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第二十六話 商国

"そう言えば、話し忘れていたね。僕のもう一つの名をいただいた時の事を…"


これは、村からベシル達一向が旅立つ最後の日の事。

「旅立つって言ってましたけど、どこかあてはあるんですか?」

ベシル達は、最後の晩をテントの中で過ごしている。

「ギア商業国に向かう。デフォルメされた四頭身ちゃん達がいる可愛い国…だったら良いだけどね」

「それはどう言う…」

ベシルの言い方に、ニヒツは少し疑問があるようだ。

「あそこには、マフィアをはじめ多くの犯罪者が行き交ってる。商業の国だけあって、情報も仕入れやすいいし、鴨も多いからな。華やかな街とは真逆の世界さ。」

「マフィア…」

ニヒツの脳裏に浮かんだのは、シロムに説明した。ゴーレムファイトの運営が世界有数のマフィアであると言うこと。そして…

「"ゾンビパウダー"事件。ベシルくんは、それを調べにいこうとしているだろ。」

「あー、そうだ。」

「ゾンビパウダー!それって、マフィアが何か関係が…」

ニヒツにとってそれは、驚くべき話しだった。

「あるだろうな、ゾンビパウダーは生物兵器。あんなもんを調達できるのはそれなりにデカイ組織だけだ。そこらにいるチンピラ風情が、あんなもんを麻薬と誤魔化して販売するのは不可能。裏に黒幕がいる。」

「それが、マフィアだと?」

「その中でも特に一番デカイマフィア、裏社会労働者組合(バック)奴らを睨んでる。まぁ〜本当の目的はその裏にあるがな。」

「裏?」

ベシルはまた気になる発言をした。

「まっ、そんなことより…」

「ニヒツくんの名前を決めないとね。」

「名前?」

ベシルは突然立ち上がり、徐に話題を変え、不思議な事を言った。

「そりゃ〜そうでしょ。これから君は騎士じゃなくて、罪人。追われる身である以上は、偽名が必要しょ。」

「確かに…」

ニヒツは、ベシルの発言に納得した。

「そのために、ちょっと皆んなで案を出して考えたんだけど。ニヒツくんは何かこうしたいってある?」

「いや…僕は別に…」

「そっか、じゃ〜皆んなの案を言ってくね〜。BADお兄さんからは、白王子(シロオウジ)。 ウルシーお兄さんからは、黒霧(クロキリ)。シロム少年からは、灰狼(カイロウ)。とかとか、色々出たんだけどどれにする?」

「はは、皆さん個性が強いですね…」

ニヒツは少し苦笑いをしつつも、考えてくださった皆さんに感謝の気持ちを持っていた。

「そこでね〜最後にお姉さんの案なんだけど〜…」

「はい」

ベシルは、

「キッドってどうかな?」

「キッド?子供ですか。良いですけど、なぜそのキッドなんですか?」

「ふっふ〜。」

ニヒツの疑問の表情に、ベシルは手を顎に付けて含み笑いをし

「あんたが、少年だからさ」

顎にかけたてを解き、ニヒツに指を刺して右目を閉じてウィンクをしてそう言った。


視点は街に戻る

「キッドか…」

ニヒツは、その赤眼で自身右手を見つめそう言うと。手を握り、心臓のある左胸に手を当てて顔を少し下げ目をつぶった。

「よし!僕も街を見て回るかな。」


それから数分後

「へいらっしゃい!安いよ安いよ〜。」

「1000.1200.1400.1900.2000クブルム!さーさー2100!2100はいねーか!」

そこに広がる商業の国らしい、オークションや店の売り込みの姿。

「それにしても凄いな〜、帝都は高層ビルや鉄道ばかりだったけど、まるで都市全体がショッピングモールみたいだ。」

ニヒツが、ショッピングモールと呼んだこの街は、商業国本土から物資や商人などを乗せ発進。五大国全土の上空を、数ヶ月かけて回り続けている天空都市である。その見た目は、外界から見れば中央に永久に回り続ける大きな金の釘の様なものが刺さった。円形のガラスのドームの様な中に街がある様に見え。ショッピングモールの様な、エスカレーターで上へ上へと繋がる手すりの高い廊下が都市をぐるっと360°存在し。その廊下にそって店が並ぶような作りになっている。そこでは、商人ギルドに加盟する。商人や小売業者、外食あらゆる物と情報が集まる国である。

「わ〜」

ニヒツが、産まれて初めて目にする。文化の違う他国の景色に見惚れて周囲を見渡していると

(ダン!)

「あ"!」

オレンジの髪の深くフードをした少年が、立っているニヒツにぶつかった。しかし、騎士団で日頃鍛えているせいか、ニヒツは少年を突き飛ばしてしまった。

「ごめん!大丈夫かい?」

ニヒツは、慌てて倒れた少年の元に駆け寄り。手を差し伸べそう告げる。

「きっ…気おつけろ!」

「すっ…すみません…」

ニヒツを置いて走り去る少年。


視点は路地裏

「もっもってきたぞ」

オレンジ髪の少年は、黒いタンクトップに下げパン気味な紫に大きく黄色いラインが斜めに入ったズボンをした。黒髪センター分けの短髪の黒い目をした少年に、ニヒツから盗んだMEを渡した。

「よ〜し、ハッキングコードを!さっ観光客様の財布のなかみわ〜。…は!」

その中身は空だった。

「こっこれは…」

「おい…こいつしめら…」

黒髪黒目の少年がそう言うと

「「うっす!」」

周囲の者達が、オレンジ髪の少年を取り囲み。

「やめろー!」

「暴れてんじゃね!」

オレンジ髪の少年の両腕を掴み、磔にする。

「テメェー!…グラら(俺ら)を舐めてんら…」

「そっそんなわけ!」

「モブが口答えしてんじゃねー!」

黒髪黒目の少年の拳が、オレンジ髪の少年の腹に当たる瞬間。

「そう言うことですか…」

「あ"…」

そこに現れたのはニヒツ…

「あ"!誰ですかーよろしく!」

「通りすがりの…(シュ)旅人です」

(!)

ニヒツは、そう名乗る一瞬の間に彼らの目の前に移動し接近した。

「テメェ!いつの間に…」

よろしく男が、急接近してきた。ニヒツに殴りかかる。

「ほい!」

ニヒツは、腰を曲げて下に避ける。

「なろ!」

そばにいた仲間が、同じように腰を曲げ蹴りを

「よい!」

そうするとニヒツは、上へ飛び上がり

「しめたぜ!空中なら動けねーだろ!」

もう一人の蹴りを…

(ガシ!)

「な!テメェ何して!」

ニヒツは、男の手を掴んで、足を浮かせたまま男の腕で全体重を支え。

(ブウォン!)

「「あ…」」

周囲の仲間全員を、殺気により気絶させた。

「よっと…」

ニヒツは、支えの男が倒れる。直前で腕を離し、足をつけた。

「魔法を…使ったぜ…よろしく…」

それを見て、目が点になる。金髪のアイパーヘアの首掛けサングラス男。

「テメェ〜何ら?」

黒髪黒目の少年が、ニヒツに尋ねる。

「だから言ってるじゃないですか…通りすがりのただの旅人です…と」

ニヒツは、少年の質問に対して。そう語ると

「はっ…重力球(グラビティーボール)

黒髪黒目少年がそう発すると、手の周囲を黒い球体が囲み。

(地属性の魔法!)

その拳の球体に引き寄せられるニヒツ。

「殴りやすい位置に来てくれよ〜」

どんどん近づくニヒツ

「ここだー!」

ニヒツは、少年の黒い腕に引き寄せられ腹を強打する。

「はいた…」

「ふっ!」

ニヒツは、攻撃を耐え少年の後頭部を蹴って

「がはぁ…」

「兄貴!」

気絶させた

「あ…」

少年は倒れ、駆け寄るアイパーヘアの金髪の少年。

「おっ覚えてろよ!よろしく。」

金髪の少年は、黒髪黒目の少年を連れて逃げた。

(あれだけ強力な魔法を、子供が使うなんて…)

「おい…」

「あっとごめん。大丈夫だった?」

ニヒツは、背後で立ち上がっているオレンジ髪の少年の方を向いて言った。

「なんで余計なことすんだよ…」

「え…」

少年は、拳を握りしめ下を向いてそう言った。

「お前が何もしなければ…あのまま殴られて済んだのに!お前が余計なことするから、またあいつらの悪ふざけが加速しちまうじゃねーか!」

確かに、少年の言う通り。ニヒツが出しゃばった事で事態が悪化し、魔力まで使わせてしまったのは事実だし、これ以降それが原因でいじめがさらにエスカレートするかもしれない。だが、ニヒツはそれでも…

「あのまま、いじめられて犯罪を犯すことを強要されるあなたを見て見ぬふりをすることは…僕にはできない。」

「だから…それがお節介なんだよ!」

少年は、路地裏から街の方えと泣きながら走っていった。

「…」

ニヒツはただ、去っていく彼を見つめていた。


その頃ベシルとドクターは…

「ね〜本当にお金ないの〜。」

「ないよ!君もしつこいね…」

「ん〜」

ただを捏ねるベシルを横目に、ドクターは街を観光していた。

「占いはいかがかな〜」

「ん?」

そんな時、ふとベシルの耳に止まった。占い師の声。

「ちっょと、ベシルくんー!」

ベシルは、占い師に駆け寄り

「ねー!そこのお姉様。占いできんの?」

「あ〜、もちろんできますだよ」

「いくら?」

ベシルは、何も入ってない自信の赤いMEの残高を確認するふりをしている。

「ただで良いですだよ」

「え!マジでー!」

「もちろんだよ。それに、お金がかかるとしてお客様には一銭の金も無いんだよ?」

ベシルは、金が無いことを見抜かれ驚いている。

「初めて、最初の一回だけだけどね。」

「やったー!じゃお願いしまーす」

「はいはい…」

占い師は、机の中心にある。水晶玉に手を翳し

「未来よ…来れ!」

占い師がそう語ると、周囲が光に包まれた…が

「ん?」

何も変化は無かった。

「見えました。お客様には、これより直ぐに莫大なお金を手に入れるでだよ〜。」

「えー!マージで」

ベシルは占い師の発言に、驚いている。

「はい、ただしそれを手に入れるには、しばしゲームをする必要がありますが…」

「ゲーム?…」

ベシルは首を傾げる。

「ベシルくん…はぁ〜はぁ〜…」

(!)

ベシルは何かを思いついた様子で

「カジノ!」

と叫んだ。


その頃シロムは…

「やべ…また迷った」

迷子になっていた。

「あっら〜どうしたの僕〜」

背後から聞こえる。喋り方に対して声が以上に低い声。

「あーと、道に迷っちゃいま…して…」

そこにいたのは…

「あら〜そうなの、それは大変ね〜。」

ガチむちマッチョのオカマだった。

「道を教えてくれねーかな。お姉様」

「あっら〜お上手ね〜」

シロムは、空気を読むを覚えた。

「いいわ!街の方までで良いのね」

「はっはい…」


そして視点はニヒツへ…

「あ〜」

ニヒツは、さっきほどの少年の言った事で悩みながら歩いていた。

(僕は余計な事をしたんだろうか…)

「ん?」

そんな落ち込むニヒツの前に見覚えのある。ボロボロのフードの二人。

「ベシルさんとドクターさん」

「ギク!」

「はぁ〜言わんこっちゃ無いよ」

ベシルは魔の悪そうな顔をしている。

「何してるんですか?」

「いや、その〜…」

ベシルは冷や汗をかく

「この先って…」

ベシル達が向かっている。商都中心には大カジノがあった。

「あれ、でも作戦結構は今日の夜だと聞いていましたけど。」

「いやいや、あのさ。作戦の前に少し下見に〜」

ベシルは、両腕の人差し指合わせてニヒツに言い訳すを

「いや、ベシルくんは任務なんて受けなくてもカジノで稼げば良いじゃんと言う。浅はかで生産性の無い。考えに至っただけだよ。」

「な!」

「ベシルさん…」

ベシルはニヒツすら呆れられた。

「キッドくんまで〜」

ベシルは、目をうるうるさせてニヒツに近寄る。

「お!ベシルとドクターの姉ちゃん。それにニ…キッドもいんじゃねーか」

「ん、"スター"くん」

ちなみにシロムのコードネームである。

「あっら〜スターちゃん、あの子達は」

「俺のダチと師匠達っす」

シロムは、ガチむち小人お姉様に仲間を紹介した。


その頃とあるバーで

「ちっ!なんで俺氏ばっかりこんな目に…」

オレンジ髪の少年が、誰もいないバーのカウンターで不貞腐れていた。

「どうしたんだよ」

オレンジ髪の、頭をわしゃわしゃと撫でる様にする女。

「やめろよ!ヴァイパー叔母さん」

そこに現れたのは、ベシルの運命を占った紫色のロングヘアーに右目の隠れた前髪の女だった。

「誰が叔母さんだ〜あーしはまだ28だっつーの。あんたまた"ザック・ニューバール"率いるプリズムの連中にいじめられたんだろ〜。ほら、傷口見せてみな。」

ヴァイパーは、バーカウンターの引き出しにある。治療キットを取り出して、顔の傷口を治療し始めた。

「ほら、どうせ身体をボロボロなんだろ。服脱ぎな。」

「何にもなっちゃいねーよ!別にそんなに怪我してねーし…」

「なーに言ってるんだい!」

「痛って!」

ヴァイパーは、オレンジ髪の少年の腹を軽く突いた。

「ほら、痛いんじゃないか。無理してんじゃ無いよ。」

「うっせー!…叔母さんには関係ねーだろ…」

オレンジ髪の少年は目を逸らす。

「関係あるね!あんたの母さんには、随分世話になったんだ。その息子であるあんたにもしものことがあったら…死んだ母さんに示しがつかないだろ。」

「母さんの名前を出すなー!…そもそも母さんが"風俗嬢"なんてやってるから、俺氏がいじめられてんだろ!」

オレンジ髪の少年は、自信の本音を口にした。

「それは…」

(バン!)

「「!」」

急に店の扉が開く

「カジノなんてダメよ!あんなの〜損はあっても得なんてぜーんぜん無いんだから」

「え〜でもさ〜あ」

「お二人とも、会って数分なのに中がよろしいですね」

「君のコミュ力は化け物かね。ベシルくん」

「さっすがー!ベシルの姉ちゃん」

ぞろぞろと歩いてくるベシル達四人とオカマのお姉様。

「お前は!」

「お客さま!」

「「ん!」」

ベシルとニヒツは、二人に気づき。

「あっ、さっきの」

「お〜占い師のお姉様」

再び対面した。

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