1928話 それぞれのやること60
自分のことは
「すまんのぉ、せっかく付き合ってもらったのにこんな結果になってしまって・・・・・・」
爺さんが俺の目の前に座って申し訳なさそうに頭を下げる。
「やめてください。勝負を受けたのは自分ですしどんな結果になったとしても文句なんて無かったですよ。ただ予想外の結果になったなと思って・・・・・・」
額から流れる汗をハンカチで拭きながら苦笑する。
外の空気が冷たいのが理由ってわけではないと思えるぐらいに背中に流れている汗は冷たかった。
「予想外ってことはないぞ。予想通りだよわしからしたら。前と一緒でわしはお前さんを投げることはできないと思う・・・・・・」
「いやいや、あの状態からならいくらでも投げられたはずですよ。俺の想像ではもう投げられて空を見てましたから」
お世辞でもなく本当にそう感じていたので自分の言葉を伝える。
「確かに投げに行っていたら投げられたかもしれん。ただ体がそうは動かなかった・・・・・・」
爺さんは大きく溜息をついた後に立ち上がる。
「爺さん、もしかしてどこか体が悪いんじゃないですか?病院に付き合いますよ」
「気持ちは嬉しいが調べたら病院で一生を過ごさないといけなくなるかもしれんからのぉ。それは嫌だから行かんわい」
「いやいや、それなら尚更病院に行かないといけないじゃないですか。今からでも救急とかで探せばいけますから行きましょう」
こういう時に携帯電話を使いこなせたら調べるのも難しくないはずなのに、自分の機械に対する能力がないことが歯がゆく思う。
「わしのことは大丈夫だかは早く要件に向かったらどうじゃ?時間に余裕は無いんじゃろ?」
時計の時間を確認して驚く。走って行かないと間に合わない時間になってしまっていた。
俺は爺さんに頭を下げて商店街に向かって走り出した。
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