case3.5俺と商家と不思議な縁2
そう呼ばれたかの彼女は”名前を呼んじゃダメって言ったのに”と悲しそうに言った
なぜ名前を呼んではいけないのか・・・詳しくは俺には解らないので聞いてみる
”私の名を呼ぶと言うことは正式な巫女になると言うことよ
いずれはいずれ死後私のような存在になると言うことなのよ・・・
彼は力が本当は強くて、でも優しい子だから・・視えないようにしていたのに
もうダメね
あ~あ。神様から隠してたのに~ばれちゃったじゃないの!”と頬を膨らませる
”まぁ、今回あなたを呼んだのはこの為だったのよ。きっと”
なるほどね・・・声は聞こえるが姿が視えなかったのにはそういう訳があったのか・・・
「そっか・・・じゃあ、これで彼は”巫女”さんへの一歩を踏み出すんだね?」
”そうよ。そして私が彼の補佐ってわけ。ね?うまく出来てるでしょ?”
つまりこの神社では巫女となった人間が死後、ここの神様の使いになる
そしてその使いはここの神主にとっては先代の巫女の霊に見えるわけだ
しかも生前巫女として働いて同じ神様に仕えていたわけだ
そんな人に色々と教わるのだから巫女としての格も徳も上がる
「凄いな・・・この仕組みを作った女神様は凄い人だね」
”そうよ!あなた話がわかるじゃない!”
「なるほどね。ここの神社の巫女が代々能力が高いのとお告げの信憑性の高さはそういうカラクリだったのですね
素晴らしいです。巫女のの質を保つのは凄く難しい事ですからね」
置いてきぼりにされていた尾崎さんに近づき俺は目隠しを外す
すると、外しても視えるのだ
「あれ?外したのに・・・視える?」
”そうよ。昔私の名前は呼んだらダメって教えてあげたのに・・呼んだでしょ?
せっかく神様から隠してあげたのに、見つかっちゃったわ
かくれんぼはもう終わりね~・・って聞いてる?聞いてるの?青葉ってば~”
「へ?声が聞こえるし・・姿も視える?」
”そうよ!しっかりしてよね!
貴方は今日からこの神社の正式な巫女になったのよ!
私の後輩ねっ☆さぁ、今日から私が色々教えてあげるわ。宜しくね。青葉”
「・・・・はっはい。よろしくお願いします。鈴さん」
どうやら丸く?収まった様で何よりです
俺はそんな二人を見ながら手元で翡翠と琥珀と戯れてます
あ・・ご飯は勿論美味しく頂きました
「それじゃあ、話も纏まった所で尾崎さんも早くご飯を食べてくださいね」
「そうですね!早く食べちゃわないといけませんね」
「結構時間経ってますからね。
早く食べないとお客さん来てしまうかもしれませんね」とちょっといじわるな白金さん
「そ・・そうですね!」
ああ・・・そんな急がなくても大丈夫ですよ
全く白金さんは・・・・うわぁ・・・めっちゃいい笑みデスネ・・・
こうして慌ただしく朝食を済ませた俺達は食後の緑茶をすすりながら客人を待つ
暫くして入り口のベルの音がなり”ごめんくださーい”と女性の声がした
尾崎さんが入り口に迎えに行き、俺達の前に日向子さんと和服姿の男性が現れたのだ
日向子さんは尾崎さんを見て”この方達は?”と聞いた
「この方達はね、僕の友人だよ
先ずは座ってください。説明をしますので」
「そうですね。ではお言葉に甘えて」
「俺も失礼します」
「はじめまして、私は神主の尾崎青葉と申します」
「これはご丁寧にありがとうございます。
俺は東雲八雲と申します」
彼らは俺らを見てきたのだが先ずは様子見の為、あえて会釈だけにした
「お話をしてもよろしいでしょうか?
実は私、貴女のご実家の松華さまより将来どうなるか神様に聞いて欲しいと言われて聞きましたが
その結果に納得頂けなかったようで・・・それで私訴えられているんですよ
それで、ご家族であれば何かご存じではないかと思いまして、失礼を承知で電話をかけました」
「そうだったんですね・・・はぁ・・なにやってるんだか
大方こちらに来たのは両親と姉でしょうね
それで・・どんなお告げだったんですか?」
「それがですね
”この家におるわらしにきちんと食事をさせよ。さもなくば災いが降り注ぐ”というお告げがありました
何か心当たりありませんか?」
彼女は・・・まさか!?と言うと
「はい。あります。大有りです!
私実家にいた頃はお婆ちゃんに言われてやっていた事があるんです
それは毎日家の奥座敷の机の上に赤飯とお茶を必ずお供えてました
この奥座敷にはね可愛い”わらしちゃん”がいるのよ
おうちを見守ってくれているのだけどね・・おうちに居てもらうには約束があるのよ
それがどんなに忙しくてもお供えをすることよ。忘れてはダメよって言ってました
関係があるのか確信はありませんが・・」
「これはもう確定ですね。」
「そうですね~もうこれは確定です」
突然会話に入ってきた俺達に驚いていたが・・これは早急に対応しないといけないな
「それで、妻の話で参考になりましたか?」
「ええ。凄く重要な事をおっしゃっていました。
これで尾崎さんのお告げが正しい事だったと言うこともわかりましたよ」
「そうですか・・内容を聞いても?」
「勿論ですよ。但し、この事は他言無用でお願いしますね
まず、日向子さんのご実家には”座敷わらし”がいらっしゃるんですよ
呉服屋として栄える事が出来たのは彼らが結んでくれた縁を元に仕事が上手くいったわけですね
しかし、この”座敷わらし”は商家に幸福をもたらしますが同時にに商家の人間を見ているんです
まず家に居てもらうためには先程日向子さんがおっしゃった方法を毎日行うこと
そしてそれを怠ってしまったり、商家の人間が悪事を働くと災いをもたらすと言われています
恐らくこのお告げはその事を指しているのだとそう思います」
「私も同感ですね。それにここまで来るとその””座敷わらし”直接会って見ないとわかりませんしね」
「そうなんですか?ではお二方もご一緒に来られると?」
「あ・・・あのっ!あなた方は誰なんですか?」
「「秘密です」」
「日向子さん。この方達の身分についてはまだお教え出来ません
でも、これだけは言わせてください。この人達はけしてお二人を傷つけません
ね?森さんに白金さん」
「はい。もちろんですよ。尾崎さん。
あ・・俺が森です。よろしくお願いします」
「私が白金です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。ほら、日向子も」
「よろしくお願いします」
「とりあえず、どうしましょうか・・・」と言った時に俺のスマホが鳴った
「すみません。森です。お疲れさまです
ちょっと席をはずしますね
もしもし・・お疲れさまです」
”お疲れさま~今例の稲荷神社?
君が言ってた例の商家でだけど・・・事件があったんだよ
家の住人が怪我したらしい
ただね、奇妙な事をいっているんだよね
自分が怪我した時に刃物を持った小さな子供を見たって・・でもすぐに居なくなったそうだ
どう思う?”
「あー・・・間に合わなかった感じですかね?
まだ・・その、出てはいないんですよね?」
”死体ってこと?
さぁ?どうだろうね・・・ああいう家は醜聞を恐れて内々に事を進める傾向があるから・・
もしかしたらって事もあるかもね・・”
確かにそうだ・・・
前の犬上家の時だってそうだったじゃないか・・
だけど、それでも今回はまだ回避出来るかもしれない
最悪の事態をどうにか出来るかもしれない
「とりあえず、現場に行ってみます
御門さんが連絡してきたってことは・・そういう事ですよね?」
”そうだね。通報があったって事は間違いないよ
早く犯人を探せって、ヒステリックな声で言われたよ
それで・・表の人間じゃどうにもならないからうちにまわって来ました”
「そうですか・・了解しました」
”じゃあ、よろしくね~”
電話が切れると俺は足早に皆の所に戻った
「すみません。お待たせしました」
俺はすぐさま白金さんの隣に行き耳元で伝える
”白金さん、事件になりました。動きます”というとこくんと頷いた
「あの・・森さん?」
「ああ・・すみません。
言いにくいのですが、一刻も早く日向子さんのご実家に向かわないといけなくなりました
案内頼んでもよろしいでしょうか?」
「あの・・何があったかは?」
「はい。その・・まだ詳しい状況が解らないので、お話出来ないんですよ
すみません」
「そうですか。もしやお二人は・・」
「八雲さん。まだ・・口にしてはいけませんよ。」と人差し指を八雲さんの口に当てた
「ごめんね。俺も日向子さんにはまだ教えられないんだ」
「いえ・・。
とりあえず私の実家にいきましょう!お婆ちゃんが心配です!」
「そうですね!
あいにく私は行けませんので、頼みましたよ。
森さん!白金さん!」
「了解しました」
「はい。勿論ですよ」
こうして俺達は準備をして神社を後にした
車は俺が運転して、助手席には白金さんが座る
車内には長い沈黙が続く・・・
ただ今は色々聞かれても答えられないので俺達には有り難かった
そして彼女の実家に着くと俺達は呼び鈴を鳴らした
”どちらさまですか?”
「私です・・・日向子です」
”日向子お嬢様ですか!?今お迎えに上がります”
暫くして迎えに来たであろう家政婦の人が来たのだ
「佐和子さん。お久しぶりね
あのね、私・・神社の神主さんに教えて貰って様子を見に来たの」
「神主さまに・・ですか?」
「そうよ。とりあえず中に入れて貰えませんか?」
「ええ・・そうですね。
そちらの方は?」
「私の恋人とそれから友人の森さんと白金さんよ」
「左様でございますか・・どうぞ、中へ」
「「「お邪魔します」」」
家政婦さんに続いて屋敷内を歩いていく
屋敷の中は思っていたよりも強い負の感情と穢れが渦巻いている
結構、思っていたよりも深刻な状況だな・・・
「すみません。日向子さんが言っていた奥座敷って何処ですか?」
「奥座敷ですか?えっと・・・」
いきなり奥座敷を探し始めた俺を訝しげに見る家政婦さん
だが・・これは必要な事だ。俺は探すのをやめない
「奥座敷はこっちですよ」
「じゃあ行きましょうか」
俺は日向子さんの隣を護衛をかねて歩く
歩く度に嫌な空気が体に纏わりついていくのだ
常人には見えないからなのだろうか、よくこんな気配の中で生活出来るものだ
俺は視線の先にある大きな襖を見つめた
あれがきっとそうだ・・・・この先に”奥座敷”はある
「白金さん。あれです。
あそこの奥が間違いなくそうです」
「そうですね。気配は凄いです
私はここで護衛をしていますのでお願いしますね」
「はい。じゃあ行ってきます
日向子さん達はけして白金さんから離れないでくださいね」
俺は翡翠と琥珀を連れて襖に手をかけた・・・・・
開けた瞬間にもわりと生暖かい空気が漏れだしてきたのだ・・・これは間違え無く障気・・
俺はまず、ここにあるちゃぶ台を綺麗に掃除した
勿論部屋中綺麗に掃除をする
そしてちゃぶ台の上には用意したお赤飯と水筒にいれてきた暖かいお茶を湯飲みに注いだ
待つこと数分・・・赤い着物を来て刃物を持った子供が現れた
”貴方はだぁれ?ここのうちの子じゃないよね?”
「初めまして、俺は森と言います
まずは俺の用意したものをお召し上がりください」
わらしは視線をちゃぶ台に向けるとにっこり笑った
”わぁ・・美味しそう!これ食べてもいいの?”
「勿論です
これは俺が君の為に用意したんです
おかわりもありますよ。あと・・これもどうぞ」
俺は大福をお皿の上に乗せて差し出した
”これなぁに?”
「これはね。大福って言うんだ
お赤飯に入ったお豆を甘く煮たものが入った甘~いお菓子だよ
ご飯を食べたらどうぞ」
そういうと瞳をぱちぱちさせて
”甘いの?美味しい?”
「美味しいよ。あとはね、おはぎもあるよ?」
”おはぎっ!本当に!おはぎ食べたい!”
俺は自分で作ったおはぎをお皿に乗せて差し出した
”本当だ!おはぎ!お兄さん、ありがとう
ずっとね・・お腹が空いてたの・・・・
ここのね、おうちの人がご飯をくれなくて・・・”
お供えものを忘れてはいけないと言っていたが、理由はこれだ
お供えものはこのわらしの”ご飯なのだ”
だから毎日お供えしなくてはいけないのだ
わらしが赤い服を着るようになるのは飢えてしまって格が落ちてしまっているからだという
狂暴化するのは約束を違えたもの達への罰と恨みによってだという説があるくらいだ
「よく我慢したね。」
俺はわらしの頭を優しく撫でた
この子に罪はないのだ
人間はこの子たちによってもたらされた幸福や富を忘れてしまった
”・・・お兄さん。僕のこと触れるの?”
「ん?そうだね」
”ねぇ、僕・・お兄さんのお膝の上でご飯食べてもいい?”
「いいぞ。こっちにおいで」
俺はあぐらをかいている自分の足をぽんぽん叩くとわらしがその上に座った
”えへへ・・お兄さん。とってもいい気を持ってるね!あったかい”
「そっか・・それはよかった。
お兄さんね。実は君に会いに来たんだよ
神社の神主さんにお告げがあってね、聞いたら君が危ないってわかったんだよ」
”そうなの?”
「そう、君がねご飯を食べれてないんだってわかったんだ
だからね美味しいものを食べさせてあげようと思って来たんだよ」
”そうなの!僕嬉しい!お兄さん・・僕ね、もうこのおうちはいいや
皆僕の事忘れちゃったの・・・だからね。もういいや”
もういい・・・か
「そっか・・じゃあ次のおうちに行くのかな?」
”うん。・・・・・お兄さんのところは?”
「俺のところかい?いいけど、商家とかじゃないよ?それでもいいのかい?」
”うん。別に商家じゃなきゃいやって事じゃないし
僕はね、どちらかというと住んでる人の気を気に入るかどうかかな?”
「そうなんだ。じゃあ、俺のところに来るか?」
”うん!”
””キュイ♪キュイ♪””
”あっ!狐さんだ!お兄さんの狐さん?可愛いね”
”きゅっ””キュイ”
俺は口のはしについているおはぎの餡子をハンカチでぬぐう
”ありがとう。お兄さん”
ごはんをお腹一杯食べたわらしにはもう禍禍しい気配はもうない
そして綺麗な黒い長い髪に綺麗な着物を来た男の子が現れた
”お兄さん。ごちそうさまっ”そう言って俺の頬に口づけした
「どういたしまして。
あのね、お兄さん。君にお願いがあるんだけどいいかな?」
”いいよ。”
「ありがとう。じゃあ、お兄さんのお友だちを呼ぶね」
俺はスマホで白金に電話を掛けた
すぐに襖が空いて、白金達が中に入ってきた
”あっ!日向子ちゃんだ!”
「君は日向子ちゃんは覚えてるんだね」
”うん!日向子ちゃんと久栄お婆ちゃんは覚えてるよ
僕にいつもお供えしてくれてたもん!
でもね・・久栄お婆ちゃん、こなくなっちゃったの!
一ヶ月も来なくて・・・それでね・・最近僕聞いちゃったの
お婆ちゃんをねここのおうちの人が・・殺したって・・・”
今この子は何て言った?
家の人間が殺人を犯した・・・そういったよな?
「誰になのか聞いてもいいかな?」
”うん・・・あのね・・・外から来た人だよ
このおうちに外から来た女の人・・・”
外から来た女の人・・・・・つまりは直系の人間じゃないということ
「すみません。この家の住人の写真はありませんか?」
「え?写真ですか?・・・でしたらここに・・・」
家政婦さんが独り言を言っているように見える俺を気味悪がりながらも写真を渡してくれた
「ありがとうございます
どの人か指差してくれるかな?」
”この人・・・後ね、他にもいたの・・・あっ!この人だよ”
そこに写っていたのは若い一人の男・・・家族写真とは違うな
パーティーかなにかの写真か?
俺は白金さんを呼んだ
「白金さん。事件ですが思いの他事態は深刻です。
すみませんがこの家の住人を外に出さないようにお願いします
それと、この人物を御門さんに探して貰ってください
重要な人物です」
「わかりました。では私は応援を呼ぶのとこの家の人間を集めてきます
家政婦さん。ご協力お願いします」
白金は家政婦さんだけに手帳を見せて”まだ他の方にはご内密に”と言った
二人が居なくなった後俺は日向子さんとその旦那さんに事情を説明するべく向き合った
”お兄ちゃん。僕役にたった?”
「うん。凄く役にたったよ。ありがとう」
”うん!お兄ちゃん、頭撫でて!”
俺はわらしの頭を撫でてやる
二人は独り言を呟き、何もないところを撫でている俺を見て酷く怯えていた
「俺が怖いですか?」
「・・・あの・・何かいるのですか?」
「ええ。
今俺の膝の上にいるんですよ”座敷わらし”さんが」
「「座敷わらし!!」」
見えない二人にとってはそれが本当かどうかわからないのだ
それは怖いに決まっている
人は未知との遭遇にとても弱い生き物だ
「そうです。座敷わらしです
彼が教えてくれたんです
少し残酷な現実ですけど、聞きますか?」
俺は彼女には当然聞く権利があると思っている
だからどんなに残酷な現実だったとしても・・・だ
「わたし・・・聞きます!八雲・・一緒聞いてくれませんか?」
「いいよ。」
二人で手を握りあって俺をじっと見つめた
「じゃあ、お話ししますね・・
実は、あなたのお婆様である久栄さんは亡くなっています
そして事情はわかりませんがこの家の住人である人間に殺されています
残念ながら犯人はあなたのお姉さまとその恋人です
しかし、事件になっていないと言うことは・・より事態は深刻です
今お婆様のご遺体がどうなっているかもわかりません
ですが、その件については大丈夫です
俺が・・いや、俺達が解決しますので」
俺が言うと
「そう・・・ですか・・・お婆ちゃんはもう
まぁ・・そうじゃないかとは思ってました・・けど・・・
・・・・・・・・なんで殺されたんですかね・・・」
彼女はうっぅぅぅぅ・・と涙を流して泣いていた
お婆ちゃん・・・お婆ちゃん・・・と何度も名前を呼んで涙を流す
そして暫くして泣き止んだ彼女は
「あ・・あの・・・あなたは・・・何者なんですか?」と聞いてきた
旦那さんの八雲さんは日向子さんを手招きすると耳元で何かを囁いた
日向子さんは口元を手で押さえながら”え?そういう事?”
何がそういう事なのかはわかりませんが・・・・
「とりあえず、俺らに任せて頂けると助かります
それともう一つ・・日向子さんにはお伝えしなくてはいけません
そっちょくに言いますとこの家は没落します
その・・・座敷わらしが俺の家に来るっていってるので・・・」
ポカーンと口を開いた二人・・・
「え?それは・・・つまり・・・うちの家は座敷わらしのお陰で栄えていたって事ですか!?」
「まぁ・・・そうですね
彼が居たことで富を得たという事ですね」
”そうそう。僕がね、いい縁を結んであげてたんだよ
でも、これからはその縁も無くなっちゃうね~”
「というか・・・あなたの所に行くんですか?座敷わらしさん」
「そう・・ですね。
なんか、商家じゃないよとは言ったんですが・・・それでもいいって事なので」
”うん♪僕ね・・お兄さんの事気に入っちゃったの!”
・・・・男の子だとわかってるけど・・可愛いよな~
「そう・・ですか。じゃあ、ここも裕福じゃなくなるんですね!
そうですか!ふふふふ・・・・・・ざまぁ見ろ!」
実家が没落するというのに彼女は酷く嬉しそうだ
「私ね。実家が大っっっ嫌いだったの!
お婆ちゃんは好きだったけど、お母さんと私を追い出したし
家の為に私と八雲さんの中を引き裂こうとしたり、金持ちだからって好き放題
そんな両親も姉も嫌いだった
だからね・・・凄く清々しちゃった」
「そうなのかい?」
「うん。だってね、八雲さんのとの事も凄く反対されたでしょ?
しかも私のお見合い相手は十も年上のオジサンだよ?」
今時流行らない政略結婚というやつか・・・そりゃあ時代遅れだな
「それは災難だったね
明らかな政略結婚だけど・・今時それはないと俺も思う」
「ですよね!」
”日向子ちゃんの相手の人ね・・凄く嫌な人だったよ。結婚しなくてよかったって僕も思う”
座敷わらしに嫌われる男・・・って・・・
相当な悪いやつって事か?
”たぶんお兄さんが考えてるのであってると思う”
「それで、あの・・私達はどうすればいいんですか?」
「ここで待ってればいいよ
今白金さんが動いてくれてるから、安全のためにもここにいてくれると助かるよ」
”このお部屋は僕の縄張りだからね。あの人達は中にいれてあげないんだ♪”
「ありがとな。もう少しだけ、俺達を守ってくれ」
”うん!わかった”
暫くして白金とこの家の住人に・・あ・・・大神達だ
「お疲れ・・・あっ。その子が座敷わらし?」
「そうそう。目撃者件重要参考人」
「ああ・・そういう事か。
で?わらしちゃんはなんて?」
「ここの家で殺人があったって言ってる」
「そっか・・じゃあ俺の出番だね」
大神の後ろから金と白銀が尻尾を振って現れた
「よしよし、お前ら遺体を探せ。いいな」
””バウッ!バウッ!””
二匹は吠えて走り去って行った
”お兄さん!大きい狼だったね!後で撫でてみたいな~”
「後でいくらでも撫でれるさ」
”本当!えへへ・・楽しみだね”
「お・・早くも金が見つけたみたいだ!じゃ、また後でな」
「おう!頑張れよ」
あいつらが来たという事は正式に家宅捜索の令状と殺人事件の捜査が始まると言うことだ
そして・・見慣れぬ顔の捜査員が二名いた
彼らは俺達を見つけるとこちらによってきたが・・襖の先からは進めないのだ
「え?進めない?」
「なっ・・・え?」
「あー・・・そこから先は残念ですが入れませんよ」
「は?お前は誰だ!それとそこの二人は重要参考人だぞ」
「知ってますよ
あと俺は一応同業者です
警視庁の森です
彼女と彼は犯人じゃありませんからご安心を」
俺が警察手帳を見せると
「ん?・・・・同業者か・・・って零係?
じゃあ・・信用できねぇな・・・中にいれろ」
は?こいつ・・・零係舐めてんのか?
ふざけんなっての!
「そういうあんたはどちら様すかね?」
「俺は、捜査一課の安藤だ。お前らみたいな窓際とは違うんだよ
わかったらさっさと入れろ!」
「そうですよ。零係は引っ込んでてください!」
ぶちっ!
俺の堪忍袋の尾が切れた
「お引き取りください
彼女達はこの家に住んでいません
なので犯人ではありませんよ」
「はぁ?そんな事で犯人から外れるわけないだろ?」
「いえいえ。もう犯人の顔は割れてますからね」
「なんだと?そんな訳ないだろ?いいから入れろ!」
「この人零係なんですから無能なんですよきっと・・・」
おい。そこの新人!ふざけんなっての
「俺はね、お前らの先輩だぞ
俺は元捜査一課の森だ
それに部署移動は人事移動だ
わかるかこの意味が?」
俺がそういうと二人はまさか!という顔なった
「ほら、こんなところで油売ってないで捜査に戻れ。」
「は?だから捜査してるだろ?
俺はこいつらに事情聴取を・・・・」
”お兄さん。この人お兄さんの事バカにしてるの?”
「ん?まぁそうだな。あと日向子さん達が犯人かもってさ・・・」
”ええ~・・違うよ。
じゃあ、このオジサン達は僕のおうちに入れてあげな~い☆”
自然と襖がピシャリとしまった
襖の向こうでは”え?何が起きた?””ここを開けろ!逮捕するぞ”とわめいている
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。」
ざまぁみろ!そのまま入ってくんな
”お兄さん、子供みたいだねっ。可愛い”
わらしは俺にぎゅっとだきついてえへへへと笑っている
暫くすると襖の向こうで声がした
”あれ?安藤さん。こんな所で何してるんです?”
”何だと?ここの中にこの家の娘がいるんだよ!
お前ん所の森が邪魔して事情聴取ができねぇんだ!開けろ!”
”おやおや。中に入れないんですか?それはご愁傷さまですね~
因みにですが、犯人はもう確保済みですよ?
中にいる方は関係ないとおもいますよ~”
”は?お前までそんなことを言い出すのか?零係揃って無能だな”
”あはははは、ご冗談を!今回の事件はうちが持ち込んだんですよ
それに、色々とあるんですよ。あなたの知らない事がね
さっさと仕事してくださいね~”
そう言って襖の向こうからは人の気配が消えて行った
「とりあえずは報告が来るまでここでのんびりしてましょうか」
そう言って俺達はこの小さな世界でのんびりと過ごす




