case8俺と姉貴とお家騒動
今回からは主人公の実家の話です
どうも森です
姉さんの会社に変な女が突撃してきた事件から既に数週間
そして今現在、家族会議中
何故かと言うと現在進行形で秀爾さんの実家に姉が嫌われているらしいのでどうしようかと相談中なのである
「なぁ、姉さん。
うちの実家には挨拶行ったのか?」
「まだよ~」
まだなのかよ!
秀爾さんの実家に挨拶しに行くのもいいけどさ、まずは実家いこうぜ
「姉さん、まずはうちの実家に行こう
秀爾さんの所にはそれからでも遅くないと俺は思う
最悪秀爾さんには悪いけど挨拶言ってダメならうちに婿に来て貰えばいいんじゃない?
秀爾さんの所も兄弟いるみたいだし、大丈夫だろ」
俺は本気でそう思う
うちは逆に俺と姉さんだけだから正直に言えば婿に来てくれたら超助かる
何せ俺は刑事なんで子供もいつできるかわからないし
それ以前に・・・まぁ色々あるわけで
”あらいいじゃない。
秀爾さんでしたっけ?彼の家兄弟もいるのでしょう?
何か問題あるのかしら”
”お兄さんの血筋はお父さんと相性いいし、僕も賛成”
珊瑚・・・今なんて?
ち・す・じ??
まぁ・・協力な守護霊いるくらいだから確かに血筋はいいのだろう
「秀爾さんはどうかな?
俺の家に婿に来るの嫌ですか?」
「俺はそれでもいいと思う
けど、一応それは俺の親に挨拶してからだね(認められなくてもね
ほら一応形だけでも挨拶しておかないと後々面倒そうだし」
え??そっち?
相変わらず腹黒いですね。秀爾さん
白金さんと気が合いそう・・・いかん
混ぜるな危険
「じゃあやっぱり順番としては
俺の実家に挨拶してから秀爾さんの実家に挨拶でいいんじゃないか?」
「うちの実家に挨拶すんのはあんたもでしょ?」
「え?俺?」
「だって水姫ちゃんと珊瑚ちゃん紹介しなくちゃいけないじゃない」
「あ~・・・(マジか~・・そうくる?」
「そうだよ。一緒に挨拶に行こうね(黒笑」
「ア・・ハイ」
なんだろうね・・この圧
おかしいな・・・秀爾さん人間だよね??
”そうね♪私もダーリンの家族にきちんとご挨拶しなくちゃ☆”
”僕も~♪”
””キュ♪キュイ~♪””
「じゃあ、行くのいつにする?」
「そうね~・・・明後日はどうかしら?
丁度連休中だし。あ・・・誠ちゃんは大丈夫かしら」
「俺?
大丈夫だと思う。今から連絡してみる」
俺はその場で御門さんに電話をかけた
”もしもし、森くん?”
「こんにちは。
あのですね~急で申し訳ないんですけど明後日と明明後日の二日休みいただいてもいいですか?
姉と婚約者の付き合いで実家に帰省したいので」
”え??なになに・・森くんのお姉さん結婚するの?”
「そうなんです
それで実家に挨拶に行くんで、休みください」
”いいよ~おっけ~
そういう大事な用事ならおやすみしてもいいよ
どうせなら明日含めて今日から四連休で大丈夫
君、ここ最近まともに休み取ってないから有休扱いにしとく~
(絶対有休中に何かやらかしてくれそうな気がする!楽しみ♪)”
お?珍しく御門さんが寛大だ(笑)
なんか裏がありそうで怖いが・・・・・
こうしてあっさり休みをもぎ取った俺は姉さん達と実家へのお土産選びに出掛けた
買い物中にそういえば・・と俺はあることを思い出したので俺も買い物をした
そして実家に帰省する日
俺は水姫が選んだカジュアルな服を着て、珊瑚と水姫は水色でお揃いのワンピースを着ていた
姉さんと秀爾さんは一応挨拶の為にスーツを着ている
俺は必要な物とお土産を車に乗せると、実家へと車を走らせた
段々と都心から離れて田舎の風景が広がってくる
田んぼや畑、それから他にも家の数も減ってきた
そうして俺の実家に到着したのだが・・・・ん?
俺は車を降りると妙な感覚に襲われた
懐かしいような、それでいて不思議な感じだ
まぁ・・とりあえず荷物を降ろさないとな
俺は車の中からお土産と俺自信が持ってきた荷物を降ろした
さてと・・・
「姉さん達、俺寄るところがあるから先に家に行ってて
珊瑚も琥珀も一緒に行っててね」
”わかったわ”
”うん。早く戻ってきてね”
「すぐ戻るよ」
俺は実家にある池の奥に小さな社があるのを思い出して、そこへのお供えものを買っておいたのだ
なんであるのかと言うのはじいちゃんも知らないらしい
けど実家にすんでいた頃、この社にいつもお供えものをしていたのだ
ん?あれ?そういえば・・・・誰かいなかったか?
実家に住んでいたのは中学生になる前までだったので、何となくしか覚えていないがたしかもう一人居たような
そんなことを考えているとその社の前まで来たのだ
するとリィン・・と鈴の音が鳴って・・
”おかえり。誠一”と声がした
そして俺は気がつくと誰かに抱き締められている
えっと・・・・この甘いいい匂いは・・・
「水霸?」
名前を呼ぶと
”そうだよ。私は水霸・・・誠一、大きくなったね
私は君が来るのを待っていたんだよ
(あれ?・・・僕の呪いが少し綻んでいるね・・・)”
「ごめな、中々会いに来れなくて
それよりこれ!お酒とそれから俺が美味しい焼き鳥作ってきたから飲もう」
”おやおや。これはごちそうだね♪”
「じゃあ、乾杯~」
”乾杯♪”
俺と水霸は二人でお猪口から酒をついで飲み始めた
まぁ、俺はそんな飲まないけどね
その時茂みの向こうから誰かやって来た
「なんじゃ、お前・・・帰っとったんか!
なんや声がするとおもったら・・・お前か。
それよりさっきから一人でぶつくさと言っておるんだ?」
一人?
まさか・・・・・・・・
俺が水霸をみるとにっこり微笑んで
”私は人ではありませんよ。誠一(ちゅっ”と俺の口にキスをした
「は?え?マジで?
水霸って人間じゃなかったのかよ」
「水霸って誰じゃ?」
あ・・・声に出てたんかい!
あはははは・・・・どうすっかな・・・・
とりあえずなるようにしかならないか
「じいちゃんは見えないんだな
実は今俺の隣ににスッゴい美形の男の人がいるんだよ
俺小さい頃から見えてたからてっきりじいちゃんにも見えてるのかと・・・・
(まさかの人外様・・俺も案外麻痺してんな・・・)」
”ふふふ・・やはり誠一には私がきちんと男性に視えているようだね
流石は私の”神子だ””
「え?水霸今なんて・・・」
”お前は私の唯一の”神子”だ
お前・・もしかして自分の血筋に関して知らぬのか?”
「血筋?
すまん。俺詳しくは知らない
それってあれか?俺の家も由緒正しい血筋って事か?」
俺は本当になにも知らないので素直に水霸に疑問をぶつけてみた
”そうか・・・まぁ、ここも随分と変わってしまったからな
お前は私達”蛟”の神子の一族で森ではなく”水杜”というのが正しい家名だ
私達と一緒に水を守るもの・・それがお前の一族よ”
森ではなく・・・水杜か
不思議とその家名にしっくりきてしまった俺は更に疑問をぶつけてみる
「そっか・・じゃあもしかしたら一族を守るためにあえて家名を変えたのかもなぁ
それとお前の話を聞く限りだけど、もしかしてここら辺って昔はもっと大きな湖や池があったりしたか?」
”ほほう・・ようわかったな
その通りだよ。ここら辺は昔小さな集落があり”浄めの泉”があった場所だ
しかし、あるときにこの泉を狙うものやお前の一族を狙うものが現れてのう・・・大変じゃった
それで今はこのように小さな池に変化した
浄めの泉を産み出す”蛟の鱗”と我はそこの小さな社の結界を張って隠れておったのだ
障気を祓う事の出来る浄めの泉は喉から手が出るほど貴重なものだ
それにこの泉は我らとそなたのような神子が対になり産み出されるもの
どちらが欠けても生まれる事はないからのう・・・”
「そうなんですか?それは何故です?」
”我らの神気と神子の神気が交わってはじめて術が完成するのだ
我らの神気は”現世”では強すぎてしまい、それこそ泉の回りに人も妖も住めなくなってしまう
まさしく”神域”そのものに成り果てて、近づくことすらかなわぬだろうよ
そもそも我らは自分の棲みかを得るために人の子と約束を交わしたのだ
浄めの泉を与える事で人間も妖から身を守る事ができるだろう?
そしてその代わりに我らを神と崇め祀るのだよ
我らは清らかな水の中で生きるモノ、そして信仰心がなければ滅んでしまう
だからこその共存というわけだ”
なるほど・・・・つまり俺の一族はまさしく家名の名前の通り、水を護るモノで”水杜”なのか
名は体を表すとも言うが・・自分がそうだったとは知らなかった
「お前さっきから、独り言ばっかじゃな」
「じいちゃん・・俺は一人じゃないんだけどなぁ・・・
で?俺がなんなのかはわかったけど、俺は何をすればいいんだ?
お前が小さい頃からくれたあの小さな飴も何か意味があったんだろ?」
俺がそういうと彼は嬉しそうに目を細めて微笑むと
”そうだよ・・あれは私の神気から作ったもの
お前の体に馴染ませるために少しずつ少しずつ与えていたもの
それがお前の中に馴染んで溶けている
今はまだ私と契りを結んでいないから蕾の状態だがな
それと・・言いにくいのだが
神子となったお前は・・・その・・・私の伴侶なんだ”
は・・・伴侶??
ちょっと待った
俺もあんたも雄だよな?
あ・・・でも蛟ってたしか・・・両性?
”その通りだ
その・・我がお前の子を産むつもりじゃったし・・その・・・
伴侶にしてはくれぬかの・・・・
それにな、再開発とやらでいずれは我はこの地に住めなくなるのだよ
だからのぅ・・・我もつれて行ってはくれぬか?”
頬を少し赤らめながら言う、水霸
うわぁ・・・可愛いんだけど・・・
これは一族としても男としてもここまで言われたらノーは無いな・・
水姫には悪いけど、俺の最初の婚約者はこの水霸だろうしね
「いいよ
俺の事ずっと待っててくれたんだろ?
それに、俺を一番先に見初めたのはお前だしな
で?何をすればいい?」
俺の言葉を聞いて酷く嬉しかったのかポロポロと目から真珠の涙を流す水霸
その涙は酷く綺麗だった
落ち出た真珠を俺は一粒残らず回収する
後で指輪にでもしてやろう
勿論俺とお揃いの
水霸は俺にそっと近づくと耳元で囁いた
”私の本当の名前は・・・魅凪波という
私の名前を紡いで唇に貴方様の血を含んで私に与えてくださいませ
貴方の血が私と交われば・・貴方と私は繋がることが出来ますゆえ”
俺は魅凪波の言う通りに自分の指先を食んで血を口に含むとそっと口づけた
その口づけからお互いの気が交わっていくのがわかる
体に染み渡り、波紋のように広がり・・・溶ける
口づけが終わると
「おい・・・お前、何をしたんじゃ?目の色が・・・」
目の色?
俺は近くの水面をそっと覗くと・・・俺の瞳はきれいな金色に変わっていた
そう・・・水霸と同じ色に染まっていたのだ
これが移りか・・巫女に現れる事があると言う現象
それにしても・・・黒髪に金の瞳かぁ・・・
隣を見ると同じ色に染まった瞳を嬉しそうに見つめて来る水霸がいる
俺はそっと手を掴んだ
「これでいいんだな、水霸」
”はい
これで我と貴方様は一心同体でございます
それとこの家の倉の物も社の中の物もすべて貴方様のものですよ
この場を離れるときはすべて運び出さねばいけませぬ”
「そうか。わかった
そっちは手伝ってもらう宛がある
だから安心していいよ」
”流石は誠一どのでございますね
それに、我の他にも力のあるものに好かれていらっしゃるのですね
素晴らしいです”
あ・・・水姫にも珊瑚にも説明しなくちゃな
そのまえにうちの家族にもか・・・
俺は水霸にだけ聞こえるように
”今までの話は俺の家族にしてもいいのか?”
”はい。大丈夫でございますよ
但し、倉のモノも社のモノも・・それから我に関するものすべてひとつ残らず運び出してくださいませ”
”わかった”
「じいちゃん。
俺さ、家族に凄く大事な話があるんだ
だからさ、家に戻ろう」
「なんじゃ?独り言はしまいか?なら行くぞ」
俺は水霸と手を繋いでじいちゃんの後から自宅へ向かった
が・・・
自宅でまたあひと悶着・・・いや
ある意味でプチお家騒動になるとはこのときの俺は思っても見なかったのである
これからどうなるんでしょうね




