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第三十三話 最速と最全

ゲーム:アサルトレース(強襲競争)


「ヤングくん…」

「俺は勝たなきゃいけねーつーんだよ…この勝負にな〜…」


これは、数時間前の準備時間の時…

「今回の一件でテメェらもわかったろ…」

そこに、跪く遊戯の担い(ゲーマーズ)の者達。

(ふ〜)

スモークの口からこぼれでる煙…

「裏の世界じゃ〜つかえー奴は死ぬ。それはディーラーもそして…テメェらも一緒だ。その意味がわかるか?なー!ヤング」

その時、その能力の希少性から最年少で幹部に上り詰めた男。ヤングに、話しの矛先が言った。

「は…はい…」

「そうか、じゃ〜…あの小僧をぶっ殺せ…やれるか…」

「はい!」


時は現在へ…

「早く乗れよ…」

「でも…」

「早く乗れよー!」

(も〜…負けられねーんだ…勝たなきゃいけねーんだよー!)

キッドがずっと気にかけていたヤングへの身におきた異変の正体がこれだった。

「…うん!」

二人はライディングホース(空飛ぶ機械馬)に乗り込みそのアクセルを…

(ブルンブルンブルンブルンー!)

踏む…

「おー!」

二人のホースが峠の下り坂を駆ける。

(よし!インコースは取ったぜ!)

下り坂最初のガーブポイントにて、インコースを取り前に出たのはヤング。

(流石下り坂ですね。実際にアクセルを踏み締めている際のスピードの数倍は速く走れている。これは…アクセルの踏み具合を気おつけないと、直ぐにでもスピンしてしまいそうだ。)

キッドは、いつもの通りと異なるその場所に困惑していた。

ちなみに、現在両者のライディングホース(空飛ぶ機械馬)の飛行機能はオフとなっているため。現在は、地面スレスレの距離で浮遊しながら走っている。浮遊しているとは言え飛べはしないためこの峠の山から落ちたらどうなるか…想像に難くない。

(シュンシュン!)

両者一本も譲らず、中央の壁スレスレに走って二人は競い合う。

「…」

そんな中でもただ、キッドは慣れない戦場で背後から相手の隙を窺う狩り人の目となり。

(キー!)

その瞬間を…

(今だ!)

それは、グルグルと螺旋階段の如く回るその道の最後のガーブポイント!

(よし!抜いた。)

キッドは、その瞬間を喜んだ…

(悪りぃつーんだよ、お客さん…俺は…何がなんでも…勝たなきゃならねぇーんだー!)

「アサルト(強襲)…チキン!(鶏爆弾)」

(キュィーン!)

「え?」

(バンーーー!)

その瞬間、ヤングを抜いたはずのキッドのライディングホース(空飛ぶ機械馬)の後方部分が爆発した。

(これで…エンジンがいっちまったはずだ。つまり…)

「俺の…勝ちだぁーーーー!」

その時、ゴールまで数百メートルの直線で、ガッツポーズをして両手を上げるヤングだったが…

「まだです!」

そこにはまだ…

「なぜ…」

"それ"はいた!

「なぜそこに!お客さんがいるつーんだよー!」

(まさか…ブースト(噴射)で無理あり…)

そう、キッドは爆発した後方部を、自身の魔量でブースト(噴射)し、無理あり今走っている。

「さー!ゲームを続けましょう…」

「ひーーーーー…」

「ヤングくん!」

その時、ヤングは知った。目の前にいるその男が…


"どうしようもない、負けず嫌いであることを…"


「嘘だ…嘘だーーーーーーーーー!」

ゴールまであと100メートル。

(そうだ、落ち着け…まだ100もあるんだ…)

その時、ヤングの脳裏に映ったのは…


「先輩ー!ぶちかませー!」

(ブーン!…ブーーン!)

それは…かつてヤングがレーサーを目指し、走り屋として毎晩仲間と走り明かした。その日々のこと

「うしゃー!」

「どうした〜"ジョン"。も〜降参か?」

「んなわけ…ねーつーんだよ!」

横を走るのはメガロドンの刺青と黒いライダースーツのシャチ系海翼族の男。黒いライディングホースに乗って若きヤングと競い合う。

「目標地点マデ、残リ100メートル」

競い合う二人の最後のガーブポイントでインコースを攻めるシャチを背後から…

「うりゃー!」

(機体を倒して…こいつ!)

ヤングは、機体を地面スレスレに倒して。アウトコースからインコースを走るシャチを壁沿いに寄せ、動きにくくした上でアウトコースから抜き去った。

「おいおいー!こんなもんつーんかよテメェの走りは…」

「冗談抜かせー!」

シャチも追いかけるようにアクセルを踏む。

「「おーーーー!」」

二人は抜いては抜かれ、抜いては抜かれを繰り返すまさに…


"接戦"


「残リ50メートル」

二人の走りは、接戦を極め…

「残リ…」

「ここだー!」

超加速器(スーパーエーテルチャージャー)ヲ…"起動"」

最後のラストスパート、若きヤングは二回目の加速装置を起動させる。しかし…

(血迷ったかジョン!一試合に二回も超加速器(スーパーエーテルチャージャー)を使ったら…


"機体がぶっ壊れるぞ!")


(キュィーン…)

鳴り響く、チャージャー音と共に…

「ぶちかますつーだぜー!」

と、シャチを置いて走り去る若きヤング。

(そう…俺は…)


時は現在に戻る

("最速のレーサーだ!")

「ここだー!」

ヤングは得意の地面スレスレ走りで、キッドが運転する空飛ぶ機械馬(ライディングホース)の噴射口部分をくぐり、くるっとまわってインコースを強引に奪う。

「これで…」

「まだっだ…」

抜かれても…抜かれても…抜かされても。その男は

「まだ諦めない!」

かった。

「「うぉーーー!」」

追い越し…

「まだだー!」

追い抜かれ…

「俺は…負けられねー!」

追い越した…

「残リ80メートル」

(よし!流石に…これで)

「全力の(フルパワー)…」

誰もが…誰もが諦めるであろ〜残り

「70メートル」

(キュィーン)

ヤングがその横顔を、驚きの目で見つめ…

「60」

(キュィーン!)

熱のこもらない、冷たい機械音と対象に…

「残り…」

(…)

その白怪物(シロキケモノ)は、静かに燃えたぎる闘志を燃やしていた。

「50メートル…」

「ブースト!」

それはたかが一瞬の出来事、本来500キロ以上を誇る空飛ぶ機械馬(ライディングホース)にとってそれは、何より限りある刹那の時間。その閃光とも見えるそれが光輝く時それは…放たれる。

「ゴール!」

(嘘…だろ…)


「流石っすね。先輩!」

ヤング(ジョン)vsシャチの戦いは、ヤングの勝利で終わった。

「だからいったつーだよ。俺が勝つって!」

「あーあー!あーりましたよ。うじゃーの負けですよ。うじゃーの…はぁ〜」

「ニシシ!」

大きな口で笑う若きヤングに、近づいてくる足音

「先輩ー!」

そう言って手を振るのは、紺色の髪に青い目、豪華な金と紺のピヤス。ピンクのパーカーとスポーツ用のショートパンツを履いた、人間族の女性。

「よ!レナ」

「うっす!"ルーク"先輩もよろっす。」

「しゃしゃしゃ!レナちゃんは今日も元気のしゃーね〜」

「うっす!」

元気はつらつ天真爛漫な彼女の響き渡る大きな声は…

「リナ…」

「うん?なんすか先輩!」

リナの肩に手を置き…

「どうだった、スゲーつーだろ。俺の走りは…」

「マジっすマジっす!流石っすね。先輩!」

「おう!」


"そうだ…俺は走り屋だった。いつか貴族国で行われるシーライダーレースに出てトップレーサーになる…その夢のために走り続けたつーんだ…"


"なのに!"


「嘘…だろ…」

そこは、病院…

「いえ、この足の怪我では…"レースは続けられないでしょ〜"」

それは、よくある事故だった。いつも通り仲間と走り回っている時に起きた事故で足を負傷。医者が言うには、この怪我は完治しても軽い痙攣が生涯後遺症として残るらしい…それの影響もあって、俺はレーサーの夢を諦めざるを得なかった。

「待ってくださいっす!先…」

「うっせー!」

「あ…」

大きな病院のホールで言い争う二人。

「頼むから…"ほっとけつーだよ!"」

引き止めようとするレナの手を振り解いて…

「でも!」

「グゥー!」

若きヤングは出口へと走り出した。

「先輩ー!」

それを追ってレナも走り出す。

若きヤングは、病院の自動扉を通って外へ

「あ"ー!」

叫びながら走り出した。


"その時だった…"

(プップー!)

「あ"?」

外に飛び出し、信号も確認せずに道に出た若きヤングの横から運搬用大型機械馬(トラック)が…

「先輩ー!」

(ダン!)

引かれる直前、若きヤングの背中が押され…

(ドン!)

と背後から大きな音が鳴り響いた。

(あ"?…俺は死んだのか?)

幸いヤングは無事だった。


"しかし…"


「そういやさっき、レナの…声が…」

その光景を見た瞬間、ヤングの背筋が凍りついた。

「レナー!」

こうして、ヤングは夢も繋がりも失い。路頭を迷って裏社会の門を潜ったのである。


「はは…これで俺は命も失うつーのかよ…」

ヤングは、この後自身の見に起きることを予見しながら、笑っていた。

「ヤングさんー!」

「あ"?」

奥のゴール側から、キッドが走ってくる。

「なんだよ…」

「いい走りでした。」

「…」

ヤングは、目を見開いてキッドを見た。

「また今度、機会があれば…」

「ねーよ!」

「え…」

ヤングは、大声で否定した。

「機会なんてねーつーんだ。…これは命を賭けたゲームだぞ。俺もこの後殺され…」

「ません!」

「はぁ?」

ヤングはキッドのその言葉に疑問を覚えた。

「だって…"僕はそれを望んでいないから"。」

「な…」

やはり意味がわからない。

「んなふざけた話が通るわけねーつーんだよ!」

「なぜです?」

「はぁー!んなの決まってんだろ、命を賭けて戦うのが今回のルールだぞ。んなテメェの一存でルールを変えられるわけ…」

「いえいえだから…」

キッドは、ヤングの疑問に…

「だって、今回のゲームで僕はまだ対価を指定してませんから…」

ヤングは、気づいた。命を賭けてゲームをしているから、自身らも命を支払う。そんなことはルールにない。

「何言ってやがる!テメェらは50億を…」

「それは、ベシルさんへの対価です。ほら、会話にあったでしょ。"この4兆の首があればな"と」

確かにキッドの言うことは言葉的には正しいが…

「そんな無茶苦茶まがり通るかよ…」

「なぜですか?」

「んだって!んなこと言わなくてもわかるだろって話だつーだよ。」

それもそうである。50億を得るためとベシルが言った際、誰もそれに反対せず。このゲームに参加したのなら、その時点で全員がその対価を合意した事になる。

「確かにそうですね…でも…


"それって言われてませんよね?"」

「はぁ?」

「何がです?貴方方も先程までそう言って使っていたではないですか…"魔法を"」

それはヤングの胸に突き刺さるような発言。

「本来、そう言った言わずともいけないことをマナーと呼びます。ですが、マナーには強制権がありません。だから、マナーを破る事が違反と明記もしくは説明していなければならない。しかし今回のゲームのルールにそれは無い。


"書かれていない事…言われていない事はやって良い…それが裏世界のルールなんでしょ?"」

ヤングはキッドに完全に言い負かされた。その暴論とも言える理論を…自身らが悪びれなくやっていたことを思い返して…ただ…


"呆然としていた"


その頃ベシルは…

「perfect!perfect!perfecトゥーーー〜。」

相変わらずテンションの無駄に高いルーレットさんが最上機嫌になるほど…

「やったー!」

「君は相変わらず運が良いね…」

と言う事になっていた。

「ユ〜エリア移動地点ダヨー!」

「エリア移動地点?」

エリア移動地点とは、その名の通り。次のエリアへの移動ポイントのこと、このゲームではエリアが六つ。シティーエリア、溶岩エリア、トレジャーエリア、ギャンブルエリア、地下労働エリア、無人島エリアが存在しており、それぞれが固有の特性を持つ。

「ソレデハー!早速〜…エリアデルーレット!」

(デンデレデレレレレン〜)

陽気なBGMが鳴り響く

(デン!)

「テッテテ〜you!トレジャーエリア〜」

「やったー!」

ベシルは喜びからか、両腕を大きく上に上げてピョンピョンしている。

「え?君トレジャーエリアがどんな場所か知っているのか?」

「全然!」

「「え?」」

二人はその発言を聞いて唖然としながら

「では!トレジャーエリア〜レッツ!」

「「パーリィー!」」

と言って前へと進んだ。

「なぜ彼女らはあんなにテンションが高いんだい?」

「さ〜」

二人の呆れ顔をよそに…

「ほい!…ほいほい!ほほほいのほーい!」

ベシルは先に進んだ。


トレジャーエリア、ここは大きな岩の壁で、覆われ、地面は砂と沈没船や湖が存在するエリアであり。このエリアでは、秘宝クエストマスと言うものが多く点在しており。多くのアビリティーカードを集めてゲームを有利に進められるようにすることを目的にしたエリアである。


「ピッピー!エリア内ニプレイヤーガモウ一人入ッテ来タヨー!」

「もう一人?」

ルーレットさんの知らせを聞いて誰かな〜と思うベシルのきょとんとした顔の最中…

「確実に正確に絶対に始めましてすね…クイーン?」

「…」

そこに現れたのは…

「チャット様でーす。よろしく〜」

ダブルガン・ハッチこと、チャットだった。

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