↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者より軍隊の方が使えることに気づいてしまった件  作者: 亜和鵶吾明
第1章:平和的交渉
30/76

平和的交渉22

 グングニルを解体して検証を行なったところ、問題点がふたつ浮上した。ひとつは刃の強度が足りないこと。純オリハルコン製ではなく鉄との合金にすることを選んだ弊害で、普通の鉄剣に比べれば微々たるものではあるが刃の摩耗が起きているとのことだった。もうひとつは付与魔法の力不足である。このスケールの刃を動かすのならともかく、この100倍の重量の刃を同様の速度で動かすのは不可能であるということだった。

 この問題の解決はは両方共が困難だった。まず、刃の摩耗に関してだが、「グングニルを2つ作成し、片方を使用している間にもう片方をメンテナンスできるようにしてはどうか」という案が出た。しかしこれは本末転倒で、そもそもオリハルコンが足りないから鉄を混ぜているのに、またオリハルコンを調達して同じものをもう1つ作ることなどできるはずがなかった。もう1つ作れるだけのオリハルコンが集まるなら、純オリハルコン製の刃を作った方がよいだろう。そしてもうひとつの重量に関する問題。鉄を混ぜることによって軽量化してもまだ重いというのなら、素材を変えるかこの設計自体を諦めなければならない。

 「この案も放棄するべきか」という考えが俺の中で権勢を掌握しつつあった時、ひとりの小柄な老人が俺に興味深い話をしてくれた。曰く、彼の故郷には溶岩の泉があり、そこには太古の巨人に纏わる伝説がある。曰く、彼の巨人は彼の時代にその地を守護した英雄だったが、彼の武器は灼熱を帯びた長棒であった。曰く、その棒は彼が扱う限り、彼の敵のみを焼き払ったが、巨人が没した時、その身に宿した灼熱を解放し、彼の骸諸共その一帯を呑み込んだ。曰く、今ではその場所は溶岩の泉と化し、灼熱の棒は今でもその泉の上を漂っている。

 その話を聞いた俺は、すぐにその老人に故郷へ案内してくれるよう頼んだ。老人は最初からそのつもりだったようで、快く諒解してくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。