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第十八話 絶望と希望

(シュシュシュ)

ニヒツが女の子が耐えられる程度の速度で調節しながら走って、避難民が多くいる外に行くための門の前まで連れてきた。

「ここまで来れば大丈夫、ここで」

「お母さんは?」

「え…お母さんは…」

ニヒツは返答に困った。

「ニヒツちーん!」

後ろに現れるのは、ロック。

「ロックさん。なぜここに」

「なぜも何も、あたし避難誘導係だから。さっき、バッカスに連絡もらったから駆けつけてきたって感じ。」

「バッカス先輩が…いったいなぜ、連絡を」

「あっそうだった。えっとね〜…これ。」

ロックが出したのは、黒いガスマスク。

「これは?」

「騎士団のガスマスク。あとはこの赤いの飲んでこれボーヘンが魔法で作ったものだから。これを飲んどけば攻撃を受けたさいに絶対出血しないから」

「え…魔法って、ボーヘンさんて付与(エンチャント)使えるですか?」

「んん、あいつのこれは"完全化(プリマ)"。今回のは感染症だから感染を抑制できるようのガスマスクと出血対策の薬をとりあえず黒塵の団員全員分。あんたもしってる通り、完全化(プリマ)は、魔力を大量に消費するから、こんなちっせえ薬だけどあんまり数は作れないの。」

完全化(プリマ)とは、通常、実体を持たない魔法にを実体与える魔法だ。魔法に形を与える形状(アイテム)との違いはそれが永続するか否かである。形状は使用者が手を離すか魔力が途切れたりすると消えるが完全化は消えることは無い。

「お母さんは?」

「あ…」

ニヒツの足に駆け寄る少女

「ニヒツちんその子は?」

「さっき火が上がっていたマンションから助け出した子供です。」

「火?でも、帝都の建物が燃えるはずは…」

ロックは何か引っかかることがある様だ。

「お母さんは!」

「え〜とだからそれは…」

「ま〜いいは、ニヒツくんさき行って。この子はあたしが、中央にはバーミリオンとジルコンが、避難は、他の十名と他騎士団がやってるから。

「…お願いします。」

ニヒツは急ぎ中央に向かった。

「ヒャッハー!(ダン!)騎士団ってのはこんな雑魚ばっかかー!」

金髪コーンロウヘアーの薬中Aが薬の影響で身体緑になり、人を食らってデカくなったその右手で攻撃してくる。目の前のバーミリオンを煽る。

「ちっ!調子付いてじゃねー!」

(ドゥーン!)

「おいおい、頭に血が上る性格なんとかするしょ」

(ダン!)

「よそ見とは余裕じゃねーか。ヒャッハー!」

「ヒャッハーじゃねーよクソ薬中が。」

ジルコンは青髪コーンロウこと薬中Bと交戦中。

(ドゥーン!シュシュシュシュシュシュ)

「オーラ!(ダン)」

(ちっ!こんな人生オワコンクソカスやろが、プロの騎士みてーな動きしてやがる。しかも…)

「ヒャッ…ハー(ダン!)」

(バキ!)

骨が折れるような音。

(攻撃が重い。)

バーミリオンは、攻撃を受けた右腕の骨が折れる。

「クソがー!」

(ドゥーン!ダダダダダダダダダ!)

バーミリオンによる左手連打ストレートで大ぶりな相手に攻撃の隙を与えない。

「ヒャ〜ハー!(シュバン!)」

薬中男の攻撃が高層ビルの壁に穴を開ける。

(こいつら、物のせいで感覚麻痺って痛みを感じやがれらねー!)

「だったら!こいつだー!」

(ダン!)

「何度やってもー…グハァ(ダン)」

「無詠唱でやったから自信はなかったが流石クソ竜王を崇拝するシンナバー家の毒だ。薬中にも効果的面だな。」

(まっ全てのストレートに毒仕込んでたからそれが致死量まで達しただけだろうけど。)

(ベキ!)

「あ"」

バーミリオンが後ろを浮くと

(しまった)

さっきの男の攻撃は、壁に穴を開けただけでない。その凄まじいスピードは周囲にソニックブーンを起こしてビルにの柱を全てぶった斬った。

(ズシャン!)

「あ〜死んで…ね…」

「バーミリオン副団長!」

「その声は…」

その姿は誰も想像しないまさかの姿だった。

「大丈夫…で…すか」

数千トンはあるであろーその高層ビルを…持ち上げていた。

「テメェー!何にをー!」

「は…や…く…」

「あ"ー!」

(ドゥーン!)

バーミリオンはニヒツの持ち上げそのビルの下から加速(スピード)を使い急いで逃げた。

「副団長ー!」

「なんだー!」

「このビルー!人はいませんよねー!」

「な…」

(こいつ、この状態でなにを…)

「いるわけねーだろー!騎士団の誘導能力を舐めんなー!」

二人は叫びながら超遠距離会話をしている。

「そうですね…じゃー!」

ニヒツはそう言うと腕に魔力を込めて

(あいつ…何を…)

「フルパワー…インパクトー!」

(バーン!)

その一撃は数十階建てのの高層ビルを粉々にした。

「ウィ〜秀才くんさっすが〜しょ。」

(なんつう…怪力…火事場の馬鹿力じゃ、説明つかねーぞ…)

バーミリオンはそれを目の前で目の当たりにした。

「ふ〜大丈夫ですか?バーミリオン副団長。」

「大丈夫かじゃねー!…テメェなんで俺を助けたー!」

「え?」

バーミリオンが、この状況以上に理解できなかったもの…それは、ニヒツの心意だった。

「俺は…テメェをよく思ってなかったー!最年少で、魔法騎士団卒業ー!しかも一年と数ヶ月。んなふざけた話に加え、英雄だとかほざきやがる。正直気に入らなかったー!。しかも、そいつは、実力だけじゃなく、心、仕事もなんでも完璧で、団長からの推薦も受けてる…俺の立場が…認めたくなかった。そんな幼稚な俺をー!なぜ助けたー!。答えろニヒツー!」

ニヒツは、少し彼をじっと見つめ…

「人を救うのに…理由が入りますか…」

「は?…」

「人が人に手を差しのでるのは、至極当然のことです。人を妬むその思いも…当然なんです。でも、問題なのは…その妬みを、どういかすかです。」

(なに…言ってんだ。)

「これは僕の持論ですが…この世に存在するどんな感情も…ちゃんと正しく生かすことが出来ると思います。そのやり方を間違えたなら…止めるだけです。」

(こいつは…何を…)

「それでもあなたが理由を求めるのなら…"全ての人の笑顔と命を守ること"…それは…僕の夢であり、騎士道…いや…"英雄道"です。」

「は…」

バーミリオンの目の鋭い目が初めて大きく開き、妄言語る"馬鹿(ニヒツ)"を見つめる。

「その道には…バーミリオン副団長。あなたもいる…そして…この街の人たちも…この世界の全てを救い、守り抜くには…この場の誰一人見捨てるわけには…行かないんです。」

(こいつは…正真正銘の…)

「それじゃー!行ってきます!フルパワー!スピード!(ドゥーン!)」

(馬鹿だ…)

ニヒツ・トリビライザのその時速なんと520キロ。

「ジルコン先輩ー!」

「ニヒツち」

「よそ見さてんじゃー」

(シューウォ〜)

その超スピードでジルコンを避けつつ、ジルコンの前の敵を…その剣で吹き飛ばす。

「ねグハァ…」

(ヒューバン!)

「先輩の活躍の場…普通取らないしょ。」

「すっすみません」

「おいおい…勝手に和んでんじゃねーぞ。ヒャッハー?」

そこに現れるは、薬中…いや、肉肉しい翼を生やした。黒髪モヒカンの麻薬のディーラー。

「親玉の登場か…」

「ですね。」

ニヒツとバーミリオンはディーラーの前に並ぶ。

「ちょいちょい、何やる気出してるしょ。さっき活躍の場を取られたウィ〜がやるしょ」

「そうか…じゃっまかせたぞ。」

バーミリオンは、帰ろうとする。

「え!でも一人じゃー!」

「大丈夫だニヒツ…あいつの能力…決まれば終わりだから。」

そうバーミリオンはニヒツに告げた。

「何ごちゃごちゃ言ってんだー!」

(ドゥーン!)

結界(プリテクト)

「なんだこれ…壁?」

男は、謎の緑の結界の中に入れられる。

「さっきの奴はちょこまか鬱陶しくてあたらかなかったけど〜今回はバッチグーしょ」

「こんなもんで閉じ込めたからって、どうにも!」

「なる…しょ」

「あ"」

(パチン!)

ジルコンは、右腕を前に出し、指パッチンをした瞬間。

(ピピピピピピピピピピピピピピ!)

「滅びの破滅光(ザーグーン)

結界(プリテクト)の中で乱雑に打ち出されたビーム。

「奴のビームは喰らえば遺伝子ごと…溶けてなくなる。」

(ブワァ〜)

「それって危ないんじゃ」

「あぶねーよ。だから、結界(プリテク)で封鎖してんだろ。」

そう言いながら瓦礫の上でタバコを吸う、バーミリオンであった。

「痛ってー!」

「え!ジルコンさん!」

「あ〜あ、腕持ってかれたな。」

ジルコンさんの攻撃を打ち出すさいに、使った指パッチンの右腕が、謎に無くなっていた。

「え!こっこれが、魔法の反動!」

「そいつは魔法は、詠唱の通り。相手を滅ぼす変わりに、自分も破滅する。まっボーヘンのおかげで直ぐに傷は治って出血はねーんだから。そんなに大げさに…」

「血が出なくてもー!いてーもんわいてしょー!」

ジルコンの悲痛の叫びは、周囲に響き渡った。

今回の事件は、甚大被害を出した。街の壊滅は、高層ビルが立ち並ぶこの帝都だから起きた。しかし、その被害は、街だけにとどまらなかった。そのれは…外に存在する地下の医療施設を見れば明らかだった。

「これが…今回の犠牲者…」

「犠牲者数は帝都都市内人工1600万のうち、犠牲者数は1300。そのうち310人が死亡、負傷者745、行方不明者545。街が破壊されてるからな、行方不明者は現在捜索中だ。」

そこに現れるは、バーミリオン

「…」

「だが朗報だ。あのゾンビパウダーは偽物だった。」

「偽物?」

バーミリオン。騎士団のみ開示可能な調査資料のサイトを自身の赤いポイズンマーク型のMEで確認する。

「あー正確には、失敗作の可能性もあるが…テメェぶっ飛ばしたあの化け物(薬中B)生きてやがった。そいつを地下の隔離実験室で調べたら…あのディーラーが売ってた麻薬は、見ての通り凶暴化の作用や人を取り込む特殊能力、以上なまでの再生能力、硬化能力はあった。しかし、感染能力が無いことがわかった。」

「え!それじゃ…」

「ああ…ロックから聞いたテメェが助けたって言うガキの母親は、(ヤク)をやってたってことになる。ちっせーガキぽっぽてな。」

それは街にとっては、とても幸運なことであり。ニヒツにとっては…

"お母さんー!"

複雑な心境だった。

「自分を責めてんじゃねーよ。新入りいや…ニヒツ。テメェの行いで、あのガキは助かった。それは紛れのねー事実って奴だ。それになにより…今回テメェやったあの女は、自分で進んで麻薬に手を出した。心が弱ってたなんつー、"覚悟"のねー無責任なこと、社会は許さねー。大人ならそれを自制するもんだ。それが出来なかったあの母親に責任がある。…まっ俺も似たようなもんだが」

そう言うとバーミリオンは、後ろを向いて帰って扉を開け、多くの犠牲者が集まるその場を後にした。

(キ〜ガチャン…タッタッタ)

扉が閉まり、足音が周囲に響く

「で、どうだったかねニヒツ団員。」

「何がすか。」

壁に背をつけ腕を組んでいるヒュースの姿。

「今回の事件…この秘密主義国家の帝国の王帝が、一年数回しかない、五大国外交の日を狙った犯行。私も駆けつけることが出来なかった…私も連絡を受けて焦って戻ったんだが、騎士団の活躍で事態収集、しかも原因の本体格をうちの騎士団が倒したと聞いてね。」

「奴は…いやニヒツって男は、お人好しで、要領がよくて、優秀で…本当にムカつくやろですよ。でも…"覚悟"がある」

バーミリオンはニヒツに疑っていた。ムカつきの原因…それは…彼だから起きた妬みの感情。


"「死んじまえー!」

「コブラー!コブラー!」

そこは、孤児院

「やめてよ…ぼくが…ぼくが何をしたって言うの!」

孤児は一族を重んじる帝都に置いて、他国以上に酷く差別される。機械化が進み、奴隷と言う者が排除されたいま…カースト内の最下層に位置する彼らには、その鬱憤を晴らすための、自身より下の存在が必要だった。

「お前見たいな毒蛇が、ここにいるのが悪いんだー!」

「そんな…そんなのどうしたら!」

「うるせーぞバーカ!(ブーン!)」

いじめっ子の腕が幼いバーミリオンに届きかけた。その時だった…

(ガシ!)

「やめーか…ガキども。」

「あ"誰だテ…大人…」

そこに現れた希望…

「ヤベェ〜逃げろー!」

その希望に慄き、逃げていくいじめっ子達。

「なんだあいつら…」

「あなたは…」

「我輩か?我輩は、王都の白騎士である。よろしくな」

その男は騎士だった。

「なんで…ぼくを…」

「ん?なんでも何も…」

その男は腰を下ろし、目の前の少年に手を差し伸べて…

「困ってる奴を助けるのに…理由がいるか?」

「え?…」

その言葉は少年には到底理解しがたいことだった。

「ほら立てよ。」

「はっはい!」

産まれながらに、差別され…両親は迫害の末に自殺。その大人達は皆、何かの理由をつけて自分達を責めた。そんな環境で育った彼に、理由がいらないと言う男の発言は理解出来なかった。

「あっあの!。」

「ん?なんだ。」

「何が…目的ですか…」

「目的?我輩〜ただ…場所は違えど、幼い頃の我輩と同じように孤児院で育ったて言うガキ…いや、子供達を見にきただけだ。それがどうした。」

男に、手を引かれながら少年は聞いた。

「いや…そうじゃなくて…なんでぼくを…」

「あ〜そっちな。ん〜マジで理由が思いつかねーが…強いて言うなら、それが我輩の騎士道だからだ。」

「騎士…道…?」

「我輩は、騎士である。しかも、王都最強の…白騎士様である。だから、騎士道つー…覚悟の証的なもんもってねーと。国民に示しがつかねーからな。」

「覚悟…」

少年は、やはり意味がわからない。

「だからよ〜、(ポン)騎士は人のために戦う。どんな強敵が相手でも一歩も引かずにな。だから…どんな強敵が相手でも立ち向かう"覚悟"を決めとかねーと。戦えねーだろ?」

男は、足をとめ少年の肩に手を置いて、真っ直ぐ目を見てそれを言った。

「覚悟…」

「だからそなたも、立ち向かえ、次あのいじめっ子がやってきたら。次はそなた自身で、あいつらに立ち向かえ。そして我輩はこうしたいんだって言ってみろ。いつでも誰かが守ってくれる訳じゃねーからな。」

少年はその時初めて男の言葉を理解した。それは、少年の奥底にあるなにかを呼び覚まし、震え立たせた。

そして、のちに騎士となるとき、知ることになるその男の名は…"王都の白騎士・無敵のマックス"

少年はただ、それに憧れた…"


時は現在に…

「だから俺はあいつを認めた。それだけです。」

「そうか…」

バーミリオンはその場を後にした。

その後、ニヒツは少女のことを気にしながら数週間が経った。

黒塵団本部ニ階の窓辺

(あの事件の後、帝都の再復興とともに、騎士団は、行方不明者の捜索を行なっている。)

"お母さんは?"

"犠牲者1300人"

「…」

ニヒツはまだ、あの事件から立ち慣れずにいた。

「ニヒツち〜ん、朗報朗報。」

「どうしました。もしかして彼」

「ニヒツちん!それは言わない約束!」

ニヒツの煽りにロックは反応した。

「そうしょニヒツちん。(タッタッタ)女は怒らすと怖いよ(小声)。」

ジルコンはニヒツに近寄り耳元で囁いた。

「はは、すいません…それで、何が朗報なんですか?」

「これこれ、ニヒ〜。」

「これは〜」

その書類には、こう記されていた。

"ニヒツ・トリビライザ団員

此度のゾンビパウダー事件での貴殿の活躍により。帝都への被害は、大幅に軽減され。かつ人命救助にも大きく活躍したとの事で、未来に繋がる大切な命を救われました。今回の活躍を評価し、我々帝都一度を代表し、この王帝である不穀から

感謝の言葉をお送りいたします。

「本当にありがとう」

王帝.ディムナ・シルヴァ"

「感謝状〜この機械かの時代に、古臭い紙書類だからてっきり昇格の話かと思っのにさ〜。」

「感謝じゃ腹は膨れないしょ。」

皆が、肩透かしを喰らう中。ニヒツは一人…

「いえ…何より嬉しいです。…」

「はは、ニヒツちんらしいね〜。」

「流石しょ。」

「えーマジでー!」

「テメェは空気読め。」

「そう…だよ…ボー…ヘン…」

ニヒツの背後に続々と集まってくる騎士団の仲間達。

「だーてよ〜。今回の事件で様達全員昇格してんだぜー!」

「え…皆さん昇格したんですか?」

「おうよ!」

ボーヘン・ガーネット、四級→準三級

理由:人命救助にて、負傷者へよ魔法による薬の

  提供、およびガスマスクなどの感染対策への

  配慮。

「俺…も…」

バッカス・アメジスト、二級→準一級

理由:人命救助のさい、瓦礫に挟まれた者やその他

  多くの負傷者の命を迅速かつ正確に救いだし

  た。

「これで常人以上ってね。」

ロック・クリスタル、準三級→三級

理由:多数民間人の誘導、騎士団への、薬および

  ガスマスクとうの物資提供

「まっ親玉やったのウィ〜だしね。」

ジルコン、準三級→二級

理由:主犯の確保(首だけ)

「なんで…ニヒツだけ…」

バーミリオン・シンナバー

副団長×次代黒騎士候補

一人を除き、皆嬉しそうだ。

「皆さん凄いです!はぁ〜」

「なーんでニヒツちんが嬉しそうなんだよ。」

「その方が、ニヒツちんらしいしょ」

「そう…だ…ね…」

「え〜それでいいのかよ。」

皆は、ニヒツのいつも通りのお人好しさに笑っていた。一人を除いて…

(主犯者ではないとは言え、ニヒツは仲間の一人を倒している。しかも、ジルコンと違って首だけでなく、身体全体…そのおかげであれに感染力がない事がわかったってのに…なぜ…)

「こりゃ〜クセェーな。」

「あ"ー!誰が臭いよ!」

「テメェに行ってねーよ馬鹿女。」

「はぁー何ですって!」

「事実だ…」

(わーきゃーわきゃー)

バーミリオンとロックの言い合いが始まった。

「また始まったしょ」

「やれやれー!兄貴ー!」

「俺…達…ら…しい…」

「二人ともやめてくださーい。喧嘩は良くないですよー!」

いつも通りの日常だ。

「随分と…賑わっているな…」

「「団長ー!」」

皆が、二階で騒がしくしていると、下から団長が

「そんな元気のいいお前らに朗報だ。」

「また朗報ですか?」

「あ〜お前達が話していたことほどではないだろうが、今回はこの騎士団皆活躍し、この場にいる者達のほとんどが階級を上げた。他の十名もいい働きをしたと聞いている。だから…私からささやかな祝いの気持ちとして…飯を奢ろう。」

「「え?…」」

「はぁ〜こいつら…」

「本当…ですか…」

(どうしたんでしょう皆さん…固まってしまって。)

ニヒツとバーミリオン以外の全員が目を見開いて固まっていた。

「「やったー!」」

「マージ〜あのケチな団長がー!」

「珍しいこともあるものしょ。」

「うっしゃー!」

「や…た〜…」

「ガキじゃねーんだから」

「あっそう言う事だったですね。」

ニヒツはやっと理解した。

「ふっ、大声でそう言う事を言うな。他の十名には既にMEを使って連絡した。全員満場一致で行くと言っていたぞ。お前らも急げよ。」

「「は〜い」」

何やかんやありながら皆嬉しそうだった。

「スーイツしょ」

「肉肉!」

「いや!魚だろー!」

「テメェら野菜も食わねーと体が」

誰一人意見が合わなかったため、食べ放題にきた

「みんな楽しそうですね〜」

「あ〜そうだな。いつも騒がしいーてのに、いつも以上に騒がしいな。」

ニヒツが外の空気を吸いにベランダに行くと、そこにはタバコを吸いながら、膝を立てて月をみやげるヒュースの姿が

「ヒュース団長とバーミリオン副団長って似てますよね。」

「ん?」

「いつもは吸わないのに、任務を終えた後とか。こう言う祝い事の時には、タバコを吸う。」

そう告げるニヒツを、月を見ながらタバコを吸うヒュースは、横目で少し見た。

「ふっ、ニヒツ団員。この団は慣れたかな?」

「はい、皆さん良い方ばかりで、毎日が楽しいです。」

「そうか…それはよかった。あいつらは、見ての通りの荒くれ者だ。産まれや育ちはもちろん、素行も悪い…でもな〜…あいつらには実力と"覚悟"がある。それがなきゃ、騎士になんか慣れやしない。だが、その二つだけあれば十分だと、私は思うんだ。」

そう語るヒュースの横に、ニヒツは座った。

「…」

「彼らには実力がある。だから魔法騎士団要請学校を卒業し、従士試験を突破してここまで来てくれた。なのに国のお偉いさん方は、彼らが下民だとか、奴隷の産まれだから、没落した貴族の恥とか、孤児だからとかで彼らを彼ら個人として評価かしてやらねぇ〜。それが、どうしようもなく納得がいかなかった。だからこの騎士団を作った。…石炭…そいつはな、決して宝石の様には輝けね〜。だが、国ってもんわな社会ってもんわな誰でも輝ける都合の良い華やか世界じゃねー。地味だろうが、影に紛れる黒い塵でもな社会には必要なピースなんだ。だから…一つぐらい…一つぐらいはな…そんな奴らが騎士って言う大きな夢…語れる場所くらい…あってもいいかなと思ってな。」

そう語るヒュースの横に置いてるタバコは切れていた。仕事終わりか祝い事、嬉しいとき以外、タバコを吸わないヒュースが、タバコ一箱全て吸い尽くすと言うことは…凄惨な事件だったとは言

え、部下の進級が、よほど嬉しかったんだろー。


"僕はその時初めて、ヒュース団長と言う男の、冷酷無慈悲で笑わない。そんなヒュース団長の本当の気持ちが…わかった気がした。"


(そう…言ってたじゃないですか…)

「ヒュースさーん!」

「え〜ニヒツ?」

シロムがいきなり叫び始めたニヒツに動揺する

「あいつならこないわよ。」

「テメェー誰だ!」

そこに現れたのは

黄金の光花団団長.ゴールド・K・ゾンネそれと

(シュシュシュ)

黄色のフードをつけた黄金の光花の一団。

「さー!ミンチの時間ですわ。」

(ドゥーンドゥーンドゥーン)

黄金の光花の一団は数十人で、黒塵団の決して広くない室内にいるニヒツとシロムに、襲いかかる

「やべぞオイー!ニヒツー!目を覚ませー!」

スピード(加速)強化した。騎士団が彼らの場所までその剣が到達するのは…一瞬の事だった。

(ジャキン!)

その音でニヒツとシロムは切り伏せられたと思っていた。

「大丈夫かい?ニヒツ様!シロムくん。」

目の前に現れたのは、見覚えのあるボロボロローブのフードの女、そして、その手には…例の石の大剣。

それが、騎士団の攻撃を止めた。

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