case5俺とアイツの出逢い・2
「ただいま戻りました!」
「お帰り~どうだった?」
「その話は昼御飯の後で・・・腹へったので」
”僕もお腹すいた~”
「だよな」
俺はガッツリ食べたくてカツ丼大盛りとのり弁一個に豚汁
因みに珊瑚はハンバーグ弁当を買っていた
「ちょっと食べるか?」俺はカツ丼を珊瑚の口に持っていく
”うん!・・・(もぐもぐ)美味しいね”
「そうか。豚汁も飲むか?」
”うん。お兄ちゃんにも僕のハンバーグ一口あげるね”
「ありがとな」
俺はあ~んと口を開けてハンバーグを頬張った
白金さんは和風おろしハンバーグ弁当とおにぎりにお味噌汁
靖明は焼き肉弁当と鮭弁当と豚汁
俺もそうだが弁当一個では到底足りないのだ
因みに珊瑚は皆から少しずつおかずを貰えて大満足のようだ
食事が終わり食後のコーヒーを飲みながら事件について話を始めた
「今回の事件はやはり怨恨による呪殺ですよね?」
「その線が高そうではあるね」
「そうですね。それは現場の証拠の数々が物語ってますし」
「そうだ・・もって帰って来たこの人形について調べなくちゃですね」
「ただ、調べるにしても先ずは関係者に資料がないとね」
「とりあえず封印して保管しておきましょう」
そう言うと白金さんが保管用の木箱を持ってきてくれた
「水気を克するには木気が一番ですからね」
「一応俺も蓋した後に札を貼っておきますね」
これで藁人形に関しては一応大丈夫そうだな
「とりあえずは情報待ちですかね。俺、林に電話してみます」
俺は林に電話をかける
数回コール音が鳴って
”はい、林です”
「林か。森だけど何かわかったか?」
”お疲れさまです!色々わかりましたよ
俺今署内で飯食べてます。終わったらそっちいきますんで”
「そうか、じゃあよろしくな」
”因みに三井さんも行くって横でうるさいんで連れてきます”
「わかった」
俺の話をきいてた二人は”あの人来んの?”という顔をしていた
わかるぞ、その気持ち
「珊瑚、お前もこれからの話し合いでわかる事があったら教えてな」
”は~い!”
暫くして零係に林と三井さんがやって来た
林は何度もこの部署に来ているのでなれているが・・三井さんはというと訝しげに部屋を見渡す
それもそのはず、この部署の部屋の中には神棚や小さい祠、それから鳥居まであるのだ
まぁ、見慣れていないと驚くだろう
「お邪魔します!」
「ああ、そこに座ってくれ。今コーヒー入れる」
「はい!ほら三井さんも座りましょう」
「ああ・・っ!」
三井さんは目の前に子供である珊瑚を見て驚いている
「なんで子供がいるんですか!」
俺はコーヒーを入れたので二人に渡し、お茶菓子にマドレーヌを出す
「珊瑚の事ですか?
この子は俺達の捜査協力者なので気にしなくていいですよ
な?珊瑚」
俺は珊瑚に暖かいココアと甘いチョコパンを渡す
”うん”
珊瑚の頭を撫でてから隣に座った
「林くん来たんだね
白金!一課の人達来たよ~」
奥から白金さんが二人分のコーヒーを持ってやって来た
「お待たせしました。これどうぞ」
「ああ、ありがとう」
二人も席についたので改めて事件の事を話始める
「で?どうだったんだ?」
「えっと、まず被害者は神部万里江さん
実は彼女婚約者がいた様なのですが、その婚約者が彼女と二股かけていました
例のクローゼットの写真の男がその婚約者で名前は谷口弘志さん
それからもう一枚の写真がその浮気相手で秋月美紀さんです
年の為二人の安否を確認した所原因不明の体調不良で数日会社を欠勤していたそうですが・・
被害者が亡くなったと思われる昨日~今朝にかけてと時を同じくして回復したそうです
それとこの三人が揉めているのを目撃した人によると神部さんが
”浮気者!アンタ達の事許さないわ!呪ってやる!”と大声で叫んでいるのを聞いています
それから友人の証言によると最近毎日のようにとある神社に行っていると聞いていました
それに会わせて少しずつ様子がおかしくなったようで、少し攻撃的になっていたそうです」
そういって数枚の被害者の写真とそれから揉めていた時の様子を撮影した動画を見せてくれた
揉めている時の彼女は鬼の様な形相でヒステリックに叫んでいる
ん?俺の見間違いか?
今一瞬だけど神部さんの頭に角が見えたような・・・
「今の所もう一度!」
やっぱり見間違いじゃなさそうだ
「白金さん、靖明。ここ見てくれ」と俺が指差すと
「これは・・・角?彼女はこの時点で人間やめてしまっているね」
「そう・・ですね。これはまた・・それにこの様子だと他にも何かありそうですね」
”このお姉さん・・・・鬼になっちゃったんだね”
「鬼?は?鬼って・・・まさかあの鬼か?」
”そうだよ。この女の人は人間やめちゃったの”
そうか、彼女は”鬼女”になったのか・・だとすると・・・
風斗達が帰って来ていないのはもしかして
二人も同じ結論に至ったのか
「大丈夫かな・・・」
「いや・・どうだろう」
「一応連絡してみましょう」
俺が電話をかけると・・・
”もしもし?森くん?丁度いいや!
っと・・あのご遺体ね生き返っちゃったんだよね~”
「やっぱり?鬼ですか?」
”そうそう・・俺らのいうことも聞かなくてね~
残念だけどここで始末しないと今にも人殺しそうなんだよ”
「わかりました。俺”髭切”持っていきますね!」
”おお~わかってるじゃん!そうそう”鬼丸”な!頼む”
「三十分くらいで着きます!それまで頑張ってくださいね」
”了解。結界の中にでも閉じ込めておくわ”
俺は電話を切ると
「すみません、俺現場いってきます。珊瑚はここで待っててな」
”わかった。気を付けてね”
「ああ。白金さん、髭切借りていきます」
「わかった。いっておいで」
俺は棚から一本の刀とそれからお札を数枚持って部屋を後にした
「あの・・・今のは?」
「ああ、えっと現場でご遺体が生き返っちゃってね」
「は!?それはどういう事だ?死んでなかったのか!?」
「いえいえ、死んでましたよ
ですが、恨みで死んだ後に鬼になってしまったんですよ
聞いた事ありませんか?
”丑の刻参り”をすると鬼になってしまうってね」
「じゃあ被害者は鬼になってしまったと・・・・言うことですか?」
「そうそう。それでね
その昔源頼光の部下、渡辺綱が”髭切”っていう刀で鬼を切ったという伝説があるんだよ
その刀を持って森くんは現場に行ったんだ
呪いや妖の弱点になるものは効果があるからね
今回のケースだと呪いで鬼になってしまった”橋姫”と状況が似ている
だから克するのに丁度いい武器だね」
「相変わらず専門用語だらけですね・・・」
「だったらこれ読むといいよ」
靖明さんが一冊の本を俺達に見せてくれた
「このページが橋姫についてのページだよ」
「橋姫?なんだそれは」
「どれどれ・・・・・」
林は橋姫のページを読み終えると
「なるごど・・・俺が調べた事がなんだったのか良くわかりました」
「は?お前・・お前までオカルト信者か?」
オカルト信者って・・・・
「三井さんはきっと理解出来ないでしょうが、俺は違います
それとこの先事件の捜査をするんでしたら先ずはこの話を信じた方がいいですよ」
「は?幽霊とかをか?」
”ふふふふ・・おじちゃん、信じてないの?”
「なんでこんな所に子供が・・・」
”子供?僕子供じゃないよ?”
確かに見た目は子供だけれど何百年と生きている珊瑚
普通はただの子供だと思うよな・・
「あー・・えっとな、珊瑚はこう見えて俺らよりも長く生きてる
なんというか、子供だけど子供じゃないんだよな」
なんて説明したらいいのか・・
俺も俺で上手く説明できていない気がするんだが
「お前、何言ってるんですか?どう見ても子供ですよね?」
「そうなんだけど、珊瑚は人間じゃないんだよ
だから珊瑚にも話に入って貰ってる」
「子供だろ?子供に殺人の話を「三井さん、とりあえず話を先に進めましょう!」」
「そうそう。話を進めましょう」
(サンキュー!林!)
(いえいえ、先に進めましょう)
「で。話の続きなんだけど、今回の事件はその橋姫が行った呪法と同じ事を被害者も加害者もしてたみたい
聞いたことない?丑の刻度参りって・・ほら、神社の木に藁人形を釘で打ち付けるってやつ」
「あります!確か頭にろうそく付けて白い着物でやるんでしたっけ?」
「そうそう!恨みや嫉妬を込めてやるんだよね
但し、この呪法を行うと人じゃなく”鬼”になると言われているんだ
だから彼女は鬼になってしまったんだよ」
「今度は鬼ですか・・・本当にこの部署は大丈夫なんですか?」
「それ、どういう意味ですか?」
「どういうって・・今回の事件が鬼だの呪いだの言うのでね」
「信じる信じないはあなたの勝手ですが・・・馬鹿にしていると痛い目見ますよ。ね?林くん」
「そうですね・・・俺も過去に色々危ない目にあったので理解してますよ
三井さんも彼らが呪いというなら間違いないです
なので信じられないでしょうけど、そのうちわかります
だから今は一緒に捜査しましょう!」
確かに普通は呪いとか言われても信じられないですよね!
その気持ちは痛いほどわかります!
けど、実際に体験した俺としては信じるとまではいかなくても
とりあえず聞くだけ聞いていて欲しい
「仕方ない・・私も大人だ。とりあえず信じる事にしよう」
よかった・・とりあえずはこれで一段落した
「ありがとうございます(まぁ、これからが本番ですけど!)」
「じゃあ話を続けよう
つまり今回の事件の被害者を殺した人物を探して連れて来なくちゃいけない
但しこれは普通の殺人事件じゃない
だって普通の事件のように犯人が”直接殺したりしている”訳じゃない
呪いという手段を使って被害者に触れる事なく殺害し、凶器もない
三井さん達捜査一課ではこの事件の犯人を逮捕出来ないんです
だから代わりに俺達が捕まえるんです
勿論”地獄の法律”に従ってですけどね」
「・・・・・・・地獄?」
「そうです。俺達は”人あらざる者や人あらざる力”による事件を取り扱っています
まぁ最終的な罪状については”地獄での裁判”で決定するので、俺達は犯人を確保するのが役目
その後は”死神さん達”に地獄へ連れていって貰うんですよね」
「死神ねぇ・・・」
「呪いによる死人は本来まだ死ぬべき人間じゃない
”寿命”による死以外はすべて”不審な死”であり、”あってはならない死”なんです
これは地獄でも困る事態なんです
寿命を全うして死ぬ場合は鬼が迎えに来るんですけどね
そうじゃない人間は”悪霊や怨霊”になりやすく
この世に留まってしまう事が多い
それはこの世で生きる俺達にも悪影響を及ぼすんだ
だからこそ俺達のような部署が必要なんだよ」
そう、俺達は必要
この世の気を乱れさせないため、それから”百鬼夜行”を防ぐため
俺達は事件を捜査する
「聞けば聞くほど馬鹿げた話だ」
「三井さんからみればそうなのかも知れませんね
ですが全て事実ですから」
「それで?」
「三井さんや林さんには”生きている人間”を相手にして貰ってる
俺達は主に”人間以外のお相手”だからね」
「そうですか」
「今はとりあえず森を含む他の人達が帰ってくるまで待ちましょうかね
それからその間だったら色々話出来ますよ?」
「じゃあ、是非聞かせて貰おうか」
三井さんと俺、それから靖明さん達とで雑談をして森さんの帰りを待つ事にした
”林さん。あのおじさん大丈夫かな・・・”
「大丈夫だよ。これから色々わかるだろうしね」
一方現場に戻った森はというと・・・
”おのれ・・・・あの女!殺してやるっ!”と恨み事を言いながら室内で暴れている女が居た
「お前!おとなしくしてろッ!」と雷斗が暴れる女を押さえ込み
「ちっ・・俺達の言うことを聞けッ!」と風斗も一緒に女を押さえた
怒りの感情が押さえられないのか女はなおも暴れている
俺は預かった刀を手にして雷斗達の元に向かって走った
「雷斗っ!風斗っ!大丈夫か!」
二人は俺の声で顔をあげた
「お!来たか!」
「それが例の刀?とりあえず殺さない程度に切ってよ
俺と雷斗が押さえてるから」
左を雷斗が右を風斗が後ろから押さえ、彼女を立たせた
俺は刀を構えて居合い切りの要領で彼女の体ではなく黒く渦巻いている”気”を立ちきった
”ぎゃぁぁぁぁぁ!おのれ!おのれ!邪魔を・・・・・スルナっ・・・”と叫び女は倒れた
「ふぅ・・これで連れてけるな」
「一応両腕は封印の数珠で高速しておこう
他にも一応体に封印の凡字を特殊なインクで書いておこう」
風斗は道具を使い朱印を施した
「後は目隠しをして、それからこの封印紋が書かれた袋に入れたら終了だな」
俺達は協力して彼女を袋にしまいタンカーにのせ車に運んだ
現場はすでに浄化作業が終了していた為、後の作業は表の人間に任せる事にした
「それにしても助かった。彼女目覚めたら暴走してさ~大変だったんだよな」
「そうそう。元々怨念が強かったからね。起きたら、”あの女はどこッ!殺してやる!”て騒いでさ
早く収まってよかったよ
他の人間に見られると厄介だからね」
確かに、死んだはずの人間が生き返った上に長い爪と色白の生気の無い肌で叫んでいるなんて
そんな所見られた日には最悪だろうな
火消しをするのも大変だろう・・・気づかれて無いようでよかった
とにかく今は彼女を連れて零係りに戻ろう
あそこならなんとでも出来る
「じゃあ、戻りましょうか」
「そうだな」
「運転は雷斗、任せた」
俺は刀を見られない様にしまい抱えたまま後ろのトランクに乗る
雷斗が運転し、風斗が助手席の乗り込み車を発進させた
そして袋の中で意識が戻ったのか呻き出す
””う・・・・・うぅ・・・・””
口元も封印の札で塞がっているため叫び声は出ないが恨みがましく呻いている
俺は念の為いつでも抜ける様に刀を抱えながら彼女を見つめる
そのまま車は進み署に到着した
タンカーを雷斗が運び俺はタンカーの横を歩く
後ろには風斗が荷物を持ちながらついてくる
署にいる連中からは”なんだ?遺体か?”と声が聞こえて来てにざわざわとどよめいたが
俺達はそれを無視し、早く安全圏である零係りの部屋へと移動した
俺が部屋の扉を開けると
「お帰り、森くん。それから、雷斗くんと風斗くんも」と御門さんが出迎えた
「あ・・・はい。それよりもですね。御門さん、お仕事ですよ」
俺が後ろのタンカーを指差すと
「おやおや・・・鬼女ですか・・」
「そうです。とりあえず御門さんの方で封印だけでもやり直して貰えませんか?」
「はいはい」
そういうと御門さんは素早く印を結び祝詞を唱えた
「さてと・・これでとりあえずは大丈夫だろう」
「ありがとうございます。とりあえず俺はこの刀を常備抜刀出来るようにしてます」
「雷斗も風斗もご苦労様。ひとまず、彼女はそのままね」
「「は~い」」
そんな俺達の事を訝しげに見つめる三井さん
”おかえりっ!大丈夫だった?”
””きゅっ!””
俺のポケットからは二匹が顔を出し、キリッ!とした顔で珊瑚に報告した
「え?それなんですか!?きつね???」
「こいつらか?こいつらは”管狐”の翡翠と琥珀だ
可愛いだろう?俺の守護獣だ」
”きゅっ♪きゅっ♪”
俺に守護獣と言われて嬉しいのかご機嫌だ
最近成長期なのか管に籠ることも多いが今日は大丈夫らしい
「確かに可愛いですね!」と瞳を輝かせた林が居た
「だろ?」
「お前!それ刀か?銃刀法違反じゃないのか!?」
「これですか?大丈夫ですよ・・これは一応真剣じゃなくて模造刀ですから」
「模造刀?」
本当は真剣ですけどね・・・とりあえずごまかしておこう
すると御門さんが”ナイス!”と言いたいのか親指あげてグーとやって来た
俺は口パクで”どういたしまして”と返した
そんなことよりもだ彼女から事情聴取をしないとだな
「え~っと、今からちょっと信じられないような光景を目にすると思いますが叫ばないでくださいね?
とりあえず被害者から事情聴取するんで俺の後ろにいてくださいね
雷斗!風斗と一緒に袋開けて椅子に拘束して貰えるか!」
「「わかった」」
袋のファスナーを降ろすと恨みがましく俺達をキッ!と睨んだ女が居た
そう被害者の神部という女だ
血色がなく青白い肌につり上がった眼、それから長く伸びた爪に縮れた髪
生前の写真とは似ても似つかない女
彼女を強制的に椅子に座らせて鎖で体と椅子を固定する
じゃらじゃらと音を立てて女が蠢いている
風斗が口の札を剥がすと同時に叫び出した
”お前達・・・離せッ!殺してやるッ!お前達もあの女もッ!”
「「ひっ!?」」
三井さんと林の小さな悲鳴があがる
「あの女が被害者か?嘘だろ!」
「いいえ。嘘じゃないですよ
だってほら・・・釘が刺さった痕も、血の痕もあるでしょ?」
流石に服は乾いたが・・ボロボロだ
そしてその服には赤黒い血液の染みがあり釘の刺さった場所には虫食いの様に穴が空いている
まさに鬼のような形相の女がいるのだから驚かない方がおかしい
「本当に生き返ったのか・・・信じられない・・」
「でも、間違えなくあのときの遺体ですよ」
私は夢でも見ているのか?林のいう通り確かにあのときの遺体と特徴が一致するのだ
目の前で起きている事に私の頭が追い付いていかない
「さて・・尋問してもいいんですか?」
にこにこと笑顔な白金さんが空気を読まずにやって来た
「白金さん・・・あんた本当に好きですよね」
「ええ。何せ人間じゃありませんからね~楽しみですよ」
手には・・・・・・あれ?拷問器具らしいものが・・・
「さて、始めましょうかね♪
まずはお名前は神部万里江さんで間違いないでしょうか?」
”・・・・・・・・・・・そうよッ!”
「おやおや、素直ですね
次の質問です
あなたは谷口というこの男とそれから浮気相手の秋月さんを呪いましたか?」
写真を目の前でちらつかせながら言うと女の雰囲気が変わった
””ふふふふふ・・・・そうよ!呪ってやったわ!死んだのでしょ?”
そういう女を前ににやりと笑い
「いえ・・大変残念ですが、この二人は生きていますよ」
”!!!!!”
女の眼がカッ!と開き、そしてお腹から呻くような声で憎々しげに喋り出した
”なんですぅってぇぇ・・・死んでない?嘘ッ!そんなはずないわッ!
だって・・・私に呪いを教えてくれた女が言ってたわッ!
この呪いを受ければ必ず・・・死ぬってッ!生きてるなんて・・・嘘よッ!”
「いえいえ。生きてますよ?
残念ながら貴女の呪いもそれから命も無駄に終わったようですね~
まぁ、他人を呪ったんですから同情はしませんけどね」とクツクツと笑いながら言う
”そんな・・・・・・・私だけ・・・・私だけ・・・死んだの?
・・・・・・・・・・殺してやるッ!
呪い殺すなんて生ぬるい・・・・私が殺してやるッ!”
ガシャガシャと鎖を鳴らしながら呪いの言葉を撒き散らしながら暴れる
「はぁ・・・そんなに呪を撒き散らさないでよね・・・」
そう言いながら靖明がシャランシャランと神楽鈴をならして黒い靄のような穢れを払う
「今聞きたいのはそんなことじゃないんですよ
それよりも、貴女にその呪いを教えたのは誰なんです?」
”・・・・・・・・・・・”
「教えてくださいね
じゃないと・・・私、手加減しませんからね」と大きなハサミ?のようなものを構える
え・・・・なんですかそれ・・・え?何?爪をは・・・・ああ、なるほどね・・・
ドSな白金さんらしいですね~
「ふふふふふ・・・どうします?
私は貴女がしばらく喋らなくてもいいですけどね♪」
そんな白金さんの不気味な空気に流石に少し動揺したのか
”・・・・よ”
「ん?なんでしょうか?」
”私が、浮気してるのを知って泣いていた時に会ったの・・よ
浮気した男にもそれから相手の女にも・・・仕返しが出来るって・・
でも・・・やるには・・対価が必要だって!私の・・・命が・・・必要だって
私、あの時はあいつらへの恨みで憎しみで嫉妬で頭も心も一杯だった!
殺せるなら・・・・それでよかったのにッ!死んでないなんてッ!”
「で?その女の名前は?」
”知らないわ・・・・どうでもよかったもの・・”
「そうですか・・・それは残念ですね
わかれば貴女の罪も少しは軽くなったでしょうに」
”どういう事・・・・?”
「貴女は罪を犯しましたよね?
だから、きちんと裁かれるんですよ」
”ふふふふふ・・・どうやって?
私は人間じゃないわ・・・人間の法律でどうやって裁くのかしら?”
”それ私も興味あるわ”
神部さんの隣に突然一人の美女が現れた
しかも、何故かビジネス用の上下のスーツを来た美女がいるのだ・・
この時の出会いがある意味俺の運命を左右する出来事だとは思いもよらなかったのだった




