case3.5俺と商家と不思議な縁5
座敷わらし事件の後
俺は白金さん達と一緒に書に戻ってきたのだ
社内で俺の膝の上に上機嫌で座るわらし
”僕、お兄さんのお膝の上がいい!!”と言うことと場所確保の為
「「「その案、採用!」」」と・・・現在に至る
車内からは楽しそうに窓に張り付いて外を見ているわらし
”うわぁ!随分変わってるね~外なんていつぶりだろ・・・2・300年ぶりかな?”
2・・・300年!?
まぁ・・人間じゃないとは言えど、2・300年
「・・・・・最早プロの自宅警備員だな。SE○OMとか要らないんじゃ・・」
「「「ブフォッ!!!!」」」
え?何???
俺なんか変な事言ったか?
「お前・・・・自宅警備員って・・・」
「ぷっ・・・・あははははは。やっぱり面白いね!森って」
「そう・・くっ・・ですね・・・。ユニークで・・いい・・んじゃないですか・・・」
”お兄さん・・・”
えっ。ちょっ・・・そんな残念な者見るような眼で見ちゃう?
「俺なんか変な事言った?」
「へんっていうか・・斬新?」
「そうそう。俺らにはない発想?」
「ですね~。まぁ、確かに家に居たら最強の警備員だけど」
俺の脳裏に薙刀とか鉈を持ったわらしが侵入者がいないか目を光らせている所を思い浮かべた
「・・やべぇ・・確かに最強だ。強そう・・・」
”お兄さん・・今なに考えた?”
「こう・・・薙刀とか構えて・・侵入者が来たら倒す的な?」
”あぁ・・・概ねあってると思うよ。”
「あってるの?」
”うん。概ねあってるよ、昔の武器っていったら、刀・薙刀・鉈とかだし
僕の場合はその時の気分次第で使い分けてるけどね~”
気分次第って・・・
しかし、赤い着物を来た美丈夫な黒い長い髪の男の子が鉈とか持ってたらホラーだよな
しかもさ、日本人形見たいに顔が整ってて綺麗なのが余計に恐怖じゃ・・・
そういえばあの時は軽くテンパってたけどさ、俺・・実際に見てんじゃん!?
遭遇してるじゃん!
・・・・・・・今思い出すと、うん。怖いわ・・・
普段はこんなに可愛いのにな
俺はわらしの頭を撫で撫でする
”どうしたの?頭撫でて”
「うん?いやあ・・可愛いな~って(普段はな)」
”本当!僕、可愛い?”
「ああ、可愛い」
そんな俺らの様子を見ていた白金さんが・・・
「え?もしかして森くんってロ「違います」」
「「違うの?」」
ブルータスお前もか!?
「違います」
俺が真顔で返事をすると
「なんだ、違うのか・・・」
そこ!何でちょっと残念そうなんですか!?
「白金さんは俺をなんだと・・・」
「え?だから・・ロリ「違いますからね~」」
”ロリ??何??”
「あ~・・わらしは知らなくていいんだよ~(うん、知らなくていいよ)」
”そうなの?”
コテンって首かしげて・・・あざいといが、可愛いので許す
「そういえば・・このわらしは女の子じゃあないんですか?」と白金さん
「この子は男の子ですよ。ね?」
”うん。僕男の娘だよ?”
ん?最後の男の子?のところがなんかニュアンス違うような・・・
「ええ!?座敷わらしって女の子じゃないんですか!?」と大神
そう・・そうなのだ
一般的にいう”座敷わらし”とは女の子なイメージがある
が・・・しかし、残念な事に真実は違うのである
「それ・・俺も思いました・・けど」
「けど?」
「実はわらしから聞いたんですけど、実は”座敷わらし”はあくまで名称みたいなもので男も女もいるそうです
女の子ってのは勝手な人間のイメージってことですね
それにそもそも”座敷わらし”というのは
その昔商家や農家で口べらしの為に殺してしまった霊という説もありますし
そういう意味では両方の性別がいてもおかしくないですよね
しかもその子供の霊が守り神として家族を見守るところから生まれたらしいですよ~」
「え?じゃあ、女物の着物については?」
「ああ・・それについてはですね
昔の子供は短命で十歳まで生きる為に男の子でも女の子として育てるという風習から来てるそうです
なので見た目が”女物の着物に長いおかっぱの髪に可愛い顔”らしいですよ」
「・・・・・・・そうか。じゃあ座敷わらしの全員女の子説は間違ってるという事ですね」
「そうですね」
「そもそも、俺の言った様な説があったにも関わらず
全員女の子って無理ありませんか?
だって、女の子だけそういう目にあってる訳じゃないだろうし・・・」
「「「なるほど!」」」
「森!これはある意味貴重な体験と発見だね」
「たしかに・・私も男の子の座敷わらしに会うのははじめてです」
”そりゃそうだろうね・・まぁ、会ってもどっちか普通わからないと思うよ”
「わかん・・ないの?」
”うん。僕が男の子って分かったのお兄さんがはじめてだもん”
ええええええええええ!!!!
「え?そうなの!?」
”だからね、僕お兄いさんが気に入っちゃったんだ♪”
あ・・・ソウデススカ
「あ・・ありがとう?でいいのかな?」
”どういたしまして☆”
そういえばあの擦れ違った男は誰だったんだろう
”お兄さん。あの擦れ違った男の人はね・・貧乏神様だよ”
は????
え!?マジで!
何でもわらしたちは自分達がいなくなった後にその商家に色々とお灸を据えるために貧乏神を呼ぶのだそう
怖っ。目に見えて没落するからくりを改めて知ると怖いものだった(笑)
なんとなくこのあざとい笑顔にごまかされた感があるけど、まぁいいか・・
その後は外の様子に興味深々なわらしの質問攻めに合い、皆で答えていた
途中で皆でサービスエリアでご飯を食べた
そこで男5人と子供一人という異常な空間で俺との仮契約とやらのお陰で実体化したわらしは
嬉々として”お子さまランチ”を食べていた
着物を来た美少女が・・・お子さまランチ・・・
周囲の視線をもろともせずに”お兄さん!これ食べていいの!”と瞳を輝かせていた
しかし・・・シュ・・・シュール過ぎる・・・
昼食を済ませて車に乗ると、はしゃぎ疲れたのかわらしは寝てしまった
こうしてあっという間に署に到着した
着物を来た可愛い子と手を繋いで署に入った俺に視線が刺さるッ!
”お兄さん。ここ・・何処??”
「おまっ!その子どうした!」と元同僚の林
「ん?どうしたって・・親戚の子だよ」
「は?え?????」
「だ・か・ら・親戚の子だよ。俺が預かる事になったの」
”・・・お兄ちゃん。この人誰?”
「目覚めたか?
このお兄さんはね。お兄さんのお友だちだよ」
”そうなの?”
俺の後ろにサッと隠れてじー・・・と林を見ている
「大丈夫。怖くないよ
それよりも奥のお部屋に行こうか」
”奥のお部屋?”
「そう。お兄さんがいつもいるお部屋だよ」
”行く!!”
俺は嬉しそうなわらしの頭を撫でた
色々と問い詰められると面倒くさいので早々に会話を切り上げて俺は零係の部屋に向かう
「じゃあな、林」
後から”お疲れさまで~す”と言って大神達が入ってきた
俺は一足先に零係の部屋へと入って行った
「おかえ・・・り!?え・・・・?誘拐?」
「縁起でも無いこと言わないでくださいよッ!」
まったくこの人は・・・・・わかってて言ってんだから質が悪い
「で・・・?君はまた、そういう者を拾って来て!めっ!」
めっ!って、顔がいくら良くてもいい年したオッサンが言っても可愛くないわっ!
「あのね・・御門さん。この子は悪い者じゃないから大丈夫ですよ」
「え~・・本当?」
”ねぇ・・・このおじさんは僕とお兄さんの仲を引き裂こうとしてるの?”
わらしから微妙に・・殺気が・・・
こらこら!物騒なモノは仕舞いなさい!めっ!
なになに・・・おじさん嫌い?
”僕・・お兄さんと離れないからね・・・”
「大丈夫。俺も離れないから・・ね?それは仕舞おうね?」
うん!仕舞おうね
その、物騒な・・・・・・・鉈
「なにしてるのかな~?やっぱり君は・・悪い子なのかな?」
おいおいおい!このオッサン何してくれてんの!
”・・・・お兄さん。このオジサン・・邪魔だね?(にこっ”
ちょっ・・・わらしさん?
「お・・・落ち着こうね?」と行った矢先
ぶうぉぉんと大きな鉈が御門さんに向かって降り下ろされる
「えッ!ええええええ!なに?僕なにかした?」
何か?じゃねぇよ!
このオジサンは・・・
ブンブンと鉈を振り回している子供と逃げ惑うオッサン
なんだ・・この図
その時かちゃ・・・とドアが開い・・・た
ブフォッ!っと誰かが盛大に吹き出した
「あははははははっ。アンタ何してんのさ!」と雷斗が指差し爆笑
「何?・・・・ぷっ・・・貴方何してんですか?・・いいざまですね」と笑いを堪えつつも罵倒する白金さん
「「は?おまっ!何したの!?」」と風斗と大神
「ちょっと・・見てないで助けてよ!」
皆さん助ける気はないらしく傍観している
まぁ・・御門さんだし死なないだろうしな
「ちょっ・・・助けてぇぇ・・・・」
暫くわらしと御門さんの珍騒動は続くが・・わらしが楽しそうですねと俺らは傍観中
お土産のお菓子を広げて俺は
「わらし。甘~いお菓子があるよ。こっちにおいで」と膝の上をぽんぽんと叩いた
”お菓子っ!食べる!”と言って俺に駆け寄って来る
「どれがいい?今日はケーキを買ってみたよ」
見たことのない洋菓子ことケーキに目をキラキラさせている
そしてどれにするか悩んでいる模様・・・
「俺の分も選んでくれないか?そしたら俺のも半分やる」
”いいの!じゃあ・・・このイチゴのと栗のがいい!”
ショートケーキとモンブランか・・いいチョイスだな
「じゃあそれにしようか。俺ら先に貰うな」
「どうぞ。よかったですね」と白金さんがわらしの頭を撫でた
「じゃあ俺は・・タルトにしようっと!」
「僕は・・・・チョコレートケーキがいいな」
「では、私はチーズケーキで」
「ちょっと!僕に労いの言葉とかないのかい?」
しくしくと泣き真似をしてしなだれているオッサン・・・
「ちょっ!何してんの・・兄さん・・・引くわぁ・・・」
俺達が部屋に入って来たときいなかった靖明はどうやら奥で飲み物を用意してくれていたらしい
奥からコーヒーや紅茶を持ってきてくれた靖明が横で白い目で見つめながら素通りした
「皆さん、お待たせしました
おや?可愛いお客さんも一緒なんですね?」
「靖明さん。ココアってあります?なければ甘いミルクティーでもいいんですけど」
「わかりました。ココアいれて来ますね」
「よろしくお願いします」
俺達がケーキを食べていると
「ねぇ?僕の事無視??」
「ん?ようやく目覚めました?」
「ちょっ・・森くん?言葉ッ。辛辣じゃない?」
「いやいや・・あんたいい年なんだから子供相手にさっきのはダメでしょ」
「エエ・・・僕はただ・・君が心配だっただけで~・・」
もじもじ、くねくねすんなッ!
「ちょ・・本当に兄さん。何したの・・・?」
俺はかいつまんで事情を説明しすると
「は?・・・・・・兄さん。あんた何してくれてんじゃ、ボケぇ!」と蹴りが跳んだ(笑
ブフハァッっと蹴りで吹っ飛ぶオッサン
「ちょっ・・実のお兄さんに酷くないッ!」蹴られた頬を擦りながら若干拗ねぎみ
「これくらいでも足りんわ!」
「え?」
「え?じゃないわッ!この可愛~い子供はね
”座・敷・わ・ら・し”なの?わかる?」
「座敷・・・わらし?」
・・・・・長い沈黙の後にハッ!とした後に瞳をキラキラさせて近づいてくる
怖っ!!!ってか切り替え早っ!!!
「君は座敷わらしだったのかい!!なんということだ・・素晴らしい!」
ケーキを子栗鼠のようにもそもそ食べているわらしに詰め寄る
「オッサ・・御門さん。近いですよっ」ぺしっと頭を叩く
”ん?・・・・・オジサン、近いよ・・・(引きっ”
わらしくんドン引き中・・・・・
うん。俺でも引くわ
「今君・・オッサンって言わなかったかい?(にこっ」
「いやいや・・言ってませんよ(にこっ)
それよりもわらしが怖がってるのでちょっと離れてくれません?」と御門さんの頭をガシッと掴む
「ええ~・・貴重な座敷わらしと話がしたいです!」
「じゃあ、そこに正座して手は触れないでくださいね?(にこっ」
「らじゃっ!」
御門さんは地面に正座した
おお・・・素直
「わらしちゃん。このオジ・・御門さんがねお話したいって」
ふるふると横に首を振り”やだ”という
俺はわらしちゃんの耳元でそっと囁いた
(このオジサンの言うこと聞く代わりに、俺の側にいることを約束してもらおう
そしたら俺と一緒にいられるよ)
(そうなの?お兄さんと一緒?)
(そうだよ。一緒)
俺がそう言うと”わかった”と言ってくれた
”僕がお兄さんと一緒にいられるようにしてくれたらお話聞いてあげる
あとね・・僕は悪いものじゃないからね”と軽く頬を膨らませた
「うんうん。お願いはそれだけでいいのかい?」
”うん。後は僕がお兄さんにするお願いだから、イラナイ”
「わかった。このお兄さんと一緒にいられるように偉いオジサンがしてあげるからね」
”オジサン偉いの?”
「そうだよ。オジサンはねこのお兄さんより偉いんだよ~」
”・・・・・ええ・・・・”胡散臭げに御門さんを見るわらし
「こらこら、そんな目で見ちゃめっ!」
”・・・・・・・・”
「あれ?無言?」
”オジサンのお話ってなぁに?”
「それはね・・・」
ここから御門さんのマシンガントークが酷かった
残念ながらこのオッサンよりも大人な・・あっ、中身的な意味でね
色々と新しい発見やら生態がわかったらしく大はしゃぎしてます
そんで最後は”座敷わらしの革命や~”とかアホな事を言い出した
アホなオッサンはほっておこう
一通り話をして飽きて興味が無くなったらしいわらしは
”お兄さん、僕疲れちゃった~甘いもの食べたいな~”と甘えモード
俺はわらしの為に買っておいた某有名お菓子たけ○このさ○を出した
俺はき○こ派じゃあないんでね
「どうぞ。チョコレートのお菓子だよ」
”ありがとう。お兄さん!あっ、これたけ○この形だ~面白いね!”
よし!これでうちの子も今日からたけ○こ派だ
他のみんなはと言うと・・・靖明と一緒に座敷わらしに関する情報を纏めている
そこなオッサンよりも役に立つわ~
とにかく俺とわらしに訪れた平穏な時間をのんびりと過ごしていた
それから今回の事件の事を報告して今日は解散~
俺とわらしは俺の車で自宅に向かう
帰りにスーパーで買い物をした
目に見るものすべてが好奇の的な為、始終そわそわしていたのが微笑ましかった
実は俺の自宅はマンションじゃあない
東京で仕事をする都合もあって俺は祖母の家に住んでいた
その祖母も去年なくなり家は俺が引き続き住んでいるわけだ
ちなみに祖母の家は昔ながらの日本家屋である
気に入ってくれるかな?
自宅につくと俺の自宅をキラキラした目で見つめるわらしちゃん
”ここがお兄さんのお家!僕ここに住めるの!?”
「うん。今日からここが君のお家になるんだよ」
”そっか・・・えへへへ”
俺達は二人で家の中に入る
それからは二人で煮物をつくったり、魚を焼いたりして夕飯を食べた
”お兄さん・・僕ね。お願いがあるんだ・・・”
「なんだ?いきなり?」
”えっとね・・僕名前が欲しいの”
名前ねぇ・・・
一応御門さんにこの手のお願いは聞いちゃダメと言われているけど
けどなぁ・・・
”ダメ?”
うるうるとした瞳と上目使いというコンボ・・・
う・・・・・
・・・・・・ここは男らしく腹を括るか
「じゃあ・・・珊瑚がいいと思うんだけど・・」
”珊瑚・・どうして?”
「珊瑚はね昔からお守りや魔除けに使われる石の名前なんだ
だから、悪いものから家を守ってくれる君にお似合いの名前かなと
それにね
俺の生まれた月の宝石なんだ」
その言葉を聞いたわらしは俺に抱きついてきて
”お兄さん、大好きっ”と言って俺の口にキスをしてきた
”ふふふ、今日から僕の名前は珊瑚♪お兄さん、よろしくね
あっ・・いまので契約しちゃった”とペロッと下を出した
「・・・・・・・・そうか」
俺は久しぶりに訪れた唇の感触に少々戸惑っていた
・・・・まてまて!相手は・・・・子供?だぞ
うん。落ち着こう・・・
”お兄さん?”
「ああ、大丈夫。嬉しくて、ちょっとビックリしちゃっただけだから」
”本当!お兄さん、お風呂行こ”
「そうだな」
俺と珊瑚は一緒にお風呂に入って一緒の布団に入る
幸い明日は休みだし、デパートでも行くか
”おやすみ。お兄さん”
「おやすみ、珊瑚」
こうして騒がしい一日が終わったのだが・・・
翌日色々な意味で、俺に試練が訪れるという事をこの時の俺はまだ知らない




