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俺とアイツの恋愛殺人  作者: 恋☆々
狗神編
11/28

case3縁(えにし)

例の犬上家の悲惨な事件から早数ヵ月の時が過ぎた

俺はあれから変わらずこの零係で仕事を続けている


勿論この事件で出会った翡翠・琥珀も一緒に暮らしている

連れ帰った時は


”陰陽師や神職ではない君がまさか管狐を連れ帰って来るなんてね。珍しい

それにこの管狐には神気しんきつまり神様の気を纏ってるじゃない。どういう事?”


俺は御門さんにこの子達との出会いを詳しく説明していたのだが、あの時の俺の言葉は足りていなかったらしい


”そんな事があったのか・・しかし、君は本当に不思議な人だねぇ。視えるようになったのもそうだけどさ

妖やそういう現象と何らかのえにしがあるのかもね。良くも悪くも・・・”


少し不穏な言葉を残して行くと”君は今週末おやすみだからね~ちゃんと休むんだよ”と言った

「わかりました。」何処か腑に落ちないと思いながらも返事をしたのだった


そしてその後も色々な事件や神事などがあって目まぐるしい日々を過ごした訳だ

今日は近くの稲荷神社へ手伝いとその地域で何か不振な事件がないか聞き込みをした

特に目立った事はなかったのだが、俺はと言うと何故か稲荷神社から是非来てほしいという指名が来るように・・

後で話を聞くと”うちの神様が君をご指名だったんだよ。夜枕元に来てね・・・”と言う


おいおい・・・・女神様・・・それはもうお告げとかじゃなくて完全っな私情ですよね

それでも俺は断らなかった

俺には断る理由も特にないし、俺としては助けて頂いた恩もある

それに翡翠や琥珀にとっては母親もしくは姉の様な存在であり、その土地を守ってくれているのだ


だから俺は”そうですか。それは嬉しいですね。是非、伺います”と答えた


神社を訪れると神主さんに快く迎えられて、俺は社務所でお守りの販売を手伝うことにした

その時に不思議な出来事はあった・・・ありました

参拝者の人が欲しいお守りを俺に伝えるのだが、俺は何故かそれじゃないと分かるのだ


それで俺はその度に”失礼ですが、貴方に会うお守りはこちらだと思います。”といい

”え?こっちですか?”と戸惑う参拝者


うん。そりゃ・・戸惑うよな。だって、”私はこのお守りが欲しいんです”って自己申告してるのにも関わらず

俺に”それじゃあありませんよ”と否定される

俺は兎に角説明した

何をって?そりゃ・・・


お守りの効果と何の願い事に効くどうかって事をだよ


そしてさらに不思議な事に、俺が説明をすると納得いったのか”ありがとうございます!”と言われる始末

説明している本人すら何がなんだか分からないまま仕事をこなしていった

それは何故かって?

今までこの仕事をしていて不思議な体験をしてきた俺としては・・・女神様の仕業かな?という確信があったからだ

仕事が一段落すると神主さんと共にお茶を楽んだ


「お疲れさまでした。貴方からお守りを買った方はなんだか嬉しそうでしたね?」

「そうですか?それなら良かったです」

「それにしても、良くその人に合ったお守りがわかりましたね」

「ああ・・その事ですか・・・

 実はですね、女神様が言うんですよ

 ”このものはこっちのお守りを薦めよ”ってね、声がするんです」

「へっ?あの・・・森さんは巫女さんなんですか?」


俺は首を左右に振って”違いますよ”と言う


「俺はまぁ・・縁があって稲荷神社の女神様達と関わりがあるんです

 多分そのお陰・・ですかね」

「・・・?それでも・・・凄いというか・・・その・・驚きました

 私もこの神社の神主ですが、滅多にお声を聞くことが出来ませんでしたからね

 羨ましい限りです」


神主さんは羨ましいと言うのだが、それは少し違う気がする

それはつまり、良くも悪くも声を聞いてしまうと言うことと同時に関わることの危険性もあるのだ

神様はいい事だけを告げるわけでは無く、良い事も悪いこ事もすべて平等に伝えて来るのだ

その事を忘れては行けない

そしてこの”お告げ”と言うものは厄介な代物でもある

それは受けとる側の意思と言うものに左右されると言うことなのだ


「ねぇ、尾崎おさきさん、貴方はお告げについてどう思いですか?」

「お告げについて・・ですか?」

「そうです」


彼は少し考えた後にそっと言葉を紡いだ


「そう・・ですね。

 お告げは、神様が私達に授けて区ださる知恵ではないでしょうか?

 私達がこの土地や人々を守る知恵」


この人はそういう考え方をするのか・・・これもまた1つの答え

人が無数に存在するようにまた考え方も無数に存在するのだ・・・


「そうですか・・・それもまた1つの答えだと俺は思います

 でもね、1つ忘れてはいけないことがあると俺は思うんです

 それはその言葉を聞く俺達が”人間”だと言うことです」

「ええ・・それはそうしょうでしょうね」


「そういう事じゃないんです

 俺達が人間と言うことは神様がくれた言葉を受けとるのも俺達です

 つまり”いくらでも俺達の都合の良いように解釈する”と言うことですよ

 それは神様が伝えたかった事と違うかもしれません

 それでも人は”有り難い神様の言葉”として聞いてしまうでしょうね

 どんなに神様の意に反する事だったとしても」


俺の言葉を聞いて”!!!”と頭に浮かべ、はっとしたような表情をした

さらに俺は言葉を続ける


「だからね。羨ましいとかそういう事じゃあないんですよ

 俺達受けとる側の意思1つで神様の印象は変わってしまうんですよ

 ”良い神様にも悪い祟り神にも”ね

 だから尾崎さんがもし神様のお告げを聞いたときは、きちんとその意味を考えてください

 その時には難しいかも知れませんが純粋に受け取って皆に伝えてあげてください」


「・・・・・貴方と言う方は。

 そうですね。私達神職は常に神様を意識するあまり見えていないのかもしれませんね

 確かに人の思いは純粋と言うわけではありません

 今回貴方をここに呼ぶように言った神様はとても正しかったんですね・・」


「なにか合ったんですか?」


「ええ・・・貴方になら話しても大丈夫ですね

 実はこの土地の大きな商家の方に商売がうまく行くかどうか神様に聞いて貰いたいとお願いされたんです

 それで、神様にお伺いしたところ」

「芳しくなかったんですね?」

「そうなんです。それで・・お恥ずかしながら、その商家からのお布施が減ってしまうと稲荷の存続が危ういんです

 私はそんな邪な考えが合ったので、正直に伝えようか悩んでいたのです」


なるほど・・それは確かに悩みますよね

神様は人と違って常に生活の事を考えて生きてはいない

だからこそ尾崎さんは人間として悩んでいたのか

だけど俺は合えて厳しい言葉を口にするこ事にした


「俺はそれでも、神様がくれた言葉を素直に伝えるべきだと思います

 これは俺の考えなんですけどね

 神様がくれる言葉には必ず意味があるんですよ

 それがその人にとっては不幸な事かもしれないけど、それはその不幸になるって意味じゃないと思うんです

 だって、これから”起こるであろう不幸な事”って事でしょ?

 悪い方ばかりに考えないで”これから不幸にならない為のお告げ”と思えませんか?」


俺の言葉が目から鱗だったのだろう


「・・・・そういう考え方が・・・!!

 そうですね・・・・そうですね・・・・

 私の瞳は随分と雲っていたのですね・・・」


「ね?良いようにも悪いようにも考えるのは”受けとる側の勝手”でしょ?

 だから、俺はそのままの言葉を伝えればいいんじゃないかと思います

 だって折角”不幸にならないアドバイス”を貰ったんだからさ、有効活用しなくちゃね

 伝えた後どうするかはその家の人間次第、尾崎さんの役目は伝えるまでですよ?」


「・・・・・ありがとうございます。

 そう・・ですね。どう考えるかは”人間次第”ですね

 心のもやがすぅ~・・・と晴れました

 それにしても、森さんの方がよっぽど巫女に近い考えだなんて不思議ですね」


「逆ですよ

 俺はね、普段の仕事柄沢山の悪意や欲望、それから恨みや殺意と向き合ってきたんです

 だからね、神様みたいな者の方が良くも悪くも純粋だなぁ~って思うだけですよ」


頭にはてなを浮かべながら・・


「普段はどんなお仕事されてるんですか?」と恐る恐る聞いてくる尾崎さんに


「刑事です。

 俺ね、警察官です!」と敬礼をした


「え!?刑事さん!?」

「そうですよ。

 普段は皆さんの安全を守る為に働いてます」

「お・・・お世話になってますっ!」


お世話になってますって・・・・


「ぷ・・・あはははは。尾崎さんっていい人ですね」

「え?ありがとうございます?」

「尾崎さんはそのままでいてくださいね。

 で・・・俺はたまにここに来てお話したり、手伝いにきますんで

 よろしくお願いします」

「こちらこそ。

 それにしても・・靖明くんの紹介だからてっきり同業者だと・・・」


それ。あながち間違ってませんよ~と内心で思いながらも俺は合えて言わなかったのだ

内緒にしていると言うことはきっとなにか意図があるのだろう

俺に関してはそもそも性格からして本当の事を言うだろうと思われてそうだしな・・・

ま、いっか


「あははは、そう思いますよね

 俺ね、靖明さんとは友人なんですよ

 人手が足りないって言うのと今回のお告げで俺ってわかったので来たんです

 だってね・・お告げがあまりにも・・・」


そうなのだ

お告げの内容が余りにも具体的過ぎて面白かったのだ

だって”御門靖明の友人にいる森誠一と言う男に手伝いに来させるのじゃ”だよ?

名指しで俺は指名されました


「ああ・・・そうですよね

 わかりやす~い。お告げでしたもんね」

「あれには私も笑ってしまいましたね」

「あ・・・そうだ。これどうぞ。

 是非本殿で神様にあげてください」


俺はいつもと同じように”御神酒と稲荷寿司”を渡した


「これは?」

「ここの”女神様の大好物”です」

「え?女神様の?」

「そうで~す

 俺がお供えしないと夢枕に立たれますからね~」


「ぷ・・・なんですかそれ?」


「いやいや、笑い事じゃなくてね~実際にあったんだよ

 仕事で忙しくてうっかりしちゃって・・・そしたら夢で”次の休みの日に近くの稲荷に納めよ”ってね」

「・・・・・ぷっ・・本当に君っ・・・予想外というか・・」


「良く言われますよ

 俺としては至って真面目なんですけどね~」

「うん。そうだね。」


それからも色々な話を沢山した

尾崎さんのおじいさんが実は凄い巫女さんだった事

巫女と言うのはあくまで役職の名前で男女関係ないと言うのもはじめて知った

それを言うと”森さんの知識って酷く片寄ってるんですね~改めて神職じゃあないなと思いましたよ”


「そりゃそうですよ

 俺は刑事ですからね!人よりちょっと知識があるってだけです」

「なんか、もったいないですね」

「そう言って貰えて嬉しいです

 けど、俺は刑事って仕事が好きです。なので・・ごめんなさい」

「ふふふふ・・・いいですね。お仕事を好きって

 私もです。おじいさまに憧れてこの仕事に就きましたけど、今では大好きです」


仕事は違えど同じ”人間を守る仕事”をする俺達は根っこは同じなんだろうな~とのんきに考えていた


「さてと・・もうひと頑張りしますか!」

「そうですね!そうしましょう」


俺と尾崎さんはまた社務所に戻り今日の仕事を終わらせるべく仕事をする

仕事が終わると俺は挨拶をして帰路につく

帰り際に鳥居の奥できれいな巫女服に狐の面をつけた女性がぺこりと挨拶をしてきた

俺も腰を折ってお辞儀をして挨拶を交わした

こうしてこの日の仕事は終了したのだ





だけどこの数日後に尾崎さんとの出会いが思わぬ事態に発展していく

そう、これは正しく”神様が結んだえにし”だったのだ


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