第77話 恐ろしき毒(上)
前回のあらすじ
騎士達がスコルピオと戦う中、ベラトリクスはスコルピオの弱点に気づく。
ベラトリクスが皆の元へと、後退し、騎士達に告げる。
「見つけたぜ。奴の弱点を!」
「弱点?なんだそれは?」
オリオンの質問に、ベラトリクスがにやりと、笑って答える。
「あいつ、前回とは違って謎の箱を持っているだろ?あの片方は多分奴の心臓だぜ。」
ベラトリクスの答えに、オリオンは「なぜそう思う?」と返した。
「あいつの右腕を見てみろ。さっき、アタシがとっさに出した剣が奴の右腕に刺さったんだ。だが、その光景があまりにも異様だった。アタシを攻撃してくる構えには見えなかった。なにかを守る形をしていたんだ。あいつの腕がなかった場合のアタシの剣が向かう先、それはあの箱だった。それを守ろうとしていたのなら、あいつの心臓があってもおかしくないだろ?」
「でも、心臓だったら、わざわざ戦場に持ってこなくても、自分の基地に隠しておくとかしておけば良かったのではないでしょうか?」
ケフェウスのその質問に、ベラトリクスがにやり顔のまま答える。
「アタシらは、奴の基地を知っているだろ?仮に、奴がアタシらを探しているときに、奴の基地に行って心臓を見つけられでもしろ。それこそ危険極まりない。『星神教』の教祖の基地でもあるんだ。アタシらが、『流星』を探しに、向かう可能性だってあるんだから。」
彼女の言葉に、オリオンが納得しつつある疑問点を問う。
「話は分かった。だがな、あいつはもう1つ箱を持っているだろう。なぜ2つも箱を持っているんだ?」
「そ、それは…、分からねぇ…。」
ベラトリクスが答えていると、突然タビトの「おい!何を相談しているか分からねぇが、早くしてくれ!!」という叫び声が響く。
ケフェウス達が、声のする方を向いてみると、彼らの目には、スコルピオの周りに10人もの騎士の死体が倒れていた。1部は首から斬り落とされており、また別の1部は毒殺されたようだ。
タビトはというと、スコルピオの猛撃に土の壁を生成して耐えていた。スコルピオの隙を狙って彼女を攻撃しようと騎士達が押し寄せるが、皆返り討ちに遭って殺されてしまっていた。
いよいよ、タビトの盾は土の壁を生成できる魔力が尽き、盾そのものも切り崩されてしまう。
その光景を見て、ベラトリクスが叫ぶ。
「分からねぇが、とりあえず今はやるしかねぇ!!」
彼女が靴の風の魔法を使って、一気にスコルピオの元へ向かう。
「狙うは奴の箱!! あいつの心臓を貫くぞ!!」
次回予告
ケフェウス達は、スコルピオの心臓を狙って攻撃を続ける。しかし、彼女は地の利までも生かして、彼らを追い詰める。
次回 第77話 恐ろしき毒(中)




