第二十三話 最凶と最善
ディムナは銀柱を複数出現させ、ベシルに猛攻撃をかける。
「クソ!」
ベシルは、城から連射される銀の柱を鎖で引き寄せ、その上を歩いて空中を進み。柱を走り終えた後柱を封じてその場から消し去る。
「御身の弱点はもう一つある。それは、"鎖が全体に巻きつくまでの時間"だ。鎖が魔法全体に巻き付かないと対象物を封じることができない。だから対照物が大きければ大きいほど!」
ディムナの銀柱は止まることなく永続的に射出され続ける。
「おーら!」
ベシルは柱を鎖で巻きつけ、ディムナのいる城の最上階へと投げつけた。
「それともう一つ…」
ディムナは飛んできた柱を、新たに作った柱で防御した。
「ちっ!防がれたか…」
ディムナはまたも銀柱の複数同時出現を開始する
「そうは…させねーよ。ディムナ!テメェーも降りてこいやー!」
ベシルは、投げつけられる柱を足場にして、空中を移動、やっとディムナが待つ城の最上階へと辿り着いき、ディムナに鎖をひっかけ投げようとした。
「もう一つは…」
「分身!」
なんと、最上階にいたディムナは鎖に捕まった途端銀になって崩れ去る。
「全身に纏う無敵の姿を作るには、鎖を伸ばす時間がいると言うことだ。」
本当のディムナは噴射で空を飛び既に背後にいた。
「な!」
そのままベシルを蹴り落とす。
「全身纏いを最短の時間でやるには、四本の鎖を全て使う必要がある。だから、ラインハイドの攻撃を受けて直ぐに上がってこなかった。」
"「そろそろ酸素もキツくなってきちゃったし〜。あれ使うと、疲れるから嫌なんだけどな〜。」"
「いや、上がって来れなかった。だから酸素が切れる地点まで時間をかけて鎖を伸ばした。それともう一つ、鎖が四本あるということは…」
ベシルは落下の蹴り飛ばされる直前にディムナに鎖を巻き付けていた。
「よい…しょ!」
するとディムナは、ベシルの鎖に引き寄せられ地面に激突。
「逆に言えば四本しか無いと言うこと…」
ベシルは、ディムナの全身を鎖で覆い完全に封印した。
「よし!これで…」
その時横に現れた光速の物体にベシルを街の方まで吹き飛ばされ、ディムナに巻き付いていた鎖が外れる。
「くっ…ジト目ちゃん…」
「言ったでしょ…ディムナ様えの面会はお引き取り願いますと…」
シグネットだった。
「流石…これは…」
「死んで…くださいー!」
瞬間移動の要領で目の前に現れ、ベシルに黒刀を向けるシグネット…
その瞬間、虹色の鉱石が現れ、シグネットの行手を阻む。
「この虹色の鉱石は…」
「己です。」
そこに現れるは、ラインハイド。
「ラインハイドー!裏切ったな!」
「すみません…でも己は!心友の為に戦うと決めたんです!。」
「ラインハイドくん…」
ベシルを守ろうと現れるはラインハイドと
「貴様ー!」
シグネットはラインハイドの元へ光速で接近する
「小生も…加勢しよう…」
その時光速でラインハイドに襲いかかるシグネットを止めるのはウルシー。
「貴様はー!」
「ウルシーと申すもの…光術と言うものは、動きが単純で予想しやすく、なおかつ敵の目の前で一度止まらなければならない。」
「なぜそれを…」
(「俺様の仲間だからさー!先生…」)
そのウルシーの青いMEから聞こえる声は、BAD
「そう言うことか…あの小僧…」
シグネットは、光術で一瞬エネルギーとなりウルシーの掴んでいる腕を抜けた。
ちなみに、シグネットはゴールドとBADの剣術と光術の先生である。
「あとは…二人に任せて良さそうかい?」
「当然!」
「はい!」
「じゃー、俺は俺の仕事をしますかねー!」
ベシルは吹っ飛ばされ時についた道路の破片を払い。ディムナのまつ、帝都王城前へと走り出し
「図にのってんじゃねーぞ…この国にあだ名する愚か者共がー!」
「うぬ!小生が、光術女の動きを予測し攻撃する。うぬは、行動が読みやすくなるように、周囲に攻撃を仕掛け、行動ルートを狭めてくれ。」
「了解!」
その頃ニヒツは…
「この資料は…いったい…」
その時ズボンのポケットから音が
「おっと、ハックさんにもらった連絡用の星形のMEか?もしもし!」
(「あ!やっと繋がった。ニヒツくん、戦いは終わったかい?」)
「はっはい!多分…」
(「多分?まぁ〜いい、黒騎士の魔力は城内から完治できなかったし、街が大変なことになってるんだ。今すぐ来れるかい?」)
「えー!本当ですか…でも〜ここがどこかわからなくて…」
その時上から大きな音がした。
「え!今の音は!」
そして視点はベシルに戻る。
「ディムナー!」
「不穀は御身の弱点を知っている!」
ディムナの周囲から出現する。巨大な銀柱の猛攻撃
「足音を消す方法もなー!」
ディムナは、かつてベシルに教わった。暗走と加速を合わせて使い。ベシルの横っ腹を蹴る。
ベシルは鎖の先端を地面にぶっ刺し無理矢理止まり、鎖を腕の長さまで短くして急接近!
「何度やっても…」
「これならどう…だ!」
ベシルは、右足の鎖を遠く離れた道路に突き刺して置いて、戻る勢いで道路を引っ剥がし
「なんだと!」
ディムナにぶつけた。
ディムナは加速で街の方へ逃げるが…
「あんたの隙も…できたなー!」
「ん!」
ベシルは、ディムナを連続ジャブで殴りまくり最後にストレートで真っ直ぐ城の奥へぶっ飛ばした。
「がぁ…」
「ここまでだ…ディムナ…。あんたの計画は終わり!ライトを殺すなんて…そんなことしたらどうなるか知ってるはずだー!」
ベシルは、城の一階の大広間のヒビの入った壁の前で、両足を伸ばして地面につき。頭を下を向いて息を荒立てるディムナに城の入り口から話しかける。
「知っていますとも…戦争になる。そんなことわかっています。あの男…いや小僧の実力は…世界最強…そして不穀の前に立つあなたも…世界最凶。戦へば戦乱は避けられない、しかし!…人は常に…戦争の中で技術を磨き!その心身を鍛えて続ける術を知った。…ならば…ならばもう一度戦争を起こして…」
「それは口実だろー!…あんたの正義は矛盾している…俺を助けたいのか?技術を進歩させたいのか?ライトと聖貴族の統治するこの世を変えたいのか?正義の執行者になりたいのか?…どれなんだ!」
「その全てさ…不穀は御身を罪の錠から解放したい。しかし、200年前の裁判の無実を証明するのは現実的に不可能!ならば…正義の執行者として、この世を滑べ。不穀が統治する。その為に邪魔な聖貴族とそれに認められた第三の神の子であるライト・ドラゴンヘッドを殺さねばならん。それに…例え帝国が負けようとも、その戦歴が次なる進歩を生み…」
「それは違う!負ければ滅ぶ。ライトはまだしも…聖貴族は反逆国である帝国を許さない。それに戦争になれば、五大国平和協定法を破ったこの帝国以外の四国と聖貴族が敵になる。そうなれば確実敗北し…敗戦国となれば、帝国は弱い立場になる。ディムナ…本当のことを言ってよ。その服を見ればわかる。その迷彩服は過去の帝国の戦闘服だろ。それを着てあんたは戦争がしたいだけなんだろ?戦いの中でしか自分を表現できないんだろ!。それはしょうがないだよ、あんたは生まれ育った時から戦いの中で育ってきた。そんな奴が直ぐに平和に適応できないのはよくあることさ。でも、今の平和を壊していいわけじゃ無い…戦争は終わったんだ!」
ベシルは、横たわるディムナにそう告げた。
「黙れ…黙れー!」
その時、ディムナが銀の光包まれ
城を吹き飛ばす。
「あの銀色の羽は…」
「ディムナ様の…」
「"フェアリーモード"…だと…」
近くにいたシグネットとラインハイド、そして、遠くの正門から凄まじい音と光で察したBADの三名がその姿に驚く。
「これが…妖精王の姿だ…」
「ディムナ…あんたそこまで…」
フェアリーモードとは、妖精族が厳しい環境に適用し、生きなえると同時に授かった力である。その能力は、本来器の大きさによって制限された魔力量の限界。その限界を、肉体含め全身を器とする事で魔力量の限界無くす力。すなわち、魔力量をほぼ無限に変える力である。
「薔薇の防壁」
ドクターは、攻撃に備えてビルの崩壊を防ぎつつ放っておいた種を開花させ街中に大きな薔薇の蕾を作り残った人々を守り
「これは博士こうの魔法か…」
「薔薇の中の避難口」
薔薇の中で、大きな蔦を出現させ、壁の外まで続く地下トンネルを築き皆を逃す。
そんな中でもディムナは容赦なく、1600万人が住むほど大きな帝都の空を銀の柱で埋め尽くす。
「ベシルくん!彼らはボクが守るから、君は…」
「OKー!」
そう言ってドクターは、自身も蔦を通って地面の中へ。
「さ、はじめよっか。」
残された二人は、戦いを始める。
「妖精王聖銀柱の逆鱗」
それらは放たれる
「十本まとめて!飛んでけー!」
ベシルは、上空から落ちてくる十本程度の柱を鎖で掴み…投げる!
「ん!」
飛んでいったディムナまでの全ての柱をぶっ壊し
ディムナは攻撃を回避するために目の前に銀の柱を出現させる。
それを打ち壊し、目の前のディムナを殴る。
「もう外さね…もう目を背けね…だから」
背後に現れるディムナの聖銀の分身。
「だからテメェーも…自分の下にいるもんから目ー背けんなー!」
その言葉から、ディムナの脳裏に浮かぶのは…
"「貴方最近おかしいは…」"
妻のこと
"「クソ親父ー!」"
長男のこと
"「やめて父さん!兄さん!」"
次男のこと
"「ディムナ様でも、これでは」"
案を出してくれる部下
「は!」
ディムナが目覚めるとその目の前にあるのは…
鎖で巻きつけられ、ぶん回され、自身の分身を蹴散らす姿。
ディムナは水銀になり鎖を抜ける
「またか…」
またもや降り注ぐ銀柱
ベシルは、鎖の能力を使い、封じるのでは無く周囲に反射し、吹き飛ばす。
周囲の銀の柱が全て分身に変わる
「その手は飽きたぜ!」
ベシルは、周囲の分身の何体かを束ねて回し、他の分身を蹴散らした遠くへ吹き飛ばす。
「どうしたも〜終わりか?」
「まだだー!」
ディムナは聖銀の巨腕両手に纏い。ベシルと激しく拳を交わす。両者連続で放つ激しい殴り合い
「ならば…ならばなぜ御身はあの男を選んだ!」
ベシルの頬が殴りつけられる。
「ふん!」
ディムナの左頬にも
「くぅ…なぜ不穀では…不穀ではダメだったのですか(ダン!)御身に憧れ(ダン!)御身を…御身を信じたこの不穀の思いに!(ダダダダダダダダダダダダダダ)なぜ…気づいてくださらなかった」
「ディムナ…」
ディムナは、ベシルに対し優先に立ち回り、連続で殴りつけ怯んだベシルに
(キュイーンキュイーンキュイーンキュイーン)
「なぜだー!」
追い討ちをかけように、連続攻撃。
「なぜ…」
「すまねぇ〜な〜。ディムナ…あんたをちゃんと見てやれてなかった。これは俺の責任だ。」
ベシルは、ぶつけられた柱を持ち上げて、ボロボロの身体で立ち上がってそう言った。
「聞きたく無い…聞きたく無い!」
ディムナ急接近し、ベシルに銀の巨腕を向ける
「でもな…託されちまっただよ。この世界も、そしてあの子も(ダン!)だから、すまねぇ。」
ベシルは、ディムナのストレートを避け
「グハァ…」
ディムナの顔面に重い一撃を入れた。
地面に倒れるディムナに、ベシルはこう言った。
「ここで…止まってくれ…」
それは、ベシルの記憶
"「0(シード)…貴方は泣いている。いつも、涙を流している。この世界と同じ、でもね。きっといつか…その涙に気づいて拭き取ってくれる。そんな人が現れるから…だから貴方は、この世界の涙を…拭き取ってあげて」
倒れ込む、白髪の女性を抱いた。黒ボサボサの髪のベシル。
「そちに"王"を託そう。わっちの知る限り…最凶であるそちに…」
大きな魔女の三角帽子を被った男に肩に手を置かれ、そう言われるベシル。"
「恩師よ…不穀はどこで違えた。」
「ディムナ、天秤は一つじゃなり立たない。自分とは違う意見を聞いて、話し合って、その先に未来の正義がある。…あんたの横には誰がいた。」
これはディムナの記憶
「もう、貴方とは別れます…」
次男は他界し…長男は国を絶った。そして妻も、城を後にした。
「ディムナ様、これでは皆が納得しません。」
城の赤いカーペットの上を歩くディムナを追いかけ、意見をしてくれる部下の姿。
「親父…なんでいつもこっちを見てくれねーんだ。俺だって頑張ってんだよ…なのに…」
優秀な次男ばかり、気にかけることに怒りをあらわにする長男。
「本官はディムナ・ジルヴァであります!」
かつての王帝から勲章を授かり、皆に讃えられ幸福を感じる若き頃のディムナ。"
ディムナは、ボロボロになった。街の地面に全身を置きながら…
「不穀は…何も見えていなかったのだな…。」
「あんたの罪…俺が背負う。だから…あの世で奥さんに詫び入れな。」
ベシルは、腰を下ろし膝を立て。ディムナの頬に触れてそう言った。
「不穀は…御身の無実を信じています。」
その瞬間、一瞬だけベシルの目にはディムナの姿が、若き頃の者に見えた。
フェアリーモードには一つだけ欠点がある。それは肉体を器し、本来ではあり得ない規格外の魔力を手にする代わり。吸収した力に肉体が耐えきれなくなると、死亡するリスクがある。
「ん?」
破壊された地下室から
「あ!ベシルさん」
「ニヒツ様?なんでそんなところに」
「あはは…なんででしょう。」
ニヒツは、自分がどうやって地下室に来たか分からず。誤魔化す。
「まっいいや、帰ろ。」
「はい!でも…これどうしたんですか。」
ニヒツ久しぶりに地上に上がってくると、帝国中のビルや鉄道その全てが更地になっていた。
「ん…よし!逃げよ!」
ベシルは街の外へと走り出す。
「え?ベシルさ〜ん」
こうしてベシル達一向は、帝国を吹き飛んだことに目を瞑れば。帝都の全市民を助け、旅を続けるのであった。
「随分無様な結末じゃねーかよ。平和協定違反まで起こしてこれかよ。まっんなこたーどうでもいいけどよ。で、ラスボスの命令だ。帝都での"DEM"の調査記録まとめて帰ってこいよ。パラトロゴ…」
帝都の崩壊を、周囲の崖からヤンキー座りでみやげる。フードを深々と被った金髪に黒メッシュの入りの長髪。黒いロングジェケットにピンク色でNo.NOと書かれた黒い仮面の男が、MEを使って誰かと会話をしている。
その頃、会話相手の男は、蝿の仮面と背中に紫の蝿が描かれた黒いロングジャケットに身を包み崩壊した街を歩く。
(「そういや〜よ。"DEM"の様子はどうだよ?」)
「"デーモン"の方が覚醒しつつあるようだ。」
(「はぁ〜、なるほどよ。あーたよ。んじゃまたなよ…」)
男はMEの連絡を切った。
「次元扉」
男は、黒い円を出現させた。
「ちょいちょい、俺し置いていく気っすか」
そこに現れたのは、青のラインのフード付きの白いパカーに短パンと般若の仮面をした女。
「"ツギハギ"くんか、また"能力の回収"かい?」
「そーすよ。"検問官"に変装するとか我ながら頭良いすよね。あっそうだ。これ、"王帝の仮面"作っといたんで。」
女は、銀色の王冠をした仮面を男に見せる。
「そうか…では行こう。」
「了解でーす。」
二人は、黒い円の中に消えていった。
「ここは…どこですの。」
「愚僧はいったい…」
ゴールドとブロンズは、目覚める。
「目覚めたかな?」
「「誰!」」
そこは何も置かれていない真っ白な広い部屋。
「担当直入に言おう、貴公らにはこれから。"殺し合い"してもらいます。」
"そこ後、更地と化した帝都は、生き残った騎士団達によって復興作業が行われた。今回の騎士団団長全員と側近は行方不明となり。王帝の遺体は城の跡地に大きな銀の墓が築かれ埋められた。ベシルさんの指示もあり、足止めを担当する騎士団達も含め市民の方々からもほとんど死者は出なかった。全団員が死亡した黒塵の暗黒団は廃団されたが、地下に存在する。本拠地は、そのまま残され、数々の市民達が花束を置いていった。黒騎士の遺体は発見されないものの、落下死と言うことで処理された。"
今回の戦績
・第一ラウンド ゴールドvs シロム&BAD
勝者:シロム&BAD
理由:シロムが、ゴールドの動きを黒星術で止め。
BADが光術で接近し、果実の様な甘い恋で、ゴールドを宝石化
させたため。
・第二ラウンド シグネットvsベシル
勝者:ベシル
理由:ベシルの能力を見て、「チートだー!」と
驚き気絶したため。
・第三ラウンド ブロンズvsドクター
勝者:ドクター
理由:ドクターの棘に仕込まれていた。睡眠薬に
り、ブロンズが気絶したため。
第四ラウンド ヒュースvsニヒツ
勝者:ニヒツ
理由:ニヒツの謎の力により、ヒュースが落下した
ため。
・第五ラウンド ラインハイドvsベシル
勝者:ベシル
理由:ラインハイドの攻撃を攻略し、罪の鎖でラインハイドを拘束したため。
・第六ラウンド ディムナvsベシル
勝者:ベシル
理由:フェアリーモードの反動により、死亡した
ため。




