第76話 VSさそりの座(後編)
前回のあらすじ
騎士達は燃やされた街の人の恨みを晴らすべく、スコルピオは殺された愛しの人の恨みを晴らすべく戦いを始めた。
スコルピオが一瞬でタビトの目の前に現れた。
「くっ!!」
タビトが避けきれず、スコルピオの手が彼の鎧に触れる。
すると、たちまち彼の鎧は斬り裂かれ、粉々に崩れてしまう。
「こんなものを、1回でも食らったら終わりじゃないか!!」
タビトはすかさず、銃槍でスコルピオを突こうとする。しかし、彼女はすぐに距離を取り、それを避ける。
タビトが銃弾を発射するも、それも避けられ、代わりのように『針』を放たれる。
タビトはそれを、盾で生成した土の壁で防ぐ。
すると、再びスコルピオが壁に近づき、『鋏』でそれを破壊してしまう。
「くっ!盾に土の壁を張る魔法が付いているからギリギリ戦えているようなものだが。こんな事を何度もやっていれば、他の兵士なんて、盾を破壊されて終わりだ。」
タビトが苦虫を噛み潰したような顔でそう言うと、スコルピオは静かな声で返す。
「ええ。それに、魔法武器も魔石の魔力がなくなれば、魔法は使えない。『針』でけん制、守りを固めれば『鋏』で砕く。これを繰り返していれば、いずれ貴方達は死ぬわ。」
「ほう?なら───」
スコルピオの言葉を聞いて、ベラトリクスが走る。
「───先にやっちまえばいいんじゃねぇか!!」
走ってくる彼女を、『針』を用意して待ち構えるスコルピオ。
「ええ、正解。それが出来ればの話だが。」
ベラトリクスが自身の靴の魔法を使う。
「貴方は自身の魔法の速さに、貴方自身が追い付いていなかった。」
「それは、以前の話!! さすがにもう慣れたさ!!」
ベラトリクスが目にもとまらぬ速さで、近づく。
その瞬間───
「それはどうかしら!」
───スコルピオは『針』を放つ。
ベラトリクスが「うおっ!」と驚き、急いで体をひねって『針』を避けるが、その勢いで地面に体を打ち付けてしまう。
「舐めないでちょうだい。貴方が慣れたという速さは、私はすでに目で追える程度の速さなのよ。」
そう言うと、スコルピオは姿を消した。
正確に言えば、目に映ることのない速度でベラトリクスの元へと走った。
「くっ!」
ベラトリクスが、一か八か左手の小剣を突き出す。
すると───
「うっ!」
その小剣に、何かを突き刺すような感覚を走った。
ベラトリクスが突き出した小剣は、スコルピオの右腕に当たっていたのだった。
ベラトリクスは、その光景に疑問を感じた。剣が突き刺さった右腕は、何かをかばうような形をしていたからだ。
これから攻撃をしようとしている奴が、とっさにこんな行動をとるだろうか?とるとしたら、守りたい『何か』があるか、頭や心臓など、腕を犠牲にしてまで免れたい致命傷があるかのどちらかだ。
「(心臓?そういえば、奴はサジタリウスの『心を穿つ矢』だかなんだかの力で、心臓を抜かれていたな。その心臓って、元の体に戻るのか?もし、彼女の力では戻せないのだとしたら、何かにしまっているはず。だとするとあの箱は…。)」
ベラトリクスが皆の元へと、後退し、騎士達に告げる。
「見つけたぜ。奴の弱点を!」
次回予告
スコルピオの弱点を見つけた騎士達は、それを狙う隙を探す。しかし、彼女にそんな隙はそう簡単に訪れず、騎士達は無残にも斬られていく。
次回 第77話 スコルピオとの決戦




