第1章 冒険者編 7. 昇格
なんと、助けた一団はラインさんのパーティであった。
「ああ、君は確か・・カイトくんといったか。本当に助かったよ。ありがとう」
「いえいえ、でもどうしてこんな所にいたんですか?」
「それがね・・」
どうやら、ラインさんのパーティのメンバーの1人が、サンドンレベルの魔獣を余裕で倒せるようになって、少し奥の方まで進んできたみたら途中道を間違えて、ばったりこのバイトグールと出会ってしまったらしい。要は、弱い相手に勝てるようになって図に乗っしまったということだ。
「今のバイトグールだったんですか!?丁度こなそうと思ってた依頼で良かったです」
「にしても、カイトくんはこの前シーカー登録したばっかだったよね?このバイトグールは橙等級のパーティ推奨なはずだけど・・・」
「ああ、まあ、それは色々ありまして・・」
「シーカーには話せないこともあるよね、助けてもらったのに詮索するような事してごめん」
「はは、助かります」
まあ、特に何か隠すようなこともないのだが。それは置いといて、何か討伐を証明するものが欲しい。素材とかは高く売れるのだろうか。
「ラインさん、このバイトグールの討伐証明依頼はどうすればいいですかね?」
「うーん、あまり特徴がないからねえ。手の一部と、この棍棒なんてどうだい。証明した後も色々使えるかもしれない」
「なるほど、武器ですか」
武器を手に取って見てみると、なるほど確かに少し強化がかかっているようだ。売ったり、軽く加工したり、使い道はありそうだ。
「じゃあ、棍棒と手だけ頂きます、後はどうぞ。一緒の討伐証明で大丈夫ですよ」
「いやいや!そんなこと出来ないよ!俺たちはなんもしてないから・・・」
「いや、最初に削ってくれたじゃないですか、それに、1人では持てないので全然大丈夫ですよ」
「まあ、そういうことなら素材は少し頂こうかな。討伐は僕たちの方からもカイトくんが1人で討伐したことを強調して伝えておくよ」
「はあ。まあ1人の討伐でも大丈夫ですけど・・・」
最初に影から様子を見てたから、罪悪感が残る。こういうことは、等級の高い人が負う方が丸く収まりそうなものだが。
僕たちは来た道を迷わずに引き返して、もう昼過ぎも超えているあたりだが、ギルドに戻ってきた。受付嬢の方に討伐証明の品を持っていく。
「ご要件はなんでしょうか」
「討伐依頼の完了の報告です」
「はい、ではこちらに討伐証明部位をお願いします」
台に棍棒と手を出した瞬間
「え、これバイトグールじゃないですか!?!?」
と言ってすぐ受付嬢は手で口を押さえる。冒険者が皆こちらを見ている。さすがに声が大きすぎだろう。これは完全に目をつけられてしまった。
「大変失礼致しました。バイトグールの討伐依頼完了を認めます。報酬金は・・これだけとなります。あと、ギルドカードを出してください。えーと・・・はい、青等級に昇格です。おめでとうございます。」
「えっ?等級は連続して依頼をこなさないと昇格しないんじゃ・・・」
「バイトグールを討伐する人が赤でも緑でもあるはずがありません。橙でもいいくらいです。」
「(見たか、あいつ赤から飛んで青になりやがったぞ。)」
「(ああ。橙等級にくっついて部位だけ持ってきたんだろどうせ)」
「(まだ若い顔なのにやってることは下衆だな)」
「あのー、でもそのギルド長の許可とかは・・・」
「何言ってるんですか?ああ、まだ言ってませんでしたね。私の名前はルナ、ダートの街のシーカーギルドのギルドマスターです。カイトさん、改めてよろしくお願いします」
「「「「えっ??」」」」
どうやら、みんな知らなかったようだ。そんな、受付嬢がギルドマスターだと誰も思わないだろう。でも、これでギルドマスター直々に青等級となった。これは手間が省けて嬉しい。
「これからは、青等級の冒険者として、頑張ってください。でも、この調子だとすぐ黄色になりそうですね」
「そんなすぐには、なりませんよ。とりあえず、ありがとうございました」
「(おいおい、聞いたか、あの受付嬢ギルドマスターなんだってよ)」
「(びっくりだわー、にしても、あのシーカーはなんなんだ?)」
「(ここはいっちょ、シーカーがどういうもんかっちゅうのを教えたりますか)」
「(へへ、そうだな)」
「おい!そこの坊主!」




