第77話 恐ろしき毒(下)
前回のあらすじ
ベラトリクスに弱点を見抜かれたスコルピオだったが、彼女は森の中へと身を隠したのだった。
ケフェウス達がベラトリクスを追いかけていると、騎士の1人の肌に、『針』が触れ、倒れた。
その光景を見て、騎士達は辺りを警戒する。
しかし、『針』の音は周囲のあちこちから聞こえ、誰もスコルピオの居場所を特定できない。
「どこだ!どこにいるんだ!?」
オリオンが困惑しているところに、慌てた様子のアンドロメダが姿を現した。
「違います、オリオンさん!多分彼女は、ここにはいません!!」
その言葉にオリオンは、「どういうことだ?」とさらに困惑する。
アンドロメダは説明を始める。
「彼女の『針』は液体です。つまり、枝か何かにつけておけば、自然と重力で滴り落ちます。この森の至る所に『針』を仕掛け、彼女の居場所を特定させないようにしつつ、無差別の攻撃まで行っているのです。」
それを聞いて、オリオンはゴクリと喉を鳴らす。
「なるほどな。確かに、それでは追跡は難しい。ベラトリクスにも知らせなくては。」
そう言うと、オリオン達はベラトリクスを見つけるべく走り出した。
──────────
「移動なんて、してないわ。私はずっとここにいる。」
ベラトリクスの背後から、声がする。
彼女が慌てて声のする方を向くと、背後にあった木の枝からスコルピオが降りてきた。
「な!いつの間に、背後に!?」
驚きの声を上げるベラトリクスに、スコルピオが近づきながら説明を続ける。
「私のつくる『針』は液体の毒。さらに、その毒性は毒に触れた者が『人を殺した数に応じて強くなる』。木々にかけておけば、『針』は時間差で自動的に落ちる罠として機能する。」
彼女の言葉を表すように、周りの木々から、ぽたりぽたりと毒液が落ちていく。
スコルピオは続ける。
「私には、『針』の能力によって、この毒に対する耐性もある。この木々の中を毒を避けながら、私を追うことはできるかしら?」
スコルピオはそう言うと、木の枝に飛び乗り、次々別の木の枝へと移動する。
彼女が枝に乗るたび、枝がしなり、『針』が飛び散る。
ベラトリクスは、それらを避け、追いかけようと身を低くした。
どこからともなく、スコルピオの声がした。
「私を追いかけて、枝に乗るなら気を付けなさい。その金属製の靴なら、毒が染み込むことはないでしょうけれど、枝に飛び乗る際の跳ね返りで『針』が貴方の方に飛ぶかもしれないわ。」
その言葉を聞いて、飛び乗ることをやめるベラトリクス。
そんな彼女の目の前を、大きな火の玉が横切った。
「な、なんだ!今のは!?」
ベラトリクスが驚いていると───
「大丈夫ですか?ベラトリクスさん!!」
───背後から頼れる少女の声がした。
次回予告
スコルピオの『針』に対する解決策を見つけた少女。そしてついに、スコルピオを追い詰めることができる!?
次回 第78話 スコルピオとの決戦




