第二十二話 絶望の3
「己の任務は、彼…ニヒツ・トリビライザの監視だった。」
ラインハイドはそう語る。
「なぜ、ニヒツ様の監視を?」
「彼ら…"ナンバーズ"と呼ばれる闇組織と、帝国は契約をしたからだ。」
「なんで?まさか、理想の息子計画をまだ続けようての。」
「…そうだ…父上いや、ディムナ様はかつて妻は急死し。長男は反逆を起こし、優秀だった次男は自信と長男の間に起きた喧嘩で亡くなられた。それで…かつての初代黒騎士ラインハイド1世や己ライハイド2世ら…」
「錬成生命体"ホモンクルス"を生み出し、果たせなかった自身の倅にふさわしい存在を生み出そうとした。その際に、帝国だけでは技術力が足りず。人体実験でもなんでもござれの例の組織と手を組んだ。」
「そうだ…」
ライハイドは王帝が行おうとした一連の計画を話し、自身が自然から産み落とされた生物でない事を告白した。
「そしてその交換条件が…」
「ニヒツ・トリビライザ…彼…なんだ…」
その頃ニヒツは…
(あれ…正義て…なんだっけ…)
(グサグサグサ)
「あ…」
その瞬間、その場の誰も対応出来ない攻撃がヒュースを襲った。だがこれは有り得ないことだった。ヒュースはこの国の誰よりも強い帝都最強の騎士。それは、光の騎士と歌われたシグネットよりも光速なビームを放つゴールドよりも強い。それを証明した男が認識できない速度など、この世に存在しない。それを…四肢をもがれ這いつくばって睨みつける気力もないニヒツが…それをした。
(ブン!)
ニヒツの肉体を漆黒の力が覆う。その漆黒は時よりも速く、そのもがれた四肢を再生した。
「…」
再生し、自身の前に立ち。笑みを浮かべるニヒツを見てヒュースが感じたそれは…
(ブウォン!)
殺気ではなく…
「狂気…」
ヒュースは、自身の肉体に刺さる。漆黒の剣を見た。その剣から放たれる禍々しい魔力は、さっきまで寸分の実力すら出さず余裕で倒し、その殺気も覚悟もニヒツとは比べのならないほどの強さを誇ったヒュースの目から…戦意を奪った。
「笑えよ…ヒュース…」
(ブン!)
ニヒツは時よりも速くヒュースに近寄り。その顔面を掴み、激しく戦い抜いたその円柱の戦場から底の見えない暗闇へと…
(ヒュ〜…)
突き落とした。
第四ラウンド ニヒツWIN
その頃階段のフロアにいるベシルは…
「で、あんたはどうすの?」
「…弾け飛ぶサイコロ(フラックス・サイ)。これで全てが終わる」
「あっそ、なら…ちょっと本気で…行くぜ」
ラインハイドは、両手の指の間にサイコロを持ち。ベシルは不適な笑みを浮かべてそう言った。
(…)
ラインハイドは、両腕を顔の前に出してクロスさせ…その両腕を開く事でサイコロを周囲に投げつけ。
それはサイコロは周囲を光速で飛び回る
ベシルは周囲を飛びまる小さなサイコロを全弾封じて無力化する。
「ならばこれでは、弾け飛ぶ金槌」
ラインハイドは、ベシルに急接近し、虹色の鉱石でできたハンマーをベシルに向かって振り下ろす
ハンマーは、ベシルの鎖に触れた。
封じて無力化
「弾け飛ぶ大きなサイコロ(フラックス・ビックサイ)」
封じられたハンマーのあと速攻で、大きなサイコロを出現させ、ベシルの顔の手前でサイコロが弾け飛ぶ。
「えげつね〜」
弾け飛んだサイコロは、小さなサイコロに変わりその小さなサイコロはさらに小さなサイコロに変わって周囲に飛び散りベシルを光速で襲う。
「うぉ!」
ベシルは自身の周囲に寄ってくる鉱石を封じるが
(ダン!)
「ちっ!」
その数発がベシル右肩をかすめる。
「よし!」
「こうなったら」
ベシルは、再び自身の全身に鎖を纏う。
「おーら!」
全身を纏った鎖の解放時に周囲に四つの鎖をばら撒き全てを弾き飛ばした。
「ふ〜」
「無限に伸びる鎖…しかも戻の長さに戻して腕に纏えるとは…厄介ですね。」
「だろ?緑の勇者さんの武器を元にしたんだ。」
「そうですかー!弾け飛ぶサイコロ(フラックス・サイ)」
加速で速度を上げ再接近、サイコロを投げる
(早い!)
ベシルは、接近してきた。サイコロを、分解する前に封じ、
「あんたは、しつこい!」
「力が…(ダン!)」
その後本体であるラインハイドを捕まえた。
「これで、終了」
「はは…やはり無理ですか。父上の言う通りでしたね。」
「父上ってディムナのことかな?」
「そうですね…貴君の足止めが己らの任務でした。ま〜もっとも、全然果たせませんでしたがね。」
ラインハイドは任務の内容をベシルに話した。
「ねー!ラインハイドくん。さっきからなんでそんな暗い顔してんのかな?」
「え…」
「ずーと思ってた。フードで隠してるけどさ、最初っから諦めた様な口調で、話してるし、下を見てるし、目的も任務内容も俺に話してる。それに、笑い方が引き攣って聞こえる。無理矢理なんだろ。」
「そんなことは…」
「ニヒツ様だろ?潜入して監視してたなんて言ってるけど…友達だったんだろ?だからずっと」
(パサ!)
ベシルは、ラインハイドのフードを鎖で取った。
「泣いてる…」
「はは…ずっと気づいていたんですか…意地悪ですね。」
「俺りゃ〜戦闘中に敵に同情するほどお人好しじゃない…ニヒツ様と違ってね。」
ラインハイドは、全てを話し始めた。
「全ては任務のため…己はホモンクルスとして作られ…この世に生を受けた。そして最初に与えられたのが、父と偽った。ラインハイド1世の始末。そのために作られたからこそ…1世の攻防一体のブラックダイヤモンドは真逆の性質を持つこの力を手に入れた。そして、その後もいくつかの任務を課され、そのなかに…ニヒツくんの監視もあった。」
"最初は簡単だと思った。己の実力なら学徒に入ることは簡単だったし。監視も決して難しくない。でも…彼は…"
「僕の名前はニヒツ・トリビライザ。これからよろしくね。」
そこは、学徒の入学式
「…ラインハイドだ…」
「あはは…」
"彼は…"
「何をする…」
「はは!下級生のくせに調子に乗るからだ!」
外廊下で上級生に張り倒されたとき
「やめてください!」
「ニヒツ・トリビライザ…」
"優しく"
「え〜と…これはこうで…」
「いや、そこの式違うよ。」
「あ!本当だ…こうか!ありがとう、ラインハイドくん」
寮に帰ってきた時
「貴君はずっと勉強しているね。そんなにやらなくても、苦手なら適当に流して…」
「そうですか?僕は、出来ないことはできるようになるまでやりたいんです。」
「ん…」
"誠実で…"
「無理だー!あんなに強いんだぞ!勝ねーよ。」
ネイル・シュヴァルツがクーデターを企てたとき
「勝てるか勝てないかじゃない…救うか救わないかだ。そして…僕の道に、救わないなんて選択は無い。だから立ち向かうだ。例え…相手が誰であっても…どんなに強大な相手でも…」
"信念強く"
「ネイルさん!…あなたがこれ以上…彼女を傷つけ、この帝都を襲うと言うのなら!…僕はあなた…打つ!」
ネイルに告げる最後の忠告の時
"そして…真っ直ぐだった。"
「ニヒツくん…君は言ってしまうだね…」
飛び級で学徒の門を卒業する時。
「ん?行くって寮は同じだし…それに、騎士団になったって、僕とラインハイドくんは…親友だ」
「親…友…」
「己にそう言った…そんな彼を見れば見るほど。いつか組織に受け渡す時…友でいられなるその時が…怖くて怖くてたまらなかった。そして、今その時が来てしまった。でも…己にはどうすることも…」
「できるさ!」
「え…」
ベシルは、泣きながら全てを語るラインハイドにそう言い放った。
「だって、あんたが友達でいたいなら、友達いればいいじゃない。」
「そんなこと…己にとって任務を果たすのは、この世に存在する理由だから…」
「でも、その任務を終えるのが怖いんでしょ?」
「それは…そうだけど…でも、父上が!」
「父上父上って言ってるけどさ。父上と親友どっちが大事なの?」
「それは…」
ラインハイドは、返答に困った。
「どっちも大事?、それって二股じゃん。二股はいつかボロがでるぜ。」
「二股って…昼ドラじゃ無いんだから…」
「でも、同じだろ?だから行き詰まって困ってる。」
「…」
ラインハイドは、その言葉に悩み。首を傾げた。
(ジャラジャラ)
ベシルはそんなラインハイドを鎖から解放し、王帝ディムナ・ゼレティネス・シルヴァの元へ繋がる階段を上がった。
「あっそうだ。ニヒツ様を選ぶにしても、ディムナを選ぶにしても。自分の心に正直に答えなよ。自分に嘘ついて生きるのは、ストレスの元だぜ。」
そう言ってベシルは再び階段を上がった。
「心に…正直…」
そうして…いくつもの戦いとドラマを生みながら
「かぁ〜」
「ガキは気楽でいいね〜」
BADは、シロムをおぶって歩いて帰ろうとしている。
「そろそろベシルくんは、最上階に着いたかな」
ドクターは、ブロンズを薔薇で確保したあと、城を散策する。
「あれ?ここはどこ…」
ニヒツは目覚めると、どこかの部屋にいた。
そして…一向はついに辿り着く。城の最上階…
「ロッハ〜、ディムナちゃん。」
黒い王座に座る、黒の迷彩服に絶対の正義を意味する。一つの天秤の描かれた赤いマントを着る男。
「不穀は、御身の無実をずっと信じていた。御身がその様なことをするはずがないと…しかし、御身は認めてしまったあの裁判の日全てを…それでも探したのだ。無実って奴を、どんな手を使っても…しかし、やっと見つけた事実は罪者から受けたものだった。」
「だからライトを恨むのか?そんなの畑違いもほどがあるぜ。」
「畑違いだと、あの男は御身に濡れ衣を着せた。戦争の際に生じた全ての罪を御身に着せて、自身は平和と正義の象徴を気取っている。それこそが罪だ。」
「じゃなんだい?あんたは罪を裁く神にでもなろーての?」
ディムナは重い腰を上げて立ち上がった。
「神?違うな、不穀は人だ。この世は既に人の世だ。神は神樹となってエーテルを生み出す煮えに過ぎない。それにも関わらずこの世で最も権力を持ち、古臭い文化で世界の運命をあの男に委ねた聖貴族共…だが、それを誰もどがめようとはしない。なら…不穀が正義の執行者となり、世界から、戦争を終結させた英雄。神の子にして最強の英雄ライト・ドラゴンヘッドを…殺す。」
「そんなことを俺が許すとでも…」
ディムナは手を前に出して、ベシルに向ける。
「許さないだろーな〜…だから決めた。かつての恩師よ。あの男を選び平和の象徴と呼んだ。御身が不穀を邪魔するのならば…まずは御身を殺すまでだ。」
ディムナは、聖銀の巨大な柱を出現させ。
ベシルに放った。
「今日はなんで…こんなに何かを飛ばされるんだ!」
ベシルは、ディムナなの巨大な柱猛攻を避けるが、そのうちの一本に打つけかり、高い城の頂上から落とされる。
それでも止まる事なく巨大な柱が、高速で生み出され、ベシルの元へ放たれる。
「恩師よ。気づいているか、その柱がどこに向かっているのか…」
「まさか!」
そうディムナの狙いはとんでもないものだった。
その頃、BAD達は…
「うぅん…は!ここは〜。」
「やっとお目覚めか?ガキ。」
街の喫茶店にいた。
「あれ?でっけぇー城は?戦いはまだ続いてんだろ。こんなところで休んでる暇なんて!」
「無茶言うな、お前も俺様も、もう魔力が残ってねーんだよ。それに、これ以上何かしたら果実の様な甘い恋が…」
「うわぁー!」
周囲に凄まじい衝撃が走る。
「はは!やってくれたわね。このクソ共、残念だけど、魔力が解けた今わたくしは帰らせてもらいますわね。それじゃ!」
宝石と化したゴールドが、元に戻り光速で喫茶店のドアを抜け逃げた。
「解けちまう。」
「はぁ!でも、そのバカデカイ大剣まだあるじゃん!」
「これは特別なんだよ。解放なんてしたら…とにかくこれ以上は…」
(ダン!)
「「は!」」
外から大きな音がして、二人は喫茶店の外に出る。
「なんじゃこりゃ〜銀の柱…」
「BAD!あれ…」
上空に見えるは、足の鎖で城に鎖を引っ掛けて落ちない様にし、ベシルが両手の鎖を使って柱を止める姿。
「フェラ姉が…」
「苦戦してる…」
「シロムー!ドクターさんから…」
村を出る際にハックから預かった連絡用の星型の黒いMEへ、ドクターから連絡が入ったことを黒星教団の女達が伝える。
(「BADくん!君かい?」)
「はい!BADっす。これはいったい何が…なんでフェラ姉が苦戦してるんすかー!あの人は、世界最凶なんでしょ!」
(「そうだよ、本来ベシルくんが、あんなことで苦戦は絶対しない!ベシルくん一人ならね…)」
「一人…」
(「彼女は…この街の全ての人を守るつもりなんだ…一人の犠牲者も出さずに…」)
「犠牲者…は!」
"「随分と"胸糞悪い"ことすんじゃねぇか?にいちゃんよ〜」"
"「俺はさっきの一撃でお宅の実力の高さがわかった…と言いてぇところだが、俺はお宅のその鎖の仕組みも、その剣のことも、よくしらねぇ。それに対してお宅は俺の魔法も実力も素性だって知ってやがる…完全に情報負けしてんだよ。だったら、俺が使う手段は駄々一つ、ねぇちゃんの弱点を見つけて、それを利用する。だから…こいつらの様な"駒がいる」"
"「やっぱりな…お宅、こいつらにだけ手加減してるだろ?そりゃ〜そうだよな〜お宅は恐らく、騎士団か時代遅れの傭兵か、はたまた。おつむな浅い善人かはしらねぇ〜がお宅は恐らく村の連中に依頼されてここに来たんだろ。だとしたらお宅はここにいる奴らを傷つけられねぇ〜つまりは!」"
BADは、ベシルと戦った時たのことを思い出した。
「でも…あの時とは違う!だって今回は、帝都の全市民なんて…赤の他人だろ!」
(「それでも、彼女は守る気だ。この場の全てを…それが彼女の絶対にして最大の弱点…)」
「お人好し…」
その頃戦闘中のディムナとベシルは…
ディムナは城の最上階から巨大な柱の複製をし続けている。
「御身は昔から、例え赤の他人でも見捨てず救いの手を差し伸べ…導く」
「うぅー!」
ベシルは、鎖を使い精一杯封じるが…ディムナな柱の複製の方がその速度を上回る。
「そんな偉大な人だった…」
ディムナの巨大な銀の柱は、ベシルの周囲を360度全方位を取り囲み。閉じ込める。
周囲の全てを鎖で封じる。消し去るが…
「はぁ〜はぁ〜(ダン!)うわぁー!」
だが止まらぬ追撃に打つかりそのまま、続く連続攻撃に押され街のビルへ。
「「きゃー!」」
街の人々は今にも倒れそうなビルに大騒ぎ。
「くぅー!」
ベシルは、ビルを鎖で囲い倒れるビルの半分を止める。
「ベシルくん!」
そこで伸びるは大きな薔薇の蔦。
「ドクター!」
「街は、ボクらに任せて!君は!」
「わかった。」
ベシルは、空中に投げ出された銀の柱を引っ張って、上空に。
この少し前…
(「ボクも、花に乗って飛んで行くから。君にも協力して欲しい。)」
「でもー!俺様達の魔力はもう…
(「君の取り柄は魔法だけじゃないだろ?策士と謳われたその実力を…見せてくれ…)」
「…わかりましたよー!おい!シロム俺様の剣を持ってこい!。」
「おっおう…」
「女達は、博士こう(ドクター)の援護して、街の崩壊を止めるのと、巻き込まれた人々の救出を頼む!」
「…村を襲った男に協力するのも、ブラックビレッジを襲った帝国を助けるのも不本意だけど。人の命には変えられないもんね。行くぞー!みんなー!」
「「おーう!」」
バニ姉ちゃんの先導を受け、女達は喫茶店を後にして走り出した。
「あ!(ガシ!)ハスキーちゃんは待って!」
「はっはい!」
BADはハスキーの腕を掴んで止めた。
「おい!BADこれ!」
「おい、投げなんよ!大事な"人"なんだから…」
「だったら自分で持てよ!」
シロムは、正論を言った。
「それもそうだな…アッシュ、行ってくるよ。よしシロム!俺様達は、もう魔力がねー!女達見たいに、人命救助は出来ねーが。まだ無事な人々を外に誘導することができる。」
「でも、外は…」
「危ねーつーだろ、大丈夫だ。外には、テラフォーミング技術が生まれる前に俺様達妖精族が住んでたバカデケー地下シェルターがある。」
「そっそうなのか?」
シロムは、少しピンと来てない様子だ。
「あたしは何を…」
「あ〜そうだ。この街の出口は二つある。表の正門と裏にある鉱山門の二つだ。だから今からシロムと俺様で二手に別れるつもりなんだけど…」
「「けど?」」
「シロムは今魔法が使えねぇー、だからなんかあった時ために、その砂で守ってやってくれ」
BADはハスキーに、シロムを任せた。
「あ〜そう言うことですか。」
「はぁー!俺ちゃんは、一人でも…それに魔法が使えないのはテメェも同じだろー!」
「強がんじゃねーよ、俺様と違って武器の一つ持ってねーのに、どうやって自分の身を守るんだ」
「それは…」
「それに…大事な人とは、一緒にいた方がいい」
BADは自分の持つ大剣を見つめそう言った。
「「大事な人…ん!そんなんじゃ!」」
「ねーから!」
「ありませんから!」
「はは!そうかい。それじゃ行くぜ…」
シロム達とBADは、二手に分かれ避難誘導を開始した。




