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真帆パーティー

晶がノアを見ながら立ち上がる。

「ノアさん、彩香ちゃんに説明してくるけどいい?」

「はい、できれば女医さんにも…。」

「…まぁ、仕方ないよね…。」

「ノアさん、私の好きな曲…聞いてくれる?」

美咲が顔をあげ、晶を見る。

晶が美咲の表情を見て頷く。

「はい。聞きます。」

晶が澪の横に座りテーブルに身を乗り出す、真帆と凛に手招きする。

四人は顔を寄せ合いひそひそと話し始める。

「美咲さんが音楽を聞かせてるのは私の戦略だよ。」

「…?」

「HPを減らさずに曲で自分のイメージさせるの。」

澪が晶の目を見る。

「それも記憶を無くさない為ってこと?」

「そうだよ、さっきみたいな状態だと自分で落ちますよ。」

真帆と晶が目を合わす。

「さっきのは言われるまで気づかなかったよ。」

「真帆さんが気づいてくれてよかったです。」

「あの子のごめんがメインだからな。」

「だから意識を反らすことも必要だよ。」

「なるほど、それで音楽を聞かせるのか。」

「何かいいのあったら美咲さんの次にやってみたら?」

凛は黙ってスマホをさわりだす。

「さっきの登録の時、ノアのスマホに全員をグループにしたのは?」

「あれはノアさんがレベルアップした時の情報共有の為です。」

「ほぉー、位置情報は?」

「それは…ほっといたらライバルがどんどん増えてるから…。」

晶が彩香と玲奈を指さす。

澪が二人を目で追う。

「…。」

「でもなんで増えても受け入れてんの?」

「そこなんですよ…、レベルアップするから育成ゲームっぽいところがあって…。」

「みんなで育てる…か…、たしかに…。」

「それと…どっかで気絶してたら大変だし…。」

「まぁ…それはありえるな。なら…グループ会話が私らと別でいいのか?」

「結局のところ、ノアさんの攻略は個人だから…。」

「それなら大勢ってのもやりにくい…か。」

「数人のパーティーの方が動きやすいかと…。」

「パーティー!?…ほんとにゲームっぽいな。」

「みんなで情報共有しないと、美咲さんのような人が増えちゃうし…。」

「無作為に飛び込めないですね。」

「それだとみんなにルールがいるのか?」

晶が驚いて顔で真帆を見る。

「…!見落としてました…ルール…いりますよね!?」

「ノアさんの行動ルールですか?」

「違うよ、私らのだよ。」

「…、好きってだけで…すごく変な感じですね。」

「あのHPと記憶無くすのが…それにスキルが…。」

「アイツややこしすぎだな。」

「晶さんがこないだ沼って言ってたのがわかってきました。」

「沼?」

澪が目線を下げる。

「好きって…伝えるのも難しいし…感情の行き場が…。」

「…沼、…沼だわ。」

「とりあえずルールはまた別の機会に…。」

「そうだな、美咲…ちゃん…の間が持たないな。」

凛がスマホをテーブルに置く。

「私から行ってもいいですか?」

「目線は合わせないようにね。」

「了解です。」

凛がスマホを持って立ち上がり、晶が座ってた位置に移動する。

「真帆さんやっぱりリーダー向きですね。」

「えっ!?」

「ルールについてはパーティー内の意見をまとめて、私と真帆さんで決めませんか?」

「…リーダーってのが…。」

澪が真帆を見る。

「私はそれでいいですよ。」

「最終的にはみんなの合意はもらうけど…。人を蹴落とすことは無しにしましょう。」

「そうだな、アイツも今回のことでショックは受けてたからな。」

「実はもう一個問題があって…、愛助って人が…。」

「誰?」

「ししょーってノアさんが言ってる人で、スマホ見たら…。」

晶が目線を下げる。

「…どうしたの?」

「…風俗とかメイド喫茶が勧められてて…。」

「………。」

「…経験でレベルアップするかはわからないけど…一発アウトだと思うんですよ。」

「…アイツどのぐらいは耐えれるの?」

「最後に聞いたHPは70かな、ダメージはさっきの彩香ちゃんの言葉と自分で繰り返したから結構ギリギリだと思う。」

「言葉でギリ?」

「好きとかキスは言葉でもかなりヤバいです。しかも自滅しますから…。」

「弱すぎる…。」

「凛さんの何見せたかって結構アウトです。」

真帆と澪がノアの横でスマホをさわる凛を見る。

「えっ?」

「さっきの会話で意識してくれてると…。」

「あれ…距離近いですよ。」

真帆が会話から抜けてノア側に寄る。

「晶ちゃん…また後で…。」

「晶さん、私も美咲さんの横に移ります。」

「はっ、はい。」

澪は美咲の隣に移動する。

晶は立ち上がり、カウンターへ移動する。


彩香と玲奈の間に座り、分かっている事実を細かく説明し理解させる。


「…そのふざけた名前のスキルに私は翻弄されてたの?」

「…まぁ、そういうことですね。」

「…病気…でもないし…何者?」

「………、さっぱりわかりません。」

「今後は私も同席してもいい?」

「…そらそうですよね、そうなりますよね。」

「ダメなの?」

「いえ…、いいんですよ。ノアさんがいいならですけど…。」

「…支えられなかったのは『色メガネ』です…って説得力あるの?」

一番端で聞いてる紗也が反応する。

「…たしかに…診察では不自然な動きをいっぱいしてましたよね。」

「だって医療行為で目を見るって普通なのよ。」

「まぁ…、知らなかったとは言え起きた事実は美咲さんと一緒ですから。」

「…それなら私が食べかけのピザ食べたのも『色メガネ』じゃん。」

「…それは…その前にあんたは私のチャンスをつぶしたの。」

「…ごめんって…。」

晶が顔を下げる。

「『色メガネ』ってマジで困る…。」

「なんで?私はセーフだよ。」

「玲奈さんと私はアウトだよ。」

「ねぇ、紗也さん、私と一緒に話しに行ってくれない?」

「…、…いいですよ。」

玲奈と紗也がカウンターの席を降りる。

「私もいきたーい。」

「あなたはもうちょっと待ってな。」

晶の目力が彩香を石像のように動かなくさせる。

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