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頂を目指す者の奇譚  作者: 葉一
冒険者編
6/7

第1章 冒険者編 6. 討伐戦

「推奨等級以上の依頼を受けることって出来ますか?」


 バイドグールを狩りに行きたいので聞いてみる。


「えーと、青等級推奨以上の依頼ということですか?(普通推奨等級以上の依頼を受けようとすることは無いんですけど・・・)あ、一応可能ですよ。」

「?依頼板の依頼は常時依頼なんですか?」

「護衛など準備が必要なもの以外はほとんど常時依頼ですね。討伐系は、証明部位さえあれば、依頼達成としてカウントされます。今いる等級の依頼を10回連続達成で昇格です。橙からは試験がありますよ」

「なるほど、ありがとうございます」


 10回達成なら、もっと赤等級の依頼をこなした方がいいのか、と宿への道で考える。でも、とりあえず明日はバイトグールを狩りに行こう。知らない相手と戦うのはわくわくするなあ、と一人高ぶっている。


「いらっしゃい!」

「あ、こんばんは。えーと・・・」

「ラルフだよ」

「ラルフさん、今軽くご飯食べれますか?」

「今なら大丈夫だよ」


 というわけで、一人軽い夕ご飯を食べいているが、幸食処ということだけあって、どれも中々美味しい。当たりだったかもしれない。満足して部屋に入って明日の準備をすると、すぐに眠くなってしまった。今日はこの街にきて女の子の薬草摘みを手伝って、サンドンをみてもらって、食べ歩きして、宿に戻って、色々あった1日だった・・・。


 目が覚めると、まだ少し早いくらいの朝だった。

 下に降りると、ラルフさんがバリバリ働いていた。この人達はいつ寝ているんだろう。


「おはようございます、ラルフさん」

「おはよう。おお、昨日の子か。早いね」

「まあ、今日は少しやることがあるので・・・」

「そうかい!じゃあ頑張るんだよ」


 軽い朝ごはんをとったので、早速行くことにする。楽しみだなあ。

 森までも森に入っても歩きなので、何か乗れる獣を探した方がいいかもしれない。野生の獣も乗れるのだろうか。道中サンドンが出てくるが、大量には持って帰れないので、無視する。あるきはじめて30分くらい経つと、サンドンではなくよく分からない鳥が現れたが、強さはサンドンに毛が生えた程度で、たいしたことなかった。これはもっの奥まで行くのだろうか・・・。

 そのまま1時間程歩くと、前で戦闘音が響いてるのに気づいた。すぐさま神経を尖らせて、周りに警戒しながら小走りで進む。どうやら、パーティが戦闘しているようだ。こちらは剣が2人、槍が1人、術使いが2人で相手は3m程の人型の魔獣で、全身が黒っぽく、手には大きな棍棒のようなものを持って振り回しているようだ。見た所若干こちらが劣勢で、後手に回っているみたいだ。すぐさま出ようかとも思ったが、パーティの連携を突然崩すのも危険なので、少し見守ることにする。


「ハアァァッッ!!」


 剣士が切りかかるが、がスっという硬質とも軟質ともとれない音が響く。あまり効いていないようだ。


「『連火吊(れんかづり)』」


 後衛の術士が火の低級術で攻撃するが、怯ませるくらいで、中々チャンスまで続かない。剣士も槍士も攻撃が中々効かず、苛立ってきたようで、間合いの取り方も甘くなってきたし、連携もまだ保っているが、そう持たないだろう。


「ぐあっ!」


 剣士が不用意に向かって、棍棒が軽く当たったことで、体制が崩れたようだ。棍棒はなかなかの威力らしい。その剣士を庇うようにして、陣形が崩れ始めた。これはまずいかもしれない。後衛まで詰められたら全滅も有り得る。


「『雷駆(らいく)』」


 青電を使う訳にはいかないので、紫電の雷駆で魔獣と距離を詰める。体に一瞬手をつけて、


「『雷発勁(らいはっけい)』」


 雷での直接攻撃を体に通し、すぐさま距離を取って繋雷で追い打ちをかける。棍棒を持つ手を狙って、棍棒も弾き飛ばす。これで相手の武器はなくなった。発勁を喰らわせた左肩は動きづらそうにしており、ダメージは通ったみたいだ。今まで戦ってたパーティは、何が起こったか分からないという風に僕を見ている。幸い、この魔獣の注意は完全に僕に向いているみたいだ。まだまだこれからだ。

 また雷駆で近づいて、体に触れる。向こうも2回目ともなると反応してくるが、狙ったのは右肩付近で、左腕で反撃しようとしてくる。それをギリギリでよけ、ガラガラになった背中に、後ろから雷発勁を叩き込む、すぐさま前に繋雷を張り、肩に乗って顔に回し蹴りをお見舞する。そこでよろめいて、頭が下がったところに雷発勁を打ち込む。今までのダメージもあって、そのまま魔獣は前に倒れ込んだ。

 ふう。久しぶりの戦いで、雷発勁も連打してしまったし、回し蹴りした足も痛い。少し無理してしまったかもしれない。すぐに、あそこをこうしてれば良かった、という反省が頭を巡る。


「あの、ありがとうございました」

「ああ、怪我はないですか・・・って、ラインさんじゃないですか!」


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