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願いを勝ち取る少年達  作者: HAKU


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89/90

第80話 盾と剣(前編)

 前回のあらすじ

 リーブラの能力、『平等なる天秤』は彼が思う平等を実現する能力だった。さらに、彼にとっての平等は、『自分が話をしているのを邪魔した奴は、殺してでも、そいつの話を邪魔をする。』等、あまりにも自分勝手なものだった。

 オリオンは、首が取れた騎士の姿を見て絶句する。


「攻撃を1度でも外せば死か…。いや、なんなら1撃で殺さなければ、あいつの『狂った平等』によって、死んでしまうかもしれない…。」


 リーブラが、騎士達の方を向いて再び口を開ける。


「分かった?僕はどちらかというと話し合いで解決したいんだよ。俺はこう見えても平和主義者でなぁ、無駄な犠牲は出したくねぇんだ。分かったらとっとと、お前らの『流星(りゅうせい)』をよこせ。」


 彼の言葉に、1人の騎士が声を荒げる。


「ふざけるな!誰がお前ら悪党に渡すか!!」


 騎士の言葉で、リーブラは舌打ちをする。


「私が対話を希望したのに、それを拒否するのですね。僕にとって、『流星(りゅうせい)』は、願いをかなえるとっても大事なモノなのに。俺の生を懇願する権利を奪ったな!私の幸せになる義務を阻害した!僕の生きたいって思う自由を取った!お前も生きたいって考えてるくせに、俺のそれは否定する!その傲慢強欲、その大罪!その身で償え!!」


 彼が腕を振ると、騎士の首が飛ぶ。

 それを見て、ベラトリクスは苦笑する。


「はっ!攻撃しなくても、こっちを殺す気満々じゃねぇかよ。」


 そして、真剣な表情で、近くの仲間にだけ聞こえるよう小声で話す。


「ケフェウス。アンドロメダ。あいつに一瞬でいいから隙を作ってくれ。その隙にアタシが奴の首を取る。」


 その言葉に、2人は驚く。


「はぁ!? 何言ってるんですか!!」


 ケフェウスのその叫びに、アンドロメダも続く。


「そうですよ!! もし、彼を仕留めきれなかったら、貴方が死ぬことになりますよ!」


 しかし、ベラトリクスは2人の顔も見ず、ただリーブラの顔だけを見て答える。


「いや、なんなら、仕留めきったとしても死ぬかもしれねぇ。ヴァルガリアとかいうやつは、死んだとしても能力で、『ポリマー』を壊滅させた。

 彼の能力も死んだ後も有効なら、『命を奪った』事で、同じく殺される可能性はある。だが───」


 ベラトリクスは魔力切れで、重荷になっていた靴を脱ぐ。


「アタシはそれでも、タビト(やつ)の仇を打ちてぇんだ!」


 彼女は持っている剣を強く握りしめる。


「タビトは、アタシと同じ日に騎士になってよ。あのバカ真面目さには嫌気がさしてたぜ。新人のころから、やれ同期が死んだだの、やれ先輩が死んだだの。騎士って仕事をしてればそんなことはよくあるだろうがよ。だが、奴は仲間が死んだ現実を全部、バカ真面目に背負ってきた。

 それであいつは、皆を守れる『盾』となるべく重装歩兵になった。でも、『盾』だけじゃあ、敵を倒せねぇ。現状維持だけじゃあ、仲間を完全には守れねぇ。だから、不器用なあいつの為に、アタシは『剣』になる道を選んだ。」


 そして、彼女はリーブラを睨みつける。


「『盾』と『剣』は共にあってこそだ!タビト()が砕けた今、あいつを斬り殺して、砕けるならアタシ()は本望!!」

 次回予告

 タビトの仇を取るため、3人はリーブラを騙す作戦を立てる。その作戦で、彼に一矢報いることはできるのか?


 次回 第80話 盾と剣(後編)

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