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頂を目指す者の奇譚  作者: 葉一
冒険者編
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第1章 冒険者編 5. 探索

 引き取り屋の扉を開けると、こじんまりした部屋に受付と少し机などがある。奥の方に大きなスペースをとるためだろう。受付には初老の男性が立っており、机には少しシーカーと思わしき人が座っている。


「こんにちは。サンドンの引取りをお願いします」

「こんにちは。物はこちらにどうぞ」


 受付のすぐ隣に少し大きいスペースがあり、そこにサンドンを置く。


「おお、体にほとんど傷がついていませんね。最近来られた方ですか?良い品を持ってくる人では見覚えのない方ですが」

「今日来ました」

「なんと!いやはや、ありがたいものです。状態もよく、初めての査定ということで、1万ケルンでいかがですかな」

「よくわからないので、それで大丈夫です」


 1万ケルンもあれば、そこそこ準備ができるはずだ。


「はい、ではこちらへ」


 会計を済ませて、建物を後にする。


「これからもぜひご贔屓に」


 他に引き取り屋はあるのだろうか。まあそれもおいおい探していこう。とりあえず受付嬢に言われた通りに幸食処に向かう。大通りと平行に2本通りを入って、見回すと、小高い建物で直ぐに見えた。先に部屋を取ってしまおう。

 幸食処に入ると、なるほど、食事を取るところは凝っているものだが、他は淡白だった。食事第一な宿らしい。大変結構だ。


「いらっしゃい。部屋を取るのかい?」


 まだ40過ぎ程のおばさんに声をかけられた。髪も結っていて、なんだか仕事ができる感じがする人だ。


「はい、1人部屋って今空いてますか?」

「うーん、1人部屋はもう埋まっちゃったな。2人部屋なら空いてるよ。少し高くなっちゃうけど」

「2人部屋で大丈夫です。とりあえず2泊でお願いします。」


 2人部屋でも大丈夫だろう。何があるか分からないので2泊にする。もっといるなら伸ばせば良い。


「はいよ。2泊で食事付きで6000ケルンだよ」

「どうも」


 会計を済ませて、部屋に荷物を置きに行く。といっても、置く荷物など少しの着替えくらいなものだが。

 そのまま街に繰り出して、今日は狩らないで探索することにする。受付のおばさんに聞こうかとも思ったが、事前情報なしで探索するのも面白いだろう。


 ナイフなど、武器系は師匠に貰ったものがあるので大丈夫だ。雷だけでなく、剣術体術弓術は一通り教えこまれているので、最悪武器で戦うことも出来る。もう15時過ぎ程になり、昼ごはんを食べてなかったことを思い出すと、急にお腹がすき始めたので、大通りに戻って軽く食べ歩きをすることにする。

 大通りは平日の昼過ぎであるというのに、人は依然として多くいた。でも、この雰囲気は嫌いじゃない。屋台もあり、並んでいる屋台もガラガラの屋台もある。並んでいる屋台の方が美味しいのかもしれないが、せっかく街に来たのだし、早く食べたいので、空いている屋台に向かってみる。


「いらっしゃい!焼き鳥だよ!1本50ケルン!」


 店ではずっと焼いており、回転率が良すぎて並ばないのかもしれない。とりあえず全部の味で1本ずつ買って、横で食べる。もぐもぐ、もぐもぐ、う~ん、もぐもぐ、お!この辛いタレの焼き鳥は美味しいぞ。もぐもぐ、なるほど。ごちそうさまでした。どれもそこそこ美味しかったが、辛いタレのやつがずば抜けて美味しかった。うんうん、こういう発見があるというのはいいものだ。


 その後も色々な屋台を回り、好みのものを抑えておく。色んな種類を全部食べていたら、小腹どころか、普通にお腹いっぱいになってしまった。まだ夜までは時間があるので、明日朝から森に行けるよう、依頼を見に行く。サンドン程度では全く面白くないので、少し強いやつと戦いたくなってしまった。何か良い依頼はないだろうか。


 ギルドに着くと、冒険帰りのシーカーが集まり始めていた。依頼板を見渡していると、橙等級推奨の依頼に、森の最深部にいる、バイトグールの討伐があった。バイトグールが何かはよく分からないが、奥には強い獣?モンスター?がいるらしい。これは明日が楽しみになってきた。



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