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願いを勝ち取る少年達  作者: HAKU


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第80話 盾と剣(後編)

 前回のあらすじ

 ベラトリクスは、ケフェウスとアンドロメダに、自分の過去を明かす。仲間の為に『盾』となったタビトの為に『剣』となった彼女は、死んだタビトの仇を取るため、捨て身の作戦に出るのだった。

「『盾』と『剣』は共にあってこそだ!タビト()が砕けた今、あいつを斬り殺して、砕けるならアタシ()は本望!!」


 その叫びを聞き、ケフェウスとアンドロメダはお互いの顔を見て頷いた。


「分かりましたよ。俺だって、タビトさんの仇を打ちたい。」


「私達も協力します。」


 2人の返事を聞いて、ベラトリクスは「ありがとう。」と笑みを返した。

 彼女の笑顔を見ると、ケフェウスとアンドロメダは再びお互いの顔を見合わせて、相談する。

 どうすればリーブラに隙を作れるか。

 下手に攻撃すれば、殺されかねない。それでは隙を晒す時間はあまりに短いし、正直殺されるのは怖い。

 そこで、2人はとある提案をした。そしてそれを実行すべく、ケフェウスは近くの石をいつも持ち歩いている小さな革袋に詰める。

 その間に、アンドロメダが両手を挙げて、「降参!」と叫んだ。

 リーブラはそれを聞いて、「あ?」と彼女に顔を向ける。


「降参です。貴方にはどうやっても勝てそうにありません。『流星(りゅうせい)』は貴方にあげますから、どうか許してください。」


 アンドロメダの言葉を聞いた、オリオンは「突然、何を言うんだ!」と驚くが、次の光景で彼は納得をする。


「ほら!ケフェウス、()を彼に。」


 アンドロメダがそう言うと、ケフェウスは「ああ、降参だ。」と言って、袋を投げて手を挙げる。


「その言い方にあまり、良い気はしないんですけれどね。私が貴方達を脅して強奪している気分になります。僕はこれでも、平和的に問題を解決したかったんだけれど。まぁ、君たちがそれをくれるって言うなら、貰ってあげるよ。」


 リーブラは自分の目の前に来た袋を取り、中身を確認する。


「はぁ!! なんだこれ!形がバラバラすぎる!合わさるわけがない!偽物か!」


 そう驚いている隙に、リーブラの背後に回り、彼の首を斬り落とすベラトリクス。


「残念だな。本当の『流星(りゅうせい)』は、『シェダル』に置いて来てるよ。バーカ。」


 静かに、呟かれたその言葉が、『彼』の最期に聞いた言葉になった。


「やったのか!?」


 オリオンがそう呟き、騎士全員が息をのむ。

 しばらくの静寂は、騎士達に悲劇が終わったと感じさせた。


「ふうぅ。」


 その場で膝から崩れるベラトリクス。


「タビト。お前の仇は、取った───」


「ケフェウス!アンドロメダ!よくやった!! 『流星(りゅうせい)』を渡すと言って隙を作るとは、素晴らしい。」


 オリオンがそう言って、2人を誉めると、今度は膝立ちのままで固まるベラトリクスの元へと走った。


「お前も、さすがの速さだ!」


 しかし、彼女からの返事はない。


「いや、今はタビトの事で、それどころではなかったな。すまなかった。」


 オリオンのその言葉に、『彼女』の口が開かれた。


「すまなかった?そんな言葉で償っているつもりか?奴らが、アタシに偽物の石を差し出したことを黙っていながら。」


 彼女の口から放たれる、意味不明な言葉に、オリオンは困惑する。

 そんな彼に向けて彼女は───


「『流星(りゅうせい)』を欲しがることを利用して、騙して殺した!そりゃあつまり、()の夢を叶える権利を軽視したってことで、とどのつまり、()の幸せになるべき義務を阻害していることになり、それはつまり、アタシの果たすべき責任を侮辱したことになる!それの償い方が謝罪だけだと?ふざけるなよ!」


 ───彼女は彼に剣を向けた。

 次回予告

 彼らは思い知ることになる。リーブラの能力の恐ろしさを。


 次回 第81話 VS天秤の座

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