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勇者より軍隊の方が使えることに気づいてしまった件  作者: 亜和鵶吾明
第1章:平和的交渉
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平和的交渉20

 グングニルの構想は至ってシンプル。「北からしか敵が来ないなら、射程と威力、そして貫通力に特化した大型固定砲台で掃射すればいい」というもの。しかし、実際に開発するとなると問題が山積みであることに気づいた。

 最初に突き当たったのは砲弾を何にするのかという問題である。入手が容易で大量に消費しても枯渇しないものが望ましかったのだが、不運なことに鉱物類が国内で既に不足し始めていた。王家の力をもってすれば大抵の素材は調達できないということはないが、今後の展開次第で鉱物の流通が激減することも考えられるとのことで、弾幕で魔王軍を掃射するという計画自体が王に待ったをかけられてしまった。

 しかし、そこは21世紀の高度文明社会に生まれた我々である。物質が無いならエネルギーそのものを飛ばせばいいじゃない、ということで、炎魔法をエネルギー源としたレーザー光線で敵を焼き切る方法を考案した。考案したのだが、それはそれで別の問題が生じた。消費するエネルギーが大きすぎたのである。複数人の魔力を合わせる儀式魔法を利用すれば発動させること自体は理論上可能だが、王国中の魔法使いや神官を集めることができたとしても、日に3回撃てるかどうかという数値だった。魔王軍が絶え間なくやってくる状況下で日に3回では数時間と持たないだろう。加えて、通常の大砲サイズの試作機を用いた実験では、光をイメージ通りに収束させることができず、射程がとても短く、温度も思ったほど上がらなかった。それと、これは考えてみれば当然のことだが、レーザーが光である以上、物体に遮られればその後ろには届かないわけで、射線から敵の身体が無くならない限り別の敵へダメージを与えることができないのである。つまり、敵に命中したとしても、レーザーがそれを貫通するか、最低でも負傷するまでは照準を固定する必要があり、その条件を満たした時に漸く次の的を狙えることになる。これは明らかにコンセプトに反する。

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