表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いを勝ち取る少年達  作者: HAKU


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/81

73話 サジタリウスとの決戦(下)

 前回のあらすじ

 サジタリウスは、ケフェウス達が『自分の正義』を都合よく変えていることに腹を立てた。

「ふざけんなよ!! クソガキ共が!!」


 サジタリウスがそう叫び、その勢いで、持っていた心臓を握りつぶす。

 当然、心臓の持ち主である、ヌンキは絶命する。

 騎士達は、そんなサジタリウスの豹変ぷりと、ヌンキが死んだことに驚く。


「何が、『お前らのは悪行』だ。何が、『俺たちのものとは違う』だ。テメェらよぉ。今現在、テメェらのクソみてぇな正義の為に、俺の正義を潰そうとしてること分かってんの?つうか、そんな正義すら、自分の都合のいいように、コロコロ、コロコロ変えやがってよぉ。いい加減にしろよ?

 こっちが、多少下手に出ればこれだよ。腹立たしい。」


 そういうと、彼は『心臓を穿つ矢』を何本も生成し、弓を引く。


「お前らとの話し合いは終わりだ。ここからは、絶望の始まりだ。」


 サジタリウスが、一気に矢を放つ。

 騎士達はそれを避けようとするが、逃げ遅れた騎士2名が心臓を貫かれて死ぬ。

 そして、ベラトリクスは、矢を足に食らい、死にはしないが、地面に倒れる。


「くそ!本性表したな!」


 ケフェウスは、サジタリウスの元に一気に近づくと、『姉の怒り(カストール)』を振るう。

 サジタリウスは、それを避けようと後ろに下がるが、左腕に当たってしまい、彼の左腕は、肘のあたりから切り落とされてしまった。


「やはりその剣は、ジェミニーの『姉の怒り(カストール)』。仲間だったやつの姉を殺した挙句、その武器をも自分の為に利用するとは、テメェら本当に素晴らしいほどの悪人だな。」


 斬られた左腕を押さえながら、こちらを睨むサジタリウスに向かって、ケフェウスは言う。


「何が、悪だ!それは、お前達だ!お前ら悪を倒すためなら、俺は手段を択ばない!!」


 ケフェウスが、『姉の怒り(カストール)』を構え、サジタリウスへと近づく。

 しかし、その光景を見ていたアンドロメダが、サジタリウスの左腕から、血が出ていないという違和感に気付く。


「待って!ケフェウス!危ない!!」


 アンドロメダの叫びに、ケフェウスは「え?」と彼女の方を向く。

 その瞬間───


「馬鹿な奴だよ。お前はよ。」


 ───ケフェウスの背中が貫かれた。

 彼を貫いたのは、斬られたはずのサジタリウスの左腕から伸びた槍状のものだった。

 サジタリウスは、ケフェウスから、その槍状のものを抜く。それは、すぐに左腕の形へと変化する。


「俺に攻撃を与えたことは褒めてやるよ。だが、残念だったな。俺の左腕はとっくの昔に義手なんだよ。」


 アンドロメダが、「土の魔法で出来た義手…。」と驚いていると、サジタリウスは続けた。


「昔、それはそれは偉大な魔法使いに、斬り落とされた左腕の治療をしてもらったことがあってな。

 まぁ、しかしその時はまだ未熟だし、彼女も悲しんでいた時だったからな。治療は失敗。俺の腕は腐っちまった。だから、他に影響がないうちに、肩から斬り落としたのさ。」


 サジタリウスは、左腕の動きを確認する。


「彼女の方は、俺の腕を奪ったことを後悔しているだろうが、正直俺は彼女に感謝すらしている。なぜなら、毎日土の義手を作る必要があるから───」


 彼が右手の指を鳴らすと、突然彼の後ろに複数の黒装束が作られた(・・・・)


「───こんなに土人形を生成できるほどの魔力を得たのだから。」


 彼の言葉に、騎士達が驚いた。


「そんな!今まで倒してきた『星神教(せいしんきょう)』は、全部土人形だったってこと!?」


 アンドロメダのその驚きに、サジタリウスは笑った。


「フッ。まぁ、『十二座集(じゅうにざしゅう)』や、それ以外にも、一部の『星神教(せいしんきょう)』は人間だ。レオのように部下全員が人間のグループだっている。

 だが、考えてもみろ。この世界は所詮、多勢を正義と思い込む愚かな人の集まりだ。12人全員が、お前らの軍に匹敵するような数の部下を従えているのならば、世界はとっくに、俺達の正義を、世界の正義とするさ。」


 完成した土人形が、剣やメイス、槍など、今までの『十二座集(じゅうにざしゅう)』の部下と同じ武器を持ち、ケフェウスに向かって突撃する。

 ケフェウスは急いで後退し、土人形の攻撃は、ケフェウスの前に出たタビトが受け止めた。

 アンドロメダが急いで駆け寄り、『大丈夫? ケフェウス?』と声をかけながら治療を始める。

「さて、そろそろ幕引きと行こうか!テメェらにゃあ、愛想つかされたぜ。テメェら全員。それどころか『シェダル』の連中すら、無事でいられると思うなよ!」


 サジタリウスのその言葉に、土人形達が、一斉に攻撃をし始める。

 その攻撃は、今までのものとは違い、弓兵と、近接兵、魔法兵に分かれた計算高いものだった。

 ケフェウスも治療を終え、戦いに参戦し、『姉の怒り(カストール)』で、土人形の武器と、土人形そのものを破壊した。

 しかし、どれだけ破壊しても、サジタリウスがまた、新たな土人形を生み出す。


「くっ!キリがない!」


 ベラトリクスが、一度後ろに撤退しながら、そう言う。

 それに対して、アンドロメダが「やはり、土人形を生み出す彼をやらなきゃダメみたいですね。」と答える。

 アンドロメダが矢を構え、そこに風の魔法を付与して放つ。

 矢は、土人形の間を高速ですり抜け、サジタリウスへと向かう。


「遅い!!」


 サジタリウスが、すぐに土の壁を生み出して、相手の矢を止める。

 しかし、彼が壁を消すと、すぐ前にベラトリクスがいた。


「遅いのはどっちだ!!」


 そう言って、攻撃を仕掛けるベラトリクス。

 サジタリウスは、急いで、自分の左腕を盾の形に変えて、彼女の連続攻撃を受け止める。


「いい加減に───」


 あまりにも長い攻撃に、サジタリウスは「攻撃を受けながらも、右手に『心臓を穿つ矢』を生み出す。


「───せぇよ!」


 そして、攻撃の隙を見て、ベラトリクスにその矢を刺そうとする。

 しかし、ベラトリクスはそれを後ろに下がって避ける。

 だが、彼女が避けたのを確認すると、サジタリウスはすぐに、左手を弓の形に変えて、持っていた『心臓を穿つ矢』を放つ。

 ベラトリクスが舌打ちをして、その矢を避ける。

 が、その逃げた先に、『心を穿つ矢』が放たれていた。

 ベラトリクスが、「まずい!」と死を覚悟していると、彼女の前に、小さな土の壁が生み出され、『心を穿つ矢』を止めた。


「ちっ!今の時代にゃ珍しい。随分と反応速度の速い魔法使いだな。」


 サジタリウスが、アンドロメダに向かって複数の『心臓を穿つ矢』と、1本の『心を穿つ矢』を構える。

 しかし、その矢が放たれる瞬間。


「隙ありだぜ!下種野郎!!」


 背後に隠れていたケフェウスの『姉の怒り(カストール)』が、彼の体を上下に分かれさせた。

 次回予告

 いよいよ、悪の親玉サジタリウスを倒したケフェウス達だったが、本当の絶望はここからだった。


 次回 74話 絶望の始まり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヌンキーーー! たった数話の命だったか! 。:゜(;´∩`;)゜:。 泥人形だったのは驚き。 (´⊙ω⊙`)! 総力戦の熱い展開! 次回予告の内容がとても気になります。 まだ何かあるのか? (´・…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ