」
「食いやがれ!RED・ミサイル。」
戦闘機から放たれる数十発の炎のミサイル。
(フ!)
しかし、当たる直前またもガルズガンドの冷気に阻まれる。
「また、凍結か。しかもあの一瞬でぇい…」
「しゃっしゃしゃ。どうしたぜぇ〜、もう終わりですかい?」
「いーや!まだだ」
そう言うと、ホークの乗る赤光回転飛行馬が変形し、サイドに大きな連射式ミサイルを展開し
「RED・多連ミサイル!」
発射する。
(フ!)
ガルズガンドも全弾を回避しようと冷気を吹きかけるが
「まだまだ!」
あまりの連射量に…
(バンバンバン!)
ついに、冷気は打ち破られミサイルをまともに食らった。
「どうでぇい!」
かに思われた…
(フ!)
その瞬間、背後から冷気が…
(キン!)
気づく間も無く、一瞬で凍結したホーク。
「しゃっしゃっしゃ、面倒な相手は不意打に限る。つーか、こんな所でこんなミサイル打っていいのかぜぇ〜」
そうガルズガンドが安心した次の瞬間
(ボォ〜…)
「ん?」
凍結したホークの周囲から、不審な音が…
(キューン…バン!)
「しゃーしゃしゃ…」
突然立った火柱を、咄嗟に避けるガルズガンド
「それなら安心するでぇい!既に避難は仲間に頼んである。そいつは手の早いやつでぇい、そろそろ終わったころでぇい!」」
「しゃ〜こりゃっ飛んだ役回りになったもんですぜ!?」
炎の音でかき消されて気づかなかった、横からの乱入者。
「おっと、これはお返しですぜぇ…」
その正体は…
「ミニ・赤光回転飛行馬」
小さなプロペラ戦闘機…
「ズ!」
達。
「ぐはぁ…」
それは、ガルズガンドの脇腹を捉え、そこに鉛をぶち込んだ。
「てぇやんでぇい!これ以上痛い目みてぇーねかったら、大人しくしろでぃ!」
「しゃしゃ…やっぱり、氷魔法と炎魔法じゃ相性が悪いですぜぇ〜…」
「おお!負け惜しみか?」
「じゃあそろそろ、魔法を使いやすぜぇ〜旦那」
その発言は、まるで今までの戦いが全て茶番だとでも言うかのような、目の前のホークを嘲笑うかのような発言に聞こえた。
「ほぉ〜やんってみんしゃい。」
両者は睨み合い、お互いの殺気をぶつけ合った。いつか戦いが始まってもおかしくない、もしそうなった時、周囲にどんな被害が及ぶのか、想像してしまうほどの殺気。その二つ、氷結の蛇と炎を纏う鷹。両者のビジョンがぶつかり合おうとその殺気をぶつけ合い、そして動き出そうとしたその瞬間。
「と思ったが、やっぱりやめた。」
「どっどうしたんでぇい!まさか、ひよったんじゃ…」
「しゃっしゃしゃ、いやいや、あんまり目立っちゃ行かんのですぜぇ。まだ計画の第一段階なんでね。」
「計画?」
ガルズガンドは、気掛かりな言葉を口にする。
「じゃ!そう言うとことなんで…」
「まちやがれ!」
(フゥ〜)
「くっそ!」
ガルズガンドは、再び冷気を発して追いかけようとするホークを振り切り、そのまま立っていた屋根の上から姿を消した。
「てぇやんでい!逃げるなんざ度胸がねぇ〜と諦めてぇ〜とこだかよぉ〜。」
ホークは、手を合わせて祈るのような姿勢でこう言った。
「おいは、獲物を狙って逃がさない、鷹の目の騎士。鷹の目」
それは、魔法の完全詠唱。そして現れたるは、周囲広がる赤い壁
(結界魔法!)
その壁は、その結界の名は…
「見つけたぜ!」
<監視結界>
「なんぜぇ〜」
そこに再び放たれるミサイル。
(フ!)
次は本気だったのか、放たれた全てのミサイルを凍結させた。
「そこか!」
すると現れた小さな戦闘機。
「もうその手にはのらんぜぇ〜」
しかし、ガルズガンドは、その戦闘機に向けて例の針を飛ばす。
「あらよっと!」
両者は、ガルズガンドが気づいた氷の上へと着地。
「らーはっはっは!これでもうにげれんでぇい!わかったか、こんこんちきの白蛇野郎めぇ!!」
「しゃーしゃしゃ、白蛇とは光栄なんこって。それで、あんた凄い魔法もってるようでやすな。」
「らーはっはっは!べらめぇい!突然でぇい!。おいは、人呼んで商都の赤い鷹(自称です)。この鷹の目は、商都中の全てを包んだ監視結界。さらに言えば五大国随一の感知系魔法なんでぇい!」
「それはどのような?」
それは、ホークがまだ魔法騎士団要請学校に入学する前まえの幼き日まで遡る。
(おめぇは生きている。)
それが、彼の魔法だった。
「なんだこいつ?ちっせぇー!」
彼は小人族の暮らすこの商国の中でも、一際小さい部類だった。
「いいよ、ホークくん。ぼくは…」
「ばぁろー!言い訳あるかい、こんなクソやろー共におめぇさんはやらせんでぇい」
「ホークくん…」
「あ"?誰がクソやろーだとコラァ!」
幼きホークは、路地裏に呼び出され、今にも殴られそうな少年を庇って袋叩きにされた。
「ごめん…ぼく弱いから…」
「なんでぇい!こんな傷。死ぬこと以外は擦り傷でぇい!」
「ホークくん…」
ホークの痛々しい傷をみて、自分の無力さに涙が止まらなくなっているライムグリーンの目が特徴的なメガネの少年。
「ここは…」
そんな彼を、ホークはある場所連れて行った。
「ここは、おいの自慢の工場だ!」
そこは、今では珍しいプロペラ飛行機の修理工場。
「いつからこの工場はお前のものになったんだ。」
「おう!ブルーのおっさん。」
「ブルー?」
工場の二階から鉄臭い匂いを漂わせ、飛び降りてきた中年のつなぎ男。その名は…
「お!ホークのお友達かい。紹介が遅れた、おいの名はブルー・バード。青い鳥は幸運を運ぶってな。」
ブルー・バード
器:炎
愛用魔法:蒼炎
経歴:元・魔法騎士団ネジの団 団長
現在は、暴力団の抗争に巻き込まれ他界。
称号:炎の騎士
「はっ初めまして、ぼくの名前はえっと!ラッラッライム!ライム・ジュースと申します。」
つなぎとタオルを頭に巻いたその男は、ライムにこういった。
「お前は生きてる。」
「へぇ?」
「だから、元気でやれよ。楽しくな」
「おい!おいのセリフとるなてっんでぇい!」
「はは!お前のその目か?」
「目…」
ライムは、ホークの透き通るような目を見つめた。
「そうだ!俺の目は鷹の目、どんなもんだろうが生きてさえいりゃ〜どこに居たって見つけ出す。」
「すっ凄い!」
「な〜にカッコつけてんだ。目の前のものが生きてるかそうでないか見分けるだけの雑魚能力のくせによ。」
「うるせぇい!おめぇなんかに何わかるかんでぇい!ブルー!」
「なーはっはっは!雑魚ざーこ!」
「このぉーーー!!!」
「おっ!やるか〜」
二人は喧嘩を始めた。
"そうだ、おいの力はただそれだけ…ただそれだけの力だった…魔法騎士団に入るまでは!"
「そんでこの技を教わった。宣言してやろー!このおいからは、死んでねぇーかぎり逃れることはでき!」
「なら死にゃ〜いいんですぜぇ〜」
「は?」
ガルズガンドそう言うと再び周囲に冷気が…
「もうその手には…蒼炎」
先程より遥かに強い炎で氷を焼き尽くした。
しかしそこには…
「なに!」
もう男の姿は無かった。
「ちぃ!だったら空中嗅ぎ回ってやるでぇい。ミニ・赤光回転飛行馬」
ホークの放った大量のそれらは、町中を飛び回りレーダーの用にあたりを捜索する。
「この商都にいる限り、この鷹の目からは逃れらんでぇい!」
町中の捜索が始まった。
「しゃ〜流石にまずかったぜぇ〜」
その頃ガルズガンドは、凍り付かせた住宅街の下。避難後で誰もいないマンホールの下の下水道で…
「この技がなきゃ、流石にやばかった。」
その場には、大人一人分の大きさの氷で作られたポッド。
「冷凍保存、そして脱皮。新たに肉体で再始動といきますかね。」
かれは白い肌と赤い目、ドブ色だった髪色は白髪と紅色の毛先へと代わり、そしてその舌は
「しゃ〜」
蛇の様に鋭くして、再び白き蛇の衣を這おうのであった。
「そうそう、計画はまだ第一段階だ。そろそろ終幕の時がもうすぐですぜぇ〜」
ーーーー商都 ホワイトテラス 最上階ーーーー
「はぁ〜彼はどんな選択をするか、正直賭けだったが、あの目だだ。うそわなかろ〜ろ。」
そう言って、応接室から最上階の国長室までエレベーターで上がってきた。その扉が開くとき
「初めましてだねぇ〜国長様。」
そこに座るのは、虚。
「誰だねだね…君君は…」
「壊れたラジカセ見てぇ〜な喋り方だねぇ〜おっさん…」
その瞬間、あたりが荒野へと変わった。
「ここ、ここは…」
「領域…俺の場所さ…」
その男の言動を見てか、まずいと感じてかそれとも…
(落園石…)
を見たからか、数100年ぶりに臨戦体制に入るゴブニュ
(ポン!)
と可愛い音と共に現れる黄金の金槌。
「ニシシ!」
虚は、問答無用で老いた老父に
(ドコン!)
地形を一撃で変化させるほどの蹴りをお見舞いする。
「なんじゃ、このドラゴンボール見たてぇーな都合のええ荒野はやは」
(!)
ゴブニュは吹き飛んだ、地理となってそのはずだった。
「創造師の金槌」
「化け物だねぇ〜」
ゴブニュのその魔法は、吹き飛んだ自身の体を即作り直し。
「創造錬成・大地ノ金槌」
変わったはずの地形を巨大なハンマーへと変えへ
(ドン!)
虚をぺちゃんこにした。
「魔法の本質とはとは、自分自身の傲慢を他人にそして世界に押し付けることこと。その実体化のすべであるのが具現化つまりは形状であると言えるえる。そして…この五大国に置いて、形状系魔法をわし以上に使いこなすものは存在せんせん。」
「そうだねぇ〜」
虚は、襲いかかる地形をそのナイフで一刀両断。
「このおれぇ〜以上に、切れる剣もないんでな〜…」
「落園石、死によって染められ、呪われた禁断の鉱石せき。それを使いよろぉ〜とはとは。」
「ニッシィ!!!」
「はぁーーー!!!」
両者の武器/魔法が…
「シシ…」
「ふぅん…」
打つかる。
一方その頃、ギャングストリート、街外れの修道院では…
「さぁ…」
「いやぁ!」
「拙者らと共に来てもらおぉーか。お嬢様。
クラゲの少女、赤いローマ風の彼に捕まっていた。
「誰か…」
"助けて…"
その叫びは…
(バリン!)
「彼女を…」
「ん?」
「離せぇ!」
(バン!)
キッドの耳へと、届いていた。
能力紹介
ゴブニュ・ハンマー・ギアーク
器:命
愛用魔法:創造師の金槌
・非生物、生物関係なく全て一瞬で治す。
・周囲の地形、環境を利用し触れたものが
なんであれ、一から組み替える。
愛用変化:形状の主




