第76話 VSさそりの座(前編)
前回のあらすじ
サングラスをかけた男、リーブラの元へと訪れたスコルピオは、彼に『流星』を渡し、『ペテルギウス聖騎士団』への復讐を決めるのだった。
「お前達、準備はできたか?」
オリオンがそう言うと、騎士の全員がうなずいた。
「それじゃあ、行くぞ!!」
オリオンのその声で、騎士達は『シェダル』を出る。街の人とのトラブルを避けるため、裏口から。
彼らが向かう先は、サジタリウスの拠点だった。
運が良ければ、スコルピオが戻っているかもしれないし、いなくても『流星』を回収できると思ったからだ。
その為、『シェダル』はヘラクレス達に任せて、彼らは拠点を目指した。
──────────
道中の森の中を歩いていると、突然後ろにいた騎士達が悲鳴を上げ倒れる。
その声を聞いて、残った騎士達は、反対側を向き警戒する。
倒れた騎士の首には青い痣が付いており、それが『スコルピオ』の仕業だと分かる。
「まさか、そっちから出迎えてくれるとはな!」
ベラトリクスが剣を構えてそう言うと、木の上からスコルピオが現れた。
彼女の首には、以前とは違い、紐のついた2つの箱を首にかけていた。
「ええ。こちらも同じ気持ちです。今から『シェダル』に行こうと思いましたが、まさか貴方達の方から来てくれるとは。
正直、感謝しています。あそこには忌まわしき『あの男』がいますからね。そいつに狙われずに済む。」
ベラトリクスがその言葉に「あの男?」と疑問符を浮かべていると、スコルピオの『針』がベラトリクスに向かって飛んでいく。
「危ない!!」
タビトが、彼女の前に出て盾を構える。盾から巨大な土の壁が生成され、『針』を受け止める。
その光景を見ながら、スコルピオは言う。
「油断なさらず。私の目的は前回と違う。サジタリウスの手伝いの為、騎士の数を減らすことではない。」
そして、スコルピオは眉間にしわを寄せて叫ぶ。
「今回の目的は、サジタリウスを殺したお前達への復讐だ!!」
スコルピオが、ものすごい勢いで土の壁に手を当てる。すると───
「なっ!」
土の壁が何かに斬られたかのように、いとも簡単に崩れてしまった。
驚くタビト。彼らに向かってスコルピオは、土の欠片を拾い上げて言う。
「気づいていなかったのかしら?私は『針』しか能力を見せていなかったのよ。」
スコルピオの手にある土の欠片が、突然スパッと2つに斬られる。
「『鋏』。それが私のもう1つの能力。触れたモノを何でも斬ることができるのよ。」
それを見て、アンドロメダは驚いた。
「なんでも!? じゃあ、もしかしてあの時!!」
彼女の言いたいことを、予想して、スコルピオは答える。
「ええ。貴方が私に1対1の戦いを挑んでいた時。私はやろうと思えばあの壁を破壊して、彼らを追いかけることもできた。」
「じゃあ、何故それをしなかったのですか!?」
アンドロメダの言葉に、スコルピオはケフェウスの方をちらっと見て答える。
「貴方が私と同じ、愛しの人を守るために必死だったから。貴方の思いに答えてあげたのよ。けれど…。」
スコルピオは自分の首にかかっている箱を見て、しばらく沈黙し、口を開く。
「私は愛しの彼を亡くした。今回はもう、貴方に同情すると思わないことね!!」
スコルピオが一瞬でタビトの目の前に現れた。
次回予告
スコルピオと騎士達の戦いが始まる。彼女は遠近両対応の能力を持ち、騎士達を追い詰める。
次回 第76話 VSさそりの座(後編)




