1933話 それぞれのやること65
当たり前
「ふぅ・・・・・・・・・・・・」
湯船に入って足を伸ばしながら隅に頭を預けてぼーっと天井を見つめながら呼吸をする。
車内でも俺の会話がどこか上の空のような感じになってしまっていて、少し重い感じになってしまったような気がする。
家に到着して荷物を降ろすと葉君に先にお風呂に入るように進められてお言葉に甘えて先にお風呂に入ることにした。
お風呂にお湯がたまる間もなんだか微妙な会話をしてしまっていて、いつもよりお湯がたまるのが妙に遅く感じた。
葉君とは別に喧嘩をしているわけじゃないのにどうしてこんな感じになってしまっているのか・・・・・・
「はぁ・・・・・・」
浴室内に大きな溜息の音が広がる。反響しているせいかそもそも声が大きいのかは分からないが、いつもより耳障りな音に聴こえて気になった。
『・・・・・・・・・・・・』
浴槽に顔を沈めて水の中の音を感じながら空気の持つ限界まで顔をお湯に沈める。
苦しさが増すと頭の中でモヤモヤとしていたものが無くなっていくような気がして、限界を超えてもまだ頭を水の中につけたままの状態で我慢する。
「ぶはぁ!?はぁ、ごほっ、こほっ、くほっ・・・・・・ふぁ、はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
浴槽の淵に手を置いて咳をしながら呼吸を整えていく。
両頬を思いっきり叩いて意識を覚醒させる。
馬鹿なことをしているなと思いながらも少しだけスッキリとしている自分の頭に苦笑してから浴室から出ていく。
体を拭いて当たり前のように置いてある着替えに感謝して着替えてからリビングの扉を開ける。
当たり前のように空腹感を増すような美味しそうな匂いが広がっている。
これが当たり前って思えるのはかなり贅沢なことなんだと再認識した。
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