第十六話 絶望の1
ニヒツ達は現在、神樹のを出て、右隣に隣接する。ドンナスターク区へと侵入、ドンナスタークの奥にあるミッドヴォッホと、呼ばれる区域にある帝都を目指して直進中、その間にあるフライシュと呼ばれる場所で、しばし懐かしの共と交流を深めていた。
「なるほどな〜。」
「その後現れたの騎士団長のヒュースさんが、村まで送ってくれて、騎士達の不当性を指摘し村は救われ。僕はその時に村長を通じて騎士団長に騎士団加入の推薦をしてもらうことになったんです。ま〜あ騎士団加入のためには、騎士団学校を卒業しないといけないので、推薦はその後なんですけど…」
落下した後、地面に胡座で座っているシロムは納得し、ニヒツは話を終えた。
「でもよ〜おかしくねぇか?」
「何がですか?」
シロムは何か疑問があるようだ。
「だって、ニヒツはともかく騎士団を恨んでんだろそいつら。だったら、なんで騎士であるヒュースって男にそんな簡単に友達のニヒツを預けるだ?俺だったら恨みのある相手にダチは渡さねぇーけどな〜。」
シロムの言い分は的を得ていた。
「確かに…考えたこともありませんでした。」
ニヒツは確かにと思いつつも、先を急いでいることを思い出し、切りをつけた。
「それじゃシロムくん行きましょう。」
「あっちょっと待ってくれ!」
「どうしました?」
シロムはニヒツを引き止める。
「暴風雨がなぜ起きるのか説明してもらってねぇーぞ。こんな変わった天気が、この先も続くのか。」
「はい、この妖精の国の大地には、さまざまなタイプ自然のエーテルがほか地域より多く満ち溢れているんです。そう言った環境の影響を受けて魔鉱石と呼ばれる。エーテルを吸ってその環境の性質を取り込む鉱石が作られやすく。帝国は鉱石採取を生業として生活しているです。その環境は鉱石だけでなく怪物達やここにすむ妖精族が鉱石系の自然魔法を得意とする理由がそれです。」
「ん?自然のエーテルって種類があんのか?あとそんな場所でどうやって暮らすんだ?」
シロムは質問を続けた。
「そうですね。見ての通り、この地域は怪物はいても、人はいませんし。20年前のオークさんの様に、まだ環境適応が完全で無い子供は、妖精族が住んだ地下都市の跡、迷宮で隠れ住むものもいます。」
「あ!迷宮てそのために作られたのか。でもなんで地下都市を手放したんだ?」
「それは、時代が進みテラフォーミング技術を開発したからです。」
「テ・ラ・フォー…ミング?」
シロムは聞きなれない言葉に動揺した。
「テラフォーミング(環境変化装置)とは、自然環境を住みやすい形に機械を使って人工的変えてしまうことです。この妖精国にいる、聖宝十一貴族達が、一人一人の保有し、自らの領土に配置して、数百メートルのテラフォーミングゾーン(環境変化領域)を作りそこで妖精族の人々は暮らしているんです。ま〜聖宝十一貴族は、帝国貴族内でもトップなので、安全のため。本家の皆さんは、テラフォーミングが一番最初に作られ現在も改良が進み一番強固な城の周囲帝都中心部に住んでいるんですけどね。なので、領土の運営は分家のみなさんがやっていると聞いています。」
「なるほど(ジ〜)」
「シロムくん、頭から湯気出てますよ。」
シロムとニヒツはなんやかんやありながら、先に進むことにした。
「オークさん、ケルピマさんによろしくお願いしまーす。」
「オール〜」
ニヒツ達はオークと別れを告げ、走り出した。
「そういや、ニヒツさっきの口笛はオークを呼ぶためのものだったのか?」
「いや、オークさんは強いですけど、足はあまり速く無いんです。だから、ケルピマさんを呼びました。」
「え?でもいなかったよう〜な〜。」
「はい、さっき雷が落ちたでしょ、あれはケルピマさんの使う魔法によるものなんです。
「え?どう言うこと?」
ニヒツは不思議なことを言うのでシロムは戸惑っていた。
「ケルピマさんの持つ"四宝"は、黄色いリングを開いて底なしの海をその場に作り出すもの…で…」
"「ケルピマ、貴公の持つその底なしの海を生み出す力も"四宝"だろう。」"
ニヒツはふと蝿頭と一緒にいたRDと書かれた銀色の囚人服の少年を思い出す。
(ケルピマさんや他のモンスターは覚えてなかったし…あれは一体なんだったんだろ〜気絶しそうになって幻覚を…)
「どうしたんだ?ニヒツ。」
「いえ、なんでも…とにかくそのリングの力で、オークさんを運び、僕が落下すると同時にオークさんが転がり落雷を回避。その頃ケルピマさんはもう一度リングに戻って底なしの海の別空間に入り、落雷を回避したんです。」
「そんなことができんのかー!スッゲーカッケーじゃん。俺もケルピマ師匠にあって見てねーな〜」
「ケルピマ師匠?」
「だって、ハート(心通)つーう技術を教えてくれたたんだろ師匠じょん」
ニヒツはその言葉に、考えもしない間に師弟のような関係になっていたと思い少し微笑んだ。
「止まってください。シロムくん」
「おとっと、今度はなんだ。」
「いいニュースです。ここから先は魔法が使えます。もちろん黒星砂も」
「やったー!ん?良いニュースて〜ことは〜」
「はいここから先は、ミッドヴォホ区内に侵入します。そして、この先に僕たちの目指す帝都なんですが…」
「が?」
「危険なモンスターがいますから、絶対に僕から離れないでください」
「おっおう!」
その答えを知るのはそう遠い話ではなかった。
ニヒツ達が通ったそこは草花が生い茂る暴風雨とは無縁の空間。
「危険ってどのくらい危険なんだ。魔法も使えるだろなら大丈夫じゃねーの?」
「それが…」
ニヒツ達は今、恐る恐る花を避けながら歩いている。
(プワン)
花から視認できるほど大きい花粉が放出される。
「ん?なんか鼻が…ヘクシュン!」
「あ…」
「どうしたんだニヒツ、そんな引き攣った顔して。」
ニヒツは何かに動揺していた。
「「ピピイー!」」
すると周囲に花と共に隠れていたフワフワした何かが、シロムのくしゃみに驚き暴れ回る。
「まずい!走り抜けますよ。」
「おっおい、こんなフワフワした奴どうてこと」
「いえ、そうでは無く、彼らが(ドン!)いてて、すいま…」
「ボワボワボワ…」
そこにいたのは、黒いエネルギー体の周囲には炎を纏う…
「「ピピー!」」
(キュィーン)
「え?」
(ボーン)
シロムに纏わりついていたフワフワした者たちが大爆発した。
「なんで、爆発したー!」
「あの炎を纏う黒いモンスターは、バナード。そして、シロムくんに引っ付いて爆発した怪物が、パーン」
「バナードとパーン」
ニヒツとすの身体能力で200キロ、シロムも黒星術のリンカントロンボ(黒星砂の怪物)でニヒツに追いつきつつ、怪物について説明する。
「パーンはシュガー系の怪物で、バナードはエナジー系モンスターなのですが、おのパーンは周囲にある草花から生成され、大きな音や衝撃が加わると怯えて周囲を飛び回り、何かくっついていることで気持ちを落ち着けます。」
「だから俺ちゃんに…」
「そしてパーンは周囲の火に反応して爆発します。ちなみに、パーンを捉えて食用にする時はパン粉と呼ばれます。」
「そんな豆知識いらんわー!」
「ボウボウ!」
「やべぇー!あいつ早いー!」
(キュィーン…ボーンボーンボーン!)
ニヒツ達は黒焦げになりつつなんとか無事帝都にたどり着いた。
「シロムくん無事…」
「なわけあるかー、パーンの爆発力がまだ弱くてよかったわ。もし、あれでダイナマイトレベルだったら、俺ちゃんの黒星術じゃ防げねー。」
「よし、それでは先に進みましょう。」
とニヒツは足を踏み出した
「な〜まだ、さっき見たいなことあんのか?」
「まぁ〜」
「てか、雷はまだしもあいつらな飛んで行けば早かったのに。」
「飛ぶ?でも僕の魔力量じゃブースト(噴射)が持ちませんし、シロムくんは魔法覚えたてですし…」
「いやだから黒星術だよ。俺ちゃんの黒飛怪なら飛べたのに…」
ロックとは熊と鷹ぎの特徴を持つこの世界の鳥類系モンスターの総称である。
「え?…シロムくんて飛べるんですかー!」
「あー、飛べるけど。」
「じゃーなんで言ってくれなかったんですか。」
「だって暴風雨って…飛ぶ環境として、どれも最悪じゃん。」
「確かに…この先は雨地帯なので飛ぶのは無理そうですね。」
「え〜。」
そうこうして二人は帝都を目指し、いくつもの自然環境暴力を掻い潜り進んだ。
「やっと着きましたね。帝都の表門前に」
「な〜ニヒツ」
「なんですか?」
シロムは疲れて膝を突き息が切れている。
「…暴風雨どころじゃねーじゃねーかー!落雷は落ちるは、爆発するは、洞窟のクリスタルは伸びたり縮んだりして、行手を阻むし。おまけに、雨一粒一粒が怪物でってこの国はどーなっとんじゃー!」
「あはは…帝国の騎士団に入る前に行う従者試験では、この環境の中でも最も過酷な環境が選ばれて、そこで生き残ることが、課題になっているくらいですから。」
「そんなにやべぇのかここの環境〜。」
シロムは帝国の現状な少し引き気味になっていた。
「では、これから帝都への潜入をします。このためにわざわざ遠回りしたんですから。」
「たっけ〜山の上にな、せっかく谷の間を通ってきたのに次は山の上かよ〜。でどうすんだ?」
「帝都への潜入は容易じゃない、表門でやっている持ち物検査際に身体は全て調べらるため、このフードも意味をなさない。僕はもちろん黒星教団であるあなたも、差別意識の強い帝都では、すぐに捕まってしまいます。」
「んじゃどうすんだよ〜、こっから飛んで壁を越えるか?」
「無理ですね。テラフォーミング結界のせいで醜いですが、見張りはもちろん警備用自動追尾型魔道タレットに見つかって蜂の巣です。」
「え!」
シロムはわかってはいたが街に入ろうとするだけで蜂の巣にされる事実に困惑している。
「だから、鉱石採取をする工夫さん達に紛れ込んで鉱山門を通ります。」
「でも、そんな簡単に行くのか?警備レベルがたけーて話してたろ?」
「それが、ひとつだけ方法があります。シロムくんさへ入れば…」
「は?」
二人はまず街の外にある鉱山、ニヒツ達の元いた場所の反対側まで向かう。
「よし、ここが鉱山の真上ですね。シロムくんお願いします。」
「へ〜い、黒星砂の怪物・黒飛怪」
シロムは、一般的なサイズの黒い鳥類系怪物に変身し、その小さな体で、したにある鉱山まで飛んでいった。
「あ〜疲れたな〜。」
「今日も大量大量〜。」
シロムは、外にあった運搬用の空の一輪車を黒星砂でいっぱいにした。
「ん?」
「どうした?」
「こんなところに鉱石置いてたっけ。」
(あっヤバいかも…)
「あるんだからあんだろ、運んどけよ。」
「なんで、おらが…」
「見つけたのはテメェだろ。気づいた奴が責任持ってやる。常識だろ。」
「えっえ〜しかたねぇ〜か」
小太りの茶髪の赤メッシュリーゼント男がシロムが隠れた一輪車を運ぶ。
検問の前に立つ男達
「え〜と、工夫番号089今日ノルマ完了しました〜。」
「それじゃ、腕章をかざして。」
「うい〜す。」
(ピ!)
「え〜と…」
(よしよし、そろそろだな)
検問が近づくとシロムは
「黒星砂の使い(ネーロ・キウンクエ)」
を使い、自身とひと回り小さいロックを2羽出し出し外に放った。
「ロック?」
「おい、次の者速くこい。」
「おっとすいやせん。」
その頃、帝都を囲む草ひとつ生えない山の上にいるニヒツは…
(「ニヒツー!」)
「え!シロムくん。なぜ、心通を」
(「いやいや、オークとこで話してたろ。難しいことはよくわかんねーけど、なんとなく"真似"してみた。俺ちゃん"真似"っこなら誰にも負けねーからな。」)
「へ〜凄いですね〜」
(「ニッシシ、だろ〜。」)
(本当に凄い、教えた訳でもないのに、話を聞いただけで真似するなんて…」)
ニヒツは一人驚いていた。
(「あっそうだいけねいけね大事だなこと忘れてた。ロックはそっちに向かわせた。ニヒツに渡した黒星砂のビン開けとけ、それをやればデカくなってニヒツを運んでくれる。」)
「わかりました、気おつけて。」
(「おう!じゃそろそろ検問だから切るぞ〜。」)
シロムは心通切った。視点はシロムへ
「はい!102番ノルマ達成しました。」
「では、腕章をかざして。」
(もう一人のロックを…検問機に、えい!)
(ビリビリ…)
「ん…」
検問官は、シロムの黒星砂の磁力で壊れた。機械を睨みつけた。
(ピピ)
「入ってよし」
「はい…」
(よっしゃー!)
「ふっ…」
検問官は、不適な笑みを浮かべた。
その時ニヒツは、黒い翼をはやし、降りて来ていた。
(本当に凄いな、シロムくんの黒星術。こんなに遠距離から、エンチャントも使わず同時に遠隔操作。これが黒星術。)
ニヒツは黒星砂を体に纏い、真っ黒になった状態で検問から少し離れた。日陰に潜む。
(ス〜ドン!)
ニヒツに纏われた黒星砂が移動し
「うわぁ!うっどん」
検問官を気絶させた。
(よし!)
(タッタッタ)
ニヒツは故障した検問機と、気絶させた検問官を横目に侵入する。
「すみません」
シロムの視点へ
(「シロムくん潜入完了しました。」)
(うし!)
(ササ〜)
「ん?おい!貴様その一輪車はなんだ。」
「え?(ギロ)…えー!」
シロムが砂となって逃げたことで、運搬用の一輪車が空になり。鉱石の採取量を見る係の男に怒られた。
「…」
(ス〜…)
「おす!ニヒツ。」
「シロムくん、砂にも変身できるんですね。」
「おうよ!俺ちゃんスゲッ」
「でも、潜入なのでお静かに(小声)。」
「おっおう。」
ニヒツはシロムの能力もあり、潜入に成功した。
(…)
「ニヒツ、べシルの姉ちゃん教えてもらったからって"暗走"使って足音消さなくても。街中なんだしよ〜。」
「あっすみません。教えていただいてから足音を消すのが癖になっていて。」
ニヒツ達は、シロムの黒星砂で作った黒のフード付き髑髏パーカーを着込み、潜入していた。
「でっこっからは」
「ここから地下街に向かいます。」
「地下街?」
「あそこの地下鉄の入り口に…」
ニヒツ達は地下鉄に入る。
「お〜ここにある鉄の塊はなんだ?初めて見たぜー!」
シロムは目を輝かせて見ている。
「ここは鉄道、そこにある鉄の塊ってシロムくんがよんだものを魔道馬って言うんですよ。鉄道の上だけを走るから道の名が当てられている。」
「やっぱ街はスゲな〜」
(風の属性は、好奇心が旺盛…か)
ニヒツはシロムの魔法の性格表まんまの表情、その裏表の内わかりやすい性格に…少し憧れていた。
"君の瞳は光を見過ぎている。英雄と言う…光を…この世界は光よりもずっと闇の方が多いことを知らず、心の底にある自身の闇とも向き合得ていない。今のままの君では、いつまでたっても…三流のままだ。"
いまだ無属性のままの自分に足りないものを…感じていた。
「な〜ニヒツ、魔道馬のことはわかったけど、こんなところに街があんのか?てか街のしたに街ってなんだよ。」
「ここです。」
「ここ?非常階段?」
ニヒツはその下を潜っていく、明かりひとつない暗闇を手すりを頼りに進んだ。
「な〜こんなところに何があんだよ。俺ちゃんは、全然問題ねーけど。」
説明しよう、シロムは羊目と猫目を切り替えられるのだ。理由は謎。
「この先です…見えてきましたよ。」
暗闇の先に、ピンク色の灯りが…
「な〜ここって…」
「風俗街です。」
「ハスキーから聞いたけどよ〜…お前らこんなんばっかだな。」
シロムは少し呆れていた。
「よってらしゃい!みてらっしゃい!」
「な〜ニヒツ、風俗街の割には、出店見てーのもあんだな。」
「まぁ〜この国は、効率的で簡素な建造物が多いですからね。こう言う賑やかな事は、こう言うとこでしか出来ないんです。街はかなり規則が厳しいですし。」
「確かに…(グチャ)うっわ〜上にはゴミひとつなかったもんな。(ガリガリ)ここは、吐き捨てたチューインガムまで町中に転がり落ちってけど。」
シロムは、靴についたガムを近くの枝で取ろうとしながらそう行った。
「でも、僕はここ好きです。」
「「うぉー!やれやれー!」」
「あれは?」
「ゴーレムファイトです。」
「ゴーレムファイトってのか〜…楽しそうだな〜。」
そこに広がるは、戦後廃棄された戦後用ゴーレムが戦い合う姿。
(ゴロゴロゴロゴロ…)
右の機体は、車輪がキャタピラになっている。大きな半自動式魔道拳銃のような見た目のタレットを積んだ機体。
(ダッダッダ)
対するは、蜘蛛のような足と、二足歩行用の無人用パドルゴーレム(総合戦闘型自動魔道兵)と呼ばれる。ザ・ロボットと言う感じの機体を雑に合わせた様な姿のゴーレム。
(ゴロゴロゴロゴロ)
(キュィーンバン!)
蜘蛛足のゴーレムが飛び上がり、腕を後ろに引く。
(ダダダダダダダダダン!)
空中に行った隙を見て、拳銃ゴーレムが攻撃。
(キン…キンバン!)
蜘蛛足ゴーレムご弾幕をくらい機体から煙が
(グルン!フュー…キン!)
蜘蛛足もすかさず連結部分にある、機械を使い360度回転できる様で、しかもそこにあるモーターにより、自動で自分の胴体を回し、腕をゴムのように伸ばして横から殴りつけた。
(バーン!)
「「フュー!」」
勝ったのは蜘蛛だった。
「スッゲーな〜あんなデケェのが戦うのか…負けた方は黒に青のラインが入ってて、勝った方は、紫のキラキラボディーにオレンジの蜘蛛マークどっちもイカしててカッコいいー!」
シロムは、強化ガラスごしに、闘技場の戦いを上から見よろしていた。
「あれ、違法なので、やっちゃダメですよ。」
「え?なんで騎士団取り締まらねーのよ。」
シロムは驚きつつ、再度ニヒツの後ろで目的地まで歩き始める。
「取り締まってますよ。もーなんかんいも、平和協定内には、"いかなる戦闘用ゴーレムの使用を禁ずる"とあります。魔道銃や人が使う武器などは、現在市販で売られているものなら問題ありませんが、戦闘用ゴーレムは全て廃棄しなければなりませんから。あれは、廃棄されたゴーレムの部品をなんらかのルートで違法に手に入れ、組み立てて、色を塗ったものでいつ暴発するかわからない危険物です。それでもどこからとも無く調達してきて何度も何度も…」
「だったらあの闘技場閉鎖すれば?」
「それが、あそこには世界規模のマフィア組織が絡んでいるらしくて、国家側も下手に手出し出来ないんです。」
「そ〜言うもんかね〜。」
「まぁ〜これも、鎖国を続け、規則で人々を縛り付ける帝国のやり方が生んでしまった状況。」
「鎖国って平和協定は結んでだろ?繋がってんじゃん。」
「いえ、今の帝都はほぼ鎖国国家ですよ。国に入る検問は、他四国の重役ですら入るためにはかなりの手続きとそのための予約をして、数ヶ月後にやっと帝都に入れるレベル。秘密主義なのは昔からのこの国の風習ですが、採取した宝石を輸出するさいや、他国から食糧品などを輸入する際もこちらに呼ぶことは決してなく、騎士団長の護衛を付けて、帝都での最高国家資格を持ちかつ、帝都城内での信頼の高い専属の運搬人の一団以外届けたり受け取ることは許されていない…ここまで他国との情報、交易その他全てに置いて最小限に押さえこちらからも情報を与えない徹底した姿勢は実質的な鎖国国家と変わらない…と」
(ジ〜)
「そうかそうかうんうん。」
「すみません、また喋り過ぎましたね。」
そうこうしているうちに、
「(ダン!)痛て、いきなり止まんなよニヒツ〜」
「ここです。」
「ここ?」
「帝国十一聖宝三騎士団・黒塵の暗黒団拠点。」
ニヒツの目の前にある騎士団の拠点は、全体的黒の大理石で出来た外観と、入り口の場所は少し窪んでいる。
「なんで、ここに?」
「ここには…答えがあると思うから…」
ニヒツは意味深な言葉を呟き黒の扉を
(キィ〜バタン)
開けた
「おーいだれかいるかー!(グチャ)」
シロムの顔に謎の液体が…
「どうしたんですかシロムくん、今灯りを…」
(パチン!)
ニヒツは明かりのスイッチを押した…すると
「え?…」
そこに…更なる絶望が待っていとも…知らず…
「…」
そこに広がるは、何者かに切られ…バラバラになった…黒塵団のメンバーの…死体
「なんだよこれ…でも、おかしくねーか?だって俺ちゃんがこの誰かの腕を踏むまで血の匂い一つしなかった…ニヒツ?おい!しかっりしろー!」
ニヒツは周囲を見渡したあと、赤髪のツンツン頭の死体に視線をやり…静止していた。
「なんで…なんで…」
ニヒツは…この時初めて心の底からその事実を認めた。なぜなら…シロムが踏んだ腕以外の全ての死体の切られた部分が…黒い塵…なっているから…
"「バーミリオン・シンナバー…俺はテメェを認めねぇー…」"
おまけ fooisNG #2
これは、帝都潜入中、シロムが黒星砂で服を作り手渡した時のこと。
「ねぇ〜シロムくん。」
「あ?どうした」
「なんで髑髏なのかな…」
ニヒツは少し引き攣った顔で言った。
「あ〜俺ちゃん産まれてこの方黒星服しか来たことねーからよ。服とかよくわかんねぇーんだ。それでな、外からきたあいつのファッションセンスを真似したってわけさ。」
「外から来たあいつ?」
その頃村のテントで寝ていたハスキーは…
「ヘックシュン!うぅ〜くしゃみまで出て来た。全然眠れないしやっぱ風邪かな〜。」
ハスキーは自身の風邪を疑っていた。




