第77話 恐ろしき毒(中)
前回のあらすじ
ベラトリクスは、スコルピオの持っている箱を彼女の心臓であると推測する。騎士達が、追いつめられる中、彼女達はその箱を狙うのだった。
スコルピオが一瞬にしてタビトの目の前に現れる。
タビトが銃槍で身を守り、スコルピオがそれに触れる。
タビトの銃槍が壊され、絶体絶命。
その直後───
「おい!お前の相手はアタシだぜ!!」
ベラトリクスが、スコルピオに突進し、その箱を貫きにかかる。
それに気付いたスコルピオは、再び自分の右腕を犠牲にベラトリクスの攻撃を受け止める。
スコルピオが、急いで自分から距離をとるのを見て、にやりと笑うベラトリクス。
「やっぱりな!その箱には、よっぽど大事なモノが入っているらしい。2回も自分の腕を犠牲に、それを守っているのがその証拠だ。その箱の中身、お前の心臓だろ?」
スコルピオの表情は変わらなかった。しかし、図星を突かれた気配が、周囲に伝わった。
「ええ、そうよ。だから何?貴方の攻撃がどれだけ速くても、私には届かない。腕程度なら、どれだけ犠牲にしたとしても、問題ないわ。貴方は私の弱点を暴いたと思っているのでしょうけれど、弱点でもなんでもないわ。
それに、貴方達は私の本当の恐ろしさを知らないわ。」
そう言うと、スコルピオは森の中へと消えていく。
それを、ベラトリクスが「待て!!」と追いかける。
続いて、ケフェウスやオリオン等の騎士達。
しかし、アンドロメダだけは何か怪しいと考えこむ。
「森の中…。沢山の木…。隠れて死角から攻撃するつもり?いや。あの子の『本当』の力…?」
そこまで考えて、アンドロメダは思い出す。
以前、スコルピオと戦った時に聞いた言葉。
『「『針』の怖さを分かってないわね。天井に付着した毒液は、ゆっくりと時間をかけて、落下する!」』
アンドロメダは「まずい!」と思い、急いでケフェウス達を追う。
──────────
「どこに逃げやがった!! おい!どこに隠れても無駄だぞ!! お前は、アタシ達に復讐したいんだろ?なら、どっかから攻撃をしようと思ってることなんて、お見通しなんだぞ!!」
深い森の中、木々に包まれながら、辺りを警戒しつつ叫ぶベラトリクス。
その背後から、ぽたり、と『針』の落ちる音がした。
ベラトリクスが振り返り「そこだ!!」と『針』を落としたと思われる場所に飛び、その枝を一気に斬り払う
しかし、そこには誰もいなかった。
「ちっ!逃げやがったか。次は、どこに…。」
自分の右側から、『針』の落ちる音がした。
ベラトリクスがその方向を見た瞬間──
「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!」
───という、騎士の叫び声が、正面から聞こえた。
「な、なんだ!どれだけの速さで移動しているんだ?」
ベラトリクスが困惑していると、背後から声が聞こえた。
「移動なんて、してないわ。私はずっとここにいる。」
次回予告
深い森の中へと逃げ込んだスコルピオ。彼女の本当の脅威を、騎士達は知ることになる。
次回 第77話 恐ろしき毒(下)




