平和的交渉43
「いい加減にしろ! お前達がどうしようと、それはあくまでお前達の勝手だ、好きにするがいい! 気に入らなければ力尽くで止めるだけだからな! だが、俺の仲間を侮辱する権利はお前には無いだろう!」
「まあ、俺の杞憂ならそれにこしたことは無いんだがな」
「杞憂に決まっている!」
「そうか、そうか。どっちにしろ、早く仲間達を迎えに行ってやった方がいいんじゃないのか?」
「五月蠅い! お前に指図される謂れは無い!」
そう言って西園寺は森の中に消えた。全速力で去っていったのは、余程仲間に会いたかったのかなんなのか。まあ、深く追求するのはやめておこう。
「さて、我が傭兵団の諸君はついてきてくれ」
俺は、西園寺の登場によって中断された話の続きをするために高木派の面々を人目につかない森の中に集めた。捕縛した意識の無いアークデーモンは、いつ目を覚ますかわからないため自然と俺達が身柄を預かることになり、今も簀巻きにされて数名のメンバーに引きずられている。
「俺が最善手を打っているということが、これで証明できたと思う」
「は? なんでだよ?」
杉下が心底わかっていなさそうな声を上げた。
「では、俺がこの村の人々から物資を提供してもらうに当たり、略奪という手段を取らなかったことが最善手であるということに異論がある者はいるか?」
「西園寺と事を構えないためにあくまで村人達との合意の下での契約という体裁に拘ったということか?」
俺は無言で頷いた。
「まあ、確かに、言いたいことはわかる」
杉下はついに俺の方針に正当性を認めた。
「俺は割と最善だと思うよ。というか、この手の問題は高木が間違えるなら誰が考えても間違えるでしょ」
加藤に至っては脳死全肯定である。こいつなりに考えた上でのことなのはわかるが、俺としては杉下のように疑ってかかられた方が気が楽なのだが。
その他の面々にも視線を向けたが、皆一先ずは納得してくれたようだ。これで、話を次に進めることができる。




