第78話 スコルピオとの決戦(後編)
前回のあらすじ
アンドロメダが、ベラトリクスの元に駆け付けたが、2人は、スコルピオの猛攻に苦戦する。
助けに入ったケフェウスだったが、彼とアンドロメダは、木の下敷きになってしまった。
木は、ケフェウスに向かって落ちていき、彼を下敷きにしてしまった。
「ケフェウス!!」
アンドロメダがそう叫ぶ。
そして、ベラトリクスが彼を助けようとするが───
「くそ!魔力切れかよ!」
───靴の魔力が無くなり、あまり早く進めなかった。
ケフェウスの前に、スコルピオが立つ。
彼女は、アンドロメダの方を向いて、静かに言う。
「貴方にも味合わせてあげるわ。大切な人を失う悲しみを。」
スコルピオが、ケフェウスに近づく。
その時───
「やらせないわ!! 私は下敷きになっても、攻撃できるって忘れていませんか!!」
───アンドロメダが、魔力を込めた矢を放つ。
スコルピオはその矢を見るが、矢は彼女の横を通って行った。
「焦りが見えるわね。あんなに正確だった狙いが、嘘のように外れているわ。」
スコルピオの言葉に、意味ありげに笑みを見せるアンドロメダ。
「いいえ。狙い通りよ。」
その言葉に、「えっ!」と驚くスコルピオ。
そして、彼女は自分の背後から衣擦れの音がすることに気付く。
彼女が、「まさか!?」と振り向くと、そこにはケフェウスが立っていた。
「矢に、風の魔法をかけたの。そして、彼の上にあった木を転がして移動させたのよ。」
アンドロメダの説明に気を取られているスコルピオに向かって、ケフェウスは攻撃を仕掛ける。
「くっ!」
ケフェウスに気付いたスコルピオは、ギリギリでそれを避けるが、箱の紐に剣が当たり、箱はそれぞれ、右と左に飛んで行った。
「(スコルピオの心臓…。)」
おそらくそれが入った箱を見て、ケフェウスは悩む。
「(どちらか、片方は偽物のはず。どっちを狙う?)」
しかし、そこでケフェウスは思い出す。
「(たしか、ベラトリクスさんが言うには、箱を庇った時、彼女は右腕で庇ったらしい。つまり、奴の右腕の方向。つまり、俺から見て左側の箱が、奴の心臓か?)」
そう思った、ケフェウスは左側の箱に向かって剣を突き刺そうとする。
しかし、スコルピオが庇いに飛んで行ったのは、ケフェウスから見て右の方の箱だった。
「しま───」
ケフェウスがそれに気付いたときには、剣は左の箱を刺していた。
そして、右の箱を大事そうに抱えて、地面に倒れたスコルピオは───
「かはっ!!」
───口から血を吐き出した。
──────────
スコルピオは、意識がもうろうとする中、自分が抱えた箱の鍵を開け、中身を確認する。
「(良かった。無事なのね。)」
彼女が庇ったのは、愛しの人。サジタリウスの心臓が入った箱だった。
仮に、自分が狙われた時、心臓を守るために彼自身が自ら隠していた心臓だった。
「(彼は死んだ。それでも、その心臓が傷つくのは見たくない。)」
そう思った彼女は、その心臓を箱にしまい、一緒に連れてきていたのだ。
意識がもうろうとしているせいか、スコルピオの目には、その心臓が動いて見えた。
「(って、そんなわけないよね。)」
スコルピオは、その箱を再び抱きかかえ、心の中でつぶやく。
「(待っててね。サジタリウス。今からそっちに行くから。)」
そして、彼女は静かに息を引き取った。
次回予告
ついに、スコルピオを倒したケフェウス達だったが、そんな彼らを嘲笑うかのように、新たな刺客が現れる。
次回 79話 『平等なる天秤』




