温もりカウンター
ノアはコンビニの前に立っていた。
横から店に入る男性について入る。
商品が棚にぎっしり並んでいる。
「すごっ」
入ってすぐのお弁当コーナーで止まる。
「へぇーいっぱいある、おぉーお肉もあるじゃん。」
カルビ丼598円を手に取る。
「うまそぉー、これと……飲み物は……、あっちかな。」
飲み物コーナーに立つ。
「えー、多すぎて選べないじゃん。ってか高い。」
「帰って水道水でいいか。」
レジに向かうと遠目に黄色の光。
「あれなんだろう?」
レジに向かうと黄色の光の中には鳥の揚げ物が並ぶ。
「うぁーこれも食べたい。」
レジに立つとしゃがみながら商品の陳列をしていた店員さんが、立ち上がり駆けてくる。
「いらっしゃいませ。」
「忙しいのに俺の為にかけてくるなんて、ごめんね。」
「どっちも仕事なので大丈夫ですよ。」
「こちら温めますか?」
ノアがよくわからない顔をする。
「温めた方が美味しいですよ。」
俺の為に温かくしてくれると思う。HP-1(残り29)
「はい、じゃぁお願いします。」
店員さんが弁当をレンジに入れ、奥のフライヤーに目が行く。
「646円ですね。」
ポケットから1000円札を取り出す。
「354円のお釣りですね、お弁当は…もうちょっとお待ちください。」
店員さんが左手を俺の手の下に添えて右手でお釣りを置く。HP-5(残り24)
「柔らかい暖かい手ですね。」誤爆HP-1(残り23)
店員さんがアメリカンドッグをフライヤーからトレイに置く。
「あのー、それは?」
「今出来たばっかりの熱々だから美味しいですよ。」
俺の為に作ってくれたと思う。HP-1(残り22)
「それ、一つください。」
「はい152円です。」
お釣りを握っていた手を広げる。
そこから取って欲しいと思ったのか、また左手を下に添える。HP-5(残り17)
「100と50……2円。ちゃんともらいました。」
店員さんが少し首を横に傾け笑顔になるのを直視してしまう。HP-2(残り15)
袋にお弁当とアメリカンドッグを手早く入れてくれる。
ノアは流れるような手つきに感動する。
「スマートな動きですね。」
「こちらをどうぞ、熱いから気を付けてくださいね。」
「あなたの言葉も暖かいですね。」
「えっ!?あっ、ありがとうございました。またお越しください。」
「ありがとう、また来ます。」
歯を見せて笑う口元を見る。HP-1(残り14)
歩いて家に帰る。壁の鏡で頭の上のHPを見る。
「残り14。手を2回も触られちゃった。」
手の温もりを思い出す。誤爆HP-2(残り12)
床に座りお弁当とアメリカンドッグを取り出す。
「うぁー、ほんとに温かい。あの店員さんの手みたいだ。」
また手の温もりを思い出す。誤爆HP-1(残り11)
「どっちも美味しい。店員さんが美味しいって真心が入ってるんだな。」
「また来てって言ってたし、また行こうっと。」
……温もりカウンター改め真心弁当完食。




