case6俺と彼女の共同捜査
俺は林とそれから三井さんとを交えた捜査会議が終わった後の事
俺達は来るべき夜の為にこの零係の別室で仮眠を取ることにしたが・・・
”今日の夜が私達の初デートね♪
しかも夜中の神社なんて素敵!私の魅力も最大限に発揮出来るもの”
”僕も行くっ♪それに翡翠と琥珀も一緒に連れてくからね”
と言いながら俺の布団の中に入ってくるのだ
おいおい・・・・
右には豊満な胸を押し付けて方に顔を乗せている橋姫さん
左には男の子だけど美少年で可愛い珊瑚とその後ろから顔を出す翡翠と琥珀
ね・・・・・寝れねぇ・・・・・・
何の拷問??
俺はというと・・かなり理性との戦いだ
くそ・・・羊でも数えるか
”フフフフ・・・寝れないの?
もう、仕方ないわねぇ~・・えいっ☆”
何事っとと思う前に
俺の意識はブラックアウト
気を失う前に
”ちょっと強くやり過ぎちゃったかしら?”
”おねーさん・・・馬鹿力・・・お兄ちゃん大丈夫かな”
”大丈夫よ!気絶しただけみたい”
おいおい・・・・俺・・・・・・
そのまま俺は意識を手放して熟睡していたようだ
次に目を覚ますと
”おはようダーリン☆とってもいい夜ね”と橋姫のドアップが・・
「うわっ・・・」
”その反応は酷いわ~おはようダーリン♪
これからは私と夜のデートよ☆さぁ、起きて”
「そうだなっ・・イテテ・・・」
俺の後頭部に鈍い痛みがあるのだが・・・あれか?
もしかして俺・・・・殴られた??
横にいる橋姫をじー・・・と見つめると瞳を泳がせながら
”・・・・なに?良く寝れたでしょ?”
まぁ確かに寝れはしたが
俺以外の普通の人間にしたらまず間違いなくヤバイ
「俺以外の”人間”にはするなよ・・・死ぬかもしれないからな」
”そ・・・そうね。気をつけるわ”
俺が真面目に言ったからか素直に反省したようだ
「反省してるんならそれでいいよ」
”本当?ダーリン!優しいのね!”と言って抱きついてくる
「それよりももしこのたたん瘤を治して貰えるならお願いしてもいいかな?」
”そうね!治してあげるわ・・・”
彼女が頭に手を当てると暖かい感触があり痛みがすぅー・・と引いたのだ
そこに手を当てると後ろのたん瘤が消えていた
「ありがとな」
”ううん。元はと言えば私が悪かったんだもの・・・ごめんね”
「それとな、ダーリンって・・・」
”ええ!それは変えないわよ!だってダーリンはダーリンなんだもの!”
昨日は彼氏とか言ってたが・・いつの間に旦那に格上げしたんだ?
「ダーリンねぇ・・・・」
”いいでしょ?だって~私、貴方の事好きになっちゃったんだもの”
「わかった・・・
それよりも準備して行くぞ。今は事件解決が先だ」
”そうね。終わったら今後についてゆっくりお話しましょうね♪”
「そうだな」
”ん~・・もう時間?”と眠そうな眼を擦りながら俺の足の裾を掴む
「おはよう珊瑚。夕飯を食べたら行くぞ、顔洗おうな」
”うん・・・ふわぁぁ・・・一緒に行く”
俺は珊瑚を抱き上げて洗面所に移動する
「橋姫。先に行っててくれるか?」
”わかったわ。先に行って夕飯の準備手伝ってくるわ”
橋姫はヒールをカツカツと鳴らしながら零係の部屋へと向かった
俺はと言うと珊瑚と顔を洗い眼を覚ますと珊瑚と一緒に零課へ向かった
”準備出来てるわ。ダーリン♪”
「ああ・・ありがとう。珊瑚もおいで」
俺達はソファーに座った
「おはよう。今日の夕飯は暖かいうどんにしました」と白金さん
「そうそう。あ・・因みに俺と橋姫さんで作ったんですよ!」
”味には自信があるわよ♪美味しい味噌煮込みうどんにしたの
靖明さんってお料理上手なのよ”
「橋姫さんも上手ですよ!とても助かりました
男所帯ですからね、量も多いので作るのに助かりました」
”そう言って貰えると嬉しいわ!
私ね、浮気相手の女に対抗して完璧な女を目指してたのよね
だから料理も得意よ!”と何でも無いような事のように笑顔で言っている
「じゃあ楽しみだな。暖かいうちに食べよう」
”じゃあ、私も食べようかしら!珊瑚ちゃん達はこっちの小さい器ね
それと翡翠と琥珀ちゃんは特別なきつねうどんよ♪大きいお揚げをつけたわ”
””キュイ♪キュイ♪♪””と翡翠と琥珀は油揚げにテンションが上がっている
”いい匂い・・・いただきまーす!”
「いただきます!」
俺は手を合わせてうどんを食べ始める
ふぅ・・ふぅ・・・するずる・・ゴクン・・・うまい!!
「・・・・旨いなぁ。体が暖まる」
”本当!嬉しい!お口にあって良かったわ”
「元気が出てきたよ。これ食べて仕事頑張りますか!」
そう言うとそれから食が進み皆で食事を済ませたのだ
「ごちそうさまでした」
”ごちそうさまでした”
””キュ!キュ!””
”お粗末様でした♪”
ご飯を食べ終わった俺はジャケットを羽織ると捜査に出ることにした
「白金さん、靖明さん。いきましょうか」
「そうですね」
「兄さん!俺達捜査に出てきますね!」
「ん・・・行ってらっしゃ~い・・・」
と眠そうな返事をする御門さんに見送られて俺達は署を後にする
深夜にも関わらず署内にはちらほらと人がいる
俺達が歩いていると相変わらず視線が突き刺さる
今回は特にだ
俺の隣にいる美人な橋姫さんに皆の視線は釘付けだ
俺達はそんな視線に慣れてしまったので無視してそのまま車に乗り込んだ
運転席の俺の隣・・・助手席はと言うと
珊瑚を膝にのせた橋姫さんがいる
前からみると夫婦とその息子に見えるんじゃないだろうか・・
そんな様子を後部座席から見ていた白金さんはというと
「ぷっ・・・・後ろから見るとお父さん見たいですね」と言った
「ぷっ・・・確かに・・・お父さんですよね」と靖明
”あら?じゃあ、私が妻で珊瑚ちゃん達は私達の息子ね♪”と嬉しそうな橋姫さん
確かにそう見えるだろうが・・・
俺があえて触れなかった事をあっさりと言ってしまうあたりが白金さんらしい
「ソウデスネ・・・」
「いいじゃないか。とてもお似合いですよ」
「それに、珊瑚ちゃんがいるときもお父さん見たいでしたからね~
そこに奥さんが加わっただけじゃないですかー」
お前ら・・・他人事だからって・・・
まぁ、悪い気は不思議としていないけどな
「まぁ、こんな美人な奥さんと可愛い息子なら悪くないか・・・・」と呟くとがしっと手を掴まれた
”今の本当かしら?”といい笑顔だ
「え?ああ・・・・」
”今の撤回しないでね?私嬉しいわ”
「そうか・・・」
ちょっと思いもよらない反応にビックリしたものの、やはり悪い気はしなかった
そんな会話をしながら車を走らせていると現場に到着した
丑三つ時近くだからなのか辺りは真っ暗で近くの街頭が不気味に光っている
それから俺達は車を降りて神社の方へと歩いていった
「なんというか・・雰囲気がありますね」
「そうだね・・・それに、この辺は気が少し澱んでいるし」
「そうですね・・少し良くないね」
俺達が向かっている神社はと言うと偶然なのか橋姫さんを祀っている神社のひとつだった
そうこの神社を呪いを行う場所に選んだのはきっと偶然じゃないのだろう
少しでも手がかりがあるのならば俺達は足を運ぶ
”本当ね・・・ちょっと異様な空気だわ”
””キュ~・・キュ??””
神社に着くと二匹が騒ぎだした
”キュ?キュキュ・・(あっちから変な感じがする~)”
”キュゥ?キュキュッ!!(え?本当だ!!)””
””キュキュ!(ご主人様に教えよう!)””
ん??今なんか声が気こえなかったか??
「お前らなんか喋ったか?」
「いや」
「気のせいじゃないの?」
そんなはずは・・・俺は二匹を見て
「お前らか?
確かこっちだったよな?」と言うと
””キュ!(そうです!キリッ!)””とドヤ顔した
「ぷ・・・なんかこの子達ドヤ顔してるね・・」
「それよりも森くん。もしかして二匹の言葉がわかるようになったんじゃ・・・」
「そうかもしれないです」
どんどん俺の人外化が進んでいくような・・
まぁ、二匹のいってることがわかるようになったのは少し嬉しいけどな
「翡翠と琥珀がこっちが気になるっていってます
案内して貰いましょう」
俺達は二匹が気になっている方向に進んでいく
すると二匹はご神木近くの一本の木の前で止まった
それから二匹は長い体を使い木の裏側を覗いた
””キュキュ!(ここです!)””と二匹が鳴いた
「ここだそうです」
俺は二匹と同じように木の裏側に行くと思わずその光景に息を呑んだ
するとそこには・・
夥しい数の藁人形が犇めき合い幾重にも重なって貼り付けられている
沢山の恨みや憎しみが書かれた写真や顔を塗りつぶされていたり釘を刺されている奇妙な写真もある
なんというか怨念の墓場のようなそんな感じだ
そして禍々しい
「どうしたの・・・!!これは」
「これは・・・酷いものですね・・・道理で空気が悪いわけだ」
”それどれ・・・・・これは・・酷いわね
これじゃあこの神社の神様も偉い迷惑ね・・・って私か!”
と一人ノリ突っ込み(笑)
”うわ~・・・こんな神社じゃ。僕たち座敷わらしは住めないね”
「確かに・・・珊瑚達じゃなくても住みたくはないな
この神社の住人もまともじゃないかもな・・・・」
こんな状態で住んでいる辺りまともじゃないのかもしれないと思う
空気が凄く悪いし、それに・・・俺でも分かるくらい障気の吹き溜まりがあるのだ
何が起きてもおかしくない
俺の経験上の話だが今まで捜査してきた現場には共通点がある
それは、現場には必ずと言っていいほど悪い気が溜まっている
それによって影響を受けた人間が事件を起こしていると言うことだ
「そうですね。とにかくここの住人との接触は明日の朝にしましょう
それと一応人の出入りがあるかも知れません
駐車場で張り込みですね」
「そうだな。とりあえず駐車場を通らないと神社には行けませんし」
「そうですね。じゃあ俺は近くで飲み物とか買ってきます」
靖明さんは近くのコンビニに飲み物や食べ物を買いに行ってくれて
俺達は朝になるまで車内でこれからの打ち合わせをしながら待った
それと平行して朝になるまでの間に何人か人が通ったので勿論聞き込みも忘れずに行った
その時にわかったのだがここ最近この神社への参拝客の客層が変わったそうだ
昔は近所でも評判の神社で水の神を祀っていると言うこともあり酒作りを生業とする会社がこぞって参拝し
それから湧き水を求めて地元の住民が来ていたそうだ
しかし今はというと何かしらの悩みを抱えた様な人間が増え、異様な雰囲気だったそうだ
そしてこの神社の優しかった娘さんが様子がおかしくなったと言うことも聞いた
「神社の娘ね・・・」
俺の勘がこの事が事件と関係していると訴えてくるのだ
「それ・・私も気になりますね
話を聞く限りですが娘がおかしくなった時期と客層のおかしくなった時期が重なっていますし」
「そうですね。それは俺も気になります
その娘についても調べた方が良さそうですね
俺は別行動して聞き込みしてきます」
「じゃあ、頼んでもいいか?」
「はい。俺は大神を呼んで二人で捜査しますのでご心配なく」
そう言って靖明は車を降りた
「では私達は神社の方へ行きましょうか」
「まずは警察というと警戒される恐れがありますから
俺と彼女が夫婦で珊瑚が息子と言うことで話を聞きましょう
白金さんは俺の友人と言うことでお願いします」
「いいですね。それは面白そうだ」
「二人もそれでいいかな?」
”私は大歓迎よ♪ダーリン♪”
”僕もー!!じゃあ今日はお父さんだね!”
「そうだな、じゃあ行こうか!奥さん、それから珊瑚」
””はーい!””
「では行きましょう」
俺達は車を降りて四人で神社に向かった
俺の腕に橋姫が抱きついてその前を琥珀が白金さんと手をつないで歩いていく
俺達が仲が良さそうな雰囲気で参拝している中その様子を他の参拝客が憎々しい視線で見つめてくる
”お父さん・・・”と少し震えながら俺に抱きついてくる珊瑚
俺は大丈夫だよといいながら頭を撫でた
更にその様子を見てイライラしたのか他の客が声を荒げた
「幸せそうにしやがって!何?私への当て付け?
そんな目で見てんじゃねぇよ!」
鬼の様な形相で見てくる女性がいたのだ
それに釣られてか他の客も俺達を見て罵倒を浴びせてくるのだ
”見てよあの家族。仲良さげでムカつくわ!””
”幸せなら来てんじゃねぇよ!”
”私たちへの嫌がらせかしら・・呪われればいいわ”
”そうよ!そうよ!”
と騒ぎ始める
そんな様子を感じ取ったのか神社の人が出てきた
「す・・すみません
他のお客様がご迷惑を・・・こちらへどうぞ」
「お父さん!他のお客さんは悪くないわ!
そこの人たちが行けないのよ・・・幸せそうにしてッ!」
「こらっ!お客様になんてことを!戻りなさい。真由美!」と母親が娘を止める
「話してよッ!皆さん・・・ようこそ、こちらへどうぞ」
母親を振り切り他の客の所へ駆け寄った
周りの客も彼女を歓迎している様だ
”真由美様よっ!”
”真由美さまっ!私たちを助けてください”
「フフフフ・・・勿論よ
ああいう幸せそうな人を見ると私虫酸が走るのよね
さぁ皆さん行きましょう」と俺らへと一言いうと何処かへゾロゾロと消えていった
後ろでは彼女のご両親が彼女へと何やら叫んでいるが気にも止めない様子で消えていった
「あの・・・大丈夫ですか?」と俺が声を掛けるとはっとした顔で
「す・・すみません!お見苦しい所をお見せしました」
「申し訳ありません」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「あの・・・もしよろしければお詫びもさせて頂きたいのでこちらへどうぞ」
そう言われて社務所へ案内された
「どうぞ・・」
お茶とそれからおせんべいなどのお菓子を出された
「それで、どうしてうちの神社へ?お見かけしないお顔ですけど」と奥さんが言う
「実は俺、彼女と結婚する予定なんですが・・彼女の実家が水の縁がありまして
それでここの神社の湧き水を分けて貰おうかなと思って来たんです」
”そうなの。ダーリンがね、調べてくれてここの神社の湧き水が縁起が良いって聞いてね”
”僕ね、新しいお母さんが出来るの!”とにこにこと笑顔な珊瑚
「まぁ!素敵ね!再婚されるんですか?」
「私は彼の友人なんですがね
再婚を応援しているんですよね。湧き水を分け頂けませんか?」と白金さんが言うと
彼ら夫婦は少し悩んだ後・・躊躇いがちに小さな声で話始めた
「実は、お恥ずかしい話なのですが・・・1ヵ月ほど前に突然枯れてしまったんです」
「え?そうなんですか?」
「ええ・・・それに・・」
「それに?どうかしたんですか?」
「それと同じ時期に・・」
「お前・・何を言う気だ」
「だって!貴方・・・!」
「もしよければ私が聞きますよ?
私こう見えても実家が神社なんですよね」と言って白金さんが一枚の名刺を差し出す
それを見た瞬間に名刺と白金さんを何度も見比べてから驚いたようで
「実は・・・・水が枯れると同時期に娘の様子も合わせておかしくなっていったんです
何が原因なのかと思っていたんですけど、聞いても答えてくれなくて
それにその後にも色々あって・・・」
「そうですか・・・あの、失礼ですがお嬢さんがおかしくなった時期に何かありませんでしたか?」
「それは・・」
「もしかして!」と奥さんの方は心当たりがあったようだ
「そう言えば・・・私達の神社に出入りしている茨城酒造の息子に熱をあげていたわ
でも娘とは付き合っていなかったはずよ」
「酒造の息子さんですか」
「そう言えば・・・最近来てないわね。茨城酒造の人達・・・」
「そうですか。で?それが何か?」
「もしかしたらあの子とその・・茨城さんの息子さんが関係あるかもしれないと思って聞いてみたことがあるんです
その時に対応した従業員の男性に
”ああ・・・お宅の真由美さんですか?うちの彼に付き纏うのをやめて頂くように言って貰えませんか?”と言われて 他の方にも聞いたんですが”うちに何度も訪ねて来たんですよ。
でもね、営業妨害なのでやめて貰えませんか?”
と言われたんです
詳しく聞いたら、うちの真由美が茨城さんの所の息子さんに言い寄ってたって!
それから私がその息子さんと話をしたいと言ったら門前払いに合いました」
「それは・・・つまり色恋沙汰でおかしくなったと思っていらっしゃっると?」
「・・・・・・・・そうです
それに・・・・実は今、茨城さんの所から訴えられているんです
真由美が・・・彼の婚約者だってパーティーで言ったそうで・・
そのパーティーがとても大事なパーティーで台無しになったそうです
その分の代金を支払ってほしいと・・・・・・それがこれです」
その手紙を白金さんが受け取り中身を見てみると
一十百・・・・・・うわ・・・
そこには2000万近くの金額とそれから弁護士からの接近禁止命令の書状が入っていた
「あの・・・差し出がましいようですが、この事についての事実確認はされていますか?」
「え?それはどういう・・・」
「この手の揉め事の場合きちんと事実を確認された方がいいのでは?
ここ数年はこういう事案での詐欺などもありますし・・・
もしよければ俺の知り合いに刑事がいるのでお調べしましょうか?」と言った
「え!?詐欺?」
「あくまでも可能性の話です
それに娘さんが本当にそんな事をされたのか、もしされていた場合相手に非はないのか知りたくはありませんか?」
「ええ・・・知りたいです!
例え娘が何をしていても、事実をきちんと知りたいです!」と奥さんは涙ながらに言うのだ
「じゃあ頼んでみますね」と俺はスマホで靖明に電話をかけて事情を説明した
”大丈夫ですよ。うちのダーリンに任せておけば”と奥さんをなだめると
「ありがとう。私もうどうすればいいかわからなく・・・」
「すみません。色々ありがとうございます」と旦那さんが頭を下げた
”おばちゃん。元気出して”
「ありがとう。坊や」
俺はと言うと
”つまり、その茨城酒造が何か関係ありそうってこと?”
「そうなんだよ。一方的にかもしれないがその酒造の息子さんのパーティーにここの娘が乗り込んで何かしたらしいけど、そこで何か重要な事が起きたんじゃないかなと思います
ただ乗り込んだだけで接近禁止命令の書状や賠償金の請求書なんてこないだろ?
だからきっと何かあったんだろう」
”それは随分穏やかじゃないね~・・・わかった。こっちで調べてみる”
「よろしく」
俺は電話を切って皆の所に戻る
「あの、俺の知り合いの刑事が調べてくれるそうです」
「いいのかしら・・・お忙しいでしょう?」
「大丈夫です。仕事の合間に聞いてくれるそうですから」
「それなら・・・・・少し安心だわ」
「あの、もうひとつお聞きしたいんですがよろしいでしょうか?」
「ええ・・いいわよ」
「真由美さん達は何をされているんですか?」
「!!!!!」
それを聞かれた途端、彼女の顔色が変わった
「そ・・・それは・・・・」
「何か知ってるのか?」
「それは・・・・」
「お前!何か知ってるんだな!?」
ううう・・・・と泣き崩れた奥さんはぽつぽつ喋りだした
「あれは・・・・きっと・・・私が見間違えたのよ・・・
そう・・・・・・・きっと・・・そうだわ・・・」
「何を・・・見たんだ?」
「あの子が・・・あの子が・・・・
夜中に・・・・・・木に・・・・藁人形を・・・・・釘で・・・打ってたのよ」
「な・・・・なんだって!?」
今・・奥さんはなんと言っていた?
木に藁人形を打ち付けていた?
「私の見間違いよきっと
だって・・・あれはやっちゃいけないってお祖父様にそう言われていたもの
うちの神社の”禁術”だって・・・・・・だから見間違いだわ」
「はぁ・・・お前!何でそんな大事なこと黙ってた!」
「だって!あの子がそんな子とするはずがないわ!」
「そんなことわからないじゃないか!?」
「まぁまぁ!落ち着いてください
もし木に藁人形があればやっていたし、なければしていないのでは?」
二人はお互いに顔を見合わせてから
「そうね・・・」
「そうだな・・・確認すればはっきりわかる
それにもし行っていたのならば、湧き水が枯れた事も説明がつく」
「あなた・・それはどういう?」
「俺は親父から・・いや先代の神主から教えられていたんだよ
”うちの神社の祀る橋姫様は水や川の神として祀っているが、裏の顔もお持ちの神様だ
どんな神様にもいいところとそうではないところがある
人間が悪さをしなければ人に優しく良い神様なのだよ
しかし、人間が約束を破れば違う顔を出し・・災いをもたらす
だから覚えておきなさい、決して橋姫さまの呪いだけはしてはいけないよ
あれは人の身で扱える代物ではないからね
特にお前の周りの女性には気を付けておけ”と何度も言われました
藁人形・・・・それは橋姫の呪いの道具・・ですね?」
「何よ・・・橋姫さま?」
「そうだよ。うちは橋姫さまをお祀りしている神社だ」
「・・・・・・・・・え?水の神様でしょ?」
「そうだ。その神様のお名前だ。
普段は口にすることは許されない・・・だから水神様とお呼びするんだ」
「あなたも私に隠し事してたんじゃない!」
「奥さん。それは違いますよ」
「何が違うって言うのよ!」
「奥さん。私達神社の神職につくものの風習なんです
内容こそそれぞれの神社で異なりますが、代々の当主にしか伝えられない事もあるのです
それは神社を守る為であり、神様との約束事だから守らねばいけない事なのです
今回は緊急だからと話してはくれましたが、本来であれば彼が神罰を受けるかもしれないのです
彼も命がけで話してくれたんですよ」
「っ!そんな・・・・・そう・・なの?」
「ああ・・そうだ
本来であれば話をしてしまったと言うことはこの神社から神の加護を失うと言うことになるだろう
だが・・・・今のところ問題が無いようで助かった」
それは多分祀っている神様ご本人がここにいるからだろう
現に彼女は彼の話を聞いても何もする気は無さそうだ
俺が見つめると笑っているだけだった
「事情はわかりました
とりあえず奥さんが見たと言う境内の木に言って見ましょう
それできっとすべてがわかりますよ」
二人は「そうですね」といい、俺達はその木へと向かうことになった
向かう途中で靖明から着信があり調査結果を聞いた
俺はそれをこっそりと白金さんだけ話をする
彼はなるほど・・・と呟いた
そして目撃したであろう現場に到着するとそこは・・・夜中に俺が見つけた場所だった
が・・・・俺が思わぬ事態が起きたのだ
「よかった・・・藁人形なんてないじゃない」
「お前の・・・見間違いなのか?」
とほっとする二人
彼らにはこのおぞましい光景が見えていない?
「お父さん?お母さん?ここで何してるの?」といつの間にか来ていた真由美さんが言った
「あなたが、藁人形を・・・・この木に打ち付けてるのを見た気がして・・・」
「それで?なにか見つかった?」
「いえ・・・なかったわ」
「そう」と彼女はニヤリと笑った




