73話 サジタリウスとの決戦(中)
前回のあらすじ
サジタリウスは、ケフェウスを質問攻めし、彼の正義を揺るがそうとする。しかし、そんな彼を助けたのはアンドロメダだった。
「おや?貴方の正義は、彼のとは別物のようですね。いったい、どんな正義を志していると言うのでしょうか?」
サジタリウスの質問に、アンドロメダは、「ケフェウスを守りたい。それだけですよ!」と答える。
「なるほど。では、なぜ彼を襲っていたヌンキ君を攻撃しなかったのです?」
アンドロメダは、落ち着いた声で、しかしどこか震えた声で、答えた。
「あのままだと、彼に当たっていたかもしれないから、撃たなかっただけですよ。」
「ならば、『星神教』全員で、近接戦を仕掛けられたらどうするんですか?」
アンドロメダの答えに、サジタリウスがそう疑問を飛ばすと同時に、黒装束がみな、『心臓を穿つ矢』を持ちながら、ケフェウスの元へと走っていく。
「ちっ!!」
アンドロメダはすぐに、矢を放ち、黒装束を撃ちぬいてしまう。
「素晴らしい。ケフェウスに矢をかすめることなく、よく敵だけを撃ちぬきました。
しかしこれで、コストレ村のお嬢さん。貴方の正義も嘘偽りであることが分かりましたね。」
サジタリウスが、そう、ほくそ笑む。
「結局、貴方は味方であるヌンキ君を撃てなかっただけ。とどのつまり、私達と貴方達にはそれほど差がないということですよ。」
その言葉に、ケフェウスは怒りをあらわにする。
「俺達とお前達が似ているだと!? どこが似ているってんだよ!!」
彼の言葉に、サジタリウスは静かな声で答える。
「自分とその仲間だけが正義。あとは悪と捉え、排除しようとする。その行為は私達と貴方達。両方とも行っている行為じゃありませんか。」
「お前達のどこが正義だ!!」
ケフェウスの質問に、サジタリウスは答える。
「我々にも正義があります。
アクエリアス君は、『罰せられるべき者が罰せられること』。ピスケス君は、『誰も悲しむことのない平和な世界を作ること』。アリエス君は、『努力が報われる世界に変えること』。キャンサー君は、『愛し、愛されること』。タウルス君は、『民を守ること』。レオ君は、『レグルスの復興』。ヴァルガリア君は、『ポリマーに対する復讐』。カプリコーン君は、『私達への恩返し』。ジェミニー君は、『再び、家族と幸せに暮らすこと』。
そして、スコルピオ君の正義は知りませんが。私の正義は『星巫女の救出』。
勿論、その正義の邪魔をする者は、排除する覚悟です。
当然、我々は、その身勝手な正義に対して、排除される方々の事を思い、眠れぬ夜を過ごすこともしばしば…。」
サジタリウスの言葉に、ケフェウスが「ふざけるなよ!」と叫ぶ。
「何が、『正義に対して、排除される方々を思い』だ。お前らのはただの悪行じゃないか!! 俺達のものとは全く違う!!」
「…けんなよ。」
ケフェウスの言葉に、サジタリウスが小さくつぶやく。
その声を聞いて、スコルピオは「まずい!」と、出口の方へと移動した。
「ふざけんなよ!! クソガキ共が!!」
次回予告
突然、人が変わったように怒り始めたサジタリウス。彼との決戦が今始まる。




