case8俺と姉と珍獣その2
前回俺は姉の自称ライバル(笑)とそれから元カノの襲撃事件があり
その後殺人事件はあったが大きな事件ではなくそれなりに過ごしていた
そして本日姉の清香さんの誕生日である
先月茨城酒造の紫鬼さんに頼んでおいたし、それに別の人にも頼んであるから大丈夫だろう
で、俺はと言うと勿論仕事はあるが理由を説明して今日は早退だ
午後に三人でプレゼントを引き取りに行ってそのまま清香の会社に行くつもりだ
最近行ってなかったからな・・・・釘刺してやらないとな
そのせいで先月の休みは朝からひどい目にあったし
「おはよう清香」
「おはよう!秀爾さん」
朝の電車の中で二人は微笑み合い挨拶を交わす
それから仕事の話をしながら出社した
”ねぇ・・・今の見た!麗香さんの秀爾さんを狙ってる見たいよ!”
”本当に見境ないのね・・・”
”・・・・・・・・・・ビッチ”
”だめだめ・・聞こえちゃうじゃない”と言いクスクス笑う女達
くだらなーい
いつもそうなのだ
女達は自分の自尊心やちっぽけなプライドの為に身代わりとして誰かを貶める
そして”○○さんより○○くんより私の方が人間としては上よ”と
そんな卑下の対象にされるなんて私は嫌だけどね
でもそんな人達を相手にする方がもっと馬鹿馬鹿しいわ
さーて私は恋に仕事に頑張りますか!?
毎回のように行われる給湯室の密談?
そんなとこで話をしている時点でちょー悪い感じるわ・・・
相変わらずあの子は誤解されてるのね~
「何、お前どうかしたの?」
「ああ・・・アンタか」
「ちょっ・・それ酷くない?」
「うるさい。アンタこそ何でここにいるのよ」
「お前見つけたから」
「あっ、そう」
私はさりげなく給湯室の方を見ながらコーヒーを啜る
「ねぇ・・アンタはさ。清香のことどう思う?」
「清香?ああ・・・森さんの事?」
「そうそう。皆あの子の事やり玉にあげるじゃない?
あの子悪い子じゃないのよね~。なのにいっつも損してんの」
「ふ~ん・・ってか美鳥が誰かを気にするなんて珍しい」
「そう?私ね、彼女と一緒に仕事したことあって・・それ以来はご飯とかも行くの
ふふふふ・・・」
「なんだよ急に」
「だってね。あの子スッゴい・・・やだ。思い出したら・・・ぷ・・・」
「なんだよ。教えろよ・・」
「えー・・・・どうしよっかな?」
私が光史と話をしていると・・・
エレベーターから物凄い美形のお兄さんが歩いてきて
「あの、すみません。営業部はどこでしょうか?」
「え?あの・・・」
「あ・・すみません
いつもお世話になっております。私、こういうものです
その、森清香様にお届け物をお持ちしたのですが、場所を教えて頂けますか?」
私と光史は頂いた名刺を見て驚愕した
「え・・あ、はい!(ちょっと!え??どういう事?)」
「俺も行きます!お荷物お持ちしますよ」
「ありがとう。では、よろしくお願いします」
和服を来たイケメンを引き連れて私は清香のもとに向かう
廊下を歩くと視線が突き刺さる
私は営業部に着くと入り口からたまたま近くに居た清香の側に行き、呼んだ
「清香。お客さん」
「あれ?美鳥?」
「そう、貴女に用事ですって」
「あの人?」
清香は心辺りが無いようで首をかしげた
え?清香の知らない人?大丈夫かしら・・・・
男が清香に話かける
「森清香さんですね
お誕生日おめでとうございます!
本日は森誠一様よりお誕生日のプレゼントをお届けに参りました
どうぞ、お受け取りください」
大きな百合や色とりどりの花が咲いている花束とそれから綺麗な包みを渡された
「え???え?誠ちゃんから?」
誠ちゃん?
周囲はまた男かよという声が聞こえて来たがそれをある人物がぶった切る
「あれ?そのプレゼントどうしたの?」
「えっとね・・誠ちゃんからだって!どうしよう!嬉しい」
「よかったね。流石は僕の弟になる男だ」
は?今なんて??
弟??
「誠ちゃんって?」
「ああ、美鳥にも話したでしょ?私の自慢の”弟”よ!」
「ああ!弟くん!やだ・・・超いい子じゃない!」
「喜んで頂けたようで良かったです
私も誠一くんには随分お世話になっていてね、お礼に何がいいか聞いたら
”俺はいいんで、姉の誕生日に何かいいお酒送ってください”って言ったんですよ」
「おや?君もかい?」
また増えたよ・・・美形な男が
「おやおや、君もかい?」
「君が清香さんかい?それと、彼が秀爾くん?
私からは君達二人に”プレゼント”だよ」
「私にもですか?」
「そうそう。私のプレゼントはね、二人じゃないと意味が無いからね
見てごらん?」
周りが何事?と見守る中・・・包みを開けると
「え?ええええ?」
「これは・・・誠一くん。彼は本当にいい子だね」
「どれどれ・・・?え?」
「フフフフ・・彼本当に面白い子だよね」
「君もそう思うかい?」
「思いますよ!それにこのプレゼントの選び方が凄い」
「そうだね。凄く・・・男前だよ」
「清香さん。私のプレゼントも開けてごらん」
そういわれて清香が最初に貰った包みを開けると・・・・日本のお酒?
何々・・・”ご婚約おめでとうございます”
で・・・名前は・・・・え?秀爾・清香ぁぁ!?
「これ・・・・もう!誠ちゃんったら!本当にいい子っ」とお酒を抱き締める
「ぷっ・・誠一くん。本当に男前だな・・・」
「でしょ?しかも、この組み合わせって反則よね!」
「清香?私にも説明!」
「え?えー・・・と」
「俺と清香が婚約したんだよね
まだ反対してるやつもいるけど、私は清香と結婚するよ」
ぼんっと顔を真っ赤にした清香が
「お・・・お願いします・・」と行った
「「「マジで!?」」」
「ちょっ・・・いつのまに?」
「・・・・結構前から?」
「で?もう一個のプレゼントって何???
何々・・・”婚約記念写真撮影無料&式場無料”・・・ええええええ?」
「「はぁぁぁぁ??」」
「ぷ・・・いい反応するね~」
「あの!お二人は?」
「ああ、私達はね・・・・」
「「君の弟のファンなんだよ」」
「ん?ファン?」
「そうそう。彼ね、私達のいいお客さんでお茶のみ友達なんだけどね
毎回彼の話が面白くてね~彼の事気に入ってるんだよ」
「私も同じだよ!本当に彼いい子だよね~息子に欲しいくらい」
「わかるよ!」
そんなほのぼのした雰囲気の中・・・
「ちょっと!秀爾さんから離れなさいよッ!
秀爾さんは私の婚約者よッ!この泥棒猫ッ!」
「君は私の可愛い麗香の婚約者だろう?そんな女は捨てなさい!」
空気の読めなさすぎる親子に周囲がドン引きした・・・
「来たよ・・・空気読めない親子・・・」
「だね・・・」
「秀爾さん!」ドンっ!と清香を体当たりで突き飛ばすと秀爾さん目掛けて抱きつこうとしたが
がしっ・・と女の頭を秀爾さんが鷲掴みした・・
しぃー・・・・・・・・ん
抱きつこうとなおもじたばたする女
「秀爾さん・・」
「秀爾くん!私はね・・君のお父上に麗香との婚約を認めて貰っているんだよ?
それがどういう意味かわかるかね?」
おやおや・・・権力振りかざして脅しですか?
なんというかつまらないですね・・・それにこの女は誠一くんに迷惑をかけてるんだったかな?
「婚約?私は清香とはしましたが、この女とした覚えはありませんよ
父がなんと言おうとこんな女と結婚なんてごめんですよ」
「な・・・!!なんだと!こんな女よりうちの麗香が劣るとでも!!」と激昂する親父
「ええ・・・清香と比べるのも烏滸がましい」
秀爾VS空気読めない親子
周囲の皆が””うわー・・・この親子思ったよりウザい・・・””
「あれ?何か取り込み中?」
”あ!ねぇねぇ!あの綺麗な人がダーリンのお姉さん?”
「そうそう。俺の自慢の姉さんだよ」
”あら、じゃあ私のお姉さんになるのね?”
”おね~さん!!”
10歳くらいの着物を着た子供が清香に抱きついた
「あら?珊瑚ちゃん!?」
”おね~さん!お誕生日おめでとう!僕ね、鞠作ったんだよ!あげる!”
「きゃあ!ありがとう!もう・・・珊瑚ちゃんいいこっ!」
突然現れた子供にみんなビックリ
”はじめまして♪私、水姫っていうの。ダーリン・・えっと誠一さんの奥さんです♪よろしくね☆”
と着物を着たものすっっごい美人がてへっ☆といいながら挨拶をした
「え!誠ちゃん結婚したの!?いつ???」
バシッと物凄い勢いで男が水姫という女の頭を叩いた
「おい・・誰が嫁だ。まぁ・・・恋人くらいは許す」
”痛っ・・・って!え?ダーリンがデレた♪えへへへへ・・・”
「おい・・・こら、なにニヤニヤしてんだ。あ・・お誕生日おめでとう、姉さん。」と個包みを渡す
「ありがと!って、それよりも!その子恋人なの?」
「まぁな。そのプレゼントは俺とこいつからだから」
「本当!!」
ガサガサと包みを開けると・・・珍しい赤珊瑚のアクセサリーや翡翠などの石も使った花の簪が入っている
「ほほう・・・これはいいものを貰ったね!」
「え?」
「このアクセサリーや簪はね、悪い気を払ってくれるとってもいいものだよ
大切にするといい。幸運を運ぶお守りみたいなものだね」
「姉さんと秀爾さんに幸運が来るようにって作ったんだからな」
水姫が姉さんを手招きして耳元で囁いた
”そのアクセサリーや簪は本当にいい運を運ぶわ。だから負けちゃだめよ☆”とウィンクをした
負けちゃダメか!
「ありがと!もう・・・誠ちゃん!大好きっ!」
「きゃっ!超きれーい!私にふさわしいわ!」
「そうだな!そこのお前!それを私に寄越しなさい」
汚ねぇ手で俺と彼女が作ったアクセサリーに触れようと手を伸ばして・・・
俺はおっさんの腹に蹴りを入れ、秀爾さんは女の手を叩いた
おっさんは呻いてその場にしゃがんだ
「お兄さん。ナイス」
「いやいや、誠一くんもだよ」
「・・・・秀爾さん!どうして?」と瞳をうるうるさせる
「君っ!今自分が何したかわかってるのか!
私はな・・・私はこの会社の専務だぞ!」
俺はタバコを取り出して火をつけると
「だからなんだよ。権力振りかざして俺の姉さんも秀爾さんもどうにでもできるってか?
馬鹿か!権力で何でも出来るとか思ってんのか?ばっかじゃねーの?」
「なっ!なんだと!貴様!もう許さん!後悔しても遅いんだぞ!」
「そうよ!パパ・・この女が全部悪いのよ!」
「なぁ?やっぱアンタら馬鹿だろ?」
俺はフー・・・・とタバコを吹かすと
「アンタこそ。俺、怒らせた事後悔すんなよ?水姫、あれ持ってきてくれ!」
”はーい♪”
彼は水姫からなにかを受け取った
「は!その紙がなんだって言うんだ!」
「そうよそうよ!」
「これか?」
周囲は固唾を飲んで成り行きを見守る
「これか?これはな・・・・」
バサバサっとその紙の束を周囲にばら蒔いた
それと同時に俺はとある仕掛けをセットする
ひらひらと紙がまって沢山の人間の手元に届いていく
私はその紙の内容を読んでみる・・・
「なになに・・・不法侵入及び器物損壊罪・・・?え?これって・・・」
”は?マジで・・・”
”こんな事までしてたのかよ・・うわー・・・”
「なっ!こんなのでたらめよ!ふざけないで!」
「な!私の麗香がそんな事するわけないだろう!!」
「どうしてそんな事が言えるのでしょうね?」
「全くだよ。それに私はこの写真の現場も立ち去る女も目撃していますからね」
「そうなのかい?君がそう言うなら間違いないじゃないか」
「全く・・子が子なら親も同じか・・・見苦しい」
「なっ!ふざけるな!名誉既存で訴えてやるっ!それにこんな偽物まで!」
「パパ・・・これって書類偽造じゃない?警察呼びましょうよ」とニヤっと笑って勝ち誇る女
うわ~・・・デジャヴ??
なにかあれば警察って・・・警察も暇じゃねぇんだけど
「・・・・・警察って・・・(笑)」
「ぷ・・・・あはははは、もうダメだ・・・君達最高だよ!最高に馬鹿だ」
「ぷ・・・こらこら笑ったら・・・くっ・・・・失礼だよっ・・・・・」
「貴様ら!なに笑ってるんだ!」
「そうよ!失礼じゃない!パパ!早く警察に・・」
「それ意味ないと思うわよ?ってか・・・誠ちゃんの家に行ったなんて許せない!」
「そうだね。彼は関係ない」
「そうそう!本当に迷惑!」
「ねぇ、なんで警察呼ぶのは意味ないの?」
「え?だって」
「「「「誠一くんが刑事だから!!」」」」
「なっ!」
「え?」
刑事だという彼に視線が集中すると彼はにっこり笑って
「警視庁特殊犯罪対策課零係所属 森警部です!」と手帳を見せながら敬礼した
「「「「「マジか!!!!」」」」
「肩書きはじめて知ったわ!誠ちゃん格好いい!」
「アンタの弟すごいじゃない!現役の刑事さんだったんだ」
「ということはこの書類は?」と書類をペシペシ叩きながら秀爾さんが言うと
「勿論本物ですよ!あ・・ちなみにしっかり現場検証も済ませてあるので逃げられません
今は俺の一存で保留中にしてますが・・・これ以上姉や秀爾さんや俺に嫌がらせをするなら提出します
俺の仕事は市民の安全を守る事なので
それにこれ以上やるとストーカー規制法に引っ掛かって罪状追加になりますけど、いいんですよね?」
「ふんっ!私にはね・・君の上の人に知り合いがいるんだよ?
それを出せば君だって・・「それは無理だろうね~」」
「なっ!無理だと?」
「うん。だって彼、警察庁のトップのお気に入りだよ?」
「は?」
「だから警察庁長官のお気に入りなんだよ」
「そんな馬鹿な・・・・・」
「ま・・・そうじゃなくても私が止めるけどね~」
「じゃあ私もそうしようかな?」
「いいね。君が言ったら間違いなく聞くんじゃないかな」
「なんだね!この騒ぎは!」
「社・・・社長!?」
「ん?・・・・これは・・・なんだね?西園くん」
「こ・・これは・・そこの男が私の娘に嫌がらせを!」
「本当なのかね?」
まわりは首を横に振り”違います”と言う
「違います!」
「違うとは?」
「私の弟は被害者なんです。私への嫌がらせが弟の所まで行ってしまって・・・」
「そうなんですよ。俺の姉が心配で、会社まで来てしまいました。お騒がせして、すみません」
俺は社長の前で深々とお辞儀をする
「君ね・・いくらお姉さんが大事だからといっ「英彰くん。彼は悪くないよ」」
「ん?え?秋水さん!?それに・・・紫鬼さんまで?
どうしたんですか?」
「私はね、そこの彼。誠一くんを息子のように可愛がってるんだよ
それでね、彼女の為にプレゼントを持ってきたんだ」
「へ?森さんに?」
「そうそう。僕も秋水と同じで彼女にプレゼントを持ってきたんだよ
それにね、誠一くんはいい子なんだよ。嘘はつかない
だからその紙も本物だよ。彼、現役の刑事だから」
「え!?刑事!?」
「はい。これ、名刺です。
いつも姉と兄がお世話になってます。森誠一といいます」
「ああ・・ありがとう(本当に刑事なのか・・)
とりあえず事情を聞こう!皆席に着け!
秋水さん達はこちらに・・お前達椅子持ってこい!」とテキパキ指示を出す
俺も社員と一緒に椅子を運ぶ
全員が椅子に座ると入り口の扉が閉められて会議中の札がかけられた
「で?何があった」
「この女が!わた「西園!発言を許していない。静かにするように!」」
「じゃあ私からいいかな?」
「どうぞ」
秋水さんと紫鬼さんが二人でまずここに来た目的を話始める
俺に頼まれて二人の婚約&姉さんの誕生日の為のプレゼントを運んできた事
それから皆でそれを祝福していた時にこの親子が割り込んできてきたこと
更に俺や姉さんを馬鹿にし、権力で自分の娘と秀爾さんを結婚させようとした事を話す
「発言よろしいですか?」
「ああ!誠一くんだったかな?どうぞ」
「俺は正直今がいい機会だと思うので話をさせて貰います
まず俺の姉、清香について会社で悪い噂があると思うんですよ
大半が根も葉もない噂なんですけどね
姉さん綺麗だし・・女性から恨みや嫉妬を買いやすいんです
で・・そんな事もあり昔から女性に一方的に嫌われたり嫌がらせをされたりするんですよね
姉はこの通り結構サバサバしてるので、姉に嫌がらせが通じなくなると大概が俺に来るんです
俺は姉に行くよりは俺に来る方がいいんで、それはいいんですけど
その場合は俺が男だから何やっても大丈夫たいな思考になるんですよね~
今回もそこの西園さんだっけ?いきなり人の家に土足で入ってきて携帯ぶっ壊されました
理由は、秀爾さんをアンタの姉が奪ったからだそうです
俺の仕事上携帯は生命線なんですけどね~・・・お陰で新しく買うハメになりましたよ
壊れた携帯は証拠品なので鑑識に回収されたので、保証も効かないんですよね~
ま・・・それはさておき、そんなこんなで正直迷惑してるんです。俺も姉も
いい年した大人が権力振りかざしてりゃなんでも思い通りに行くみたいな考えもですけど
噂に振り回されたり、それから悪意のある噂とか嘘の噂流されて・・・姉が可哀想だ
自分の目で見て、姉と話した上で俺に喧嘩売ってくるならそれはそれでいいです
けど、何も知らない癖にかってな言い分振りかざして攻撃してくるなら全力で抵抗します
そっちが権力使うなら俺は俺の持てるすべてで抵抗します
俺は、姉も秀爾さんも俺が守れる範囲の大切な人間を守ります
なんで、そこの西園さんが権力を使うなら俺もこの書類を提出します
そんで出来るすべての犯罪以外の手で二度と近づけないようにしますから
皆さんには姉がお世話になってますが、これからはもっと姉と話して見てください
ああ見えて気さくでお茶目な人なので。よろしくお願いします」
”本当にね・・この間はビックリしちゃったわ
皆で家でゆっくりしてたらそこの女が家に勝手に入ってきてね
それで”アンタの姉さんは泥棒猫よ!”とかいっちゃって・・・しかも厳ついおっさん連れててね
ヒステリックに何か叫んでたわ。近所から苦情来ちゃって、謝ったんだから”
”僕もあの人の声で起こされたのー・・僕あの人キライ・・・”
”・・・・・・・・・・・・・。”
この弟くん・・・本当にいい子ね
清香は確かに見た目のせいもあって女子からの評判は最悪だわ
でも話をしてみると随分イメージと違うのよ
最初は私も彼女に嫌みの一つでも言ってやろうって思ってたんだけど
家族の話になった途端に瞳をキラキラさせて
”聞いてくれる!私ね、自慢の弟がいるの!もうね・・兄弟じゃなかったら旦那さんにしたいわ!”
なんてぶっ飛んだ発言するから私思いっきり笑っちゃったのよね
それからもずーっと弟自慢ばっかり、極度のブラコンってギャップありすぎよね
「ぷ・・・・・」
「どうしたの?美鳥?」
「ぷ・・・も・・・ダメ・・・あははははは」
「なになに!?」
「だって・・弟くんもシスコンなんだものっ・・・それにっ!アンタもね!清香
アンタも相当なブラコンよね!」
「うん!私、誠ちゃん大好きだもんっ!」
「まっ!堂々といっちゃって!弟くんは?」
「俺?俺は昔から相当なシスコンですよ?自覚あるし
因みに秀爾さんは俺的には合格です。ある意味同士なんで」
「ああ。それはわかるよ。色んな意味でね。私も誠一くんみたいな弟は大歓迎だよ」
「あの・・・君たち?」
「社長!うちの誠ちゃんはいい子ですよ。
私今まで色々我慢してたけど・・・でも、それが良くなかったのかな?
私は皆が思ってるほど酷い人間かな?
良くすれ違い様に”身の程をしりなさいよ。ブス”とか”男漁りのビッチ”とか言われるけどさ
大概そう言うのって私に降られたちっさい男の嫌がらせとか傷つきたく男のちっさいプライドなんだよね
で、女の方は目当ての男を振った腹いせとか男の言い分を信じた女の嫌がらせ
私が何したっての!ふざけんな!
私が大人しくしてればドンドン図にのって行くし、反撃すれば更にエスカレートするし
私は何をすれば正解なの!そんなの知るかバーーーーーーカ!
私はただ普通に恋愛して!仕事して!家族と・・友人と楽しくしたいだけ!?
なのになんで邪魔すんの!もう本当にうんざり!
だからね・・もう遠慮なんてしない!文句があんならかかってこいばか野郎!」ビシッ!と皆に向かって指を指す
「ぷ・・・流石俺の姉さん。チョー最高!!」
”・・・・・・・・・・・・・・・・。”
皆が言葉を失う
彼女は一人で葛藤し続けて居たのだから
この会社という狭い箱庭の中で心ない言葉の嵐の中を一人で歩いていた
秀爾さんという理解者や私と出会うまでずっと・・・・
「何よ!嘘つき!アンタが沢山の男を取っ替えひっかえしてたの知ってるのよ!
そこの彼も!彼も!アンタがもてあそんで捨てたんでしょ!」
指差された男どもは手を横に降って
「ちっ・・違う!俺は彼女と付き合ってなんてない!」
「お・・・俺だって違う!」
「ほうほう・・アンタらさ。清香に振られてた腹いせにそんな噂流したんだ、最低!」
「「うっ・・・」」
「他にも色々知ってるんだから!秀爾さんは私のものよ!返しなさいよッ!」
「そうだ!彼の父親から麗香が婚約者と認めているんだぞ!」
「はぁ・・・・まだその話なのか?
とにかく話をまとめるとそこの西園親子は権力で君たちをどうにかしようとしていたんだな?
社長の私を騙そうとしていたのか・・愚かな」
「社長!この女の言うことを聞いては行けません!
それにそこの得体の知れない男どももきっとその女の男ですよ!」
「君ね・・・言うに事欠いてそれは・・・私は知らないからね」
「おやおや・・・私達の事かい?
私はね・・・・華ノ宮秋水だよ。黒土呉服店の店主で妻子持ちです」
「私は茨城紫鬼。茨木酒造の社長です。私も妻子もちですよ
それとこの秋水とは親戚に当たります」
「因みに私の義理のお父様です」
「「「はぁぁぁぁぁぁ!!?」」」
「え?紫鬼さんっておいくつ・・・・」
「秘密です♪」
「あれ?社長さんって・・・違うんですか?」
「ああ。彼は普通のお客だよ」
「そういう・・・じゃあ知らないのか」
「ですね。君みたいな子はそうそういませんって」
「いますよ。そこに、二人」
「君のお姉さんと秀爾さんですか?」
「そうそう、この後軽くお茶でも行きましょうよ」
「いいですね」
「あの・・茨木酒造ってあの?」
「あの?大手の酒造メーカーの茨木を指すならそうですよ」
「うそ!私日本酒好きで・・・茨木と朱天のファンなんです!」
「おやおや・・あのお酒結構度数高いのですがね」
「そうなんですけど、蜜柑とか柑橘系のジュースで割ったりすると美味しいんですよ
それと・・黒土さんでしたっけ?呉服屋なんですか?」
「そうですよ。うちの制服は彼のお店で作った特注品なんですよ」
「え!あのかわいい大正時代の可愛い袴ですよね!」
「そうです。実はあれは森くんの提案で生まれたんです
お陰さまでうちの従業員からもお客さんからも評判は上場です」
「うちも制服なので定期的な注文がありますからすごく助かりますよ」
「へぇ~・・制服可愛いですもん。」
「ありがとう」
もはや西園と親子は空気になってないか?
「ちょっと!どういうことよ!なんで!」
「麗香・・・・社長!なぜあの女をそのままにするのですか!」
何をいっているのかが良くわからない
「はぁ・・なにをどうするんだ?
彼女は何も悪くないだろう?どんな罪になると?」
「私の秀爾さんを奪ったのよ!許せないわ!」
「そうだ!」
「彼は自らの意思で彼女を選んだ。それをどうしろと?
もし権力や力でと言うならそれは出来ない
それこそ君達の身勝手な”傲慢”だ」
「そんなことないわ!だってあの悪女から彼を救ってあげるんだから!」
女がヒステリックに叫ぶと場が突然静まった
「何その妄想!秀爾さんはモノじゃないわ
それに彼は私を選んだのよ!誰がアンタなんかに渡すもんですか!べーっだ」
「俺が君のモノ?やめてくれないかい。私が愛してるのは清香とその家族だけだ」
「妄想もここまで行くと只の危ない人だよな。妄想ストーカー」
”ここまで来るとドン引きよね・・・何?妄想彼氏?怖っ!妄想だけにしてよね!
本当にこういう頭のおかしい奴が権力持つとろくなことないのよね~
なまじ権力があるから妄想が現実で上手くいっちゃうのよ!ほんっっっとに迷惑!寄生虫見たい!”
「わかる!権力と相手に寄生する、寄生虫だろ?」
”そうそう!いつの時代もいるのね~こういうやつ・・ぷちっと潰しちゃおうかしら?”
「お前が言うと洒落にならないだろ?それにお前の手が汚れる」
”やだ!ダーリンってば♪大丈夫よ・・殺る時はちゃんと道具使うから☆”
”僕も手伝う!”
「ならいい(これは殺人じゃなくて天災見たいなもんだからいいか)」
と本気で起こっているらしい俺と水姫が毒舌をかます
「すみません。西園さんいますかね?」
「西園ならこっちだぞ~」
「ああ・・」
「あなたが西園さんですか?
複数の方から住居への不法侵入や恐喝の被害届が出されています
署までご同行いただけますか?」
「は?なぜ私が?任意ならいかないぞ!そんなのは出鱈目だからな」
「私も知らないわ(どうせパパがなんとかするわ)」
「そうですか・・・」
「私はね、君よりももっと上の人間に友人がいるんだぞ?いいのか?」
「そうよ!どうなってもいいのかしらね~」
「おい。森・・あれよこせ。」
「はいは~い!どうぞ」
「サンキュー。
アンタら警察嘗めすぎだろ
えー・・と15:32分住居への不法侵入及び器物破損、それから恐喝の容疑で逮捕する
林、連行しろ」
「了解です!」
カシャンと手錠をかけられる
「ちょっと!何するのよ!さわらないで!」
「な!何をする!私を逮捕だと!?」
「そうですよ。それにこれは正式な手続きによる逮捕です
それから被害届は複数出てますので叩けばまだまだほこりが出てきそうですね
森くん、休暇を楽しみたまえ」
「三井さんもお疲れさまです!」
俺は三井さんに買っておいたお菓子を差し入れに渡した
こうして彼らは強制的にご退場していただいた
「あらら・・・捕まっちゃった」
「ってかさ・・複数ってどういうこと?」
「誠ちゃん?どういうこと?」
「ああ・・あの西園さんだっけ?俺が前に事件で関わった神社の人から連絡来てさ
神社の参拝客に酷い嫌がらせを受けてるって言うから話聞いたら
あの女は権力振りかざしてホストを脅迫したり、前の会社の社員もセクハラ被害にあってて
セクハラと言えばあの女の親父の方もだけど、部下の女の子を強姦してたらしい
そんで被害者全員呼んで俺が被害届出させた
特に男性なんてセクハラにあってますとか言いづらいだろうからな」
「えー・・・・なにその余罪・・・気持ち悪っ!」
「最低!」
「因みにここに被害受けた人いたら後でこっそりおいでね。俺が署まで一緒にいってあげるから」
「やべぇ・・・弟くん。男前じゃん!」
「わかる!アンタの話してた通りのいい子ね」
「どうも。これからも姉をよろしくお願いします」
「「こちらこそ」」
「君ねぇ・・・随分大きな仕掛けじゃないかい?」
「本当にね・・・」
「どういうことですか?」
「それはね・・・」
私ははじめて社内でこんな事件が起きているのを知った
なにかをする暇もなく、気がついたらすべてが一人の青年の手によって終わっていた
不甲斐ない
で、秋水さんの話によるとだ
すべては彼が愛する姉を救うために仕組んだということ
1・駒である私や紫鬼を使ってわざとプレゼントを送らせる
つまり彼女のバックには私たちがいると印象づける
2・わざと西園達のいいようにさせる
これで彼らの印象は良くない方へ行く
3・彼女自身の口から気持ちを吐き出させる
これで彼女は自分達と同じなんだと自覚する
4・騒ぎを聞き付けた私をこの場に引きずり出す
今後社内の膿を見つけさせるため
5・すべての事実を周囲が把握したところで
悪い事をすれば必ず罰があると言うことと権力がすべてではないとわからせる
これをすべて一人で計画していたのか・・とんでもない策士だな
私が彼を見ると
”他の膿も早くだせよ”と言われた
そうだな・・・社員の為の環境を整えるのは私の仕事だ
「やれやれ・・・」
「何を悩むことがある?
彼も私達も君の味方だ。この意味がわかるかい?」
「そうそう。彼女を君が今後も大切にするなら、私達も彼も協力者さ
ね?何も怖くなんてないだろ?」
そうか・・・そう言うことか!
彼は姉の味方をしている限りは私の味方なのだ
確かに・・・だから彼は私にわざわざ名刺を渡したのか
「さてと・・・君たち!今日は事件が起きてしまった事もある
今日は仕事を休みにしよう
各々休むなり、親睦を深めるなり好きにしてくれ!
但し・・その分明日はきっちり働いてもらうぞ」
「「「は~い!」」」
私は社長室に戻ることにしよう
「久しぶりにあったんだ。社長室にいってもいいかい?」
「じゃあ私も。森くん!またね」
「はい。今度はうちに呼びますね」
「楽しみにしているよ」
「ねぇ。清香がよければだけうちの部署で誕生日会&飲み会しない?」
「それいいじゃん!俺賛成!」
「じゃあ俺の家に来るか?」
「それいい!誠ちゃん家おっきいもんね!」
「そうですね。あの素敵な日本家屋・・・最高です」
「なんなら姉ちゃんも秀爾さんもうちに引っ越せば?
部屋めっちゃ余ってるし・・・・」
「え!?いいの!引っ越したいわ!」
「私もいいのかい?」
「いいですよ。珊瑚と水姫もいますけど」
「全然いいわよ!むしろ美味しい特典ね!」
「そうですね。あー・・・いい雰囲気なんですよね。あのお屋敷」
「お屋敷?そんなにおっきいの?」
「いけばわかるわよ!」
「じゃあ行きますか
タクシーか車ですよね?えっと・・これが地図です」
俺は地図をパソコンとプリンターを印刷して渡した
「俺たちは先に行って準備とかしますので、姉さん達も買い物行くだろ?」
「行く!」
荷物を俺と秀爾さんで運んでいくと俺と姉さん達は買い物し向かった
「もう本当にビックリしたわ。それに相変わらず策士ね~」
「そうかな?まぁ・・・良くも悪くも慣れてるだけだろ?」
「いやいや、なかなか面白かったよ
誠一くんは刑事をやめてもうちで働けそうだ」
「えー・・嫌ですよ。俺は刑事やめませんよ」
「だろうね」
「何よ・・男の同士で!」
「秘密だよ。姉さん」
「そうだね」
うちに着くと水姫達と沢山料理を用意する
姉さんの好物の天ぷらや唐揚げ、それからポテトサラダにお刺身や酢飯を用意する
お酒は前回紫鬼さんが山ほど持ってきたので、ちょっとした居酒屋みたいだ
それから勿論ケーキもショートケーキを作った
しばらくしてお土産やプレゼントを持った他の人たちが来たのだが・・・
”いやいやいや!デカッ!”
”ってか庭に鯉泳いでるんだけど!?”
”庭も・・・広っ”
”ここなに!なんなの!?”
「「家だけど?」」
「そういうことじゃなくて」
「寝殿造って言う平安時代の住居と同じ作りだからだな
因みにこの奥にも部屋が結構ある
ちょっと待っててくれ」
俺は箪笥から一枚の紙を取り出す
「今はここだ。中門廊っていう昔の宴会場見たいなところだな
他にも色々あるけど・・・」
実はあの女の襲撃はあれだけににとどまらず続いた為、前の家は住めなくなったのだ
すると秋水さんが”昔の家でよければ住まない?ちょうど住む人探してて”と案内されたのがここ
しかも家賃はいいよとのこと
何でか聞くと秋水さんのお嫁さんが占いをしたら吉兆の兆しがあったらしく
寧ろ住んで欲しいと言われた
それで住みはじめてすでに一ヶ月、最初は戸惑ったけども
水姫も珊瑚も住み慣れているらしく俺も全然不自由はしていない、不思議だ
「凄いね・・なんか物語に出てきそうな物件」
「そうですね!」
「それよりもはじめましょうか!」
「「「「清香さん、誕生日おめでとう!乾杯!」」」」」
「俺と水姫の手料理ですみませんが、沢山食べてくださいね」
「やだ・・超女子力高っ!」パシャパシャ写真を撮る美鳥さん
「豪華だ・・・」
「やっぱり誠ちゃんのお料理は最高ね!いただきま~す」
「相変わらず美味しそうだ。いただきます」
”ダーリン、私達も食べましょう!”
”僕も!”
こうして皆でワイワイ騒ぎながら、沢山話して笑って楽しく時間が過ぎていく
途中部屋を迷った人がいたり、庭で鯉に餌をやったりとあったけどな
最後には、俺ここん家の子になるとか酔っぱらって言ってたやつもいたな
「今日はありがとうね」
「いいよ。俺たち兄弟だろ?」
「もう!」
それから数日後、姉さんと秀爾さんは俺の家に住むことになった
この後はさらに色々な事があるのだが、それはまた別の話で




