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第二十四話 新たな誓い

"この日、僕は生まれ変わった。いくつもの誓いと共に…"

そこは、神樹の森第四層野獣の森。そこにある黒星教団と呼ばる者達の村に、ベシル達一向は帰ってきた。

「お帰りなさい〜。」

村の門の前で待つのは、ハスキー。

「おう!帰ったぜ。」

シロムが、元気に挨拶をして、門をくぐると

(ポカ!)

それは、白い腕毛の生えた。太い拳

「痛て〜…何すんだよ!」

「何するじゃないわー!この馬鹿孫が!わしに黙って家を出るとは何事ぞ!。」

そう言って、シロムに拳骨を咥え、怒鳴っているゲッコ。

「だって、言ったら絶対反対するじゃねーか〜。」

「反対されると思うなら行くなー!」

ゲッコはシロムを叱りつけている。

「まぁ〜まぁ〜。」

ハスキーさんが止めに入っている。

「おい、爺さん。俺様が言える立場じゃねーけどよ。そのガキがいなけりゃ、敵は倒せなかった。だから…んな怒ってやるな。それによ〜…大切なもんのために、何かに逆らってでもそいつの側にいてやりぃてぇ〜つーことはあると思うぜ。」

BADはシロムの行動理念に、かつての自分と繋がる部分を感じたからか。少し小っ恥ずかしそうに言った。

「はぁ〜…あのですねBADさん、この馬鹿を甘やかすと…」

「まぁ〜まっ、いいじゃね〜か。とりあえず、帝都の一件は方がついた。これから、本格的に"奴ら"を叩きにく。こっからは、そのための情報集めの旅つーとこだな。」

「「え!」」

ニヒツやシロムは、その言葉に驚きを隠せなかった。

「ベシルの姉ちゃん、どっか言っちまうのか?」

「んうん。そうだけど…なんか問題ある?」

「いや〜、すくねぇー時間だったけどよ。俺ちゃん、結構姉ちゃんらやニヒツと一緒にいんのは…すっげー楽しかったからよ〜。」

シロムは、少し言いにくそうに言った。

「ふぅ〜ん」

「ダメですぞ!姫様。シロムにこれ以上の勝っては…」

「…」

シロムがゲッコに止められるなか、ニヒツもまた迷っていた。

(ベシルさん…)


"「不穀は…御身の無実を信じています。」"


その言葉は、ニヒツの意志を"覚悟"へと変えた。

「ベシルさん!」

「ん?」

「僕も…行かせてください!あなた方の旅路に…ついて行かせてください!」

ニヒツは、ベシルの前で頭を下げて、頼み込んだ。

「ニヒツくん、こんなことは言いたく無いのだが…その言葉の意味を理解しているかい?ボクらは…ベシルくんもボクも、50億を超える賞金首なんだ。だがら…」

そう、ニヒツが彼女らについて行くと言うことは、ニヒツが犯罪者集団の仲間に加わると言うことを意味する。しかも…世界最低罪悪最凶の悪女、この世で最もデカい犯罪者。ベスル・ラブ・アンベシルと、その一味の一員となることを意味する。それは、彼が今まで歩んできた騎士道とは、真逆の世界に足を踏み入れ。正真正銘の世界の反逆者となる事を意味する。

「理解しています…それが、五大国から追われる身となり、市民からは…大犯罪者として認識されることも理解しています。しかし、僕はシロムくんと違ってここに止まる訳にも行きませんし。だからと言って、帝都を失った僕には帰る場所がない。村の皆んなに迷惑かける訳には行きませんしね。だから…」

「だがね、ニヒツくん。それは君の目指す道とは真逆。英雄と罪人では…」

「…」

ベシルは、ニヒツを見つめて黙っていた。

「もしかしたら彼の夢は二度と叶わず。生涯、罪人の汚名を背負う事になるかもしれないんだよ。」

ドクターは、必死にニヒツを止めようとしている。

「いいんです、ドクターさん。僕は今回の一件で学びました。ヒュース団長に言われた、正義とは何か。今まで僕の中の正義は、誰かに委ねるものでした。国や騎士団の正義こそが正義だと思っていた。しかし、違った。帝都で別れたラインハイドくんから、今回の件でベシルさんが何をしたのかを聞いて学びました。…正義とは、己が中にあるもの。例え賞賛されなくとも、例え罵倒されようとも、それが自身の正義であり。他者を思いやる心の中にこそ、正義が宿る。ベシルさんの様に…」


数時間前、帝都でラインハイドと別れる際のこと

「あっそうだ、ラインくん。最後ラインくんの記憶操作(ブレインソーサー)使ってやってもらいたいことがある。」

ベシルは、衝撃の発言をした。

「はは、知っていたんですね。己の真の魔法。」

「そりゃ〜不自然だもん、学徒英雄と呼ばれているほど有名なニヒツくんが犯罪犯したってのに。全員誰一人その事実を疑わないし嘆きもしない。こんなの、どう考えても不自然でしょ。」

ベシルは的確な、指摘をした。

「はい、その通りです。今回の作戦で、疑う者、反対する者、信じない者。そう言った者達が出ないように、魔法で記憶を操作しておきました。ですが残念、己の魔法は記憶操作であって記憶改変ではない。つまり、存在しない記憶は作れません。出来るのは、他者の記憶と記憶を共有もしくは交換。あと、不都合な一部記憶の取り消しのみです。何より、あまりに不自然な操作をすると、操作した本体に精神的に甚大な影響を与えてしまいます。」

ラインハイドは、ベシルに自身の能力を説明した。

「いや、それで充分だ。」

「え?」

「お姉さんがやって欲しいのは、ラインくん記憶操作(ブレインソーサー)の能力解除。つまり、全ての記憶を正しい方に戻して欲しいだけ。たしか、操作中の記憶は解除後には引き継がれない。精神に影響が出ない限りは…」

ベシルが言いたいことは、こうだ。ラインハイドの記憶操作(ブレインソーサー)の魔法を解除し元の記憶戻す。そうすると、記憶のバックアップ。つまり、ゲームで言う偽物のセーブデータ2からオリジナルの1に戻す。そうすると、その本体は2での記憶を思い出せなくなるため。ニヒツが犯罪を犯したと報道され始めた。この一週間の記憶を失い、ディムナが暴れたことも、ニヒツが賞金首になったことも、解除後の彼らからしたらその時初めて知る事実になる。そうすると、ディムナの反抗を見ていない一般人達は、犯罪者であるベシルが王帝であるディムナを殺害し、街を破壊した。と見られるわけではある。

「いいですけど…本当によろしいので?」

「あー…約束しちまったからな。"あんたの罪は、俺が背負う"ってな。」

ベシルはラインハイドにそう語り。

「わかりました…」

ラインハイドは、それを承諾した。それを草陰から見る者こそが、ニヒツであった。


時は現在へ

「見返りを求めず人を救うね〜、そんな大層なもんじゃないけどさ。そこまで言うなら問おう。この旅路で…君は何を得たい。そのための覚悟はあるか?」

「僕が得たいもの…その"覚悟"…」

「ん?」

ベシルがそう言うとニヒツは胸に少し手を当てたあと、ズボンのポケットから何かを取り出した。

「USBメモリ?」

「ドクターさん、MEをお借りしても?」

「あー、構わないよ。」

その黒いメモリーに入っていたものをニヒツは、ドクターのMEを使って見せた。

「これは…」

そこに書かれていたのは、ディムナが生涯をかけて集めた。ベシルの犯行の矛盾点や、それに関する書類証拠の数々だった。


ベシルの罪状

・世界人工70億の内16億を殺した 詳細不明

・魔族の解放 同時期

・十戒団及び国の君主もしくは代表者を殺した

 同時期

・戒王殺し 同時期

・神樹の破壊 同時期


「これをどこで?」

「城の地下室です。この書類にある通り、これらはほぼ同時期行われている。だとすれば、ベシルさん一人でこれだけの事を起こすのは不可能。だってどれだけ強いとはいえ、ベシルさんの身体は一つしかありませんから。」

ベシルは書類内に書かれたいくつかの項目を見ながらニヒツの話しを聞いた。

「お姉さんが、誰かと手を組んでいた可能性は?」

「ありえません。何故なら、この全ての犯行に利益が無いからです。国はこれらを、頭のおかしい快楽殺人者として動機を説明しています。しかし、こんなメリット0、デメリット100の犯罪を犯すような人達がそんなにたくさんいるでしょうか。何よりドクターさんの性格からして、リスクとリターンを想定できない人ではない。そして…今回のベシルさんの行動から、快楽殺人者的な思想は見受けられない。」

ニヒツは、ベシルの罪状について、ディムナの調べた資料を元に語った。

「確かに、犯人と特定するために必要な要素。証拠、動機のどちらも欠けている。あとは、真犯人とアリバイが明確に出来れば。完全な冤罪であることが立証できるね。だが、こんなこと現実であり得るのかい?」

ドクターは、ニヒツに質問した。

「ドクターさんの言う通り、本来であれば、こんな手違いは起こり得ない。しかし…しかしこの世に一つだけそれが可能な裁判があった。その裁判の名を…」

「"第一回聖五大国裁判"…だろ」

第一回聖五大国裁判とは、現在200年続く英王暦にて、最も最初に行われた裁判である。その当時は、戦争の影響で生き残った五種族の国も復興途中で本来法などまともに存在しない時代に、復興を遅らせててでもある大罪人の裁きを優先すると言う。異例的な対応が取られた裁判であり、その裁判の裁判長の立場にライト・ドラゴンヘッドが、他の政府、司法、検察、法律までも聖貴族達担当していたため。どんな無茶苦茶な濡れ衣だろうと曲がり通る可能性のある裁判である。そんな、記念すべき日に裁かれた女こそが…

「ベシルさん…貴方です。」

ニヒツは、真っ直ぐ指を刺してそう言った。

「で?それがどうしたって言うの?」

ベシルの質問に対してニヒツは…

「ベシルさんは、ディムナ様の罪を背負いました。だから…僕はディムナ様の"夢"を背負い、ベスル・ラブ・アンベシル!あなたの無実を証明します!例えあなたが、それを望まなくても…」

((!))

その場の誰もが、その発言に驚いた。あの常に冷静であるベシルすらも、目を見開いて驚いていた

「ニヒツくん、その考えは現実的ではないよ。だって、あの裁判があったのは200年も前のことだよ。しかも、全ての罪状をベシルくんが認めている。その無実を証明するなど…」

「ドクターさん、確か魔法の修行の際に僕に言いましたよね。"魔法の本質とは、決して誰にも縛られず本能のままに、自身の我儘を突き通すための力"…と。」

「それは…」

「これが僕の我儘(マホウ)です。」

ニヒツは、真っ直ぐドクターの目を見て、そう言った。

「ふっふふふふふあーはははははは!」

「ベシルくん?」

ベシルは、さの言葉を聞いて突然笑い始めた。

「良いじゃん…現実味がねーのが夢っぽいよ。でもさ、もし俺が無実じゃなくて本当に犯罪者だったら…」

「その時は…あなたに教わった」

(シュ…)

ニヒツは、目の前のベシルの視界から突然消え、ベシルの背後に音も無く一瞬で回った。

(ジャキ…)

ニヒツは、ベシルの首に鞘の付いたままの青い刀を向け。

「この技で、僕があなたを打ちます!」

ニヒツは、宣言した。

「ふふ、良いよ。…約束だ」

ベシルは、ニヒツの刀を一瞬で空中に蹴り上げ。拳をニヒツにら突き出し

「約束です…」

ニヒツも拳を突き出した。二人の拳が重なり合う瞬間。蹴り上げた刀が、地面に刺さる。

"この日僕は、英雄になる事の他にもう一つ"夢"ができた。それと共に…これから待ち受ける。長くて険しい旅立ちの日々への打一歩を踏み始めた。"


時は、帝都で円柱のフィールドな中ヒュースを底の見えない場所へ落としたあと…

「はは…死んじまったか?まぁ〜いいや、取り敢えず…念願の身体の所有権はこの"デーモン"様の手に入った。シャバでも繰り出して、皆殺しパーティーと行きますかね!」

(「"我が盟友"の身体を返せ。」)

「あ"?」

黒い髪のストレートパーマとなったニヒツが、落下したヒュースを確認しつつ、背中から大きな緑の蝙蝠の様な翼を広げて飛び立とうした瞬間。どこからか声が…

「はぁ〜、またオメェかよコラ!。"ヒーロー"」

背後に現れる。金色に発光した獅子の如き長髪の彼女…

「身体の所有権は、今だ我が盟友の元にある。(ユウ)は早とちりし過ぎでは?」

「うっせぇーよコラ!、つか勝手に友にしてんじゃねーよコラ…それによ〜こりゃ〜どう見たって身体の所有権はこの"デーモン"様のもんだろーがよコラ!舐めたこと抜かすんじゃねーぞボケコラ」

黒いニヒツは、酷く怒っている。

「それなら試して見ればよかろ〜。」

「舐めてんじゃねーぞボケコラ!」

だが、飛び立とうとする黒いニヒツの足元に白い鎖…

「ち!マジじゃねーかよコラ…」

「はは、だから言ったろ?」

黄色の彼女は笑った。

「笑っていられるのも今のうちにだぞコラ。"ヒーロー"オメェがどう思がニヒツの精神は闇に染まりつつあるのは事実コラ。そうなりゃこの"デーモン"様の勝利は確定するコラ。そして、その未来はそう遠くない…」

そう言ってニヒツの黒い力は消え、いつもの白い姿に戻って黄色の彼女の胸に倒れる。

「さっ、今度は我の番だね。」

そう言って、黄色の彼女はニヒツの身体に宿る。するとニヒツの身体は、全身が黄色に発光し、動き出す。

「我が盟友よ、絶望しきった友では奴には勝てん。だからしばし…希望を与えよう。」

黄色の彼女は、黒いニヒツがやったの同じように、時を超えた光すら存在し得ない速度で、まるでワープかのように城の地下室に移動した。

(「起きた前…我が盟友よ。)」

「は!あれ?ここはどこ…」

あの瞬間に繋がる。

おまけ fooisNG #3

「そう言えば、なんで光術があんのに、ウルシーに負けてんだ?」

シロムは、BADに問う。

ちなみに戦績はこんな感じ…

600戦 BAD 305勝 ウルシー290勝 5引き分け

「ん?あのな〜お宅も言ってたろ、光術の動きは、単純なんだよ。ウルシーやニヒツちゃんの身体能力とか加速(スピード)は、複雑かつ小回りが効く。でも、光術は単純で大回り。しかも隙がデカイ。」

「なんで?」

シロムは、光速と時速300なのに、なんで負けるのか納得いっていない。

「あ"ー!だから!、テメェでも、動きが読めるんだからあいつに読めないわけないだろ。それに、光速移動時は、肉体を光のエネルギーに変えるだから、攻撃するには元の肉体に戻る必要がある。そのために、肉体に戻るのに1秒、剣を抜くのに1秒、相手に攻撃するのに1秒、合計で3秒最短でかかる。だとしたらその間に魔力感知で代用される。」

「でも、それはウルシーやニヒツも同じだろ?」

「なわけあるかー!、あっちは加速したまま攻撃できる。そりゃ肉体のままあの速度を出してるんだからな。だからそれを威力に上乗せできる。でも光術は一回、目の前で止まる必要がある。肉体化するためにな。その隙にあいつらの化け物じみた魔力感知で対応されて終了。」

「なるほど」

「お前絶対わかってねーよな。」

BADはそれを話す間に嫌な記憶をおもいだしていた。

"「うぬのその光術とやら、速さはいいが隙がでかく、単純だ。」"

「ちっ!嫌なもん思い出しちまったぜ。」

※帝都の外で光術を使ったのは、マフィア時代のライバルと、ウルシーだけである。

おまけのおまけ

「ルチルさーん」

「BADだ!」

「あっすみません。」

ニヒツは、BADに怒られた。

「あの、シロムくんから聞いたんですけど、光術って言うのを、教えてください。」

「…」

「BADさん?」

BADは苦い顔をして

「嫌だ!つか無理だし…」

「えー!なんでですか。」

「お宅なんか勘違いしてねーか。光術ってんな便利な力じゃねーんだよ。隙は多いし、単純だし、覚えにくいし!」

「でっでも、速さなら…」

「はぁ〜」

BADは光速ニヒツの背後に回った。

「すっすみませんBADさん!」

ニヒツは、突然襲ってくBADに攻撃してしまった。

「痛って〜これでわかったか、光術はそんなに強くねーんだよ。そもそも、光術はウルシーみてーな身体能力のみで数百キロ行くよーな化け物と台頭に戦うために、人間族が作った秘術なんだよ。だから、元々身体能力が高いニヒツやウルシーには必要ねー!あと、俺様は教えれるほど光術がうまくねー!」

「はっはい…諦めます。」

ちなみに、加速(スピード)の加速能力は×2倍、中加速(ミディアムスピード)×3倍、大加速(ビックスピード)×5倍である。

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