ハイパーブレイク
まさか感想くれる人が居るとは思わなかったな……っていうかポイント入ってるとも思わなかったな……いやそもそも誰かが読んでるとも思わなかったな……
気が付いたら、俺は道の真ん中に居た。
静かに立ち上がり、周囲を見る。
道の両側に森があり、道幅は割と広い。
日本基準だと人通りの多い県道クラスだな。
ただ……
「な、何だお前は!?」
「グルルル……」
……まずお前等が何なんだよ。
片や、馬車を守るように陣取る冒険者っぽい連中。
武器や服装を見るに、中世風ファンタジーって感じか?
そして……片や、デカイ赤いカマキリ。
どうやら俺は、コイツ等のにらみ合いの真ん中に転移したらしい。
もうちょい場所考えろよクソ女神!
「……」
俺は黙って端に避ける。
……何でコイツ等俺を見てるんだ?
「……何?」
「え?いや……」
大剣を持ったベテランみたいなヤツがそう言うと、何となく居たたまれない空気みたいな物が流れる。
「いやいや、俺邪魔だろ?だから避けたんだけど」
「そ、そうか……」
弓のチャラ男が言う。
……心なしかカマキリもバツが悪そうにしている。
虫のくせに空気読むのか……
「……何?戦わないの?」
「えっと……」
「……戦うか」
「ですね……」
俺の言葉を受けて、両者がにらみ合いを再開する。
それじゃあ、俺はじっくりステータスでも見るとするか。
「やあっ!」
ガキン!
「オラァッ!」
ガツン!
「行けぇっ!」
キン!
「キシャァァァーッ!!!」
ブワッ!
「くっ、なかなかやるな……」
「デカイくせに速い!?」
「キシャァァァーッ!!!」
……プチン!
「さっきからウルセェェェェェェーッ!!!」
ガコン!
「グアッ!?」
「なっ!?」
「マンティスの甲羅が凹んだ!?」
俺の投げた石で胸の辺りがひしゃげて体液が少し出ている。
「よぉ〜し、平等を期するためにテメェ等にも投げてやる!」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
「うわ!バカよせ止めろ!」
「きゃぁぁぁっ!?」
「当たったらどうすんだ!」
……ふう、スッキリした!
「何すんだコラ!」
「まずよぉ、お前等何で揉めてるんだ?」
「揉めてるってお前……見て判るだろ!」
「判らんね。俺はこの世界に来たばっかで何も判ってない状態なんだ……まずはお前から話を聞こう。オイ、何で揉めてるんだ?」
「いやそれただの魔物だから!」
「いや判らんぞ?こういう知的生命体かもしれない」
「ねぇよ!」
「じゃあ私達はどうなるんですか!」
「そういう魔物かもしれない」
「ヒドイ!」
何かメンドクサくなってきた……
「……両方潰すか」
「怖いわ!」
ベテランレッドがさっきからうるさいなぁ、と思っていると……
「キシャァァァーッ!!!」
鎌が振り下ろされる。
「あ、危ない!?」
ガキン!
左腕に装備された丸盾で受け止めると、カマキリが一瞬たじろぐ。
「さて、それじゃあ……」
「ギェ!?」
「スキルの実験台になってもらうぞ」
カマキリの顔に焦りの色が浮かぶ。
「はぁぁぁぁっ……」
俺は左腕と丸盾に意識を集中させる。
身体の内側から溢れる力の奔流をそこに持って行くイメージで……
「グギッ!?」
守りの体勢に入ってももう遅い!
「……《ハイパーブレイク》!!!」
グシャッ!
「アイツ……盾でブン殴った……」
弓のチャラ男が目を見開く。
そして、鎌がへし折れて頭の潰れたカマキリは力無くその場に崩れる。
「……お前等、何してる!唖然としてないで周囲の警戒と剥ぎ取りだろ!」
「「「わ、判った!」」」
3人の冒険者は互いに目配せをすると、それぞれの作業を始める。
ハイパーブレイク
→盾や素手による打撃技の総称でライダーパンチやライダーキックみたいなのだと思ってください




